梨子「ねえ鞠莉さん……今日の夜学校に来てくれない……?」鞠莉「へ?」
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鞠莉「な、なんで?」
梨子「えーっと……その……」モジモジ
梨子「ちょっと今は言えないっていうか……」
梨子「来てくれたら分かるっていうか……」
梨子「……ダメ?」
鞠莉「…………」
鞠莉「いや、ダメじゃないけど……??」
梨子「そ、そっか!」
梨子「それじゃあお願いね!夜の8時でいいかな!?」
鞠莉「え、ええ……」
梨子「あっ、それと1人で来てね!あと私に呼ばれたことは皆には内緒で!」
鞠莉「はあ……」
鞠莉(なんの用かしら……??) 〜PM 7時40分〜
ブロロロロロ……
キィー
鞠莉「ふー、到着」
鞠莉「ちょっと早かったかしら?」
鞠莉「車で来ちゃった」
鞠莉「…………」キョロキョロ
シーーーーン
鞠莉(夜の学校って……なんだか静かで不気味ね)
鞠莉(えーっと……)ガサゴソ
鞠莉:着いたよ〜
ピロン
梨子:私ももう着いてるよ!
梨子:部室にいるね!
鞠莉(…………)
鞠莉(本当になんの用なのかしら……?) 鞠莉(とりあえず入るとするかな)
鞠莉(うー、さむっ!もうすっかり冬ね)ブルブル
キィイイイ
鞠莉(校門……古くなってるなあ。開けるだけでこんな音立てちゃって)
バタン
鞠莉(それにしても……)
鞠莉(今日は天気がいいわね。夜だっていうのに明るい) コツン……コツン……
鞠莉(うー、夜の学校って……ちょっと……)
鞠莉(足音とかすっごい響くし……薄暗い……)
鞠莉(…………!)バッ
鞠莉(……なんて、つい後ろ振り返ってみちゃったり……)
鞠莉(実際何もいないのは分かってるんだけどね)
コツン……コツン……
鞠莉(…………)
鞠莉(やば、怖い怖い。早く部室行っちゃお)スタスタスタ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b) 鞠莉(……!あ、部室)
鞠莉(電気付いてる)ホッ
鞠莉「やっほー?」ヒョイ
梨子「あ、鞠莉さん!」
鞠莉「あ、梨子!ホントにいた!」
梨子「そりゃいるよー、呼んだんだから」
鞠莉「いや〜、なんかこんなに静かだと誰もいないんじゃないかって思っちゃったりw」
梨子「まあ、確かに静かね……」
梨子「……えっと」
梨子「まずは……突然ごめんね?こんな急に……」
鞠莉「いや、まあそれはいいんだけどさ……」
鞠莉「どうせ家いても……ホラ」
鞠莉「今は結構暇っていうか、時間あったし」
梨子「……そうですか」
鞠莉「それで、なんの用なの?そろそろ教えてよ」 梨子「え〜っと……」
梨子「…………」モジモジ
梨子「……と、とりあえず、お茶でも飲まない?私煎れるから」
鞠莉「ん〜〜??」
鞠莉「なぁに?随分勿体ぶるじゃない……」
鞠莉「…………!」
鞠莉「……な、なんか変なことする気じゃないでしょうね……」
梨子「はぁ!?///」
梨子「ちょっ……鞠莉さんバカ!?そ、そんな訳ないでしょ!?///」
鞠莉「いや、普通に挙動不審だからアナタ……」
梨子「違う違う違う!普通に用事があって来てもらったの!なんかそういう妙なことじゃないから!もう!///」ブンブンブン
鞠莉「わ、分かった分かったって……じゃ、じゃあとりあえずお茶煎れてよ……」
梨子「まったく……///」
鞠莉「あ、やっぱコーヒーで。そこの棚にインスタントの常備してあるから」 ―――――――――
――――――
―――
鞠莉「…………」ズズッ
梨子「…………」ズズッ
鞠莉「ふぅ、それにしても……外が明るいわね〜、今日は」
梨子「鞠莉さん窓の外ばっかり見て……寒くないの?」
鞠莉「ん〜?」
鞠莉「梨子もそんなとこ座ってないで来てみなよ。今日すっごく天気いいわよ?」
梨子「…………」スタスタ
梨子「……本当だ。雲一つない」
梨子「空が透き通ってるって感じ」
鞠莉「ね」
梨子「ええ」
鞠莉「…………」
鞠莉「ねえ梨子」
梨子「ん?」
鞠莉「昼に学校来てって言われてから……ずっとなんの用だろうって、考えてたんだけどさ」
梨子「……」
鞠莉「まあ、ぶっちゃけ大体分かるよ。なんの用かは」 梨子「……本当?」
鞠莉「そりゃあそうでしょwこのタイミングなんだしw」
梨子「…………」
鞠莉「なんの用かは分かるっていうより……どういう類の話かは、まあ察しつくかな」
梨子「……そう」
梨子「…………」
梨子「まあ、このタイミングだしね……」
鞠莉「…………」
梨子「…………」
梨子「ねえ、鞠莉さん」
鞠莉「ん?」
梨子「月が綺麗ですね」
鞠莉「…………」
鞠莉「……は?」 鞠莉(えっ……急に何言ってんだコイツ……?)
梨子「?」
鞠莉(え、え?聞き間違い?)
梨子「……鞠莉さん?」
鞠莉(いや……え?)
鞠莉(あれ、今『どういう類の話かは、察しつくかな』とか言っちゃったけど)
鞠莉(…………)
鞠莉(普通に思ってたのと違う……)
鞠莉(なんか告られた……)
梨子「鞠莉さーん?」
鞠莉「は、はいぃ!?」
梨子「どうしたの?急にボーッとして」
鞠莉「いや……ええ?」
鞠莉「よ、用事って……」
鞠莉「なに、告白だったの?」
梨子「はい!?」 梨子(えっ……急に何言ってんだコイツ……?)
梨子(なんで月が綺麗って感想言っただけで告白とかと思われてるの……?)
梨子(今鞠莉さんの脳内でどういう飛躍が起こったんだろう……謎だわ……)
鞠莉「いや……そういう用事なら……えっと……その……」
鞠莉「心の準備が必要というか……」
鞠莉「そもそも私レズじゃないし……」
梨子「いやいやいや!ちょっと待って!違う!何言ってんの鞠莉さん!?」
鞠莉「いや、今愛してるって……」
梨子「言ってないから!月が綺麗としか言ってないから!どゆこと!?」
鞠莉「……え?」
梨子「……え?」
鞠莉「…………」
梨子「…………」
鞠莉「梨子ってさ、もしかして、理系?」
梨子「え!?……ああ、うん。文理選択ではそっち取ろうかとは思ってるけど」
鞠莉「…………」
鞠莉「あー、オッケオッケ。了解。ごめん私の勘違いだったわー」
梨子(なんなんだろ……) 鞠莉「お節介かもしれないけどもうちょい勉強した方がいいわよ、梨子」ズズッ
梨子「な、なにそれ!急に!」
鞠莉「あ、もうコーヒー冷めちゃってるし……」
梨子「もう……」ズズッ
鞠莉「……それで?結局なんの用なの?もう。モジモジしちゃって、変よ?」
梨子「……まあ、ずっと言わないって訳にもいかないよね……」
梨子「……分かった。じゃあもう今度こそ教えるから。せっかくこんな時間に来てもらったんだしね」
鞠莉「うんうん。気になるー」
梨子「……でもその前に」
鞠莉「?」
梨子「場所移していい?ここじゃなくて別の場所で伝えたいの」 ―――――――――
――――――
―――
鞠莉「ここって……」
梨子「うん」
鞠莉「……音楽室じゃない」
梨子「夜の音楽室ってなんか不気味だよね」
鞠莉「うへぇ〜、確かに……」
鞠莉「…………」キョロキョロ
鞠莉「肖像画とか超怖いし……」
鞠莉「もうなに〜!?部室じゃダメだったの〜!?」
梨子「ダメだったの」
梨子「……だって」
梨子「部室には、ピアノがないでしょ?」
鞠莉「……!」
鞠莉「ピアノ……?」
鞠莉「もしかして……ピアノ弾くの?」
梨子「うん。そのためにここ来たのっ」
梨子「……ねえ鞠莉ちゃん」
梨子「今日は本当に月が綺麗だね」
梨子「この音楽室には、特に光が入ってきてる」
ポロ……ポロロン……♪ 〜〜〜♪
梨子「…………♪」
鞠莉「おぉ〜……!」
鞠莉「凄い凄い……やっぱ上手いわね!」
梨子「ふふっ、でしょ?」ポロロンポロポロン
鞠莉「今弾いてるのって……これ、『未熟Dreamer』じゃない?そうよね?」
梨子「正解♪」
鞠莉「なんか、幻想的ね〜」
鞠莉「誰もいない学校で……ピアノの音が響いて……」
〜〜〜♪
―――――――――
――――――
――― 梨子「……ふう!」
鞠莉「Fantastic!素晴らしい演奏だったわ!」パチパチパチ
梨子「へへ、ありがと」
鞠莉「そういえばこの曲も……梨子が作曲したんだもんね」
梨子「うん。でも、私だけじゃないけどね」
梨子「この曲は……作曲も作詞も衣装も振り付けも、皆の力で作ったもの」
梨子「皆がいたからこの曲ができたんだし……実際、作詞なんかは果南さんやダイヤさん、鞠莉さんが作ったものに私たちが手を加えたのよね」
鞠莉「でも私達では未完成だったものを、作り上げてくれた。嬉しかったよ」
梨子「私も」
梨子「こんな素晴らしい曲を作れて良かった」
鞠莉「…………」
梨子「ねえ、鞠莉さん」
鞠莉「……ん?」グスッ
梨子「どうして泣いてるの?」
鞠莉「え……?……私いま泣いてる……?」
梨子「少しだけ」
鞠莉「ん……なんでだろ……」
鞠莉「…………」
鞠莉「最近私……泣いてばっか」グスッ 梨子「…………」
梨子「ねえ、鞠莉さん」
鞠莉「……ん?」グスッ
梨子「3日前に廃校が決まって……千歌ちゃんも曜ちゃんも、皆そうやって、泣いてた」
鞠莉「…………」
梨子「本当、この歳になっても『ああ、こんなに人前で泣いちゃうんだなー』ってくらい。……号泣してたの」
梨子「私もう、びっくりしちゃってw」
梨子「……でもね」
梨子「一番びっくりしたのは……私も泣いてた。千歌ちゃんとも。曜ちゃんとも。同じくらい」
梨子「それが一番びっくりしたことだった」
鞠莉「梨子……」 梨子「だってそうじゃない?……私この学校も、皆のことも。大好きだったけど」
梨子「ここに来て、それでもやっぱりまだ半年ぐらいで……」
梨子「だから、千歌ちゃんよりも曜ちゃんよりも」
梨子「果南さんよりも、ダイヤさんよりも、ルビィちゃんより善子ちゃんより花丸ちゃんよりも」
梨子「……鞠莉ちゃんよりも」
梨子「一番悲しくないのは私なんじゃないかなって、そう思ってた」
鞠莉「…………」
梨子「でもね」
梨子「きっと同じくらい悲しかったんだと思う。本当に、この浦の星が無くなることが……」
梨子「それが、本当に変な言い方すると、ちょっと嬉しくて」
梨子「でもやっぱり……悲しかったよ」 鞠莉「梨子……」
鞠莉「私……」
鞠莉「…………」グスッ
鞠莉「私は……」ポロポロ
梨子「…………」
梨子「鞠莉ちゃん」
鞠莉「うっ……うぅ……」グスッ
梨子「ふふっ。さっきさり気なく呼んでみたけど……やっぱりちゃん付けはまだ、恥ずかしいかな……」
鞠莉「……梨子…………」
梨子「……ねえ」
梨子「でもね、思ったの」
梨子「きっと今、誰より悲しいのは」
梨子「……鞠莉ちゃんなんじゃないかなって」 鞠莉「…………」
梨子「鞠莉ちゃんはさ」
梨子「私たちの見えないところで、色々学校を守ってくれていたんだよね」
鞠莉「……守ってなんか……」
梨子「守ってたよ」
梨子「私にはそう見えた」
梨子「それは、他の皆も同じ」
梨子「Aqoursの皆も……浦の星の皆も」
梨子「鞠莉ちゃんがこの学校、守ってくれてたって知ってるよ」
鞠莉「……でも」
鞠莉「結局、守れてなかった」
鞠莉「……廃校は、決まっちゃったから」
鞠莉「私のしてきたことは……」
梨子「……もう!」
梨子「鞠莉ちゃん!」
鞠莉「!」ビクッ
梨子「いっつもシャイニーとか言ってるくせに!意外とネガティブなんだから!まったく!」
鞠莉「う……」
梨子「しょーがないんだから!」
梨子「……もう、そうやって落ち込んでるんじゃないかと思って、ここに呼んだの!」
梨子「言葉じゃ限界があるから……っていうか」
梨子「私はやっぱり、こうして伝えるのが一番得意だと思って、ね」 梨子「…………♪」
〜〜〜♪
鞠莉「あ、ピアノ……」
梨子「私が鞠莉ちゃんに伝えたいことは色々あるけど……多分、この曲を聴いて貰うのが一番だと思って」
梨子「昔作った曲なの。歌詞も……実は私が作ったやつで」
梨子「私の周りにはほら、色々落ち込む人が多いから」
梨子「そういう人達を元気付けられたらと思って作ったんだ」
梨子「恥ずかしくて、結局誰にも披露しなかったんだけど」
梨子「……今鞠莉ちゃんに、聞かせたいと思って、ね」
鞠莉(…………)
鞠莉(綺麗な音色……)
梨子「そ、それじゃあ歌うから……は、恥ずかしいけど!///聴いてね!」
〜〜〜♪ うまくいかなくて
泣きそうになる時は
くちびる噛みつつ願うんだ
「あしたは晴れ!」
繋がりそうで
繋がらないの
心と心
船が夕焼けを渡るよ
悩みを持ち去るように
私はまだまだ頑張れる
消える波に語ろうか
ほらもう大丈夫!家まで走って行こう
面白いことしたくなったと
君に伝えなくちゃ
家に帰ったら…… ―――――――――
――――――
―――
梨子「〜♪」
梨子「……ふう」ポロン……
梨子「…………」
梨子「これで、終わり」
鞠莉「…………」
梨子「……ど、どうだった?///」
鞠莉「…………」
鞠莉「梨子゛ぉ……!」ボロボロ
梨子「わっ!?鞠莉ちゃん!?」
鞠莉「あ゛りがどうね……!ごめんね゛……」ガシッ
梨子「うわっ、ちょっ、鞠莉ちゃん!?」
梨子「ちょっと、余計泣いてどうすんの!?ていうか鼻水!鼻水つくから!」
鞠莉「う゛〜……!う゛〜……!」ボロボロ
梨子「まったくもう……」
梨子「…………」
梨子「鞠莉ちゃん」
梨子「浦の星にはまだ半年ぐらいしかいない私だけど……でも、だからこそ」
梨子「母校を一度、離れたことがある私だからこそ……言わせて欲しいの」
梨子「…………」
梨子「浦の星を守ってくれて、ありがとう」 鞠莉「……グスッ!……う゛ん゛……」ボロボロ
梨子「もー、鼻水べったり服に付いてるじゃないwちょっとw」
鞠莉「あ゛……ごめ……」
梨子「まったくー……鞠莉ちゃん……てば……」
梨子(うわっ!本当にべったり付いてる!)
梨子「と、とりあえず鼻!鼻噛んで!ティッシュあげるから!」
鞠莉「ん゛……」チーーンッ
梨子「全くもう……本当に泣き虫ね……」
鞠莉「グスッ……泣き虫じゃないもん……」
梨子「……ま、ここでなら誰も見てないし、もっと泣いてもいいんじゃない?w私は誰にも言わないし?w」
鞠莉「っこら!もう、先輩をからかうんじゃないの!」
梨子「ふふっ」
梨子「ねえ鞠莉ちゃん」
鞠莉「……ん?」
梨子「月が綺麗だね」 鞠莉「……本当ね」
梨子「月が綺麗なのは、太陽と光を反射してるからなんだよね」
梨子「だから……こんな夜でも、地球の裏側で太陽が……シャイニー!してるから」
梨子「月は綺麗で……」
梨子「優しく撫でるように、輝いてる」
鞠莉「…………」
鞠莉「ねえ、梨子」
梨子「ん?」
鞠莉「さっきの曲……あれ、曲名はなんて言うの?」
鞠莉「聞きたいな」
梨子「ああ、あれ?」
梨子「あれはね……鞠莉ちゃん」 空も心も晴れるから聴いてたら気持ちが昂ったんで書きました。
あの曲は2年曲ですが鞠莉ちゃんのイメージが個人的に強いんです。
JASRAC訴えてこないでね。 夜の学校に呼び出すシチュだと好きか嫌いに振り切れてる展開しか想像出来なかった自分の発想の貧困さが恥ずかちぃ りこまり推し俺大歓喜
ありがとう、ありがとう... >>60
お前いつもそれしか言えないな
よくわかんないんだよ… 告白で驚くってマリーさんは何を予想してたんだろう
心が汚れてるから告白されるか刺されるか監禁される以外の選択肢が思い浮かばないぞ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています