|c||^.-^||「最近シンカリオンなるアニメが流行っているようですわね」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/12(日) 22:31:08.87

SS初投稿です

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:22:25.79

頭が真っ白。いったい私はどうなるんだろうか。そんな不安が思考を鈍らせる。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:23:18.91

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！」

『 1104km/h 』

『 1157km/h 』

『 1193km/h 』

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:25:17.38

【 1125km/h 】

身体の重さが少なくなった。加速が止んだのかな……

ことり「…!! 超進化速度到達！」

絵里『今よ！！Shincaをシンカギアに挿入して、【シンカリオンに変形(チェンジ)】するのよ!!』

千歌「えっ!?はっ、はい!!」

懐からShincaを取り出して、それをシンカギアに入れた。

ガシャン…!!

ガシィン!!

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:25:48.08

千歌＆絵里【チェンジ! シンカリオン!! 】

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:27:45.48

ポーン。

《 700、シンカリオンに変形シマース》

その瞬間、私が眺めていた景色がトンネルの真っ暗なそれから、
カラフルで色んな模様が犇めく、まるでタイムトンネルのような空間へとがらりと変わってしまった。

何が起こるんだろう。

…!? 後ろが離れた!?なんで？？？

360度から機械が動いては繋がり、動いては合体する。

そんな不思議な音と感覚がとめどなく身体に響き、刻まれる。

頭がぐるぐるする。

────身体が、軽い。

変形するごとに、腕が。手が。脚が。首が。

そして頭が。

ぼんやりとした光の海に溶け込んでゆく──

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:28:08.54

【シンカリオン 700こだま】

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:29:17.37

……ちゃん、………かちゃん、…千歌ちゃん!!」

千歌「…ふぁ!?」

あれ？…私、立ってる……座っていたのに。

でも、それにしてもなんか大きい感じかするなぁ……

……メカメカしい。手、脚、身体。

ん？胸？

………新幹線だ。

え？人型？新幹線が……ロボットになってる……

これが……シンカリオン──────

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:30:11.43

ことり「千歌ちゃん大丈夫!? シンカリオン700こだま、変形完了です！
巨大怪物体は、依然として小康状態です」

私と対岸にいるでっかい怪物はまだこちらに気付いていないようだ。

千歌「これが……シンカリオン…………」

絵里「そう。これがシンカリオンなの。シンカリオンは運転士の身体の動作や思考を読み取り操縦するの。とりあえず動いてみて」

とりあえず、歩いてみる。

足を上に上げて……前に行く。

──動いた。

凄い……自分の体みたいだ…

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:30:54.22

絵里「…歩いた！いいわね…その調子！次は走ってジャンプしてみてくれる？」

千歌「了解！やってみる…やってみます！」

一歩、二歩、三歩っ。
ぎこちなく走ってみるとシンカリオン──ロボットの方も全く同じ動きをしていた。

しかもとっても身体が軽い。

この調子なら…行けるのかな？

絵里「OK！よくやれてるわ！」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:35:10.22

絵里「千歌、シンカリオンは機体だけでなく武器も用意してあるからそれも使ってみて？
…いま一つ目の武器を用意するわ。利き手は右かしら？そしたら右手を前に突き出して」

千歌「はい、右です」

絵里「OK！ことり、デュアルカイサツソードを」

ことり「了解！デュアルカイサツソード、700こだまに装備します！」

右手を前に突き出すと、閃光とともに刀身が2つ横並びになった剣を右手に掴んでいた。

千歌「これが、デュアルカイサツソード…ですか？」

絵里「YES。それがデュアルカイサツソード。敵を真っ二つに叩き斬ることが出来るの。
これからは戦闘になるから用心してね？」

千歌「えっ、はい！」

戦うってなんだろうなぁ……まだ実感出来ないや…

とりあえずあのデカブツの身体を切ってみる…？

…うん、やってみよう。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:41:20.15

絵里「まずは一発！巨大怪物体に叩き込んでみなさい」

走る…走る……！
そして……斬る！

カンッ！
刀を思い切り敵に振り落としてみると、軽快かつ爽やかな音が聞こえた。

と同時に。

ガオオオオオオオオ────！！！！！

と咆哮が。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:42:04.05

……起きちゃったじゃん！？

バシュン！バシュンバシュン！

絵里「──ｯ、気をつけて！敵が水玉を撃って来たわ！避けて！」

上を見上げると私に迫ってくる玉。

────後ろに逃げなくちゃ!?

