理亞「ルビィ..絶対助けにいくからね..」chapter2
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黒澤家
ダイヤ「なんですって..?曜さんと月さんがヤラれた..それは本当ですの?」
ダイヤ「ええ..ええ..はい..かまいません..派手に暴れて差し上げなさいな..黒澤家に仇なすモノは..皆殺しですわ」
ダイヤは携帯の電源ボタンを押し通話を打ち切った
真っ暗な廊下に佇み、壁に背を預けて思考の世界に没頭するダイヤ
ダイヤ(曜さんと月さんを打ち破るとは..さすがセイントスノーの片割れだけありますわ..ですが、あなたは私の計画に邪魔なだけ..邪魔モノにはご退場願いますわ) ??「ダイヤさん..」
ダイヤに呼びかける声が聞こえてきて、ダイヤは声の主に優しい笑顔を向けた
ダイヤ「フフ..そう畏まらなくても良いのですよ?あなたはもう私の家族みたいな物なのですから..遠慮せずにお姉ちゃんと呼んでくださいまし」
??「....」 ダイヤ「ふう..まあいいですわ..それで?どうしましたの?」
??「食事の準備ができました..お客様達と一緒にリビングへどうぞ」
ダイヤ「ふふっ..ありがとうございますわ..あなたも一緒にいかがかしら?」
??「遠慮しておきます..それでは..」 ダイヤ「あら..行っちゃいましたわ..せっかく義妹になったのに..そっけないですわね..ま、いいですわ..時間は十分にありますし..これから少しずつ仲良くしていけば..」
ダイヤ「さて、せっかくの食事が冷めないうちにお食事会にするとしますか..客人たちを退屈させてしまっては黒澤家の名折れ..フフッ..楽しい食事会になりそうですわね..」
ダイヤはクスクスと意味深な笑みを浮かべ真っ暗な廊下を歩き出した prrr prrr prrr
理亞(姉さま..出ない..どうしたのかな?)
理亞は聖良に何度も電話をかけるも..つながらず諦めて電源ボタンを押し、電話をポケットの中に仕舞った
花丸「理亞ちゃん何してるの?御飯ができたみたいだから一緒に食べよう?」
理亞「あ、わかったわ..今行く..」
花丸の後に続いて理亞は黒澤家の廊下を歩き、食卓へとやってきた ダイヤ「黒澤家へようこそ理亞さん..お客が来るのは久しぶりなので歓迎いたしますわ!」
善子「遅いわよ!理亞、花丸!早くテーブルに座って..料理が冷めちゃうじゃない!」
テーブルの上には所狭しと豪勢なご馳走の数々が並べられていて..ダイヤと善子がイスに座って笑顔を浮かべていた
ダイヤ「駿河湾でとれた新鮮な海の幸をふんだんに盛り付けいたしましたわ!冷めないうちに食べてしまいましょう!」
理亞「姉さまが後からやってくるはずだから..料理を少しだけ残しておいて」
ダイヤ「.....ええ♪」
理亞「?」
ダイヤの返事が返ってくるのに一瞬の間があった事に僅かな違和感を理亞は感じたが..
気のせいだろうと思いなおすことにした 善子「早く席に着きなさいよ!料理が冷めちゃうじゃない!」
花丸「さ、理亞ちゃん!席に座って食事にしよう♪」
理亞「ええ..」
花丸に促され理亞は席に座り、厳かな昼食会が幕を開けた
善子「おいしい!このお刺身すっごいプリプリしてる!」
花丸「こっちの焼き魚もおいしいじゅら〜♡」
ダイヤ「ふふっ..今日取れたての魚を使って調理しましたからね..どうです?理亞さん..魚料理は気にいっていただけたかしら?」
理亞「ええ..とってもおいしいわ」 おいしい..けど..何かがおかしい..
どうして..こんなに和気あいあいとした雰囲気なの?
私は失踪したルビィを探しに内浦にやってきたのに..これじゃあまるで私が遊びに来たみたいじゃない..
理亞「.....」
理亞は呑気さすら感じるこの状況に沸々と怒りが沸きあがってくるのを感じた
ダイヤ「理亞さん..どうしましたの?食が進んでいないようですが..お口に合いませんでしたか?」 花丸「大丈夫だよ理亞ちゃん!残した物はマルが全部食べてあげるずら♡」
善子「こら花丸!行儀が悪いわよ!」
花丸「痛いずら〜!冗談ずらよもう!」
理亞の皿に手を伸ばしかけた花丸の手を善子がピシャリと叩くと
花丸は拗ねたように頬をプクーと膨らませた 理亞「いい加減にしなさいよアンタ達!!」
理亞は勢いよく両手をダイニングテーブルに叩きつけて立ち上がった
バンという大きな音が鳴り、空になったコップが衝撃で浮き上がりカラカラという音を立てて床を転がる
善子「わ!びっくりした!!」
花丸「り..理亞ちゃん?」
理亞「アンタ達..なんでそんなに呑気でいられるのよ!ルビィが..ルビィが失踪したのよ!?心配じゃないの!?」
ダイヤ「....」
激情に駆られた理亞は顔を真っ赤にして口から唾を飛ばしながらまくし立てた 理亞「私はルビィのことが心配でしょうがないの!!くだらない茶番はもういいわ!早く本題に入って頂戴!ルビィはどこにいったの!?」
ダイヤ「落ち着きなさいな..ピリピリしても仕方がありませんわ..」
理亞「ダイヤ!あんたにとってルビィは大切な妹なんじゃないの!?どうしてもっと慌てないのよ!?」
ダイヤ「.....」
理亞「善子!花丸!あんたたちもよ!!ルビィはあんたたちにとっても大切な親友のハズでしょう..?ルビィはいなくなっちゃってどこにいるのかわからないのよ?なんでそんなに悠長にしていられるのよ!!」
善子「......」
花丸「......」 理亞「....!!」
善子と花丸はさっきまでの笑顔とは対照的に..能面のような無表情になり..
その顔を見た理亞は背筋に凍るような悪寒が走るのを感じた
ダイヤ「理亞さん..少し落ち着いてください」
理亞「どうして落ち着いていられるのよ!!私の知っているアンタ達だったらルビィがいなくなったなんて聞いたら..寝る間も惜しんでルビィを探す人達だと思っていたのに!!」
ダイヤ「理亞さん..」
理亞「もし私が失踪したら..きっと姉さまだったら必死になって探してくれるハズ..どうしてルビィを探してあげないのよ..ルビィが心配じゃないの!?」
ダイヤ「理亞さん!!!!」
理亞「...!」
ダイヤの大声がリビングに響き渡る..
