海未「絵里と私のスイーツ対決」
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海未「……」ゴソゴソ
絵里「何か探し物?」
海未「角砂糖を持っていないかと……」
絵里「そんなの鞄の中探してもないでしょ」
海未「たまに持って来ますよ」
絵里「ヘンなの」
海未「作詞していると糖分が欲しくなるんです」 絵里「……じゃあこれ」
海未「どこから出したのですか。いつのですか」
絵里「ポケットの中、今日の朝買ったばかりよ」
海未「今時女子高生がチロルチョコなんて買わないの、私でもわかります」
絵里「私は買うのよ。文句言うなら返してもらうわよ」
海未「いただきます」パクッ
海未「……」モグモグ
海未「ほっ」 絵里「結構味わって食べたわね」
海未「全身に甘い感覚が染み渡ってきました……!」
絵里「チロルチョコ一個で?燃費がいい体ね」
絵里「でも海未ってあんまりお菓子とか食べそうにないし、そんなものかもね」
海未「む……聞き捨てなりません。私だって一応じぇーけーです。女子高生らしい生活はそれなりにしています」
海未「絵里だってハンバーガーの食べ方で迷ったりしてたじゃないですか。どのような高校生活を送ればハンバーガーから逃げ切れるのですか」
絵里「なによそれ。ハンバーガーは民主主義の食べ物だから食べ慣れてなかっただけで、ことスイーツに関しては海未より詳しい自信があるわ」
海未「ふふふ……決闘ですね、絵里」
絵里「望むところよ……」
『スイーツ対決!!』 絵里「私が先攻でよかったの?戦意失くしちゃうわよ」
海未「私が割と普通の高校生であることを見せつけて差し上げます」
絵里「大した自信ね。一先ず電車に乗りましょう」
海未「電車……甘いものを食べるためだけにですか?」
絵里「JKっていうのはそういうものよ」 絵里「よしっ、着いたわ。こっちよ」
海未「はいっ」ギュッ
絵里「……どしたの?」
海未「街行く人が皆キラキラしていて、居るべき場所を間違えている気が……」
絵里「JKは普通にこういうところ来るの」
海未「生憎穂乃果もことりもこういった場所には来ませんので」
絵里「……あなた含めあの子たちは意外と真面目ですものね。それに千代田線乗る機会もないでしょうし」
絵里「それじゃあ海未が幼馴染の中で初めての大人の仲間入りってことになるのかしら」
海未「世の中には経験しなくても大人になれることがたくさんあるんです。慣れたくありません」
絵里「仕方ないわね。はぐれないようにしっかり手繋いでて」ギュ 絵里「やっと順番来たわよ」
海未「着いてから30分は並んでましたね」
海未「メニューを見た感じ、スイーツしか売っていないのにこんなに行列ができるものなのですね」
絵里「流行り物にみんな弱いから」
絵里「これ頼みましょう」
海未「うわっ。こんなの食べれませんよ」
絵里「大丈夫、二人で一つの食べるから。ここのお店は一人一品じゃなくてもいいのよ」
海未「そういうものですか」 「お待たせしました」
海未「うわっ」
海未「苺まみれですね。苺農家に申し訳ないです」
絵里「完食したら苺農家の方も喜んでくれるわよ、いただきます」
モグモグ
海未「おいしい……」
絵里「でしょう?」
海未「しかし、ここまで苺に塗れているともはやパフェではなく苺そのものを食べているのでは?」
絵里「……逆に、苺をここまで食べる機会がパフェでしかないっていう考えじゃない?」
海未「確かに」 絢瀬さんは裏原宿行っちゃう系女子だぞ
好きな食べ物お饅頭の園田さんで勝負になりますか? 海未「……絵里はこれをいつも一人で食べてると」
絵里「そんなわけないでしょ。週一でこんな量食べてたら私この体型維持できないわよ」
海未(週一で来るのですか)
海未「……ではここに来るときはいつも私以外の誰かと来ている、と」
