善子「ダイヤがお見合い!?」
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ルビィ「善子ちゃんあんまり大きな声出さないでっ」
善子「っ……ご、ごめん」
花丸「こう聞くとあれだけど……本当なの?」
ルビィ「うん……お母さんとお姉ちゃんが話してるのを聞いちゃったんだ」
ルビィ「お姉ちゃんに縁談が来てるって」
善子「でもダイヤは東京の大学に行くんでしょ? 縁談なんて無駄なんじゃないの?」
ルビィ「お姉ちゃんもそういってたけど」
ルビィ「今のうちに顔合わせをさせておきたいって、お母さんが……」
ルビィ「東京の大学に行くからこそ、今なんだって」
善子「………」
花丸「大学なら、女子大だったとしても男の人と接する機会は増えていく」
花丸「だから先に引き合わせておいて、ほかに靡かないようにって算段」
花丸「ダイヤさんが尽くしてくれる人だって理解しているからこそ、ずらね」
善子「それにダイヤはなんて? まさか、するとか言ったの?」
ルビィ「会うだけは会うって言ってた」
ルビィ「断るつもりですが。ってお母さんには念押ししてたけど……どうだろう」
善子「……場所は? 時間は?」
花丸「善子ちゃん……まさか」
善子「見に行くわよ。ソレ」
ルビィ「えぇっ!?」
善子「親から来た縁談なら親は頼りにならない。私達でぶち壊しにしてやるのよ!」 ルビィ「お姉ちゃん、ずっと困った笑顔になってる」
善子「そりゃそうでしょ、話題を振ってもすぐ途切れるし、向こうからは全然振ってこない」
善子「話題に対する向こうの話はつまらない」
善子「帰りたいって思ってるんじゃないの?」
ルビィ「ううん、帰りたいまでは思ってないと思う」
ルビィ「男の人も一生懸命だって分かってるから」
ルビィ「受けるつもりはないって言いだすタイミングを考えてると思う」
花丸「そうだね……ダイヤさんもちゃんとわかってる」
花丸「いやらしい目で見られてることも、一生懸命なことも」
花丸「だから、少しだけ付き合ってくれてるんだと思う」
花丸「ダイヤさんだもん。無情でもきっぱり断るはずずら」
花丸「それをしないのは、あの人が頑張ってるから――」
グイィ
花丸「!」 善子「あんた……何言ってんの?」
善子「あいつならダイヤを任せられるとか思ってるわけ?」
ルビィ「よ、善子ちゃんっ」ギュッ
ヒュッ
ガンッ
ルビィ「痛っ」
善子「ダイヤが認めるとか思ってるわけ?」
善子「ふざけんじゃないわよ……」
花丸「あはは……ふざけてないずら」
善子「っ」ギリッ
グッ
花丸「いいよ、殴っても」ニコッ 性格クソ悪すぎるから思い通りにならずにズタボロになってほしいなこの善子には ルビィ「やめて善子ちゃんっ」
ルビィ「お願いっ、お願いだからっ」
善子「………」イライラ
チラッ
ダイヤ「――――」
ギリッ
グッ
善子「……はぁ」
善子「あんまりふざけたこと言わないで」
善子「今、あんまり機嫌よくないのよ」
善子「あんたも、邪魔しないで」ギロッ
ルビィ「っ!」
ルビィ「うぅ……」 花丸「ごめんねルビィちゃん」
花丸「つい、余計なこと言っちゃった」
ルビィ「ううん……言ってる通りだと、思う」
善子「………」
ルビィ「えっと、えっとね……断るつもりなのは変わってないけど」ビクビク
ルビィ「相手も無理にだったのか、自分の意志で来てるのか見極めたいんじゃないかなって」
ルビィ「多分、一生懸命なのは自分の意志だろうし、だからっ、お姉ちゃんは……」チラッ
ルビィ「み、認めるとかどうとかじゃなくて……考えてるんだと思う」
善子「……あんなやつ、さっさと断ればいいのに」
善子「希望も何も踏み躙っていいじゃない」
花丸「……分かってるくせに」
善子「うるさい」 ダイヤ「……すみません」
「どうかされたんですか?」
ダイヤ「わたくしはまだ、学業に専念したいと考えています」
ダイヤ「一生懸命であることは分かります」
ダイヤ「不得手なりに真摯に向き合おうとしてくださっているのもよく分かります」
ダイヤ「ですから、それを是非……」
ダイヤ「愛してくださるであろう女性に向けてあげてください」
「そんな……」
ダイヤ「その優しさとひた向きさがあれば」
ダイヤ「きっと、わたくしよりも良い女性に出逢えますから」
「く、黒澤さんより良い女性なんて……」
「一回……一回だけチャンスを頂けませんか!」
ダイヤ「チャンス……?」 「黒澤さんの学業に専念したいというお考えは理解しています」
「それをやめて欲しいなどとは口が裂けても言いません」
「……それでも、私は貴女が良いと思ってここにいる」
「一度で良い……一度だけ、デートをしていただけませんか?」
「来週の土曜日……朝10時に沼津駅でお待ちしています」
「それでも振り向かせることが出来なければ、素直に身を引きます」
「もちろん、来てくれなくても構いません」
「そのときは、自分には力不足だったのだと諦めます」
ダイヤ「………」
「お願いします」 善子「……言うだけ言って返事聞かずに帰ったわよ、あいつ」
花丸「そこも含めて、願ってるんだろうね」
花丸「思いを押し付けてるようなものだけど……」
ルビィ「でも、お姉ちゃんにあれはダメだよ」
ルビィ「ううん、良いのかな?」
善子「ダイヤが無視して行かないなんてできるわけない」
花丸「そうだね」
花丸「それに、来るかも分からずに待ち続けるのって辛いと思う」
花丸「……だから、行くと思う」
ルビィ「うん」
善子「ズル賢い奴ね……」
善子(行かなければ良いのに) 花丸「でも、なにもなくて良かったね」
花丸「終わることもなかったけど」
花丸「………」
花丸「……大丈夫だよ、善子ちゃん」ニコッ
善子「なにがよ」
花丸「ダイヤさんはあの人を選ばない」
花丸「大丈夫」
善子「当たり前でしょ」
善子(そうじゃなかったら……)
善子「あんたたちどうするの?」
ルビィ「え? あ、まさか」
ルビィ「もしかして次も付いていくの?」
善子「当たり前でしょ」
善子「ホテル連れ込まれるかもしれないじゃない」
花丸「それは大丈夫じゃないかなぁ……」
花丸「いずれにしてもマルは用事があるから無理ずら」 善子「あっそ」
善子「ルビィは?」
ルビィ「ルビィは……行こうかな」