大声を出された理亞は凍り付いたように身をすくませた ダイヤ「ルビィを..心配してくれて..ありがとうございます」
理亞「え?」
ダイヤが目から涙をポロポロと零すのを見て理亞はあっけにとられたようにダイヤの顔を見入った
ダイヤ「こんなに心配してくれる友人を持つことができて..ルビィは幸せ者ですわ..」
善子「理亞..ダイヤが心配していなかったとでも思っているの?」
理亞「あ..えっと..」 花丸「そうずら..ルビィちゃんが失踪してからダイヤさんは死に物狂いでルビィちゃんのことを探して..それでも見つからなかったんだよ..このままではダイヤさんが体を壊してしまうから..マルたちがダイヤさんに少し休むようにと言ったんだよ」
善子「ルビィの捜索は地元住民や黒澤家の人たちが休まずに行ってくれているわ..」
理亞「ご..ごめんなさい..私..つい..言い過ぎた」
ダイヤ「良いのです..ルビィがいなくなってからなんだか..心に穴が空いたみたいで..理亞さんが来てくれて..なんだかルビィが帰ってきてくれたみたいな気分になって..ごめんなさい」
理亞「ダイヤ..」
理亞「善子..花丸..ごめん」 善子「いいのよ!私たちだってルビィがいなくなった当初は泣いてばかりいたし」
花丸「理亞ちゃん..これだけは忘れないで..ルビィちゃんがいなくなって..寂しいのはマルたちも一緒だってこと」
理亞「ごめん..」
理亞は己の未熟さを恥じ、視線をテーブルの上に落とした
善子「理亞..ルビィを絶対見つけましょうね!」
理亞を元気づけるように、善子は拳を握って明るく言い放った
花丸「そうずら!ルビィちゃんもきっと理亞ちゃんに会いたがっているハズ..信じていれば絶対また会えるずら!!」
理亞「うん!」 ダイヤ「さあ、そろそろメインディッシュの時間ですわ」
料理に被せられていた蓋が取り除かれると、理亞が今まで見たこともないような料理が姿を現した
花丸「ん〜〜!!おいしいじゅら〜♡」
善子「やっぱり最高ねこの肉は!!」
見慣れぬ肉で調理された、料理を次々と平らげていく花丸と善子..
ダイヤ「どうしたのです?理亞さん..食べないのですか?」
理亞「ね..ねえ..これって..なんの肉なの?」 ダイヤ「........ラム肉ですわよ 日本ではあまり見慣れない肉ですから、物怖するのはムリありませんわね」
理亞「そ..そうなんだ..」
花丸「さあさあ理亞ちゃん!パクッと一口食べてみるズら!」
善子「これはあなたを迎え入れる歓迎の儀でもあるのよ..さあ、その漆黒の肉を食すといいわ!!」
理亞「善子が何言ってんのかわかんないけど..頂きます」
理亞は皆が見つめる中でルビィの肉を口にした 警察署
警官「座ってください..今紅茶をお持ちします」
聖良「いえ、おかまいなく..」
警官「そうですか..それにしても..大変でしたね」
曜と月を倒した聖良は、警察に保護されパトカーで沼津警察署へとやってきた
警察署内では大勢の警察官たちがバタバタと走るように動き回り、事件の情報収集を行っているやり取りが聞こえてくる
聖良「いえ、それより..聞かせてください..彼女たちは何者なんですか?」
警官「...」 聖良「教えてください!!」
警官「命を狙われたあなたには知る権利がある..よろしい..お話しましょう」
警官「この沼津という土地は..黒澤家と小原家に支配された街なのです..黒澤家は様々な商売を営む実業家として沼津市近郊に多大な勢力を築いています」
聖良「実業家..」
警官「聞こえのよい言葉に聞こえますが..裏では非合法な活動に手を染めて金と暴力で成り上がった犯罪シンジゲートのようなモノです」
聖良「私を襲ってきた奴らの一味はこう言っていました..沼津では黒澤家と小原家の名のもとに行われた殺人はなかったものになるのだと..」
警官「そう言っていたのですか..」 聖良「警察は何をやっているのです?どうして奴らが好き勝手に振る舞うのを止めようとしないのですか?」
警官「奴らに手を出して..報復されるのが怖いのです..」
聖良「怖いって..そんな..」
警官「警察だけではありません..住民も..行政ですら奴らを恐れていて手を出そうとはしません..」
警官「奴らに楯突いて..生きていたモノはいません..上の連中も..奴らと戦って自分の身が危なくなるくらいなら..金を貰って言うことを聞いていた方が得だからと..なにも..」 聖良「住民が何人も殺されたんですよ?それでも奴らを捕らえようとは思わないのですか?」
警官「この町では..人が殺されるのは珍しいことではないんです..さすがにあの乱射事件を見逃すわけには行きませんから犯人の逮捕に乗り出しましたが..そこまでです..ここだけの話..あの犯人たちもそう遠くない内に秘密裏に釈放されることでしょう」
聖良(曜さんの言った通りです..この町は..完全に黒澤家の支配下なのですね..)