絵里「…………」
絵里「なんか、怒ってる?」
海未「別に」 絵里「…………」
海未「なんて、冗談ですよ。少し絵里を困らせたくなっただけです」
絵里「ビックリした。海未の地雷を知らぬ間に踏んだのかと思ったわ」
絵里「でも、前からずっと海未を誘って来たかったところよ。自分のお気に入りの場所を他人と共有するのって素敵ですもの」
海未「……そうですね」クス 絵里「話は変わるのだけれど、このパフェ食べてる時いつも矛盾を感じるのよ」
海未「どんな?」
絵里「フルーツにクリームとかチョコが掛かってるの苦手だから個別に食べたいのに、チョコは好きだからこれを頼むしかないっていう……」
海未「じゃあフルーツが載ってないパフェを食べればいいじゃないですか」
絵里「そんなのないわよ」
海未「ありますよ」
海未「明日、フルーツ対決の続きです。絵里が大好きそうなパフェをご馳走して差し上げますよ」
絵里「今日でもいいわよ」
海未「今日はやめましょう。口の中が甘すぎておかしくなりそうです」 後日
絵里「まさか海未もスイーツ屋さんを知ってるとはね」
海未「スイーツはスイーツ屋に行かなくても食べられるものなんですよ」
海未「ここです」
絵里「え?まだ学校出てから5分も歩いてないじゃない」
絵里「それにここって……ドラえもんのお店よね」
海未「最近契約満了してドラえもんは使えなくなったらしいですよ」 絵里「お昼食べなきゃよかった……あの袋に入ったハンバーグのCMみてずっと食べたかったの」
海未「ファミレスはご飯を食べるだけではないのです」
海未「そもそも絵里、あなたファミレスに来たことは?」
絵里「……そんなにない」
海未「亜里沙と二人暮らしでしたよね」
絵里「なるべく亜里沙には家庭の味を食べてもらいたいって思うじゃない?母の料理を少しでも教わった私が、それを教えていかないと」
海未「……立派なお姉さんなのですね。今すごく感心しています」
絵里「素直に褒められると恥ずかしいからやめてよ……///」 海未「ここにメニューがありますね。まずどこを見ますか?」
絵里「間違い探し」
海未「ここにはありません」
絵里「オススメのポップをみて、そこに書いてあるセットも一緒に頼んじゃって、決まりね」
海未「ではメニューの最後のページにデザートがあるのも知らないと」
絵里「えっ。こんなにあったのね……」 海未「特にこのお店は、パフェにフルーツをむやみやたらと使いませんから」
海未「ここ以外で言うとジョナサンもそうですね」
絵里「詳しいのね。ファミレス」
海未「私が年並みなじぇーけーだということを理解していただけたでしょうか」
絵里「結構遊んでそうだから生徒会長がしっかり指導する必要が出てきた、って感じ」
海未「絵里はもう少し遊びを覚えた方がいいですよ」 「お待たせしました」
絵里「あれ……意外と小さい」
海未「一人でペロリと食べてしまえる量です。それに見てください」
絵里「……!!チョコばっかり!!」
海未「ホイップ、ブラウニー、アイス、ホイップ、チョコプリン」
海未「フルーツなんて一つも入っていません」
絵里「こんな私みたいな人間のニーズに応えた食べ物があったなんて……!」
海未「絵里みたいな考えの人は案外少なくないということですよ」
海未「お店側からしても、フルーツを使わないことでコストの削減ができますから、安いですし」
絵里「こんなに手軽に食べられるなら毎日でも通いたいわ!」
海未「毎日はやめた方がいいと思いますが……ですが学校から近いですし、何かあった時は部室以外にもここを使ってみるといいかもしれませんね」 海未「あ、ドリンクバー頼みますか?」
絵里「……?なにそれ」
海未「ドリンクバーも知らないとは……」
海未「あちらに機械が並んでいるの、わかりますね」
絵里「色んなお客さんが立ってるわね」
海未「ああいう感じで自分で飲み物を持ってくるのですよ」
絵里「楽しそうね……ちょっと見てくるわ」 絵里「海未ー!」
海未(店内で大声で呼ぶのはやめてほしかったです)
絵里「ちょっときてー」
海未「どうかしましたか」
絵里「意外とたくさんあってどれ選べばいいか迷っちゃうわ」
絵里「チョコ食べたばかりだからすっきりしたものが飲みたいけど、ココアも飲みたいのよね……」
海未「ではすっきりしたものを飲んだ後にココアを飲めばいいのでは?時間はたくさんあるのですからゆっくりしていきましょう」
絵里「でもドリンクバーもう一個頼むと値段的に損した気分になるような……」
海未「……?絵里、ドリンクバーは一つ頼んだら自由におかわりしていいのですよ」
絵里「えっ!!!??」 絵里「そ、それ大丈夫なの!?裏とかない?」
海未「ありませんよ」
絵里「お店側に不利益出るんじゃ……」
海未「向こうは客一人がたくさん飲んだところで採算がとれるような売り出しをしていますから」
絵里「賢いのね……」
絵里「そういうことなら全部飲んで帰らせてもらうわ!」
海未「お腹壊しますよ」 絵里「うぐっ……」
海未「絵里の体から水音が聞こえます」
絵里「たぶん今お腹押すと口からぴゅーって出てくるわね」
海未(見てみたいです)
絵里「私の完敗ね」
海未「え?」
絵里「スイーツ対決よ」
海未「そういう体で進めてましたね……」 絵里「海未って意外と……私より、女子高生らしかったんだって」
海未「潔く負けを認めるのは武士道らしくて敬意を表します。しかし……」
海未「私のスイーツ対決はまだ終わっていません!」
絵里「えっ」
海未「ファミレスを紹介したのは絵里が好きそうだと思ったからです。私自身が好きなスイーツはほかにあります」
絵里「……」ゴクリ
海未「明日、また一緒に出掛けましょう。私の切り札を見せて差し上げます」
絵里「……もしかして、私と一緒に遊びたい口実だったりするのかしら」
海未「…………///」
絵里「じ、冗談のつもりだったのに……///」 翌日
海未「今日も行きますよ!」
絵里「3日連続でスイーツ食べるなんて絶対に太るわ」
海未「私たち専用の減量メニューを考えてあるのでご心配なく」
絵里「気が利くわね」 絵里「ん?この道知ってる」
海未「そうでしょうね」
海未「着きましたよ」
絵里「え?着いたってここ……」
絵里「穂乃果の家じゃない!」
海未「はい。穂乃果の家で……和菓子屋の穂むらです」 海未「絵里は穂むらで食べたことありますか?」
絵里「実は……ないわ。穂乃果に用事があった時にそれだけ伝えて帰る時がほとんどだから」
絵里「もっと言うと、和菓子を食べたことがないの。想像つかないわね」
海未「想像するより実際に食べてみるとわかりますよ。こんにちはー」ガラッ
「あら海未ちゃん、こんにちは。穂乃果ったら帰ってきた途端にすぐ寝ちゃって……」
海未「あ、今日は穂乃果ではなく、客として参りました……///二人でお願いします」 絵里「こんにちは」ペコ
「あなたは……絵里ちゃんね!いつも穂乃果の面倒を見てくれてありがとう」
絵里「い、いえ!そんな……穂乃果さんにはむしろ私のほうがお世話になっていますから」
「二人とも礼儀正しいわね。今はお客さんも少ないし、好きな席にどうぞ」
海未「ありがとうございます」 絵里「あんみつの種類が多いわね」
海未「食べてみますか?」
絵里「海未のオススメは?」
海未「私はもちろん揚げ饅頭です!」
絵里「私もそれにする」
海未「ではそうしましょう。すみません、揚げ饅頭を二つお願いします!」 絵里「こんなに落ち着いた雰囲気のお店だったなんて気付かなかったわ」
海未「ずっと昔からありますから。自分家みたいな雰囲気ですよね。……特に私の場合は」
絵里「ふふ、小さい頃から穂乃果と一緒だったの?」
海未「はい。穂乃果とことりと私。ずっと3人で動いてきました」
海未「あの二人以外の友達と食事をするのだって、少なくとも私は今年に入るまでありませんでしたから」
絵里「そうなの。それじゃあ私、もう3日も連続で一緒にいるからそろそろ二人に会いたくて鬱陶しく感じてる?」
海未「そ、そんなことはありません!」
海未「絵里は……違うんです」 絵里「違う?」
海未「絵里は、穂乃果やことりとは違います。……うまく言えませんが……」
海未「たとえば今みたいに、私の好きな物、私という人間をもっと知ってほしいと思っているんです」
絵里「……私も、海未のこともっとたくさん知りたいわ。昨日も初めて知ったあなたのことがあったわけだし」
海未「……」
海未「な、なんなんでしょうね。これ……///」ドキドキ
絵里「…………」ドキドキ 「お待たせしました、揚げ饅頭二つです」
海未「っ!!あ、ありがとうございます!///」
「……もしかして二人はデートで来たの?」
海未「なっ……!?///」
絵里「そうです」
海未「え、絵里!?///」
「あらやだ、水差しちゃったかしら。ごゆっくりどうぞ〜」
絵里「二人で出かけて、ご飯を食べる。これってデートよね?」
海未「そ、そう……なのでしょうか……?」
絵里「そういうものよ。早くいただきましょう」 絵里「んっ!……これがあんこね。自然の甘み?な感じがするわ」
海未「チョコとは違う優しい味でしょう」
絵里「ええ。主張しすぎない甘さで心が落ち着くわ」
海未「温かいお茶と一緒に召し上がってみてください。お茶のおいしさも引き立つはずです」
絵里「ずず……ほっ。」
絵里「こんなものを海未は16年も食べて生きてきたのね」
海未「それは言い過ぎだと思いますが……半分くらいはこれでできています」 「ごちそうさまでした!」
『またどうぞ〜』
絵里「今度はあんみつも食べてみたいわね」
海未「……で、でしたら……また、しませんか?」
絵里「うん?」
海未「……デート///」
絵里「もちろんよ、いつでも声かけてちょうだい」
海未「!、はい!」
絵里「あぁでも、次は私がいろいろ教える番ね。今回のデートはむしろ海未に教わったことのほうが多かったから」
絵里「今度は私のことについてたくさん教えてあげる。海未に私のこと、知ってもらいたいし」
海未「…わかりました、楽しみにしていますね///」
おしまい 総選挙に惜しくも入賞を逃してしまったのでSS書きます
お題ください
先に投票期間中に建てたけど途中で落ちた書きかけのお題だけ消化します 海未「まさか本当に『また来る』とは」
絵里「海未だって気を失ってた時間の方が長いから満足できなかったでしょう?」
絵里「しかも今回は1泊2日だから、ゆっくり時間を使えるわ」
海未「そのことなのですが、やっぱり私の分は宿泊代出しますよ」
絵里「いいのよ。だってこれ福引きで当てたから」
絵里「亜里沙を連れて行こうと思ってたけれど、やっぱり海未と二人きりになる時間が欲しかったし……」
海未「……///」 チャプン
海未「ふー……」
絵里「やっぱりここの温泉はいいわねー……」
海未「ぶくぶく……」
絵里「ふふ、何してるの?」
海未「!!す、すみません!気が抜けてしまって!」
絵里「ううん、そのままでいいわよ」 絵里「海未って、たまに幼く見えるときがあるわね」
海未「……もしかしたら甘えていたいのかもしれません」
海未「絵里は、私の姉のような雰囲気がありますから」
絵里「お姉さん?」
海未「幼少の頃の記憶なので脚色されているかもしれませんが……なんでもできて、優しくて……目標であり、心の拠り所でした」
絵里「お姉さんのこと好きだったのね」
海未「はい。いつも追いかけていた気がします」 絵里「……でも私は少し複雑な気分よ」
海未「?」
絵里「私は海未の恋人なのだから、姉ではなく恋人として頼って欲しいの」
海未「絵里……」
海未「そう、ですね。姉は姉、絵里は絵里ですから」
海未「ですが絵里、これだけははっきりと言っておきますね」
海未「絵里は私にとって唯一の特別な人です。それを心に留めておいてください」
絵里「!!」 絵里「海未の口からそんなこと聞けるなんて……」
絵里「私も……あなたのこと、世界一大好きよ」
海未「っ///」
絵里「……///」
海未「ん……」
絵里「えっ」
海未「んーー……」
絵里「海未、ちょっと……私たち二人だけじゃないこと思い出して……」
海未「ぁ……///」 海未「……」モグモグ
絵里「……」ズズズ
海未「え、絵里。これ美味しいですよ」
絵里「ん、んん?どれ?」ズイッ
海未「ちょっ……絵里のお皿にもあるでしょう!」
絵里「あっ……///ご、ごめんなさい……」
海未「あ、いえ、こちらこそ……」
海未「…………」
絵里「…………」
((気まずい……))
海未(お風呂で意識してしまってから、ずっと気になってしまいます……)
絵里(もう、折角のご飯の味がわからないわ) 絵里「お、美味しかったわね」
海未「そ、そうですね」
海未(正直わかりませんでしたけど……)
絵里「この後どうする?」
海未「この後って……もう夜ですよ?部屋に戻るしかないでしょう」
絵里「そ、そうよね!普通に考えて……あはは……」
海未「…………」 ガラッ
海未「ふぅ……」
海未(なんだか気疲れしたようです。ずっと絵里のことが気に掛かってしまって……)
絵里「!!」
海未「絵里?どうかしましたか?」
絵里「布団……」
海未「敷いてくれていたのですね……んっ!?」
海未「ぴ、ぴったりくっついてますね……///」
絵里「ていうかこれ、ダブルサイズの布団よ」
海未「…………」 絵里「か、変えてもらうよう言ってくるわね!」
海未「……待って、ください」ギュ
絵里「海未……?」
海未「私と触れ合うのは、嫌ですか?」
絵里「嫌ってわけじゃ……」
海未「お風呂で制止されてから、あなたのことが気になって仕方ないんです」
海未「周りの目がなければ、いいんですよね……?」
絵里「海未は、いいの?私で」
海未「貴女がいいから恋人になったんですよ。それに……絵里から『泊まろう』というお誘いが来た時には覚悟をしていました」
絵里「そう。……私も、海未がいいわ」ドサッ
海未「あっ……」
絵里「電気、消すわよ」カチッ
海未「はい……///」 「んっ、ちゅ……ふあぁ」
「んみぃ……はむっ、んぅ」
「うみ、も、触って」
「はっ、んっ、く……///」
……
… 海未「はぁっ……はぁっ……」
絵里「……今、何時かしら」
海未「午前2時ですね」
絵里「隣の人に迷惑かけてなかったわよね」
海未「声はなるべく抑えましたが……下には振動が伝わったかもしれません」
絵里「大丈夫だと思いたいわね……」
絵里「札止めってまだ時間あるかしら」
海未「夜も入れるようになっているらしいですよ」
絵里「汗びっしょりよ」クス
海未「んっ……絵里だって」
絵里「動きすぎたわね。入りに行きましょうか」
海未「はい。……また来ましょうね」
絵里「ええ、きっと」
おわり なかよし総選挙で傷心中だったところだったからありがてえ…… 絵里(私は海未に取り返しのつかないことをしてしまった)
絵里(ちょっと前の話……)
絵里「うーん」
海未「何をみているのですか?」
絵里「海未」
海未「えっ……」
絵里「のダンスの確認」
海未「そ、そうでしたか。何か気になる点があれば直接言ってください」
絵里「……そうね。みんなと歩調を合わせられていて遅れていないし、振り付けを間違うこともない。常に余裕の表情も崩さない、完璧な演技よ」
絵里「でも、完璧なだけなの」 海未「どういう意味ですか?」
絵里「個性が引き出しきれていないってことね」
海未「個性……」
海未「私にライブ中に魅せられるような個性なんてないのですが……」
絵里「じゃあ今から作りましょ」
海未「作れるものなのですか?」
絵里「もちろん。要は『海未と言えばこれ』っていうのをファンのみんなに認めてもらえればいいんだから」
絵里「そこで提案したいのがこれよ」
絵里「ちゅ❤」
海未「…………」 絵里「振り付けもかえず隙間にできていいでしょ?」
海未「い、今のを私がやれと?ライブ中に、ファンの前で?」
絵里「そういうこと」
海未「む、無理です!///」
絵里「それよ。海未の個性はそこにある」
絵里「本当は人前で可愛い衣装を着て踊るのすら恥ずかしいのに、投げキッスまでしてしまう。……そういう個性を押し出していくのよ」
海未「ですがこれは……」
絵里「海未。人間他人に厳しくするなら自分にも厳しくあるべきよね。今日からが自分に厳しくあるべき日なのよ」
海未「……や、やります!」 絵里「よく言ったわ。それじゃあ試しにやってみましょ」
海未「……嫌です」
絵里「やる流れだったでしょ!?私しか居ないんだから練習くらいいいじゃない」
海未「練習はします。ただし、自宅の鏡の前でだけです」
海未「次のライブには必ずお披露目しますから、安心してください」
絵里「……わかったわ。あなたを信用する」 えりうみアンチやわ銀「えりうみスレです(えりうみ厨うざいと叩けw」
自己プーアル「うみえり厨は臭いって訳だよ」シュババババ
単発庭「希アンチのことり推しのiPhone」シュババババ
単発庭「自己プーアルは希推しじゃなく真姫推し」シュババババ 絵里(ライブの日だけど……海未はやってくれるかしら)
絵里(どこでやるかも聞いてないから見ていたいけれど、ずっと海未の方みてるわけにもいかないし……)
ワァッ
絵里(ん?お客さんの様子が……海未の方みてる)
絵里(もしかしてやったのかしら。見てみたかったわ……) 絵里「海未、お疲れ様!」
海未「あ、え、絵里……」ハァハァ
絵里「海未のパートの終わりに挟んだんでしょう?私も見たかったわ。ちょっと私の目の前でやってみてよ」
海未「すみませんっ、お手洗いに行かせてください……///」ハァハァ
絵里「あ、ごめんなさい」
絵里(息荒かったし、我慢してたのかしら) 絵里「さっきのライブのカメラどこにある?みたいんだけど」
絵里「これね。……」
海未『ちゅっ❤』
絵里「!!」ドキッ
絵里(思った以上に破壊力が……///)
絵里(これを生で、しかも間近でみると脳裏に焼き付いちゃうわ)
絵里(海未、戻ってこないわね)
絵里(ちょっと様子見てきましょ) 絵里(ここのトイレかしら)
『……ん、はぁっ……』
絵里「っ!!」
『〜〜ッ!!!!///』
絵里「…………」
ジャーッ
ガチャ
海未「え…………」
絵里「あ、えっと……」
絵里「だ、大丈夫?顔真っ赤よ?」 海未「い、いつから……」
絵里「戻ってこないから心配で、探しに行こうと入ったら声が聞こえたから、その……音立てられなくて」
海未「そう、でしたか……」
海未「幻滅しました、よね。ライブが終わって、公衆トイレに駆け込んで火照った体を慰めているだなんて」
絵里「ん?」
海未「今日はどうしても気持ちが高ぶってしまって……」
絵里「ちょっと待って、何をしてたって?」 海未「ですから……って、え……絵里は私が何をしてるか……」
絵里「私はてっきりお腹の調子が悪いと思って、ちょっと気まずくなっちゃっただけよ」
海未「あ、あああ……!忘れてください、死にそうです……!///」
絵里「ま、まあテンションが上がりすぎてそうしないと収まらないっていうのはよく聞くし、いいんじゃないかしら?私は絶対しないけど……」
海未「今日は変だったんです!視線に敏感になってしまって……」
絵里「そういえば投げキッス、すごくよかったわ。お客さんもみんな海未に見惚れてたみたい」
海未「それだと思います」
海未「今まであんな視線を向けられること無かったので……」モジモジ 絵里「まだ収まらないの?」
海未「はい。とはいえ皆さんを待たせてはいけないのではやく家に帰って自分の部屋でリラックスします」
絵里「その前に、ちょっと」クイ
海未「どうかしましたか?」
絵里「ほっぺ借りるわ」チュ
海未「っ!!?///」
海未「な、何してるんですか!?///」
絵里「落ち着いた?」
海未「あ……そういえば火照りが収まったような……」
絵里「お母さんが子供を寝かしつけるとき、軽くキスするでしょう。だから心を落ち着かせられるんじゃないかと思って」
海未「で、ですがいきなりすぎですよ……」
絵里「ほっぺにキスするなんて国際的に見れば普通のことよ」
絵里「さ、みんなに心配されるわ。一緒に帰りましょう」
海未「はい。……ありがとうございます、絵里」 絵里(それから私と海未は、ライブのあとにキスするようになった)
絵里(それで海未が落ち着いてくれるのなら、協力してあげたいし)
絵里「今日もいいパフォーマンスだったわね!投げキッスも海未の持ちネタとしてみんなに認識されてきたんじゃないかしら」
海未「はぁっ、はぁっ……え、絵里……///」
絵里「……いつものね。わかったわ」
絵里「ちゅ❤」
海未「んっ」 絵里「よし、いつもライブ後に居なくなってるから今日は早めに戻りましょ……海未?」
海未「す、すみません絵里。もう一度お願いします」
絵里「え、ええ。わかったわ」
絵里「んっ❤」
海未「全然、火照りが収まりません……」
絵里「えぇっ!?キスしすぎたせいで慣れちゃったのかしら」
海未「今日は人が多い会場だったので、向けられる視線も多かったですし、その……」 絵里「打ち上げ予定してたけど、一度帰る?さすがにトイレでしてもいいわよとは言えないし」
海未「へ、平気です。それより、その、考えたのですが……」
海未「こっちでしてくれたら、収まるかもしれません///」
絵里「こ、こっちって……///本気で言ってる?」
海未「本気、です。絵里にしか頼めないことなのですから」
絵里「わ、私にしか?……わかったわ」
海未「お願いします///」
絵里「目閉じてよ///」
海未「……」コク 絵里(かわいい……)
絵里(っ、これは海未のためにやってるのよ。落ち着きなさい)
絵里(でも、海未を私のモノにしたい……❤)
絵里「んぅ……」
海未「ちゅ……はふ……」
海未「ふぁぁ……///」ヘタッ
絵里「だ、大丈夫!?」
海未「すみません、気分が落ち着いて……腰が抜けてしまいました///」
絵里「どっちかっていうと気が抜けたって感じよ」
海未「……初めてのキスが絵里でよかったです」
絵里「!!」
絵里「私も、海未とキスできて嬉しかったわ……///」
絵里(この対応が良くなかった) 後日
絵里「おはよ……うっ!?」ギュッ
海未「はぁっ、はぁっ……おはようございます……❤」
絵里「う、海未?一体どうしたの?」
海未「夜から、体が火照りっぱなしで……」
海未「慰めても慰めても体が熱くなってしまうんです///」
絵里「えぇ……ちょっと一回落ち着きんむっ!?///」
海未「はむっ、ちゅ❤んはぁ❤んんぅ……//」
絵里「んんんーーー!!///」
海未「あぁ、この感覚です///やはり絵里でなければ」 海未「絵里、これから毎日キスしてもいいですか……?」
絵里「そ、そんなの───!」
絵里「……い、いいわ、よ」
海未「ふふ、さすが絵里です。私ももう、あなたの唇の触感を忘れられませんから……❤」
絵里(そう言って再びキスをしてくる海未の目は、獣のようだった)
絵里(私は、たぶん近いうちに堕とされるのだと……そう確信した)
おわり 絵里(この対応がよくなかった)で何故かジワった
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