ルビィ「善子ちゃん、カップルドリンクとか許せなそうだから」
善子「そんなの頼んだらぶっ飛ばすわよ」
善子「付き合ってるわけじゃないんだから」
善子「……許さない」
ルビィ「あはは……」チラッ
花丸「マルは用事があるから」
花丸「鞠莉ちゃん連れていくと良いんじゃないかな」
花丸「相手は車あるみたいだし」
花丸「万が一ドライブデートでも着いていけるよ」
善子「一理あるわね……」
善子(鞠莉は邪魔してきそうだけど)
善子(ずら丸か鞠莉ってだけの話)
善子(大差はない)
善子「それじゃ、取り敢えず声はかけておきましょ」
ルビィ「そうだね、それが良いよっ」 この善子ちゃんは仮にダイヤさんとくっついたとしても長く続かなさそう… 鞠莉「オーケー!」
鞠莉「そういうことなら協力するわ」
ルビィ「ありがとう鞠莉ちゃん」ギュッ
鞠莉「良いのよルビィ」ギューッ
ハグハグ…
善子「当日、ルビィはダイヤよりも先に家を出なさい」
ルビィ「お姉ちゃんの後じゃなくて?」
善子「先に出ておいた方が怪しくないわ」
善子「あんた、準備に時間かかるし」
善子「ダイヤに疑われると面倒だから」
善子「私と遊ぶことにしてさっさと出てきなさい」
ルビィ「うん……それなら善子ちゃんの家にいけば良い?」
善子「それで良いわ」 善子(まぁ先にって言っても)
善子(ダイヤも一緒に家を出てきそうだけど)
善子(心配だからとか)
善子(途中までは一緒だから。とか)
善子(ほんと妹ってだけで……)
善子「ルビィ」
ルビィ「なっ、なに?」ビクッ
善子「そんな怯えなくてもなにもしないわよ」
善子「それより、あんたが家を出るときにダイヤも出てくるかもしれない」
善子「その時は逃げずに一緒に行きなさい」
ルビィ「良いの? 先じゃないよ?」
善子「あんた、慌てるとボロ出すでしょ」
善子「向こうから来るならそれで良いわ」 善子「良い?」
善子「できる限り先に家を出なさい」
善子「ダイヤが出てくるなら一緒に来なさい」
善子「怪しまれないように出来るわね?」
ルビィ「う、うんっ頑張る」
鞠莉「……ふふっ」
鞠莉「善子、ダイヤのことに関してなら」
鞠莉「あの男の人よりストレートなんじゃない?」
善子「うるさい」
善子「鞠莉はできる限り派手なのは止めなさいよ」
善子「せめて帽子は被って来て」
鞠莉「パーカーフード?」
善子「は?」イラッ
鞠莉「oh! ジョーク! イッツジョーク!」
鞠莉「任せて!」ニコッ
善子(これならずら丸の方がマシね……) 善子「次は外」
善子「どこに行くか分からないし」
善子「どさくさに紛れて何をするか解ったものじゃない」
善子「油断するんじゃないわよ?」
善子「特に鞠莉」ジロッ
鞠莉「私?」
善子「今日みたいな甘い考えだけは止めて」
善子「そんな考えで私の邪魔をして」
善子「もし何かあったら」
善子「私はあんたを絶対に許さない」
鞠莉「……ええ」
鞠莉「肝に命じておくわ」
善子「どうだか」
善子「来週のこともあるし私は一足先に帰るわ」
ルビィ「うん、気を付けてね」フリフリ 鞠莉「………」チラッ
ルビィ「……」
鞠莉「……ねぇ、ルビィ」
ルビィ「なぁに?」
鞠莉「どうして善子と一緒に居られるの?」
鞠莉「怖くない?」
ルビィ「………」
ルビィ「善子ちゃんね? 本当は優しいんだよ」
ルビィ「お姉ちゃんが関わってる時も、すっごく真剣で厳しいけど……優しい」
ルビィ「……」
ルビィ「今みたいに怖いのは、ルビィは初めて見た」
ルビィ「花丸ちゃんに掴み掛かったりして」
ルビィ「止めてって言っても止めてくれなくて……」
鞠莉「そこまで……」
ルビィ「もしかしたらね?」
ルビィ「お姉ちゃんが誰かの恋人になっちゃうことが」
ルビィ「善子ちゃんは嫌なんじゃないかなって思う」 鞠莉「ん〜」
鞠莉「善子がダイヤの前だと余裕なくなるのは知ってたわ」
鞠莉「……でも、ダイヤは」
ルビィ「お姉ちゃんがどうかしたの?」
鞠莉「ううん、なんでもない」
鞠莉「ダイヤがいなければ善子は普通に戻るのかしら」
鞠莉「……」
鞠莉「もしそうなら、もう少しの辛抱ね」ニコッ
ルビィ「東京の大学行っちゃうもんね……」
ルビィ「善子ちゃん、大丈夫かなぁ」
鞠莉「……最悪、ルビィが代わりになるしかないわね」クスッ
ルビィ「えぇぇっ!」
ルビィ「無理だよぉっ!」
鞠莉「案外うまくいくかもしれないわ」
鞠莉「ふふふっ」ニコニコ 叶わないのは理解してるけど、好きな人は絶対に渡したくないっていうね。好きです ―浦の星女学院―
・翌日
ルビィ「え? 言わないの?」
善子「私たちが言わなくても、ダイヤが用事があるって切り出すと思う」
善子「そうすれば、確実に千歌辺りがそれなら休みにしよう。って言いだすはず」
善子「土曜日は基本的に練習してるから、偶にならって休みにして貰える」
善子「私達まで用事があるなんて言えば怪しまれるから、話の流れに任せましょ」
花丸「それで行くずらか?」
善子「最悪、1年生らしく子供みたいに休みたい連呼してれば鞠莉や果南を味方にできるでしょ」
ルビィ「鞠莉さんはもともと味方で」
ルビィ「曜ちゃんは千歌ちゃんの味方だよね」 花丸「そうなると、梨子ちゃんと果南ちゃんがネック」
花丸「果南ちゃんを味方にできれば勝ったも同然ずらね」
善子「果南は鞠莉が懐柔するだろうけど」
善子「私たちが喚くのは、鞠莉が役に立たなかったときだけよ」
ルビィ「や、役立たずは言いすぎじゃないかな……」
善子「事実でしょ」
善子「で、多分これは梨子……かしらね」
善子「みんなは? とか意見聞いてくるだろうから」
善子「偶になら……とか休みに同意しておけばいいわ」
ルビィ「用事があるっていうのだけはだめだね」
善子「そういうこと」 善子(とはいえ……果南は察してくれるでしょうね)
善子(鞠莉とつながってるわけだし、ずら丸に話してるわけだから)
善子(……2年生組は役に立たない)
善子(ダイヤに縁談があったことすら気付いていないかもしれない)
善子(まぁ、邪魔さえしてこなければいい)
善子(チーム練習とか、作曲)
善子(梨子なんかはそれで誘ってくるのが厄介なのよね)
花丸「いっそ、みんなを巻き込んじゃうのは?」
善子「は?」
花丸「千歌ちゃんや曜ちゃんは喜んで乗ってくるずら」