聖良「あなたは私が黒澤ルビィさんの行方を尋ねたときにルビィさんは存在していないとおっしゃっていましたね?」
警官「それは..」
聖良「本当の事を教えてください..ルビィさんは..食べられてしまったのですか?」
警官「......おそらく」
聖良「そんな..」
聖良は沈痛な面持ちで視線を床に落とした 警官「古代から内浦には..人食いの風習というモノが存在していまして..生贄の対象に選ばれたモノは惨たらしく殺害されて..骨も残らず食べられてしまうという言い伝えがあります..」
警官「お友達はもう..」
聖良「理亞が..妹が奴らに捕まったかもしれないんです..もしかしたら殺されるかもしれない..助けてください!!」
警官「妹さんが..それは確かですか?」
聖良「月さんが..次の生贄は理亞だと言っていました!早く助けないと奴らに食べられてしまう!!」
警官「なんということだ..」
警察官は机に拳を置くと、うなだれるように頭を落とした 聖良「早く警察官を黒澤家に送ってください!妹を助けて!!」
警官「先ほど話した通り..警察は黒澤家を恐れている..そう簡単には..」
聖良「なにを言っているですか!?人命が掛かっているんですよ!?」
警官「ええ..わかっています..しかし..証拠がなければ」
聖良「捜査に乗り込む口実はいくらでも作れるじゃありませんか!例えばあのサブマシンガンの出所を調べれば一発で黒澤家と結びつくでしょう!?」
警官「そう簡単には..行かないんですよ..」 聖良「意気地なし!!もういいです!あなたたちに頼ろうと思ったのがそもそも間違いでした!」
警官「どうするつもりです?」
聖良「あなたたちが理亞を助けてくれないなら..私が一人で内浦に乗り込んで妹を助け出します!」
警官「バカな!自殺行為だ!」
聖良「そう思うのなら警察が動いて理亞を助けてくださいよ!」
警官「それは..」
聖良「ここでこうしていても時間の無駄です..失礼させていただきます」
警官「待ちなさい!」
聖良「離してくださいよ!」 部屋を出ようとした聖良を慌てて警官が引き留めようとした時..それは起こった
ブロロロロロロロ... ガシャーン
うわあああああああああああ
アクセルを思いっきりべた踏みした乗用車のエンジン音が聞こえ、正面玄関のガラスをぶち破る音が聞こえてきた
警官「な、なんだ!!ちょっと待ってて..ここにいて..」
警官が様子を見に慌てて部屋を出て行くと、聖良は一人部屋に取り残された
聖良(何?何が起きたの?) 正面玄関
果南「こんにちは!聖良さんに用があるんだけど..ちょっと面会させてもらえるかな♪」
警官「な、なんだお前は!!」
署内の受付に突っ込んだ乗用車のなかから笑顔で降りてきた果南..
乗用車からは黒い黒煙が立ち上り、もうもうとした煙が空間を漂い始めた
警官「動くな!動くと撃つぞ!!」
威嚇を込めて警官は果南に拳銃を向けた.. 果南「えい♪」
果南が腕を大きく振ると、手に握られた巨大なハンマーが空を切り、銃を構えた警察官を直撃した
警官「ブッ!」
ハンマーで殴り飛ばされた警察官は大きく吹っ飛び壁に直撃した..
壁にトマトを叩きつけたかのような血しぶきが飛び散り、警察官は体中の骨が粉々に折れてグニャグニャの肉塊と化した 警官「撃て!!」
警察官たちは果南を止めるべく腰の拳銃を引き抜き一斉射撃を繰り出す
パンパンと乾いた音が鳴り響き、果南は迫りくる弾丸を見つめ、不敵な笑みを浮かべた
警察署内に銃声と怒号..断末魔の叫びが次々と鳴り響く
聖良(なにが起こったというのです!?まさか..また奴らが!?)
撃てー!! 撃ちまくれー!!
パンパンパンパンという乾いた銃声が矢継ぎ早に鳴り響き、その直後に重機でコンクリートを粉砕する時のような轟音と
地震のような振動が響いてきて聖良の足もとを小さく揺るがした ギャアアア!!
バケモノが〜〜!!
諦めるな!!
ガアアアアア!!ア..
聖良(このまま何もしないでいるなんてできません!!)
聖良は部屋を飛び出し廊下へと踊り出た 聖良「な..こ、これは..!!」
廊下には地獄が広がっていた..
20人は超えるであろう屈強な警察官たちの死体が累々と廊下に横たわっており..
真っ赤な絨毯を敷き詰めたように、警察官たちから流れ出た血液が廊下に染みわたっていた
聖良(なんです..銃を持った警察官たちがこんな短時間のうちに殺されてしまうなんて..それに..この死体..鈍器のようなもので頭を叩きつぶされたり、首をへし折られたりしていますね..人間業とは思えません..まるで凶暴な野獣が手当たり次第に暴れ狂ったような..)
やめ..やめてくれ..あ..あああああああ!! 曲り角の先から警察官の悲鳴が聞こえてきて..数秒後に聖良の目の前の壁に肉塊と化した警察官の死体が叩きつけられた
聖良「な!」
警察官は頭を握りつぶされて絶命しており、頭蓋骨から割れ出た脳漿が廊下にぶちまけられた
果南「あ〜!聖良さんみーつけた!!」
聖良「あ、あなたは..」
あっけにとられて死体に見入る聖良の前に、巨大なハンマーを手に持った果南が曲がり角から姿を現した 果南「ちょうどいいや!聖良さんもハグしてあげるね♡」
果南はそういうとハンマーを振り上げて聖良目がけて振り下ろした
聖良「わあ!!」
聖良が飛び退いて回避すると、ハンマーがガツンという大きな音を立てて床に大きな穴を空ける
もしも命中していたらと思うと..聖良の背中に一筋の汗がツ..と流れ落ちるような気がした
果南「ホラァ!!ボサッとしてんじゃないよ!!」
果南はハンマーを振り上げると今度は横に薙ぎ払い、聖良の頭目がけて死の一撃が轟音を立てて迫ってきた 聖良「ふわっ!!」
聖良は腰を抜かしたように地面に倒れこみ、聖良の頭上をハンマーが空気を切り裂いて通過してゆく..
ドゴォ!!という轟音が鳴り響き、ハンマーはコンクリートの壁を粉々に砕いてしまった
果南「おお!また避けた..さすがに曜と月を倒しただけあるね..そろそろ本気でいくよ!!」
おもちゃをもらってはしゃぐ子供のように、無邪気な笑みを浮かべた果南はハンマーを振り上げて聖良に迫ってきた
聖良(逃げないと..あんなのとまともにやりあったら命がいくつあっても足りません!!)
逃走を決め込んだ聖良は果南に背を向けて警察署の廊下を全力で駆けだした 果南「あはは〜!待て待て〜♪」
巨大なハンマーをブンブンと振り回しながら果南はおにごっこのように無邪気に聖良を追いかけはじめた
聖良「はあ..はあ..!はあ..!」
全力で駆ける聖良の後ろから壁や電灯を次々と破壊する轟音が追いかけてくる
果南が振り回したハンマーは次々と警察署の備品や設備を破壊してゆき、轟音と粉じんを巻き上げながら目に入るモノを手当たり次第にと破壊していった
廊下を疾走する聖良の視界に下の階へと降りる階段が飛び込んできた 聖良(この階段を一気に駆け下りて、建物の外に出て奴をまかないと!!)
果南「せーのお!!やあ!!」
果南は廊下に転がっていた警察官の死体を掴みあげると聖良目がけて思い切り投げ放った
背後から果南の気合を入れた叫びが聞こえてくる..その数秒後に聖良の背中に衝撃が走り
体勢を崩した聖良は階段を勢いよく転げ落ちた 聖良「わあああああああ!!」
聖良はとっさに体を丸め、両手で頭を庇い受け身を取って階段を転がり落ちた
果南「よっし!!命中!!」
狙い通り標的に命中し、聖良が階段を転げ落ちたことに満足した果南は笑みを浮かべて階下を見下ろした
聖良「イタッ..血が..」
全身に鈍い痛みが走り、転がる拍子に切ってしまったのか..
聖良の額から血が滴り落ちて胸元を紅く汚していく.. 果南「お〜!階段から転げ落ちたのに元気そうじゃん!!大丈夫〜!?」
イタズラが見事に成功したやんちゃ盛りの子供のような..無邪気な笑みを浮かべた果南を見て、聖良ははらわたが煮えくり返るような怒りが込み上げてくるのを感じ..
聖良「やりましたね!!」
死体が腰に差していた拳銃を引き抜いた聖良は、手すりに身を乗り出している果南目がけて拳銃を撃った
ドン ドンという2発の乾いた銃声が鳴り響く
果南「あはは♪どこに撃ってんのさ!」
銃弾は果南にカスリもせずに、あさっての方向に命中した 聖良「くっ!」
聖良は背中を向けると出口に向けて廊下を再び走り出した
果南「お〜!階段から転げ落ちたのにまだあんなに早く走る元気があるなんて..さすがはセイントスノーだね!相手にとって不足なしだよ!待てー!」
果南は手すりを軽快に乗り越えると階下にひらりと身を投げて、軽快に着地した
聖良(バケモノめ!!とにかく今は脱出することを考えないと!)
果南「待て〜!!」
先ほどと同じく巨大なハンマーを振り回した果南が、ウサギのように逃げ回る聖良の背中を追いかけはじめた 聖良「くっ!!」
ドン!
聖良は振り向きざまに果南に向けて弾丸を撃ちだした
果南「おっとぉ!!」
飛んできた弾丸を果南は無造作にハンマーで弾き、弾丸は壁に突き刺さった
聖良「この!この!」
聖良は止まらずに引き金を引き絞り、ドン ドン という2発の銃弾が果南目がけて飛来してゆく
果南「イテッ」
聖良(やった!)
聖良の撃った弾丸の内1発が果南の左肩に命中した が..しかし..
果南「イッタ〜..ちくっとしたじゃん!!」
果南の左肩から注射をした時にでる血液のごとく..数敵の血が滲みでて袖口を少しだけ染め上げた
聖良「はあ!?拳銃で撃たれたのに..ちくっとしただけってそんな..」
果南「あーあー 服が血で汚れちゃったじゃん‥血ってなかなか落ちないんだよ?」
聖良「この..バケモノめ!!」 聖良は果南に再び拳銃を向けて引き金を引くが..
カチッ
聖良「な..そんな..」
果南「その拳銃は5発しか撃てないんだよ..日本の警察の銃って装弾数本当に少ないよね〜 ダイヤや鞠莉がくれる武器と比べると物足んないよ」
聖良「クッ!」
聖良はやけくそのように拳銃を果南に投げ捨て、背を向け走り出した
果南「追いかけっこもそろそろ終わり..私も暇じゃないからさ..そろそろ死んでくれると助かるんだけどな..」
果南はハンマーで無造作に拳銃を弾き・・空になった拳銃は宙を舞いカラカラという音を立て廊下を滑っていった もしできたら勝利ルートと敗北ルート(バッドエンド)の分岐2パターンを書いてください。 果南の顔から笑顔が消え..先ほどまでの遊びの雰囲気がナリを潜め、真顔になった果南は腰から拳銃を取り出した
聖良(拳銃!?そんな..)
果南「さようなら聖良さん..そこそこ楽しかったよ..」
無造作に拳銃を構えた果南の指が撃鉄を立て..引き金に指が..
聖良(ヤられる!!)
死を覚悟した聖良は目をギュッと瞑り..そして..
ドン!という乾いた銃声が警察署の廊下に響き渡った >>43 すいません 長いの書くときはアドリブが効かないんです
シリーズが終わったら考えてみます 果南「!!」
銃声は果南の拳銃から出たモノではなかった..
射出された弾丸は果南の拳銃に命中し、弾かれた銃身はカツンという音を立てて廊下に落ちた
警官「早く逃げろ!!」
聖良「あなたは!!」
先ほど聖良と2階で会話をした警察官が拳銃を構えて果南の背後に立っていた
果南「なに?邪魔しないでよ」
獲物にとどめを刺す邪魔をされた果南は、苛立ち気に警察官の顔を睨みつけた 警官「おれが奴の相手をするからお前は逃げるんだ!!」
聖良「ムチャです!!こんなバケモノと戦ったらあなたが死んでしまいます!!」
警官「市民を守るのが警察官の務めだ..いいから行け!!」
聖良「できません!!」
果南「ごちゃごちゃ言ってないでさあ..2人仲良く死ねばいいじゃんか!!」
果南はハンマーを振り上げると..円を描くように体を360度回転させた
メキメキという音を立てて巨大なハンマーが警察署の壁を破壊してゆく.. 聖良の眼前をハンマーが通過し、風圧が聖良を後ろに大きく吹き飛ばした
聖良「あ!!」
尻餅を着き後ろに倒れる聖良..
警官「うおおおおおお!!!」
ダン ダン ダン
激情に駆られた警官はハンマーで暴れまわる果南に向けて拳銃をの引き金を引いて次々と弾丸を繰り出した
果南「ソオ..らあ!!」
聖良と警官を2人まとめて始末するべく、果南はハンマー投げのごとく体を回転させて、ハンマーを前へ後ろへと繰り出してゆく 警官「この野郎!!」
警官は後ろへ飛んで果南のハンマーを回避し、果南の急所目がけて的確に引き金を引いた
ダン..という乾いた音が鳴り響く..
果南「ッ!!」
果南は上半身を撥ねるようにのけ反らせ天を仰いだ
警官「やった..のか?」
確かな手ごたえを感じた警官は、目の前で動きを止めた果南を睨みつける 果南「こ..の..や..ろ..う..!」
果南は少しずつ..姿勢を元に戻してゆき..自分の額を撃った警官を鬼のような顔でにらみつけた
警官「バカな..額を撃ったんだぞ..生きていられるわけが..」
果南の額から弾丸が床に落ちカランカランという音を立てて転がる音が鳴り響いた
果南の額にはデコピンをされて腫れ上がった時のような..赤い痕が残っていたが..それだけだった 果南「バラバラに千切ってあげるよ!!」
憤怒に駆られた果南は警官に向けて跳びかかろうと跳躍の姿勢を取った時..
プシューという音が鳴り響き、白い靄が空間を支配する
果南「今度はなに!?」
視界を白く染め上げられた果南は怒り狂ったようにハンマーを床に叩きつけると、ドゴォという大きな音を立てて警察署の廊下に大穴が空いた
聖良(今の内です..さあ、立って!)
消火器を噴射して果南の視界を奪った聖良は警官の手を取った
警官(君は..無茶をするなよ..) 果南「どこだ!!ぶっ殺してやる!!」
憤怒の雄叫びを上げ、果南はハンマーを手当たり次第に振り回し、廊下や壁を破壊しまわった
聖良(逃げますよ!こっちです!!)
2人は果南の攻撃をかいくぐって警察署の廊下を駆け抜け、建物の外へと飛び出した
どこだ〜!!
警察署の中からは破壊の限りを尽くす果南の雄叫びが聞こえてくる
聖良「どうすれば..奴がすぐに追いかけてきますよ!」
警官「こっちだ!!こい!」
警官が指を差した先には1台のパトカーが停車していた 警官「シートベルトをしめろ」
パトカーに乗り込んだ警官は聖良にそう言い放ち、ポケットからカギを取り出すとエンジンをかける。
キュルルルというふかし音の後にブルンという音を上げて車のエンジンがかかった
車が走り出すと同時に果南が警察署から飛び出してきた
果南「ソコか!!待て!!絶対許さない!2人まとめて虫けらのように引き裂いてやる!!」
聖良「ヤツが来ましたよ!!」
果南は車の前に立ちはだかり、車を粉砕するべくハンマーを振り上げた 警官「しっかり捕まってろよ!」
警官はアクセルをべた踏みし、果南をひき殺すために車を急加速させた
果南「死ねぇ!!」
警官「うおおおおお!!」
ハンマーが車を粉砕するのが先か..
車が果南を撥ね飛ばすのが先か..
一瞬の明暗の後..
運命の神がほほ笑んだのは.. 果南「ぎゃあ!!」
ドンという音を立てて果南は車と衝突した..ハンマーはガランガランという重厚な音を立ててコンクリートを転がってゆく
パトカーのタイヤが果南の体に乗り上げて、果南の体を踏みつぶした
果南「がああああああ!!」
車に踏み潰されても直果は直生きていた
聖良の抹殺を諦めない果南はトランクの部分を片手で掴み、猛スピードで加速する車にしがみついた 聖良「なんて奴!!まだ生きてる!」
警官「ダッシュボードの中を!その中に拳銃が入ってる!」
聖良「わかりました!」
果南がダッシュボードから拳銃を取り出し後ろを振り向いた時..
果南「み〜つけた!!」
聖良「ヒッ」
果南がトランクに這い上がり、バックガラスを通して車の中を覗き込んだ
車に轢かれてさすがにダメージが通ったのか..果南の額からは血がダラダラと垂れ流され、顔中を血で真っ赤に染め上げるも果南は直笑っていた 果南「セイ!!」
果南は両腕を大きく振り上げると、車のバッグガラスを叩き割った
聖良「きゃあああ!!」
ガシャーンというけたたましい音が鳴り響き、車内にガラスが飛び散り散乱した
警官「クソ!この野郎!降りろ!!」
警官は時速70キロで走る車を左右に大きく揺らし、果南を路面に叩き落とそうと試みるも..
果南「無駄だよ..アンタ達2人まとめて首を引きちぎってあげるよ」 聖良「この!!」
聖良の握った拳銃がドンッという銃声を放ち火を噴いた
果南「ッ!」
銃弾は果南の額に命中したが、果南は痛みに顔をわずかに歪めるだけでみじろぎ一つしなかった
バッグガラスが砕けて大きく空いた穴から果南は車の後部座席に侵入を試みた
聖良「来るな..!こっちに来ないでください!!」
聖良は果南目がけて拳銃の引き金を弾き..拳銃から次々と鉛玉が果南目がけて跳び出した
弾丸は一発残らず果南の全身に命中するも、わずかな傷をつけるだけで、前進する果南を止めることは敵わなかった 聖良「なんで..なんで倒れないんです!!あなたは本当に人間ですか!?」
果南「ひどいね..人間だよ!ちょっと普通とは違うかもしれないけど..ね!!」
果南は拳を大きく振り上げると聖良の座席を背中から殴りつけた
聖良「わあああ!!」
座席は前に大きく傾斜し、聖良はつんのめる様に前傾姿勢にさせられた
警官「大丈夫か!!」
聖良「大丈夫です!!それより前見て!!ちゃんと運転してください!!」 車はいつの間にか沼津駅の近くまでやってきており、運転をしている警官の視界に沼津駅が遠くに飛び込んできた
そして..パトカーの車線の先には道を塞ぐように黒塗りの車が何台も横づけされ..
サングラスをかけた人相の悪い男たちが機関銃を構えて待ち受けていた
警官「なんだと!!」
果南「よし..私ごとで構わない..撃て」
果南は上着のポケットからトランシーバーを取り出すと男たちに指示を出し..
警官「うおおおお!!」
聖良「え!?なに!?なんです!?」
警官は急ブレーキを踏んで車のスピードを緩めると、聖良のシートベルトの解除ボタンを押し、ドアを開けて聖良を車外に放り出した 聖良「わあああ!!」
前傾姿勢を取っていたことで前を見ることができず、事情がわからない聖良は悲鳴を上げて車外へと転げ落ちたと同時に
男たちが構えた機関銃が一斉に火を噴いた
バタタタタタタタタタタタタタ
大粒の雨が傘を叩くような連続した銃声が沼津駅前に鳴り響く..
銃身から次々と撃ちだされた鉛玉は次々とパトカーに吸い込まれてゆき
警官「が..ああああ!!」
運転席の警官と共に車は蜂の巣になり..ボンッ!という大きな音を立てて爆発し
パトカーは炎に包まれた 黒服A「へへ..見ろよ..蜂の巣だぜ」
黒服B「待て..殺したのは警官だけのようだ..まだ標的を仕留めていない..気を抜くな」
黒服C「それより..果南さんごと撃っちゃったけど大丈夫なのかな?パトカー爆発しちまったけど..」
黒服D「バカ..あの人があれぐらいで死ぬかよ..お嬢様達が遠足にでかけたときに熊に遭遇して、果南さんが素手で仕留めちまったっていう伝説知らないのか?」
黒服たちが思い思いの言葉を呟いているとき..燃え盛る炎の中から果南が這い出してきた
果南「あちちち..ちょっと焦げちゃった..」
聖良「な...そんな...」
業火に包まれてゆくパトカー..聖良の瞳から涙が次々と零れ落ちてゆく..
聖良「私を..守って..犠牲に..」 果南「なんだ..まだ死んでなかったの?本当にしぶといね..」
聖良「!!」
業火を背に呆れた顔で立っている果南を、聖良は鬼のような眼光で睨みつけた
黒服A「銃を構えろ!まだ生きてるぞ!」
果南「マチな..まだ撃つんじゃあない..少し話をしてみたくなった」
聖良を射殺せんと機関銃を構えた黒服たちを果南は手を上げて制止した 聖良「どうして..どうして警察官を殺したんです!あなたたちが狙っているのは私一人のハズでしょう!!」
果南「どうしてって..邪魔だったからに決まってんじゃん」
聖良「どうして..どうして貴方たちはそんなに簡単に人の命を奪うことができるんですか!!」
果南「聖良さんは目の前に蚊が飛んできたらまず殺しにかかるでしょ?それと同じだよ」
聖良「蚊?あなたは..人間の命が蚊と同じくらいの価値しかないと言うのですか?」
果南「そうだよ?私にとってダイヤや鞠莉..内浦の大切な仲間たち以外は全員害虫と同じだよ」
果南「邪魔だったらプチっと踏み潰しておしまい..どうでもいい人間の命なんてそんなもんだよ」 聖良「どうして..どうしてそんな血の通っていないことを平然と..」
果南「特に沼津の連中はね..小さいころからこの町の連中が大嫌いだったんだ」
聖良「どういう意味です?」
果南「昔から..内浦と沼津は仲が悪くて..水と油のように犬猿の仲だった」
果南「この町の人間は..内浦の人間だということで差別や中傷をしてきて、先祖の代から私たちを差別してきたんだ..そんな街の人間を何人殺しても私の勝手でしょ?」 わかりました。後質問ですが前作の終盤ルビィちゃんが皆の生け贄になる前の石抱き拷問のシーンではルビィは生まれたままの姿(全裸)にされてたんですか? 聖良「先祖の代から?もしかして..内浦の人肉を食べると言う風習と何か関係があるんですか?」
果南「そんなことまで知ってるんだ..曜と月から聞いたんだね..まったくおしゃべりなんだから..」
聖良「あなたも..ルビィさんを食べたんですか?」
果南「うん!!とってもおいしかったよ〜 さすがルビィちゃん!黒澤家が育てた逸品..絶妙な舌触りに..ぷにぷにした食感..もうサイコーだったよ!」
聖良「どうして..ルビィさんも内浦の大切な仲間じゃなかったんですか?どうして..そんなひどいことができるんです..」
ルビィのあどけなさが残る笑顔が頭に浮かんできて、聖良の胸に悲しみが走った 果南「おしゃべりはここまで..さあ..殺し合いを再開しよっか!」
聖良「くっ!」
果南が殺気を出し..黒服が機関銃を構えたとき..それは起こった
住民「いまだ!みんな〜かかれ〜!」
その声を合図に..町の至る所から沼津の住民たちがわっと群がり、黒服たちに襲い掛かった
黒服A「な、なんだてめえらは!!黒澤家に楯突く気か!!」
住民「黙れ!俺たちの街でこれ以上好き勝手させるか!!」
住民「これでもくらえ!!」
バットやゴルフクラブ..包丁やノコギリで武装した市民たちが一斉に黒服たちに襲い掛かり、袋叩きにしてゆく.. 黒服B「や..やめ!!ぎゃああああ!!」
黒服C「この野郎!」
バタタタタタタタ
住民「ギャア!!」
住民「てめえ!!」
黒服C「ぐぎゃあ!!」
黒服D「や..やめ..ひっ!」
黒服たちも負けじと機関銃で応戦し、市民を何人か撃ち殺していくが..多勢に無勢..
市民たちに取り囲まれた黒服たちはぼろ雑巾のように袋叩きにされて、全員殺されてしまった 住民「松浦果南..覚悟!!」
包丁を構えた住民が果南に切りかかるも..
果南「...」
住民「ぎゅっ!?」
果南は襲い掛かってきた住民の頭を掴むと、腕力で首をもぎ取ってしまった
血のしぶきを上げて頭部を失った胴体がコンクリートの上に倒れた
黒いアスファルトの上に血液がタラー..とゆっくり静かに流れてゆく
聖良「人間の首を..素手でもぎ取ったですって..」 住民「バ..バケモノ!!」
住民「やっぱり内浦の奴らは全員バケモノだ!一人残らず駆逐しないと俺たち全員食い殺されちまう!」
果南「誰がアンタの不味そうな肉なんて食べるかっての..それより..これはどういうつもりなの?」
果南は武装して群がる沼津市民たちをギロリと睨みつけた
住民たちは果南の眼光に射すくめられ、凍り付いたように硬直する
果南「黒澤家にはむかったらどうなるか..よくわかっているはずでしょ?」
住民「だ..黙れ!!内浦の食人鬼ども!これ以上お前たちの好き勝手にさせないぞ!」
住民「この土地から出て行け!!穢らわしい賤民共が!!」 果南「癪に障ることいってくれるね..もともと私たちのご先祖が人肉を食べ始めたのはアンタ達が、ご先祖様達を差別して救いの手を差し伸べなかったからでしょうに..」
果南「まあ、いいや..聖良さんを殺すついでに..黒澤家への反逆罪として..この場にいる全員皆殺しと行くかね!!」
住民「構えろ!俺たち全員で団結してかかれば、ヤレル!」
聖良「過去に何があったかとか..事情はよくわかりませんが..果南さん..私は絶対にあなたを許しませんよ..かならずとらえて正当な裁きを受けさせてみせます!!」
果南「来な..」
ソレが決戦の火蓋が切って落とされる合図となった 沼津市民たちは武器を構えると猛牛の群れのごとく果南めがけて跳びかかった
ウオーーーーーーーーー!!!という住民たちの雄叫びが通りに響き渡る..
果南「ハア!!!」
果南は炎上するパトカーを思い切り蹴り飛ばすと、燃え盛る車はゴロゴロと転がり、襲い来る住民たちを下敷きにした
住民「ぎゃああああああああ」
住民「熱い〜〜〜〜!!!!」
車の下敷きになって焼き殺されてゆく住民たち..
通りには人肉の焼け焦げる醜悪な匂いがたちこめた 聖良「ハアッ!!」
果南「おっと!」
聖良は死んだ住民が持っていたバッドをを拾うと、果南の頭目がけて思い切り叩きつけた
果南は右腕でバッドを受け止めると、聖良に向けて獰猛な笑みを浮かべた
果南「さすが、曜と月を倒しただけのことはあるね..なかなかいい腕してるよ」
聖良「黙れ!」
果南「シュッ!」
果南のジャブが聖良のバッドに命中し、金属バッドは真っ二つに折れて、折れたバッドがクルクルと宙を舞った 聖良「クッ!」
聖良(ダメです..歯が立ちません..この人と肉弾戦をやったらモノの数秒でバラバラに千切られてしまいます..どうすれば..)
果南「たっぷりハグしてあげるよ!!」
果南が両手を広げて聖良を抱きしめようとした時..
住民「姉ちゃん離れろ!!」
聖良「ッ!」
聖良は素早く横に飛び退いた..その直後に大粒の雨が傘を叩くような連続した銃声が通りに連続して鳴り響いた バタタタタタタタ
バタタタタタタタ
バタタタタタタタ
バタタタタタタタ
住民たちは黒服の死体から奪い取った機関銃を構えると、果南目がけて一斉放射を繰り広げた
辺りには弾幕が立ち込められて、煙やホコリがもうもうと舞い上がり、視界を曇らせる..
果南「グッ!!」
数百発にも及ぶ弾丸が果南の全身に命中し、果南は痛みにうめき声を上げる 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b) カチ..カチ..
住民「ひえ..た、弾切れだ!」
住民「奴は..奴はどうなったんだ!?」
果南「やったなあああああああ!!!」
聖良「バケモノ..」
全身に数百発の弾丸を叩きこまれても果南は直生きていた..
住民「う..うわあああああああ!!!」
果南は住民たちに襲い掛かり次々と頭を千切り取ってゆく.. 住民「や..やめ..あがあああああ!!」
一方的な惨殺劇が沼津駅前で繰り広げられ、アーケードはたちまち血の池地獄と化してゆく..
果南「おらああああああ!!!」
住民「助け..助けて..えべえ!」
命乞いする住人の胴体を真っ二つに引き裂いて、血しぶきのシャワーを前進に浴びる果南..
果南の体は自分の体から流れ出る血と、敵を殺して浴びた返り血で真っ赤に染め上げられ..
全身を血で真っ赤にしながらも狂ったように戦うその姿は怪物というに他ならなかった 聖良(銃や刃物では果南さんのあの強靭な体には、致命傷を与えることはできません..どうすれば..ん?)
果南は駅前ロータリーに鎮座するソレを見て、頭に閃きが走るのを感じた
聖良(あれです..あれならもしかしたら!)
聖良は野獣のように殺戮を繰り広げる果南に背を向けて、駅前ロータリーへと駆け出した.. 果南「ふう..ふう..まあ、こんなもんかな..」
住民「あ..あ..あ..」
住民「そ..そんな..こんなことって..」
果南の目の前には50を優に超える住民の惨殺死体が転がっており..
本来真っ黒なコンクリートは果南に殺された人々の血液で真っ赤に染め上げられていた
果南「今日はここまでにしといてあげるよ..さすがにこれ以上は殺しすぎで..ダイヤ達に怒られるからね..どう?私たちに逆らうとこうなるんだよ?わかった?」
住民「ひ..ひええ..」
生き残った住民たちは戦意を失ってその場にへたり込んでしまった 果南「さて..そういえば聖良さんをまだ殺してなかったね..え〜と聖良さんはっと..あれ?どこにいったのかな?」
道路の真ん中で聖良を探す果南目がけて..駅の方向から大型の何かが勢いよく迫ってきた
ブロロロロロロロ
果南「ん?」
聖良「私ならここにいますよ!!」
大型バスの運転席に乗り込んだ聖良が..アクセルのペダルを思いっきりべた踏みし、果南目がけて迫ってきた
果南「はあ!?大型バスってそんな..」
巨像のごとく地面を大きく揺らしながら迫るソレを見て、果南はあっけにとられた表情を浮かべる 果南「そんな大型バス..簡単によけられるに決まって..」
果南がバスをよけようとした時..
ダアン..という一発の銃声が鳴り響いた
果南「ガ..!!」
果南の額に銃弾が命中し、果南は予期せぬ痛みでその場に固まってしまう
警官「へへ..ざまあみやが..れ..」
果南「お前..生きてたのか!!」
そして..聖良のバスが果南の視界にデカデカと飛び込んで来て.. 聖良「はあああああ!!」
果南「クッ!!」
果南は両手を前に突き出して、大型バスの顔を抑え込んだ
果南「うおおおおおおおお!!」
ギャリギャリギャリギャリという削岩機で岩壁を削るような音が鳴り響く..果南は後ろに押されながらも負けじとバスを押し返し、停止させようと踏ん張りを効かせた。果南の足もとから火花が散り、路面が削られてめくりあげられてゆく
聖良(なんて人なんですか..バスの力と張り合っている..このまま止められたら..アウトです..) 聖良はアクセルを踏む力を強め、果南を引き潰すべく加速を続けた
果南「ぐ..ぐ..ぐ..!!」
聖良「頑張ってください..止まらないで!!」
聖良は必至になって自分の運転するバスに声援を送り続ける
果南とバスはしばらく相撲の取り組みのように力比べを続けたが..
果南「う..うわああああああアアアアアアアアああぁぁぁっぁぁぁっぁアアアあっぁぁぁぁ」
闘いのダメージと疲労が蓄積した果南はバスを抑えきることができずに、後ろに倒され..大型バスのタイヤに踏み潰された ズイーーーーーーーという音と共にバスに引き潰された果南はコンクリートを引きずられてゆく..摩擦熱で火花が飛び散り、果南の体に火が付いた
聖良「これで..決まってください!!」
ギャリギャリギャリギャリという音を鳴らしながら路面を引きずられる果南
生き残った住民たちは聖良の運転するバスを固唾を呑んで見守った
聖良は果南を引きずったまま、しばらくバスを走らせ路肩にバスを停車させた 聖良「き..決まった..わよね?」
聖良が安堵の溜息を吐こうとした時..
ゴシャッ!!という金属を叩きつぶすような音がバスの底部から響いてきて..バスは大きく揺れた
聖良「ひゃっ!ま..まさか..!」
果南「あ..あ..あ..」
大型バスに引き潰されても直..果南は..まだ..生きていた 果南「ウ”お”お”お”お”!!」
全身を血にまみれながらも直聖良を抹殺せんとバスに追いすがる果南..
聖良はそんな怪物の姿に心の底から恐怖を覚えた
果南「あ”..あ"..あ"..」
しばらくバスを殴り続けた果南だが..ついに限界が訪れて気を失い、後ろにバタッと倒れた
聖良「こ..今度こそ..ヤッタみたいですね...」
聖良が運転席で安堵の溜息を吐いた時.. わああああああああああああ!!
沼津市民たちが歓声を上げてバスに駆け寄ってきた
市民「姉さんよくやった!」
市民「あのバケモノを倒しちまうとは..あんたも十分バケモノだな!」
聖良「一緒にしないでください..それより..さっきバスで果南さんに突っ込む寸前に銃を撃ったのは..」
警官「俺だよ..」
機関銃で蜂の巣にされて死亡したと思われた警察官が足を引きづりながら聖良の元に歩いてきた 聖良「ど..どうして..死んだはずじゃ..」
警官「防弾チョッキのおかげで..致命傷だけは免れた..」
警官は制服のボタンを外すと、穴だらけになった防弾チョッキが顔を見せた
警官「死体の山の中に身を隠してヤツの隙を見ていたんだ..」
聖良「そうだったのですか..よかった..」
警官「それより..死んだのか?」
聖良「いいえ..まだ息があるようです..」
警官「バスに引き潰されてもまだ生きてるとは..一体どんな体をしてるんだよ..」
警官は大の字になって横たわる果南を畏怖の目で見下ろした 住民「そいつの首を切り落として、さらし首にしてしまえ!!」
住民「黒澤家に反旗を翻す旗印にしてやればいい!!」
警官「待て..こいつは警察が逮捕する..」
住民「なんだって!?」
住民「コイツを殺さないとこっちの気が収まらないんだよ!!」
警官「マシンガンで蜂の巣にされて..バスに引き潰されても死なないような奴をどうやって殺せっていうんだ?」
警官がそう言うと住民たちは沈黙してしまい、場に静寂が戻ってくる 聖良「大丈夫なんですか?」
警官「逃げられないように特別制の檻にぶち込んでやるさ..それにこれだけダメージを負っていればこいつも当分動けないだろうよ」
警官「この女は黒澤家が過去に起した重大犯罪にいくつも関わっている..こいつから事情を聞くことができれば、奴らを1歩追い詰めることができるはずだ」
聖良「私は..これから内浦に向かいます」
警官「もう止めはしないが..内浦にはこんな恐ろしい奴が他にもゴロゴロいるんだぞ?それでも行くのか?」
聖良「ええ..妹の危機に立ち向かうのが姉の役目ですから..」 住民「姉さん!俺たちも加勢するぞ!!」
聖良「え?」
住民「もうこれ以上奴らに怯えて暮らすのなんてまっぴらだ!」
住民「あの野蛮人どもを沼津から駆逐してやる!!」
住民「沼津を奴らの手から解放するんだ!!」
聖良「みなさん..ありがとうございます!」
聖良は胸が熱くなるのを抑えることができずに笑みを浮かべた 黒澤家
理亞「オエッ うええええ!!」
繊細な理亞の体は慣れない肉を受け付けることができずに
トイレの便器に胃の中の内容物を残らずぶちまけた
理亞(なに..あの肉..ホントにラム肉なの?食べたらすごく気持ち悪くなった..あんな肉見たことがない..うう)
涙を零しながら嘔吐の第2波に身を任せる理亞.. 花丸(......)
トイレの扉の前で花丸が意味深な顔をして佇み、嘔吐する理亞の様子を伺っていた
花丸(やっぱり..理亞ちゃんを仲間に引き入れるのはムリみたいずらね..ルビィちゃんの肉を吐くなんて..)
花丸(ルビィちゃん..待っててね..もうすぐ理亞ちゃんをルビィちゃんの隣に祭ってあげるから..)
to be continued ルビィ激推しとしては生き返らせてほしいなあ
バケモノの臓器全部抉り取って黒魔術で蘇らせてよ ちょっと果南が人間離れしすぎててリアリティなさ過ぎ…… 数百発の弾丸を受けてもバスに轢かれても生きてるってもはやギャグだろww ごめんパトカー爆発してなかった?
防弾チョッキ云々関係なくね 果南の強さに関してはやりすぎかなって思いましたが..
果南ちゃんってそんぐらいやんないと倒れてくれなさそうで..
反省点ですかね >>103
お前の中の果南のイメージはなんなんだよ…… >>104 ハンターハンターのウボォーギン..ですかね..
反省点は色々ありますが、機を見て続きを投稿できればと思います
それでは 所詮パワーしか取り柄のない雑魚か…
残りの敵は肉弾戦だけじゃ勝てなさそう >>99
せやな。丸わかりでも"ルビィの"は書いちゃダメや なんかルパン三世とかでこういう話ありそう
警察も操れる巨大企業に怪しげな古い風習のある地域のボス
そして囚われの少女 >>112 そうですね 続きができたらそのうちまたスレ立てます ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています