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【SS】お題を頂いたのでスレ建て
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0002名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:35:59.28ID:C9/WrPZE
お題 隠れて付き合ってる志満曜

 あなたを好きになったその日に
 新しい日記帳を買いました、そのような歌があります。

 その歌は悲しい結末に至ったと想像される歌なのだけれど、
 ハッピーエンドしか訪れない――
 付き合い始めにはそのようなことが日記帳に記されていました。

 今はただそれを疑わずにいる。
 それこそが他の女の子に向けて笑顔を向ける。
 渡辺曜ちゃんを信じることが、私ができる唯一のことであると信じて。

「志満さん、ヨーソロ」

 敬礼のポーズをしながら曜ちゃんが私に微笑みかけます。
 さん付けで呼んでいるのは、他の人の目があるから。
 いつもみたいに抱きしめてこないのも、
 甘えるように鼻をこすりつけてこないのも、
 では私の身の回りに人がいるからです。

「ヨーソロってやればいいの?」
「キャラ的には珍しいでありますな」
「あら残念、あと五年早かったら」
「志満さんは十分に若いであります」
0003名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:37:15.37ID:C9/WrPZE
 嬉しいことを言ってくれます。
 当然ではあるのですが彼女の幼なじみである千歌ちゃん。
 私の妹でもあるのでどうせ私よりも年下です。
 自分と比較してしまうと若さが足りないな――なんて、
 考えてしまうのですが。

「あと30秒」
「何が?」
「千歌ちゃんがここに駆け込んでくるまで」
「キスのひとつぐらいは」
「あと5秒」
「残念、あれが1日のエネルギー源なのに」

 ドタドタこちらに慌てて駆け込んでくる千歌ちゃんの足音。
 どう考えても渡辺曜ちゃんに好意的なのは明らかで、
 それが幼なじみとしての関係の延長線上であるのか、
 私みたいに本気であるのか、
 そこまではお話をしたことがないので分かりません。
 お姉ちゃんに取られるのは嫌、
 みたいな感じでよく一緒にいるところを邪魔されてしまいますが、
 ――私もそのつもりはなく。
0004名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:37:45.79ID:C9/WrPZE
「もぉー曜ちゃん! 置いて行かないでよ!」
「Aqoursのセンターとして走力を確かめたくて」
「えぇー?」
「千歌ちゃん、私におはようはないの?」
「志満ねえ! おはようございます! 
 朝の挨拶は基本だもんね!」
「はい、おはようございます
 あんまりお話ししてると学校に遅刻しちゃう
 さ、急いだ急いだ」

 慌てたように浦の星女学院に向かう、そんな二人を眺めながら
 私はついつい手を握ってしまっているの気がついてしまい、
 まさにしま(志満)ったなんて考えてしまうのです。

「年を取ったかしらね、
 つまらないオヤジギャグが常に頭にはびこる

 お父さんの事を笑えない」

 あと、自分の嫉妬心も。
0005名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:38:45.93ID:C9/WrPZE
お題 千歌(ノンケ)×梨子で千歌を次第にその気にさせていく的(お題未達成気味)

 桜内梨子ちゃんは私との距離が近い。
 ――高海千歌はそんなふうに思うのです。

 Aqoursに入って欲しいなんてお願いした時に
 二つ返事で了承するには条件がありますと、もったいぶったことを言って。
 思えばあの時作曲も自分で何とかしようと思ってさえいれば、
 こんなふうに熱烈なアプローチをかけて来られることもなかったと思えば
 後悔などせずにはいられない気がする。
 
 以前こんなこともありました。

「千歌ちゃん、フランクフルト食べる?」
「なんでフランクフルトなの」
「これは、挿れたいって言う願望の隠喩」
「私にその目的を言ってしまったら
 直喩になっちゃうんじゃないのかな?」
「あら残念、欲望がダダ漏れだ
 あまりにも千歌ちゃんが好きすぎるから」

 性的なことに疎いなんとかAqoursのメンバーから揶揄されることもありますが、
 年ごろの女の子としてはそれなりに知識はあるのではないでしょうか 。
 とはいえこちらからマウントをとるように、
 挿入させるものを持ってないでしょなんて言ったら、
 分からないから一緒にお勉強しましょう?
 なんていわれて復讐されるに決まっています。
0006名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:39:28.08ID:C9/WrPZE
「梨子ちゃん、朝はいつも私の部屋に駆け込んできて、
 しいたけやお姉ちゃん達の目もかい潜ってきて
 しつこいぐらいなのに、今日は来ない、風邪でも引いたのかな?」

 いつも邪険にしてしまうほどアプローチをかけてくる梨子ちゃんなのに、
 今日は何かがあったのか――おそらく風邪をひいてしまったのでしょう。
 全裸で自慰行為に励むとメールが送られてきて、
 そんなスパムみたいなことをするとメールを届かない設定にするよ
 なんて送信しておきました。