花丸「カモフラージュに使えるんじゃないかな」
善子「その二人はリスクが高すぎる」
善子「ノリが良いのは同意するけど、はっきり言って邪魔よ」
善子(ただでさえ、鞠莉がいるのに)
善子(これ以上厄介な足手纏い増やすなんてお断りよ) ルビィ「大人数になると、バレやすくなりそう……だね」
善子「でしょうね」
善子「周りの目も引くだろうし、邪魔でしかないわ」
花丸「梨子ちゃんが聞いたら怒りそうずらね」クスッ
ルビィ「笑い事じゃないよぉっ」
ルビィ「善子ちゃん、もうちょっと優しく言おう? ねっ?」
善子「邪魔なのは事実でしょ」
善子「特に、半端に常識的な奴らなんて相手するのも面倒くさいわ」
花丸「誰のことを言いたいのか、何となくわかる」
ルビィ「えぇ……駄目だよぉっ」
善子「邪魔なものは邪魔、それだけよ」
ルビィ「う〜っ」 ーーーーー
ーーー
ーー
ルビィ「花丸ちゃんは、今の善子ちゃんの方が好き?」
花丸「どうしたの? 急に」
ルビィ「なんか、嬉しそうというか楽しそうだから」
花丸「……あぁ」
ルビィ「怒鳴られたり、捕まれたり、殴られそうになったりして」
ルビィ「なのに笑ってて、挑発するみたいなことしてて……」
ルビィ「善子ちゃんだって手を出すことはあるって」
ルビィ「花丸ちゃんも、知ってるのに」
花丸「別にマルは怒鳴られても良いし、殴られても良いよ」ニコッ
ルビィ「っ……そういうの、良くないよ」 花丸「どうして?」
ルビィ「え?」
花丸「どうして良くないの?」
花丸「善子ちゃんは怒鳴りたい、殴りたい」
花丸「そうすることで鬱憤を晴らしたい」
花丸「それをマルは受けてあげたい」
花丸「ただ、それだけだよ?」
ルビィ「い、痛いよ……痛いし、怖い」
ルビィ「善子ちゃんも花丸ちゃんも痛いよっ」
ルビィ「そんなことしちゃダメだって、止めてあげるべきだよ」 花丸「止めて、どうするの?」
花丸「万が一に止まってくれたとして、我慢してくれたとして」
花丸「溜まりに溜まったそれが爆発しない保証はできる?」
花丸「爆発しちゃったときの責任はとれる?」
花丸「今でも善子ちゃんが縁談の相手を殺しちゃいそうだって解ってるずらか?」
ルビィ「それは……」
ルビィ「……でもっ」
花丸「それすらも止める?」
花丸「マルは殴られたり、怒鳴られたりするだけで済むけど」
花丸「そこまで来たらルビィちゃん、殺されるよ?」 ルビィ「………」グッ
花丸「良いよね、正しい人は」
花丸「万人向けの不出来な正義を盲信して」
花丸「これがこうだから、それがそうだからって」
花丸「無理矢理押し込もうとする」
花丸「知ってる?」
ルビィ「な、何を?」
花丸「そんなの全部、その場しのぎなんだよ」
花丸「自分の目の前ではやるな、他所では知らない」
花丸「そこで溜め込んだ怒りがどこでどうなるかなんて知ったことじゃない」
花丸「……偽善者」ニコッ ルビィ「花丸ちゃん……?」
花丸「殺されるよって聞いてどう思った?」
花丸「自分には無理だって思ったよね?」
花丸「自分は嫌だって、思ったよね?」
花丸「そういうところずら」
花丸「偽善者は良く言うよね」
花丸「自分のしたことには責任を取れって」
花丸「でも、誰かの小さな暴力を大きくさせた責任は」
花丸「誰もとろうとしない」ガタッ
ルビィ「っ」ビクッ
花丸「自分達の中途半端な正義で固められた憎悪だなんて、考えようともしない」 花丸「良いよ、止めたら良い」
花丸「それがどれだけ大きくなるか考えもせず」
花丸「危ないことを止めたんだって誇ってなよ」
花丸「その人の起こした大きな爆発を見て」
花丸「あの時止めて置いて良かった。って安堵してなよ」
花丸「大きな被害の責任を取って死刑になれと罵倒しなよ」
花丸「自分が産んだ子供の将来を望むように」
花丸「自分が産んだ犯罪者の将来を望みなよ」
ルビィ「違っ……ルビィは……」
花丸「大丈夫、正しいずら」
花丸「ルビィちゃんはなにも間違ってない」
花丸「正しく偽善者であるだけ」ニコッ
花丸「暴力を振るいそうな犯罪者の善子ちゃん」
花丸「それを受けようとする気の狂ったマル」
花丸「それが、おかしいだけだから」 ルビィ「違うっ」
ルビィ「ルビィは、ルビィはただね……」ポロポロ
ルビィ「痛いの嫌だから…怖いから……」
ルビィ「だからーー」
花丸「うん、解ってるよ」
花丸「大丈夫」
花丸「ルビィちゃんが堪えられないのは解ってる」
花丸「だから、ルビィちゃんに矛先が向いたときは止めるし」
花丸「自分に向くようにする」
花丸「マルは殴られて良いから、怒鳴られて良いから」
花丸「それが最終的に、善子ちゃんと一緒にいられる未来に繋がってるって信じてるから」
花丸「だから……ね?」
ルビィ「花丸ちゃーー」
花丸「中途半端な気持ちで邪魔しないでよ」ニコッ ルビィ「なんで……」グスッ
ルビィ「なんでっ!」
花丸「……マルは善子ちゃんと一緒に居たいから」
花丸「マルは善子ちゃんと一緒にいるためなら痛くても辛くても苦しくても平気」
花丸「善子ちゃんの幸せのためならなんだって出来る」
花丸「ルビィちゃん言ったよね」
花丸「今の善子ちゃんの方が好き? って」
花丸「好きだよ」
花丸「どんな善子ちゃんでも善子ちゃんは善子ちゃんだし」
花丸「ダイヤさんの為に一生懸命なところは格好良くて、可愛くて」
花丸「何かあるたびにちょっぴり荒れちゃう一心不乱なところがドキドキさせられる」
花丸「犯罪者にしたくないマルが邪魔で」
花丸「怒鳴って、胸ぐらを掴んで殴ろうとして」
花丸「殴り飛ばせない優しさが愛しい」
花丸「……黒澤妹って特権が羨ましいよ」
花丸「その分恨まれてるから、マルがされない暴力をルビィちゃんは受けられるんだから」
花丸「勿体無いよね」
ルビィ「ひっ……」ゾクッ どいつもこいつもブッ壊れてんな…
鞠莉ちゃんもネジ外れてそう ルビィ「じゃ、じゃぁ……」ドキドキ
グッ
ルビィ「っ」
ルビィ「も、もしかして……」
ルビィ「花丸ちゃんは、善子ちゃんみたいに」
ルビィ「善子ちゃんの気を引くお姉ちゃんが憎いの?」
花丸「え? なんで?」
ルビィ「え……?」
ルビィ「だ、だって善子ちゃんが好きなんだよね?」
ルビィ「そんな……色々できるくらい」
花丸「うん」
ルビィ「だったら、善子ちゃんに好きになって欲しいって思わないの?」
ルビィ「その気持ち? が、向けられてるお姉ちゃんが嫌いじゃないの?」
花丸「嫌いじゃないよ?」ニコッ
ルビィ「え? な、なんで?」
ルビィ「おかしい……よ、ね?」 花丸「だって、ダイヤさんを好きな善子ちゃんだからこそ」
花丸「マルはその情熱的で過激で、熱烈で」
花丸「地獄に落ちることも厭わない憎悪と、怒り」
花丸「そしてなにより、それに勝る想う気持ちを見られる、感じられる」
花丸「それは、マルと両想いでは見ることさえできない善子ちゃんの姿」
花丸「ダイヤさんはそんな魅力を引き出してくれた恩人」
花丸「だから、好き」
花丸「だから、善子ちゃんのために縁談の邪魔をする」
花丸「その協力をする」
花丸「マルはね? むしろ、善子ちゃんのダイヤさんを横取りする人が嫌い」
花丸「ダメだよ……取っちゃダメ」
花丸「そんなこと許されないよ……」ギリッ
ルビィ「っ!」
花丸「善子ちゃんのダイヤさんを守るためなら」
花丸「マルは人だって、殺せるよ」 >>148
善子→ダイヤが好き、お見合い相手が憎くて殺してやりたい
妹だからという理由で姉の寵愛を受けたり黒澤家の責務から逃げられるルビィも憎い
花丸→ダイヤのことが好きな善子が好き、だから善子からダイヤを奪おうとする人間全てが憎い、善子の暴力を受けたいドM
ルビィ→善子の暴走を止めたい
鞠莉→ルビィをダイヤの身代わりとして善子の生贄に捧げることで丸く収めたい
ルビィしかまともな人間がいない
この先花丸の話を聞かされて歪む可能性があるけど >>151
お見合い相手も相当被害者やで
自分の意思にしろ親の薦めにしろお見合いに出ただけで命を狙われてる
この先どうなるのか期待支援 ルビィ「なんでそんなこと平気で言えるの……?」
ルビィ「おかしいよ」
ルビィ「花丸ちゃん、おかしいよ!」
花丸「だから、なに?」
ルビィ「な、なにって……」
花丸「おかしかったらなに?」
花丸「ダメ? 許されない? 犯罪者?」
花丸「正しいけど、正しいことが正しいわけじゃないよ」ニコッ
花丸「少し冷静になった方が良いずら」
ルビィ「冷静……?」
ルビィ「冷静になるのは……」ズキズキ
花丸「ルビィちゃんだよ?」
ルビィ「え……」
花丸「泣いたり、怒ったり」
花丸「汗も凄いよ? 大丈夫?」 ルビィ「うぅ」フルフル
ルビィ「わからない……」
ルビィ「花丸ちゃん達のことぜんぜんっ」
ルビィ「分からなくなっちゃった……」
花丸「分かることなんて無理だよ」
花丸「だってルビィちゃんは正しくて、マルは間違ってるんだから」
花丸「正義が出来るのは、悪を裁くことだけ」
花丸「悪の理解は、正義のすることじゃない」
ルビィ「あ、悪だって言うなら……止めようよっ」
ルビィ「もう、止めてよっ」
花丸「それは出来ないずら」
花丸「だって、マルの幸せはここにあるんだから」
ルビィ「………」
花丸「ルビィちゃんにとっての悪こそが、マルの正義なんだから」
花丸「……後戻りなんて、出来ないよ」ニコッ ーーーーー
ーーー
ーー
トボトボ…
ルビィ(おかしいよ……こんなのおかしいよ)
ルビィ(花丸ちゃんは自分がおかしいってわかってた)
ルビィ(間違ってるって、狂ってるって自分で言ってた)
ルビィ(それなのに……)
ルビィ(人を好きになるって、こんなことになっちゃうことなの?)
ルビィ(お姉ちゃんも……ルビィも誰かを好きになったら、狂っちゃうのかな……)
ルビィ(やだ……)
ルビィ「そんなの……」グスッ
ダイヤ「ルビィ?」
ルビィ「!」ビクッ
グシグシ
ダイヤ「貴女泣いてーー」
ルビィ「ないよ!」
ルビィ「泣いて……ないよ」ジワッ
ルビィ「泣いてなんか」ポロポロ
ダイヤ「……」ギュッ
ルビィ「ぁ」
ダイヤ「……ええ、そうですわね」
ダイヤ「わたくしの目には、泣いている顔なんて写っていませんわ」
ルビィ「うぅ……うわぁぁぁぁん……!」ギュッ
ダイヤ「………」ナデナデ ダイヤ「………」
ルビィ「………」グスグス
ダイヤ「………」
ルビィ「……友達の、話なんだけどね」
ダイヤ「ええ」
ルビィ「好きな人が、いるって話になったんだ」
ダイヤ「好きな人……?」
ダイヤ「え……」
ルビィ「その子がね? 好きな人の為ならなんでもできるって」
ルビィ「悪いことも、なんでも」
ルビィ「犯罪だってできるって……言ってたの」
ダイヤ「それは…」
ルビィ「好きな人が出来ると、そうなっちゃうのかな……」
ルビィ「変わっちゃうのかな……?」 ダイヤ(友達の話と言いつつ)
ダイヤ(自分の話かと思ったけれど……邪推だったわね)
ダイヤ(善子さん? それとも花丸さん?)
ダイヤ(ルビィがここまで悩むなんて……Aqoursの誰か)
ダイヤ(あのみんなが、犯罪だなんて)
ダイヤ(………)
ダイヤ(あぁ、花丸さんですわね)
ダイヤ(きっと文学的な言い回しをしたのね)
ダイヤ「大丈夫ですわ」
ダイヤ「犯罪を犯すなんて、言葉のーー」
ルビィ「違う!」
ダイヤ「っ!?」ビクッ
ルビィ「あれは本気だった!」
ルビィ「本気で言ってたの!」ダンッ ダイヤ「ル、ルビィ?」
ルビィ「痛いことも苦しいことも平気だって言ってた!」
ルビィ「好きな人の為なら人を殺せるよって言ってた!」
ダイヤ「ルビィ……」
ルビィ「おかしいってわかってた」
ルビィ「間違ってるって! 悪いことだってわかってた!」
ルビィ「狂ってるってわかってた!」
ルビィ「なのに!」
ダイヤ「ルビィ!」
ルビィ「……!」
ダイヤ「落ち着いて、ね?」
ダイヤ「大丈夫、お姉ちゃんがいるから」
ルビィ「……で」フルフル
ダイヤ「え?」
ルビィ「なんで」
ルビィ「なんでなんでなんで!」
ルビィ「なんでルビィがそんな目で見られなくちゃいけないの!?」 ルビィ「おかしいのはみんななのに!」
ルビィ「自分でおかしいって言ってたのに!」
ルビィ「なんで、ルビィが心配されてるの?」
ルビィ「なんで?」
ルビィ「ルビィがおかしいの?」
ルビィ「あはは……」ポロポロ
ルビィ「ルビィがおかしいのかな」
ルビィ「ルビィが、おかしいんだ」
ルビィ「だって、そう言ってた」
ダイヤ(精神が不安定過ぎる……!)
ダイヤ(どうして? なぜ……)
ダイヤ(落ち着いて。という言葉がスイッチだなどと誰が解るものですか!)
