その後、がっくり肩を落としてもぞもぞ食事を口に運ぶ私の様子に耐え兼ねたのでしょうか。
愛に生きるナンパ妖怪ハラショー女は、忠告という名の恋愛講釈を延々垂れ始めました。

曰く「いつまでも出ていった子のことなんか引きずらないで切り替えなさい」

「この前セッティングしてあげたレズコンで、どうして誰とも電話番号やLINE交換しなかったの」

「かよちゃんだっけ? 大人しくていい人そうですねって気に入ってた子いたじゃない」

「訊くタイミングが無かった? そんなもの自分が作るのよ」

「只でさえ私たちは日陰者なんだから、アプリでも何でも使えるものは全部使って出会いを探さなきゃ」

「三十過ぎたら『街角で運命の出会い』とか『自然に出会って』とか一切ないからね?」

「危機感を持ちなさいよ。きっかけを自分から作らないと、あなた一生ずーっと一人ぼっちのままよ?」