「毎日毎日よくも飽きないなーって思ってたくらいなのに、
 そんな騒がしい日常に慣れきってしまっている
 本当にしょうがない梨子ちゃんなんだから」

 なんとなく暗い気分になりながら、
 十千万で朝食を済ませて外に出て、
 今もなお梨子ちゃんや曜ちゃんの姿がなくてなんとなく不安に思う。
 どちらもいつも私そっちのけで喧嘩しながら登校をするので、
 二人の声が聞こえないと寂寥感を覚えてしまう。

「……え?」

 しばらく歩いているとバスの停留所のところで曜ちゃんと梨子ちゃんが
 仲睦まじげに、手を握り合いながら会話しているのが見えました。
 まるで付き合い始めのカップルみたいで、
 その時私の心はひどく痛みました。
 苦しくて過呼吸になるくらい息を吸ったり吐いたりしてしまって、
 思わず。
0007名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:39:54.59ID:C9/WrPZE
「私だけを見てるって言ってくれたのに」

 自分が何だか特別なものであるかのように、
 そう信じてしまうほど好意を寄せられていると思ったのに。

「……おはようふたりとも」
「あら千歌ちゃん、今日もかわいいわね」
「そういう言葉は、曜ちゃんにかけてあげた方がいいよ」
「ふふっ、これはトラップよ」
「トラップ?」
「押しても駄目なら引いてみな
 嫉妬心を刺激してあなたの気を引こう――そういう作戦」
「すごいね効果的だよ」
「……千歌ちゃん怒ってる」
「全然まったくこれっぽっちも? 梨子ちゃんの勘違いじゃない?
 バスが来たよ二人はイチャイチャしてれば?」



「私やらかした!? 渡辺ァ!」
「ようやく気づいたでありますか、策士策に溺れる
 滑稽な風景でした」
「手を離しなさい! 土下座するから!」
「まあまあ、いいじゃない、たまにはおてて握って」
「ああ、嫌われた、渡辺のせいで! 渡辺のせいで!」
0008名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:40:41.87ID:C9/WrPZE
お題 初期同学年設定ちかダイのドタバタコメディ

 幼なじみで同じ歳のダイヤちゃんは生真面目。
 堅物といった表現が一番適切で、後輩にあたる曜ちゃんは
 あればまさにダイヤモンド的な硬さでありますな!
 なんて笑います。
 私も負けじと、ダイヤちゃんがブリを切っていたら
 まさにブリリアントカット! という渾身のギャグを飛ばし、
 二人で笑いあっていたら音もさせずにダイヤちゃんが後ろに立っていて、
 曜ちゃんと一緒に正座をさせられました。
 途中何らかの理由でルビィちゃんも追加させられました。

「千歌……何を笑っているの?」
「また渾身のギャグ思いついたんだよ、南ことりちゃんを見て!」
「思いつくのは構いませんけど、それを表情に出すのは良くないわ」
「思いついちゃったらはしょうがないんだよー」

 反省はしません。
 ちょっと硬いタイヤさんを相手にすると、
 その硬さゆえに、人から緊張させてしまう彼女が、
 意外とメンタルが弱いということを私はよく知っているので。
 おバカではありますがおバカキャラを開いて演じているのです。

「他の人に披露されても迷惑です
 生徒会室ならば大きな声でいつものように叫んでも構いませんよ」
「このギャグはダイヤちゃんも笑っちゃうネタだからなー」
「このわたくしがあなたのつまらないギャグに笑うとでも?」

 確かに私の前でただの一度も大笑いの一つしたことのないダイヤちゃんが
 とっておきのネタであるとはいえ大爆笑間違いなしというのは
 過剰な表現である可能性があります。
 とはいえかなり思って披露することになるので、
 私はそれなりの自信を持って胸を張ることにしました。
 何故だかギャグを披露する前にダイヤちゃんの視線が厳しくなった気がします。
0009名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:41:08.26ID:C9/WrPZE
「南ことりちゃんが一生作りで集中していたから
 肩が凝っちゃったみたいまさに!
 南ことりちゃんのお肩がコッティー!

 あーこれはね、ことりちゃんのあだ名がコッティーであることを」
「相変わらず面白くないギャグですね」
「もっと勢いつけていた方が良かった?」
「何をどう改善したところで面白くなる要素はひとかけらもありません
 千歌、先ほどヨハネが探していましたよ?
 声をかけたのだから最後まで責任をもって相手をなさい」

 はーいと一言返事をしてAqoursのメンバーのヨハネちゃんを探しに行きます。
 彼女は生真面目だから笑ってくれないはずです、
 仮に笑ってくれるとしてもすごく気を使われる気がするので、
 殊勝な私はヨハネちゃんに対してはギャグを控えようと思うのです。



「く……フフ……今日も千歌のギャグはとても素晴らしいものでした
 笑いをこらえてしまい何となく怖い表情になってしまったかもしれませんが
 それは千歌が恐ろしく素晴らしいギャグをかっ飛ばしたゆえ

 フフフ……フフ……」
「お姉ちゃん」
「いつからそこにいたのですルビィ!?」
「最初から?」
「あなたは何も見ていなかった、いいですね?」
「うん、千歌ちゃんの逆で悶絶するほど笑っていたけど
 ルビィは見なかったことにする
 
 お腹空いたなー甘いもの食べたいなー」
「このわたくしを強請ろうと?」
「穏便に解決するためにはあえて出費をすることも必要だと思う
 お父さんが言ってた」
「クッ! 好きになさい!」
0010名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:41:36.46ID:C9/WrPZE
じもあいで曜の卒業

  蛍の光が流れるそんな卒業シーズン。
 Aqoursは浦の星女学院の廃校を防げず、
 統合先の高校で人数が増えてしまった先輩方と、
 渡辺曜の卒業を私は眺めた。

 なんだか無駄に有名になってしまったせいか、
 それとも確変的に勉強ができるようになってしまったせいか。
 多くの後押しの結果私は生徒会長になった。
 会長として忙しく、堕天使キャラをしている暇もなく、
 卒業式で送辞を言うなんて自分のキャラにふさわしくない結末を迎える。
 
「堕天使が送辞を言うなんて
 まさに社会の掃除? で千歌は言っていたけど
 よくわからないギャグよね? 何をかけた言葉なのかしら?」

 卒業式の頃には桜は咲いていない。
 入学式の頃には桜は咲いているだろうか。
 その頃には彼女たちが卒業したことなど遠い昔のように感じるかもしれない。
 今と同じように恐ろしく忙しい日々が、
 これからも続くんだと思うとAqoursのことを忘れてしまいそうになる。
0011名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:42:04.27ID:C9/WrPZE
 悲しくもあり、嬉しくもある。
 私が私の居場所だと思った場所が音もせずに崩れ落ちて、
 その悲しみに忙しさで触れずにいられるから。
 卒業したみんなとは連絡を取っていない。
 シスコンのお姉さんはたまにやってくるけど、
 私まで妹扱いするのはやめてほしいと思う、ただでさえ妙な噂があるのに。

「いたいた、堕天使ヨハネ」
「曜」

 屋上で黄昏ている。
 卒業式で盛り上がる生徒たちを眺めながら、
 これから自身に降りかかるであろう仕事量を考えると憂鬱にもなる。

「千歌や梨子はいいの?」
「卒業生には第二ボタンが贈れないでありますからなあ」
「そのマイルール初めて聞いたんだけど」
「え? 違うの?」
「そんなルールはないわ」

 花束かなんかではないのだし、
 そもそも第二ボタンは人に送るようなものではない。
 なんとなく別れが惜しくて、それがボタン引きちぎる行事になったと聞いている。

「私を探していたの?」
「そう……あ、ヨーソロー」
「キャラを忘れたならキャラ作りはしなくていいの」

 ラブライブの優勝を果たしても、廃校を防げなかった件については
 喉に突き刺さった魚の小骨みたいに、ためらいであるとか、
 衝動であるとか、悲しみにあるとか、多くの感情私たちに喚起させる。
0012名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:42:31.05ID:C9/WrPZE
 私はみんなより一足早く堕天使キャラを卒業し、
 曜も軍人みたいな態度をするキャラクターは
 リクエストに応えてということだけになった。
 梨子もめったにピアノを弾くことがなくなったし、
 千歌も……千歌は何かあったかな?

「私のボタンを渡すにはよっちゃんかなって」
「へえ、それは嬉しくない、僻まれそう」
「そこはせめて卒業生には黙っていることにしよう?」
「堕天使は空気が読めないのよ? とても残念なことに」

 空を見上げながらそんなことをつぶやき。
 もと浦の星の面々からは私たちのことを忘れさせないでとお願いされているし、
 静真の面々からは微妙に悪評が先んじている。
 どちらからも嫌われるカラスみたいな存在だな、
 ダイヤが度々憧れであると語っていたエリーチカなる生徒会長の
 巨大掲示板での扱いみたいだ。

「千歌をよろしく、
 いい加減あの張り付いた笑顔やめさせて」
「よっちゃんが第二ボタンもらってくれたら」
「はいはいもらうわよ、たく、まさに第二ボタンの誓いって?」
「何それ」
「忘れて」
「スマホでググっていい?」
「私は生徒会長辞めさせられちゃうかもしれないからやめて」

 少し会話をした後、千歌と用事があるからと言う
 帰り支度をする曜の背中を見送った。
 
「ばいばい、さようなら、
 さようならはまたねの意味じゃない
 さようならはさよなら……」
0013名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:42:59.78ID:C9/WrPZE
ダイせいで間接キス

 聖良は激怒した。
 必ずあの邪智暴虐の王、もといブロッコリーを排除しなければならないと決意した。
 聖良にはブロッコリーの気持ちはわからぬ、
 分からないけど味わうととてもまずいものだということは知っている。
 ハンバーグの付け合わせについてくるブロッコリーを眺めながら、
 私、鹿角聖良は何とかしてこの存在を排除しなければならない、
 その義憤に駆られ続けていた。

「理亞はルビィさんと
 千歌さんは2年生組と……
 トレード相手が近くにいません、
 なれば見られないうちに無償トレードをするほかありません」

 あえて言うならばこのブロッコリーたちはセリヌンティウス。
 私の隣にいる黒澤ダイヤは邪智暴虐の王。
 鹿角聖良は走ってなどいませんが心情的には心臓がバクバクしていて、
 もうそれは走っていると仮定しても構わないのではないでしょうか。

「聖良さん?」
「なんでしょうダイヤさん」
「そのブロッコリーとても美味しいですわ」
「……知っています、だからあなたに食べていただきたいのです
 とても美味しいですから」
「過去に妹のルビィが食べられないものを食べられるようしつけた時
 私はその処理に追われました
 同じことができますか?」

 彼女が言うには少しずつなら食べてみても構わないと、
 そんなことを言うのでルビィさんの食べかけのものを処理していたそう。
 当時から妹が大好きなドシスコンであったことを疑いようもない
 エピソードを披露されてしまい。
 あーそうですかという気力もなく、ブロッコリーの無償トレードは失敗。
0014名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:43:38.39ID:C9/WrPZE
「少しでも食べてみては、
 後は私が処理しますから」
「エターナルフォースブリザードという言葉をご存知ですか?」
「何でしょう? 聞いたことがあるような気がしますが」
「その必殺技が発動されると相手は死ぬという言葉です
 つまりブロッコリーを食べると私は死にます」
「真顔でそんな嘘をつかないでくださいます?」

 嘘ではないと主張する元気もありませんでした。
 このままでは埒が明かないのでちょっとでも食べたふりをして、
 後は食べられないと彼女に処理してもらうことにしましょう。
 さすがは私ですまるで隙がない、
 千歌さんもこのエピソードを知れば尊敬の度合いを深めるでしょう。
「……もう食べられません」
「口に近づけただけのようにも思えましたが」
「口に近づけたということは、つまり食べたということと同義ではないですか?」
「まるで同義ではありません。せめて口の中には入れてください」
「口の中に入れてしまったら飲み込むほかないではないですか
 食べ物を粗末にするんではないと佐倉杏子も言っていましたよ」
「一体どこの誰の話をしているんです?」

 ですがこのままにらみ合いをしながらブロッコリーを眺めていると、
 鹿角聖良はブロッコリーを食べられない疑惑が
 Aqoursのメンバーの中に広まってしまいます。
 それでは千歌さんの尊敬の念が地に落ちてしまいます。
 どちらかと言うと蔑まれるような視線を向けられるようになり、
 それはそれで悪くありませんね?
0015名無しで叶える物語(やわらか銀行)
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2019/05/26(日) 04:44:17.83ID:C9/WrPZE
「ブロッコリーといえばデ・ジ・キャラットというのが昔」
「アサミつながりですか? さっさと食べてくださいな」
「くっ……理亞ならば騙されてくれるというのに」
「どこの学説ですかそれは」
「神学者のカール・レフラーが」
「騙せていないようですよそれ」

 お硬いあまりにも硬い、ダイヤの名が示すとおりです。

「ノムさん!」
「南無三といいたかったんですか?」

 脳内でぼやきを続ける野村監督に祈りながら、
 私はブロッコリーをひとかけらを食べきることに成功しました。
 青い味が口の中に広がり、苦味であるとか、エグミであるとか、
 とりあえず人間の食べるものではなさそうなそんな味が口の中に広がり
 気持ち悪くなってきそうです、千歌さんに気持ち悪いと罵ってほしいです。

「よく食べられましたね、あとは私に任せなさい」
「お願いしますお姉ちゃん」
「……悪くありませんわね、これからも妹のように私を慕いなさい」
「はい」

 私はブロッコリーをひとかけかじり、
 かじられたブロッコリーをダイヤさんが処理をする。
 まるで恋人同士である――
 ブロッコリーで間接キスだと揶揄されるまで、
 その行為は続いたのでした。

 おかしいですね、遠くにいるツインテールの二人組が、
 えらく冷めた目で私を見ているような。
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