慌てて後ろ歩きで敵から逃げる。もう少しで当たりそうだったけれど
ギリギリで避けることができた。──でもその瞬間。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:42:39.55

…ッバァァアアアアアンンン！！！！！

水玉が地面に触れ、衝撃が炸裂した。
まるで爆弾みたいだ。
全身に衝撃が伝わる。
……痛っ!!痛いっ!!
身体がゴロゴロと情けなく転んでいる感覚が伝わってくる。

千歌「…！」

絵里「焦らないで！全部避けれてる！もう一発、行くわよ！」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:43:29.41

今度はジャンプして勢いよく、斬る！

敵の後ろをぐるぐる回り込むよう全力で走る。

さっきまで痛かったけれどもう痛みは引いた。不思議だ。

そしてジャンプ…今だ！全力で振り下ろす!!

…ヅガン！！！！！

手応え有り…効いてる？

絵里「間髪入れずにもう一発！」

ええぃ、こうなりゃヤケだ。

振り下ろす、

振り下ろす、

振り下ろす！

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:44:14.77

カイサツソードを敵に切りつけるごとに、
敵の勢いが弱くなっていくような感じが伝わってくる。

────これなら、倒せるかも？

その思考が迂闊だった。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:45:01.24

ことり「千歌ちゃん避けてッ！」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:46:51.38

千歌「え！？」

ことりさんの緊張のこもった一声で反射的に身体が固まってしまう。

上を思わず見上げた。

あ、上から来る。

…………………ヤバい！

白い閃光が目に入る。

バッ……

暗転、

衝撃、

気絶。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 22:48:09.55

【暫く時は流れ────】

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:01:27.34

千歌「……」

あれ、寝てる。なんで私、寝ているんだろう。

違う、倒れてる？それにしても暗いなぁ…

なんか頭がズキズキする…

あの時たしか夢中で攻撃してて…それで、あっ…。

マトモに食らっちゃったんだな、あたし。でっかい水玉の爆弾を。

って、今どうなってるの!?立たないと!!

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:01:59.15

視界に入ったのは、とても珍妙な景色だった。

キズだらけの怪物、その怪物から切り落とされたであろう肢体。そして…私と同じ形の、白くて、青いロボット。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:02:30.64

シンカリオンだった。

曜ちゃんが乗っていたシンカリオンだった。

『────700運転士、意識回復！』

『──千歌…いえ700運転士、大丈夫ですか？』

千歌「あ…はい！大丈夫です！」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:03:25.09

『良かった。現在あなたの機体のダメージは40%。戦闘継続ギリギリのラインよ』

『あなたが捕縛フィールドに進入してから2時間30分、内気絶時間40分。
N700が20分強で名古屋付近に出現した巨大怪物体、エキスポフォレスターを撃破してくれたお陰で
あなたの援護が出来たわ。初出撃にしてはとてもいい戦績よ』

『──ともあれ、N700単機ではグレートネプチューンを撃破するには
決定打とはなり得ないのが現状。千歌、あなたはもう一発、必殺技を放って
完全に敵を撃破して欲しいの』