ダイヤ「ルビィは……」グッ
ダイヤ(言葉をかけるのが怖い)
ダイヤ(次も選択を間違えたら……)
ダイヤ(……でも、ルビィの発言を認めたら後戻りはできなくなる)
ダイヤ「……ごめんなさい、ルビィ」
ダイヤ「詳しい話を聞いていないから、わたくしにはどちらとも言いがたいですわ」
ダイヤ(最低の先伸ばし……ですが、虎穴に入る他に退路はない) ルビィ「ううん、大丈夫」
ルビィ「大丈夫、もう平気……」
ダイヤ「何が……」
ダイヤ(何が、大丈夫だと……?)
ルビィ「言ってたこと、解ったんだ」
ルビィ「溜め込んじゃいけない」
ルビィ「溜め込んだら溜め込んだだけ大きくなって爆発しちゃう」
ルビィ「犯罪者になっちゃう……」
ルビィ「言ってた通りだった」
ダイヤ「………」
ルビィ「大きな声出したら、なんだかスーってなっちゃった」
ルビィ「ありがとう、お姉ちゃん」ニコッ
ダイヤ「え……あの……」
ダイヤ(何が大丈夫? 何が平気?)
ダイヤ(ルビィのなにかが壊れてしまった気がするのに……)
ダイヤ(かけてあげられる言葉が……見つからない……) ダイヤ(放課後にでも花丸さんに話を聞きましょう)
ダイヤ(なにを悠長な……とは思いますが)
ダイヤ(何がスイッチかわからない今)
ダイヤ(無闇に刺激したくない……)
ダイヤ(ルビィとなにか話したか)
ダイヤ(ルビィとなにか無かったか)
ダイヤ(……あの様子)
ダイヤ(率直に詰め寄った方が良さそうですわね)
ダイヤ(はぐらかされても困る)
ダイヤ(……好きな人)
ダイヤ(花丸さんの好きな人とは、誰なのかしら)
ダイヤ(犯罪……人殺し……)
ダイヤ(恋は人を狂わせるとは言いますが)
ダイヤ(流石に、そこまでなんて言うのは普通じゃありませんわ) ーーーーー
ーーー
ーー
ダイヤ「というわけですわ、花丸さん」
ダイヤ「ルビィに何をしたんですの?」
花丸「ルビィちゃんがそんなことになるようなことは、してないずら」
花丸「ただ、マルはマルの気持ちを話しただけ」
花丸「人を好きになるってどういうことか」
花丸「マルにとっての恋とは、どう言うものか」
ダイヤ「……人を殺せると?」
花丸「愛憎劇は王道ずらよ?」
ダイヤ「小説などーー」
花丸「うん」
花丸「所詮フィクションずら」
花丸「人間の理想で作り上げられた、リアルの模造品」
花丸「だからこそ、見れるし読める」
花丸「本当の愛憎劇を経験した人はきっと言うよ」
花丸「バカじゃないのか? こんな程度でなに騒いでるんだって」
ダイヤ「………」
花丸「ダイヤさんなら、解るはずずら」
ダイヤ「何を、ですか?」
花丸「現実はもっと、意地汚くて醜悪だって」ニコッ ダイヤ「……!」ゾクッ
ジリッ
ダイヤ「貴女……」
ダイヤ(あぁ……これですか……)
ダイヤ(ルビィが触れてしまったモノは)
ダイヤ(狂っている……狂っているのに自信に満ちている)
ダイヤ(あたかも己が誤りであるかのような不安感)
ダイヤ(その原因は)チラッ
ダイヤ(花丸さんの表情に見える……残酷なほどに澄みきった悪意)
ダイヤ(ルビィが泣くのも当然)
ダイヤ(ルビィの中で何かが崩壊してしまうのも)
ダイヤ(落ち着いてという言葉がキーワードだったのも……)
ダイヤ(なんてこと)
ダイヤ(恐ろしいのは、自分が原因であることを自覚してなお微塵も揺るがない姿)
ダイヤ(……むしろ愚かだと、自分自身を責めたくなる) 花丸「もちろん、ルビィちゃんにそこまでの話はしてないよ」
花丸「ただ、心が叫びたがっている人を無理に止めるのは良くないこと」
花丸「止めるだけ止めて、最後まで面倒を見てあげないのは偽善者でしかない」
花丸「その偽善は、大きな犯罪につながるんだよ。って、教えてあげただけ」
ダイヤ「教えてあげただけ……?」
ダイヤ「ルビィが、ルビィがそれでどれだけ悩んだか……」
花丸「マルはルビィちゃんは間違ってないよ? って教えてあげたずら」
ダイヤ「間違っていない……ええ、そうでしょう」
ダイヤ「貴女は狂っていますわ」
ダイヤ「でも、その自信に満ちた表情で」
ダイヤ「わたくしよりも、ルビィよりも真っ直ぐな平静さを示されたら……」
花丸「自分が間違ってると、思うずらね」
花丸「でも、大丈夫」
ダイヤ「何が大丈夫なんですか……っ」グッ
花丸「ルビィちゃんも発散することを覚えただけ」
花丸「ルビィちゃんみたいに、ニコニコしてる人の方が」
花丸「ためこんだ人間らしさの暴走は恐ろしい」
花丸「少し叫んだくらいで、泣いたくらいで、慌ててどうするずら」 ダイヤ「ぐっ……」ギリッ
花丸「ダイヤさんも、我慢しなくていいずらよ?」ニコッ
ダイヤ「は……?」
花丸「噛みしめた奥歯の痛み、作った握り拳」
花丸「固く閉ざしたそれをこじ開けるより、正しい使い方をしたほうが良いずら」
ダイヤ「なにを、言ってますの?」
花丸「マルが憎いんだよね?」
花丸「ルビィちゃんの純粋さを穢して、人間らしくしたマルが」
花丸「だったら、殴ればいい」
花丸「罵倒して、怒りをぶつけて、土下座を要求したらいい」
花丸「マルは受けてもいいよ?」ニコッ
ダイヤ「っ」ビクッ
ダイヤ(なんて、恐ろしい)
ダイヤ(花丸さん……貴女と言う人は……) ダイヤ(認めたくない)
ダイヤ(けれど、花丸さんが言っていることも強ち間違いではない)
ダイヤ(辛さを吐き出さないと、壊れてしまう)
ダイヤ(その弱音を、愚痴を)
ダイヤ(無意識にとはいえ、周囲の人間が吐き出せないようにしてしまうことがあるのもまた事実)
ダイヤ(それがやがて、取り返しのつかないような結果を引き起こすことだって……)
ダイヤ(花丸さんは全部分かっていながら、ルビィを追い詰めたのでしょう)
ダイヤ(いえ、追い詰めるという結果を知りながら、この話をしたのでしょう)
ダイヤ(……残酷だわ。あまりにも)
ダイヤ(でも、花丸さんはそのことに微塵の罪悪感も感じていない)
ダイヤ(かといって、誇っているわけでもない)
ダイヤ(ただただ、それが自分のなしたことであるという責任だけを掲げて見せている)
ダイヤ(文句があるならどうぞこちらへ。言葉も拳も受け入れます。と)
ダイヤ「ルビィは……ルビィはもう、戻りませんか?」
花丸「人間、堪えるだけじゃダメなんだって大事なことを忘れさせるなんて、ダイヤさんは酷いお姉ちゃんずらね」
ダイヤ「……挑発には、乗りませんわ」 花丸「そんなつもりはないずら」
花丸「ただ……ルビィちゃんみたいに関係ない人に怒鳴るのはダメずらよ?」
ダイヤ「………」
花丸「マルに怒鳴って、殴って」
花丸「それで済ませれば何も変わりなく、終わる」
花丸「でも下手に我慢すると……ね?」
ダイヤ(分かるよね? と、花丸さんの笑みが問いかけてくる)
ダイヤ(泣いて、狂ったように怒鳴って)
ダイヤ(落ち着いたかと思えば、笑って……)
ダイヤ(それはなんて、恐ろしいものだろうか……)
ダイヤ(ルビィ……)
ダイヤ「ルビィは、わたくしが取り戻しますわ」
花丸「取り戻すも何も、それが――」
ダイヤ「お黙りなさい」
ダイヤ「何と言おうと、あのようなルビィのままにはしておけません」
花丸「……そっか」
花丸「間に合うと、良いずらね」
ダイヤ「東京に行くまでまだ猶予はあります……何とかしますわ」
花丸「………うん」ニコッ ーーーーー
ーーー
ー黒澤邸ー
ダイヤ「……どうしたものでしょう」
ダイヤ(花丸さんと別れた後、向かった生徒玄関口)
ダイヤ(下駄箱から靴を取り出した瞬間、落ちてきた便せん)
ダイヤ(可愛らしい見た目と、小さくきれいな字)
ダイヤ(そもそも女生徒のみのこの学院で、この贈り物……)
ダイヤ「……見ないわけにはいきませんわね」
ダイヤ(ルビィのこともあるのに)
ダイヤ(そう、煩わしさを抱いてしまいそうになるのは……花丸さんの思い通り?)