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:03:59.71

千歌「…ごめんなさい」

『大丈夫よ。あなたは悪くない』

千歌「はい…それで、必殺技ってなんですか」

『必殺技はシンカギアのレバーを一旦上げて、パワーを溜めてレバーを下ろすと発動するわ』

『あなたの必殺技はエアロストリームショック』

『ミサイルとキックを組み合わせた突撃技よ。攻撃自体は自動的に行われるから安心して』

「は、はい……」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:04:46.09

『……ｯ!?千歌ちゃん大丈夫!?』

「曜ちゃん！うん……私元気だよ！」

「そんな……ｯ、ごめん千歌ちゃん…守れなくって」

「いや私だって…曜ちゃんに助けられてごめんだよ…」

『二人とも？大丈夫？』

「「はい!!」」

『ならよし。一気に畳み込むわよ。曜は格闘戦で敵の攻撃を封じて、その間に千歌はエアロストリームショックのチャージを、いいわね？』

「「了解です!!」」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:07:47.90

「千歌ちゃん!」「曜ちゃん!!」

瞳と瞳を重ねて―――――――――――

「ハァァァ！！！！！」

N700が格闘戦に入った。キック、パンチ、膝蹴りエルボー。
なにをしてでも封じ込めてやるという意思が伝わってくる。

私も、頑張らないと────

シンカギアのレバーを上げて、私は狙いを定める。

まだだ。

まだだ……

もう少し…上…、

ミサイルを当てて…

突っ込むんだ……。

ミサイル……ミサイル……

飛ぶ……空を翔ける……………

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:08:52.87

────今だ!!

「曜ちゃん避けて！ミサイル撃つよ!!」

「わかった！」

「────今だ！エアロストリームショック!!」

『エアロストリームショック』

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:09:24.13

シールドに付いていたミサイルが一斉に放たれ、まるで納豆のような航跡を引いて敵へと迫る。
衝撃、轟音、閃光。
だけどこれはほんの序章、すかさず私は勢い良くジャンプした。

空中でバーニアを効かせ、何を仕込んだか空中で回転。そして一発蹴りをかます予定の脚を敵に定めた。

その刹那、落下。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:10:24.11

私は機体と共に敵へ目がけて強いキックを食らわせる。

「いっけぇェェエエ工！！！！！」

当たれ、貫け、貫いて。自由落下の質量で無限に近いパワーを持ったこの機体は敵へ目がけて墜落、いや突撃する。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:10:52.33

(……あと、少し!!)

暗転、

衝撃、

爆発！

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:15:50.70

無事にこの蹴りが敵に届いたのか敵は爆発。無事に退治出来たようだ。

「……やった……かな」

「────千歌ちゃん!?」

「──うん、大丈夫だよ。」

「ごめん……千歌ちゃん…守れなくって……」

「いや大丈夫だって……あはは」

絵里『目標撃退！二人とも、大丈夫？』

千歌、曜「はい！」

絵里『よかった…………とにかくお疲れ様。早くこっちに戻ってきなさい。』

千歌、曜「……！了解です！！」

曜「それじゃあ帰ろっか。」

千歌「うん。今日はありがとうね、曜ちゃん」

──────高海千歌、高校二年生。私、ロボットのパイロットを始めました。

【第一章完?】

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:18:57.32

疲れた…………とりあえず第一章はここまでとなります。
エピローグ的なものもありますが明日にしようかな…………

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:27:51.99

∬(_c||^ヮ^|| あまりよくわからないけどとりあえずageだな～ん

**名無しで叶える物語**(茸) · 2019/05/13(月) 23:43:41.67

なんだこいつ……
半年ROMれ

**名無しで叶える物語**(おいしい水) · 2019/05/13(月) 23:45:39.25

かまってちゃんすぎひん？

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:45:49.81

保守
明日になったら続き描きますのでそれまでしばらくご自由にお過ごしください

**名無しで叶える物語**(茸) · 2019/05/13(月) 23:49:11.49

なんだその言い草…

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/13(月) 23:51:17.57

すみません……

**名無しで叶える物語**(ふく) · 2019/05/13(月) 23:57:51.94

>>134
気にすんな、楽しみに待ってるぜ！

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/14(火) 00:00:07.87

>>135
ありがとうございます
あまりここには慣れておらず場を乱してしまい本当にすみません……

**名無しで叶える物語**(とうふ) · 2019/05/14(火) 01:53:23.63

700こだまってシンカリオンにいたっけ？
父親のは500こだまだった気がする
オリジナル？

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/14(火) 07:45:09.28

>>137
オリジナル設定で東海側の700系をシンカリオンにしたものですね
曜の乗るN700もアドバンスドではなく無印とダブらないよう配慮しています

**名無しで叶える物語**(プーアル茶) · 2019/05/14(火) 12:06:16.93

読んでないけど面白い?
シンカリオンは好きなんだけど

**名無しで叶える物語**(アメリカ合衆国) · 2019/05/14(火) 12:20:46.98

シンカリオン寄りで臨場感あるから好きなら行けるのでは

**永堀充宏**(茸) · 2019/05/14(火) 17:17:37.84

【スーパーマリオはわいせつだ！】

まず、男二人が主人公で、捕まるのは女性。これは明らかに女性差別です。
主人公が好色なイタリア人の男。これも子供の教育にはよくありません。
特に二人のあの鼻！！卑猥すぎます。
ブラザースが土管に出入りする、つまり穴兄弟です。
ピーチ姫って、ピーチですよ。オシリです。明らかに性の象徴じゃないですか！！
そして敵がクリボーにノコノコ。これらはキノコに亀です。
明らかに男性器を象徴しています。
ブラックパックンやパックンフラワーなんてもう・・・女性器そのままです。
ゲッソーも性器の形ですし、プクプクもまんま電動フグじゃありませんか！！
ハンマーブロスですって！！まぁ！！
パワーアップアイテムもそうです。キノコに花。これも男性器と女性器です。
しかも、大きくなるんですよ。勃起です勃起。子供には早すぎます。
あのスターってなんですか？よく男性の読むいかがわしい漫画で
女性の乳首や性器を隠すのに用いられるのが星マークですが、
それが逃げる、マリオが追いかける、
こういった姿は見せたくないものを無理やり剥ぎ取ろうとするレイプを連想させます。
あぁ、もう言い尽くせません。
マントマリオは当然女性器の俗称をもじったものですし、
しっぽマリオなんてネーミングも外見も全てがセクシャルハラスメントです。
コインを集めると１ＵＰ、これはお金さえ出せばもう一回できるということです。
コインがたくさん出るブロックなどを叩く姿などは
ピストン運動そのものではありませんか。
無限増殖はクローンの大量生産。倫理上とてもよくないことです。
さらに、クリアー時のお城は子宮、花火は女性の絶頂とまたは妊娠を表しています。
ドクターマリオが出てから女性の飲み物に
薬物を混入する事件が増えたと思いませんか？
マリオカートはレースゲームとしてイカサマ、妨害なんでもあり、
どんな手を使ってでも良いゲームです。つまり、これはレイプです！
マリオゴルフは穴に入れますし、マリオテニスは男性性器をもじっています。
まさにわいせつの宝庫ですね❤

**名無しで叶える物語**(アメリカ合衆国) · 2019/05/15(水) 02:21:09.66

保守

**名無しで叶える物語**(茸) · 2019/05/15(水) 17:55:16.47

ほ

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 22:10:17.25

こんばんは

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:13:28.20

《戦闘終了後》

【15時37分三島市】

超進化研究所、車両留置線────

絵里「……そろそろね」

列車接近灯が付き、しばらくして
ポーッ、ポーッ、ポーッ……と構内に列車が来る事を警告するベルが響き渡る。

それから遠くないうちに2本の列車の閃光がトンネルの彼方から私達を照らす。

ことり「……来た……帰ってきたんだ……」

研究所内の入出場線は通常、上下線に別れているけれど2つを単線扱いとして
2本同時に同一方向へ列車を走らせることが出来る。
通常のオペレーションでやる事は無い采配だけど、多分指令の誰かが気を利かせてくれたと思うのだろう。
おかげでドラマティックな入線シーンになってしまった。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:14:11.70

……フワァァァァァァァァァァアン！！！！！

2列車が同時に新幹線特有の清らかな音色の警笛を鳴らし、

トンネルから姿を見せてくれた。

700系0番台と、N700系9000番台。

共にシンカリオンである。

2編成は分岐器をゆらりくらりと優雅に曲がりくねって、

併走して私達が立っている留置線へと同時に進入する。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:21:10.01

ただいま────

2列車の先頭からは決して物言わぬ鉄道車輌であるけれど、

どことなく愛嬌があり、ヘッドライトがまるで人間の眼…

それも一仕事終えたような気の抜けた微笑みを見せるようなものを私は感じたの。

やがて列車は減速し、2度、3度と途中でブレーキを緩めつつ…

最後に甲高いディスクブレーキ特有の声を出し、定位置に、完全に停止した。

『シンカリオン各機、無事研究所に到着。』

ガチャン……とN700の乗務員扉が重苦しく開く。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:22:06.80

絵里「お疲れ様、曜。」

曜「た、ただいま……です」

やれやれ、随分疲れてる様ね、お疲れ様。と声をかけてやると、

曜「よ、よーそろぉ…へへ」

と胸に飛び込んで来てしまった。

やれやれ、かなりお疲れみたいね……

ん？そういえば千歌さんはまだ……おかしいわね…

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:26:10.93

バンバンバン！

??「あーけーてぇ〜!?」

ことり「あああああ……千歌ちゃん!?大丈夫!?しっかりして！！」

はあ……混乱してる……

絵里「ことり……忍び錠で開けてやって」

ことり「あっそうだった…はい」

カチャリ。軽い音を立ててあんなにバンバン五月蝿かったドアはいとも簡単に開いてしまった。

千歌「ひぃ……はぁ……」

────────しまった、かなり衰弱してるわね。

戦闘自体はケチを付けようにも付けられない最高の結果だったけれど、これだけ疲弊してしまっても仕方はないわ。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:29:51.12

っと……いけないいけない、こうもみんな疲れてちゃ……

業務用携帯の電話帳を探り、私はあるアドレスへ電話をかける。

??「はい、こちら救護室」

絵里「もしもし救護室？留置線にいる指令長よ。悪いけどストレッチャーを2つ、

いや3つ手配してくれない？疲れちゃった子がいて……」ﾋﾀ…

…？息が重い。
あれ、私なんで額に手を当てたんだろ……

真姫「何それ……まるで意味がわからないわ……でも今すぐ持っていくからちょっと待ってて」

絵里「はぁ…ありがとう…それじゃあ通話切るわね」

真姫「はい、お疲れ様でした」

プツッツーツー。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:33:16.66

医療班との電話を切り、ちょっとしゃがみこむ。

あ、だめだ…

身体が鉛のように重い…

ことり「大丈夫!?絵里ちゃん!!」

眠い……眠いわね……

「大丈夫ですか絵里さん！！！！……絵里さん……！！！？」

ごめんなさい…………
さ、さすが、に……疲……か……れ……

絵里「……は、хорошо……」ｶﾞｸｯ

『絵里さ────────────ん！！』

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:36:43.98

ｶﾗﾗﾗﾗﾗ……

「　ちょっと！みんな大丈夫なの！？　」

ことり「…真姫ちゃん………」

真姫「ｳﾞｪｪ!?　ﾅﾝﾅﾉﾖｺﾚ!!」

真姫「やっと意味が……わかったわ……ストレッチャー、3つも寄越せって…………」ｾﾞｪﾊｧ

───────
───────
───────
───────

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:38:44.78

《side 絵里》

《21時13分》

【研究所内診療室】

────朧気に、霧のような霏を感じながら私は起きたのだと思う。

…………はぁ……

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:40:13.57

深い溜息が何故か漏れる。

と、それと同時に微かに感じる負圧と温もり。

…この感触は布団の上だわ。

絵里 ((あったかいなぁ……」

────────「ようやく起きたかしら？絵里」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:41:50.30

！？

絵里「ふえっ!? あだだだだだ大丈夫よ! ほらもう何ともないって！……だから…」

真姫「だからって、そんな事何度も言わないで。『また』過労なんでしょ？」

絵里「はい、そうです…………」

恥ずかしくなりうずくまる。

何故肝心な所でヘマしちゃうかなぁ私は…。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:46:31.00

真姫「やっぱり。…あなたまたそうやって根を詰めて無茶をするじゃない…

そう、昔から……いい加減に休暇とか取りなさいよ…？」

絵里「……ごめんなさい。最近は調整とか色々目を通さなきゃいけない事が大きくて……」

真姫「絵里、そうやって自分を追い詰めない。

でも私はどこか気が抜けている絵里の事がなんとなく好きよ？かわいくて」

絵里「あ、いやそんな……ありがとう……」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:49:12.09

絵里「……そうだ…曜と千歌さ、…いえ運転士の2人は……？」

真姫「奥のベッドに2人仲良くお寝んねしてるわよ。

どちらの親御様にもちゃんと許可は取ってあるし、そろそろ起きる頃なんじゃない？」

絵里「……よかったぁ」ﾆｺｯ

真姫「…何よいきなり、ｲﾐﾜｶﾝﾅｲ///」ﾌﾟｲｯ

西木野真姫。彼女は25歳で医師及び救急救命士の免許を有しており、超進化研究所の医療の一翼を担っている。

ほかにも医療スタッフはいるけれど彼女には大助かりよ。勤務実態はみんな真っ黒だけど。

いや、流石に笑うに笑えないわね……ごめんなさい。前言撤回。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:51:07.27

真姫「絵里、それよりご飯はどうするの？私も夕飯はまだだけど…

2人が目を覚ましたら顔合わせがてら一緒に食べに行こうかなと思って…」

絵里「……それじゃあお言葉に甘えて…そうさせてもらうわ」

真姫「わかったわ。…後はモーニングコールでもしてみたらどう？」

絵里「えぇ、もちろん」

やっと重い腰を上げいかにも病院のそれに似たスリッパを履いてパサパサと、2人の寝ているベッドへと私は歩く。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:56:11.04

ここね……御丁寧に2つ仲良くカーテンを繋げてるじゃない…

ぽんぽん、と軽くカーテンをノックする。

絵里「…こんばんは、失礼します…」

ｽｼｬｧｧ……と最小限の開閉に収めて私はカーテンの向こうへと姿を消す。

────────

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:57:31.97

────────────！？

えっちょっちょっちょ………えっ？

ふ、服が……

なんで検査着なのよ……?

制服の時は意識しないようにしていたのに……えぇ？胸が……これは凄いわね…///

……もう、雑念は振り払って────────

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/15(水) 23:58:25.45

《side 千歌》
…………あれ。わたし…なにしてたんだっけ…

とろとろ、ふわふわとした甘くて、痺れる感覚がわたしを包み込んでいて……

だけど、次第にその感覚は薄れていき、やがてぱっちりと爽やかで明瞭とした気分へと移り変わる。

すぅ…………はぁ……。

起きなきゃ……

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/16(木) 00:00:34.86

((……おはよう。千歌さん……))

起きなきゃ……

重たかった目が、指で潰していたのを放したボールペンのバネのように軽くなる。

爽やかな気分。

少しツン、とくるがどこか優しい保健室の匂い。

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/16(木) 00:06:00.28

…………生きてる。

千歌「……あ、おはようございます」

絵里「……おはよう、千歌さん、お疲れ様。」

千歌「……いえ、ありがとう…ございます//」

千歌「……って、あれ？今何時…ですか？」

絵里「あぁ、ごめんなさいね。今は夜の9時。

2人が戻ってきてからみんなもう疲れきっちゃって仲良く保健室でぐっすりしてた、みたいよ？」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/16(木) 00:06:37.42

千歌「……みたい？」

絵里「ごめんなさい。実は私もぐっすりしてた、みたいで……」

千歌「……あぁ！なるほどぉー…」

絵里「私とした事が、とんだ迷惑をかけてしまったわ。…千歌さんにはこんな大変なことに付き合わせてしまって申し訳ない、この場でみんなを代表して謝罪するわ、ごめんなさい。」

千歌「いえいえ…大丈夫ですよ。私、一応自分から乗ったんですし…」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/16(木) 00:07:12.10

絵里「……そう言ってくれて、ありがとうね。少し落ち着いた？」

千歌「あ、はい……」

その刹那。
グルルルルル……

大人気ない子供の頃のようなお腹が轟く音が空間を支配する。

千歌＆絵里『お腹空いた……』

……ｸｽ

絵里さんも、かわいいところがあるんだなぁ。

千歌「お腹……空いちゃいましたね……///」

絵里「あっ……はぁ…そうね///」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/16(木) 00:09:44.86

曜「んっ、うぅん……ふぁぁ～眠い…」

絵里「あら、おはよう。曜？」

千歌「あっ！曜ちゃん！おはよっ！」

曜「…あ、絵里さん、千歌ちゃん！おはヨーソロォー！！！」ﾆｶｯ

千歌「……ふふっ」

『おはヨーソロー！！』

その眩しい笑顔は、ヘッドライトのように世界を照らす。

眩しいよ、曜ちゃん。そんな曜ちゃんが大好き。

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**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/16(木) 00:10:49.10

曜「…うわっ！お腹すごい空いてるなぁ…」

曜「絵里さん、ご飯ご飯～」

絵里「はいはい待ってね〜、真姫？準備出来たかしら？」

千歌「全く、曜ちゃんらしいや」ﾊﾊﾊ

真姫「ちょっと待って…もういつもこうなんだから…全く」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/16(木) 00:11:34.01

真姫「…さぁ、準備出来たわ。みんなボヤボヤしてると置いてくわよ？」

絵里＆千歌＆曜「せーのっ、」

絵里＆千歌＆曜『全速前進〜！？ヨーソロー！！！！』ｲｴｰｲ！！

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/16(木) 00:12:55.10

────ﾌﾟｯ…

真姫「アハッ、アハハハ……全く……みんなして先が読めないわね…さあ食べに行くわよ！」

ﾖｰｿﾛｰ！！！！ﾌﾌﾌﾌ……ｱﾊﾊﾊﾊ……ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ……！！

────こうして、私達の初めての一日は終わったわ。
この後千歌さん達は私が責任もって親御さんの所へ送り届けたわ。安心してね。

【第一話エピローグ　終】

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/05/16(木) 00:14:43.16

だいぶお待たせしてすみませんでした。
これでエピローグも含めた第一話は全部です。
お読みいただきありがとうございました。

**名無しで叶える物語**(アメリカ合衆国) · 2019/05/16(木) 07:26:18.10

乙、良い一話だった、舞台が被ってる函館は遠そうだな

**名無しで叶える物語**(茸) · 2019/05/16(木) 09:41:54.60

>>171
ありがとうございます
函館を絡めたエピソードもそのうち書いていきたいですね

**名無しで叶える物語**(茸) · 2019/05/16(木) 17:07:51.75

創価信者黒澤ダイヤは二度と出すな
反吐が出る

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/05/16(木) 17:14:28.79

そうか

ﾅﾝﾁﾃ

**名無しで叶える物語**(おいしい水) · 2019/05/16(木) 20:30:25.18

>>174
これがこのスレで1番面白かったwww
久々に笑ったわ