ダイヤ「っ」フルフル
カサッ
カサカサッ
ダイヤ(わたくし宛……ですが、差出人の名前は無し)
ダイヤ「……お伝えしたいことがあります。ですか」 ダイヤ(入れ物に相応しく、入れられていた手紙もまた可愛らしいもので)
ダイヤ(当然のことながら、とても丁寧な字)
ダイヤ(書かれていたのはとても簡潔)
ダイヤ(土曜日に、浦の星女学院最寄りのバス停で待っています……と)
ダイヤ(人が確実にいない日を狙っての土曜日なのでしょうが)
ダイヤ(あいにくとその日は……)
ダイヤ「………」フルフル
ダイヤ「夕方にはデートも終わるはずですから」
ダイヤ「せめて、そのあとにすぐ向かいましょう」
ダイヤ「相手がわかれば都合が悪いことも伝えられるのに……」
ダイヤ(女の子同士の恋愛……)
ダイヤ(……まさか、善子さんから?)
ダイヤ(いえ、まさかそんなはずはない)
ダイヤ(わたくしにその気がないことは伝えていますし、あの話だってただの冗談だったんですから)
ダイヤ「どうしてこうも、立て続けに問題が積み重なっていくのでしょうか」
ダイヤ(縁談、ルビィのこと、ラブレターのこと)
ダイヤ(ストレスの発散……)
ダイヤ(やっぱり、花丸さんの言葉は決して間違ってはいない)
ダイヤ(ルビィのそれを認められないのは……エゴ。なのかしら) と文章も書けない読解力もないガガイの庭くんが作者に嫉妬しております ―浦の星女学院―
・翌朝
善子「ルビィ、ダイヤに何かあったりした?」
ルビィ「う〜ん……なんか悩んでるような感じだったよ」
ルビィ「困っているというか、なんというか」
ルビィ「聞いてないから詳しくは分からないけど」
善子「そう……デートの件は?」
ルビィ「なんにも」
善子「デートのことで悩んでるとかじゃないわよね?」
ルビィ「さぁ?」
善子「………」
善子「……あんた」
ルビィ「なぁに?」ニコッ
善子「いや、なんでもない」
ルビィ「えー気になるなぁ」
善子「何でもないわよ」
善子「なんか笑ってるから、何かあったのかと思っただけ」
善子「ダイヤのデートがなくなったとか、東京行かなくなったとか」
ルビィ「それで喜ぶのは善子ちゃんたちだけだよ」 ルビィ「善子ちゃんはさ、お姉ちゃんが東京に行くのは平気なの?」
善子「………」
ルビィ「お姉ちゃんが恋人作るのはダメだって」
ルビィ「お見合いとかもダメだって」
ルビィ「凄く、頑張ってるけど」
ルビィ「東京に行ったら、善子ちゃんの目には見えないところでどうにもなっちゃうよね」
善子「……分かってるわよ。そんなこと」
ルビィ「どうしようもないから、諦めるの?」
ルビィ「もしかして、自分の目の届かない場所に行くからもういいやって――」
バンッ
エ?ナニ?
ケンカ?
善子「そんなわけ、ないでしょ」
ルビィ「……教室だよ?」
善子「………」
ルビィ「ルビィね、昨日ずーっと考えたんだ」
ルビィ「善子ちゃんはどこまで本気なんだろう」
ルビィ「善子ちゃんの好きって気持ちは向けられているものよりもずっと、ずーっと大きいのかなぁって」
ルビィ「ルビィたちの今までの関係なんて、ゴミみたいに思えるくらいに大切なのかなって」 ルビィ「でもきっと、善子ちゃんにとってはゴミですらないんだよね」
ルビィ「だって、ゴミは目に入るもん」
ルビィ「ゴミのせいで泣いちゃうことだってあるもん」
ルビィ「……それよりもずっと小さくて、どうでもいい」
ルビィ「踏み躙っても気にも留めない雑草のようなものだよね」
善子「なんなのよ、急に」
ルビィ「考えてみたら、いろいろ言いたいことはあったんだなぁって」
ルビィ「でも、どうにかなっちゃうのが怖くて、言えなくて」
ルビィ「それなのにどんどん変わっていっちゃうから……痛くて」
ルビィ「……疲れちゃった」
ルビィ「善子ちゃんと花丸ちゃん。二人と一緒に居られるのが好きだった」
ルビィ「二人のことは好きだった、大切なお友達だった」
ルビィ「ううん、そう思ってた。二人もそうなんだろうなって、勝手に思ってた」
ルビィ「でも、ルビィは部外者なんだよね?」
善子「何言ってんの?」
ルビィ「黒澤ダイヤの妹。ただそれだけなんだよね」
ルビィ「……ねぇ、善子ちゃん」
ルビィ「お姉ちゃんがいなくなれば、ルビィはルビィになれる?」
ルビィ「また、今まで見たいな三人に戻ることってできる?」 善子「急に意味わからないこと言われても困るんだけど……」
善子「あんたはあんたよ」
善子「私は別に、あんたがダイヤの妹だから付き合ってるわけじゃない」
善子「……というか」
善子「私とダイヤが会ったのは、あんたと仲良くなってからでしょ」
善子「ダイヤはダイヤ、あんたはあんた」
善子「ダイヤがいてもいなくてもそれが変わることはないし」
善子「あんたをダイヤの代わりにするなんてこともあり得ない」
善子「でも、アンタが言ってることは間違ってない」
善子「わたしはあんたよりも、ダイヤが好き」
善子「だから、どちらかしか選べないなら、ダイヤを選ぶ」
善子「……東京に行くわよ。私」
ルビィ「え?」
善子「ダイヤを追いかけて東京に行く」
善子「梨子が東京からこっちにこれたなら、逆もできるはず」
善子「せっかく廃校になるんだから、それをうまく使って私は東京に行く」
善子「親にもあんたにも、ダメとは言わせない」
善子「私は、諦めたくなんかないのよ」
善子「ダイヤを、誰にも渡したくないのよ……」 >>175
すぐ嫉妬とか言うのな
頭の悪さが透けて見えるわ ルビィ「……そっか」
ルビィ「ねぇ、善子ちゃん」
善子「なに?」
ルビィ「善子ちゃんはお姉ちゃんがどうなってても好き?」
善子「なにそれ、どういう意味よ」
ルビィ「よくある話だよ」
ルビィ「事故で足が無くなっちゃうとか」
ルビィ「病気で話せなくなったり、目が見えなくなったり」
ルビィ「障害者になった瞬間、隣からいなくなっちゃうような人」
ルビィ「……黒澤家は、ルビィが知ってるよりも大変で」
ルビィ「障害者を養うより大変かもしれない」
ルビィ「善子ちゃんはそれでも諦めないのかなって」 善子「……諦めない」
善子「諦めるしかないことを諦めてない私が」
善子「親の反対を押し切ってでも東京についていこうとしてる私が」
善子「その程度で諦めると思う?」
ルビィ「……そうだね」
ルビィ「そうだよね」ニコッ
ルビィ「善子ちゃんの好きは……」
ルビィ「それなら」ボソッ
ガラッ
花丸「おはよう、善子ちゃん、ルビィちゃん」
善子「ん」
ルビィ「おはよー」ニコッ
ルビィ「今日は遅かったね」
花丸「図書室に寄ってたずら」
花丸「貰う本の選別しておこうかなって思って」 善子「あぁ……例の」
善子「なんなら放課後にでも手伝うわよ?」
花丸「えっ?」
善子「なによ……」イラッ
花丸「よ、善子ちゃんがおかしい……!」
ルビィ「……えへへ」ニコニコ
善子「あんたに文句言われたくないだけよ!」
善子「ダイヤのことで手を借りてると言えば借りてるし」
善子「自分は手伝うのに善子ちゃんは手伝ってくれないんだ。とか」
善子「善子ちゃんのせいで終わらないとか」
善子「難癖つけられたくないだけよ」
善子「それに、ダイヤの方もしばらく動きはなさそうだし」
善子「どうするのよ」
善子「要る? 要らない?」
花丸「うーん」
花丸「要るずら」ニコッ
ルビィ「うんうん」
ルビィ「これだよ……えへへっ」 ーーーーー
ーーー
ーー
ルビィ(善子ちゃん達は図書室)
ルビィ(ルビィは邪魔にならないように……)
ルビィ(善子ちゃん、お姉ちゃんが関わらなければ優しいんだよね)
ルビィ(普通、だったんだよね)
ルビィ(鞠莉ちゃんが言ってたことも冗談じゃ無いかもしれない)
ルビィ(お姉ちゃんがここにいてくれれば)
ルビィ(善子ちゃんもここにいてくれる)
ルビィ(黒澤家のしがらみがなくなれば、お姉ちゃんは自由になる)
ルビィ(そうしたら)
ルビィ(もしかしたら元に戻るかもしれない)
ルビィ(そのためなら)
ルビィ(取り戻す為なら……ルビィは)
ルビィ「……」チラッ
ルビィ(放課後は、生徒会室だったよね?)
コンコン
ガラッ
ルビィ「しつ……あっ、居た」
ダイヤ「ルビィ?」
ルビィ「お姉ちゃん、ちょっと……良いかな?」
ルビィ「お話がしたいから、ちょっと来て」 タンッタンッタン…
タッタッタッ…
ダイヤ「………」
ルビィ「………」
ダイヤ「……ルビィ」
ダイヤ「ルビィ、いい加減良いのでは?」
ダイヤ「屋上は締まってーー」
ガチャガチャ
カチッ
ダイヤ「なっ」
ルビィ「廃校しちゃうから記念にって言ったら借りれたよ?」ニコッ
ダイヤ「貴女……」
ルビィ「大事な話があるから」
ルビィ「屋上なら、誰にも聞かれないでしょ?」
ダイヤ「家でも良いのに」
ルビィ「家じゃ、ダメだよ」
ルビィ「……大事な話だから邪魔されたくない」 >>189
相手するのもあほくさいってことだよ
わからないかな? ルビィ「大事なことだから、率直に言うね?」
ルビィ「お姉ちゃん、東京にいくの止めて欲しいんだ」
ダイヤ「花丸さんのことですか?」
ダイヤ「花丸さんが、そうしなければ何かすると?」
ルビィ「ううん、花丸ちゃんはなにも言ってないよ」
ルビィ「ルビィが自分で考えて」
ルビィ「お姉ちゃんが東京にいかなければ良いんだって思った」
ダイヤ「わたくしの所在で何がどうなると?」
ルビィ「うん」ニコッ
ルビィ「みんなの関係が壊れるんだ」
ダイヤ「え?」
ダイヤ「……壊れる? みんなが?」
ダイヤ「わたくしが居るか居ないかで?」
ダイヤ「何をバカなことを……あり得ませんわ」 ルビィ「お姉ちゃんは何も分かってない」
ルビィ「なんにも知らない」
ルビィ「お姉ちゃんのことが好きな人がいること」
ルビィ「その人は凄く凄く好きで、お姉ちゃんの為ならなんでもできるってこと」
ルビィ「友達だろうと家族だろうと切り捨てられるってこと」
ルビィ「……お姉ちゃん、黒澤を止めてよ」
ルビィ「ルビィが頑張るから」
ルビィ「全部全部、お姉ちゃんと同じくらい」
ルビィ「ううん、お姉ちゃんよりもできるように頑張るから」
ルビィ「だからもう、女の子がダメなんて言わないでよ」
ルビィ「東京に行くなんて、言わないでよ」
ルビィ「じゃないと……ルビィ達がバラバラになっちゃうよ!」 ルビィ「……お願い」
ダイヤ「………」
ダイヤ「嘘や冗談というわけでは、ありませんわね」
ダイヤ「貴女の目は本気、声も本気」
ダイヤ「わたくしを好いてくれている人がいることも……真実」
ダイヤ「ルビィが何をどこまで知っているのか」
ダイヤ「それはわかりません」
ダイヤ「ですが」
ダイヤ「わたくしが東京に行くのはわたくしの望み、わたくしの意志」
ダイヤ「黒澤を背負うのもわたくしの意志」
ダイヤ「易々と、身を引くわけにはいきません!」
ダイヤ「貴女たちに問題が起きていることは承知しています」
ダイヤ「花丸さんとも、お話ししました」
ルビィ「!」
ダイヤ「……大丈夫です。わたくしがなんとか致しますわ」 ルビィ「……ダメだよ」
ルビィ「それじゃもう、ダメなんだよお姉ちゃん」
ルビィ「お姉ちゃんは正しいと思う」
ルビィ「決めたことをしっかり守っていくのはルビィも好き」
ルビィ「格好よくて……憧れだった」
ルビィ「でも、でもね?」
ルビィ「それじゃもう、ダメなんだよ」
ルビィ「花丸ちゃんも、善子ちゃんも」
ルビィ「正論だけではどうにもできない」
ダイヤ「……解ってるわ」
ダイヤ「言ったでしょう? 花丸さんとお話をしたって」
ダイヤ「花丸さんの闇は深い」
ダイヤ「それでも、なんとかできるはず」
ダイヤ「まだ間に合うはず」
ダイヤ「わたくしは……そう信じています」
ダイヤ「貴女の気持ちと考えは解りますが」
ダイヤ「どうか、任せて頂戴」
ダイヤ「貴女の姉である黒澤ダイヤを、信じて頂戴」 ルビィ「………」
ルビィ「……解った」
ルビィ「お姉ちゃんがそこまで言うなら、ルビィも覚悟を決めるよ」ニコッ
ダイヤ「ルビィ…」
グッ
ダイヤ「ありがとう」ニコッ
ルビィ「ううん、気にしないで」
ルビィ「きっとお姉ちゃんならそう言うだろうなって覚悟はしてた」
ルビィ「それでも、ルビィの本気のお願いなら受け入れてくれると思ってた」
ルビィ「でも、ルビィの負けだね」
ダイヤ「ふふっ、そんなことありませんわ」
ダイヤ「十分、強さを感じましたから」
ダイヤ「さぁ、戻りましょう」
ダイヤ「屋上は少し、冷えますわ」 ガチャガチャ
カチャンッ
ダイヤ「ちゃんと締まってますの?」
ルビィ「うん、大丈夫」
ダイヤ「まったく、驚きましたわ」
ダイヤ「まさか屋上の鍵を借りてきているなんて……」
スタスタ
ダイヤ「廃校を利用したとはいえ、貸して貰えるなんて」
ルビィ「えへへ……」
タンッタンッタ……
ルビィ「………」
ルビィ「お姉ちゃん」
ダイヤ「なに?」
ルビィ「ごめんね?」
ダイヤ「ぇーー」
ドンッ
ダイヤ「ル……ビィ……?」
ルビィ「これがルビィの……覚悟だよ」 ーーーーー
ーーー
ーー
図書準備室
花丸「ここずら」
善子「ここって……」チラッ
善子「図書準備室?」
善子「こんなところあったのね」
ガチャッ……
ガラッ
花丸「名前だけだよ」
花丸「普段は全く使ってないずら」
花丸「古くなっちゃった本とか」
花丸「ちょっとした小道具とかが置いてあるんだ」
善子「小道具?」
善子「………」キョロキョロ
善子「これ?」ガタガタッ
ガタンッ
ボフッ
善子「っ! げほけほっ……」パタパタ
善子「けほっけほっ……なにこれ、ほこりっぽい……」 >>190
アホくさいのに態々レスするとか結局構ってもらいたいんじゃんw
素直じゃないねえ〜w 花丸「言ったずらよ。あんまり使ってないって」
花丸「多少掃除はしてあるけど、小道具にまでは手が回ってなかったずら」
花丸「なにせ、図書室のボランティアはマルだけだからね」
花丸「実質、ここはマルの私室みたいな感じなんだ」
善子「汚すぎるでしょ……押し入れでももう少し綺麗だわ」
善子「で? なんなのこの小道具」
花丸「あぁ……それは音読会で使ったパペットずら」
花丸「ほかには紙芝居とか、演劇の衣装なんかもあるらしいよ」
善子「演劇……? なんでまた」
花丸「昔は、ちゃんと図書委員があってね」
花丸「公民館や、幼稚園とか」
花丸「ちょっとした地域ボランティア活動でやってたんだって」
花丸「この部屋も、その時代に使われたた場所」
花丸「……今はもう、ただの物置だけど」
善子「…………」
善子「へぇ、知らなかった」
花丸「Aqoursがなければ、善子ちゃんとルビィちゃんと一緒にこれをやってたかもしれない」
善子「ないない」
善子「私、そういうの興味ないから」 花丸「残念」ニコッ
善子「……全然そう見えないんだけど」
パサッ
パサッ
善子「ここって裏口もあるのね」
花丸「ふふっ、善子ちゃん興味深々ずらね」
善子「良いじゃない別に」
善子「本をまとめるだけじゃ、暇なのよ」
花丸「暇ではないと思うけど……」
花丸「その裏口は、昔の図書委員の人が使ってたんだって」
花丸「確か……忍法タイムトラベル」
善子「せめて日本語にしなさいよ、忍法」
花丸「あはは……適当だったんだよ」
花丸「タイムトラベルって言いながら、実際は遅刻しかけた生徒が校門を避けて学校に入る裏口ってだけ」
花丸「遅刻するはずだったのに、遅刻しない未来を作りだす」
花丸「だから、タイムトラベル」
花丸「先輩は面白いよね」
善子「面白いというか、曜とか、鞠莉みたいね」
善子「その場の勢いで生きてる感じがするわ」 >>203
見えないけどガガイくんかな?
言動と行動が一貫していないよw
ぼきゅに構ってください、お願いしますってちゃんと言おう?ね? 花丸「アルバムあるけど、見てみる?」
花丸「善子ちゃんがあぁ。って納得するような人の写真が載ってるよ?」
善子「……やめとく」
花丸「そっか」
花丸「……あ、その本は持っていきたいからこっちにおいて」
善子「はいはい」
善子「こっちは?」
花丸「うーん……それも」
善子「……」チラッ
善子「これは?」
花丸「それは……いいや」
花丸「でも、面白いから善子ちゃん呼んでもいいずらよ?」
善子「読書とか無理」
善子「どんな話なの?」パラパラパラ
花丸「えぇ……ネタバレだけ聞くずら?」
花丸「読まないのに?」
善子「読まないから聞くのよ」 花丸「簡潔に言うと、推理小説ずら」
花丸「ある村で殺人事件があってね、探偵が来る」
花丸「その探偵が事件の謎を解き、犯人を追い詰めて捕まえる」
花丸「という物語」
善子「普通の推理小説じゃない」
花丸「これの面白いところは、偶然を利用したトリックを使ってるというところ」
花丸「偶然を用いることで、真犯人が実行犯では本来ありえないような現象を引き起こし」
花丸「探偵の推理を湾曲させ、別の人を犯人にしちゃうんだ」
善子「何それ、狡くない?」
花丸「そう、狡い」
花丸「小説では、いくつものトリックを用いられているけれど」
花丸「偶然を……しかも、描写の裏に隠しているのは斬新だった」
花丸「はっきり言って邪道で、作品の評価はボロボロだったけど」
花丸「最後の一瞬まで真犯人を突き止めさせなかった物語は面白かった」
善子「でも結局捕まるんでしょ?」
花丸「うん」
花丸「最後に犯人はこう言うずら」
花丸「お前の立派な推理で、人が一人死んだんだ。おめでとう、人殺し。って」
善子「え……?」
花丸「言葉の通り、最初の冤罪でつるし上げられた人は」
花丸「村ゆえの冷酷さに……自殺しちゃったんだ」
花丸「推理小説において正義である探偵、それを一つの悪として描いた作品」
花丸「だから、マルは少し気に入ってる」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています