鞠莉「久々に会ったし、卓球で勝負しましょう」果南「いいね」
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鞠莉「SMAAAAASH!!」カーン
果南「あっ!…あー私の負けかぁ。なんか鞠莉、卓球強くなってない?」
鞠莉「うふふ、実は時々ここで秘密特訓してるのデース!」
果南「えぇ〜?この体育館で?もう廃校になって何年も経つけど使って大丈夫なの?」
鞠莉「No Problem!今は私が直々に管理しているしね」
果南「誰も使ってないのに?」
鞠莉「私たちの思い出の学校だしね。どうしても残しておきたくて」 果南「それにしても私たちが卒業してもう10年かぁ。日本に帰ってきたのも久々なはずなのに、全然そんな感じしないよ」
鞠莉「果南がまさか海外にそのまま移住しちゃうなんてねー」
鞠莉「まったく、ダイビングの資格取ったらすぐ帰ってくるっていうからずっと待ってたのにぃ」
果南「あはは、ごめんね」
鞠莉「ま、こっちにはダイヤもいるしね。果南なんていなくてもちっとも寂しくなかったわ!」
果南「それスネてる人のセリフじゃん…。だからごめんって」 鞠莉「…ねぇ、果南」
果南「ん、何?」
鞠莉「海外の生活って、どう?」
果南「うん!楽しいよ!いやー最初はどうなるか不安だったけどさ、実際暮らしてみると人は優しいし、ご飯はおいしいし、海はきれいだし」
鞠莉「ちょっ!ちょちょちょWait!Wait!!」
果南「へ?」
鞠莉「そういうのいいから!!」 果南「……あ!もしかして私が無理して言ってると思ってる?ありがとね、心配してくれて!でもホントに楽しいから!」
鞠莉「いや、違くて」
果南「え?な、何が?」
鞠莉「違うの!果南は慣れない生活に疲れ切ってるの!!海外の荒波に揉まれ、挫折を味わい、自信も砕け散って、逃げ帰った地元で昔の変わらない友人と出会い、あの頃の輝きとかを思い出すの!!!」
果南「いや何言ってんの!!?疲れ切ってないから!勝手に決めないでよ!」
鞠莉「だって悔しいじゃない!私はこうして今でも一人寂しく地元で働いて、夜な夜な誰もいない体育館で卓球してるっていうのにさ…」
果南「卓球の件に関してはホントに知らないよ」 鞠莉「いいからいいから。もう1回。…オホン。海外の生活って、どう?」
果南「…うん、まぁ、それなりだよ」
鞠莉「ウソ!絶対、無理してる!!私の知ってる果南はそんな悲しい笑顔をしないもの!」
果南「ははっ、鞠莉には嘘はつけないね。実は私、逃げてきたんだ…。もう海外でやっていける自信なくてさ、私、もう地元に帰ろうかななんて…」
鞠莉「バカッ!!パシーン!!ここで私ビンタ!!」
果南「ま、鞠莉っ……」
果南「…………みたいな?」
鞠莉「そうそう、こういうの。こういう風になると私まだ負けてない!みたいになるじゃない」
果南「勝ち負けの問題かなぁ」 果南「…でもさ、ここでスクールアイドルしてた頃はみんな同じ方向を目指してたのにね。どこに分かれ道があったのかな…」
鞠莉「きっとはじめから分かれてたのよ。生き方なんて決まっててたまるもんですか!」
果南「変わんないなぁ鞠莉は」
鞠莉「成長してないだけ、かもね」
果南「………今のやり取りカッコよくなかった!?」
鞠莉「何よ、果南も結局こういうのやりかったんじゃない」 鞠莉「青春時代を語り合うかつての親友…一方は地元に残った女、一方は赴いた先で何もかも失った女…的な」
果南「だから勝手に決めないでって!ていうかさ、ダイヤまだ?」
鞠莉「What's?」
果南「いやワッツじゃなくて。今日ダイヤも来るって言ってたじゃん」
鞠莉「あぁ、そうね」
果南「頼むよホント。私も久々に会えるって楽しみにしてたんだから」
鞠莉「Sorry,Sorry.ちょっと最近実験続きで疲れちゃってたかも」
果南「え、実験?」 鞠莉「えぇ。個人的に興味があることがあって、ちょっとね」
果南「ふーん…実験というとなんかこう、理科の実験的な?」
鞠莉「YES!まぁ、Schoolでやる実験よりもっと本格的なヤツだけど」
果南「ま、鞠莉が本格的っていうとスケールが見えてこないな…。どんなことしてるの?」
鞠莉「ウッフッフ…それはトップシークレットなのです!」
果南「えぇ〜、気になるなぁ」 果南「あ、わかった。あれでしょ」
鞠莉「何?」
果南「好感度測定メガネとか、股間にアレが生える薬とか」
鞠莉「SSの読みすぎでしょ!!」
果南「じゃあえーっと、あれだ。動物のなんか、生態的なやつ」
鞠莉「まぁまぁそれはもういいじゃない。私、ダイヤを迎えに行ってくるわ。これでも飲んで待ってて」
果南「何これ?あ、ビールか」
鞠莉「YES!!ここで3人で酒盛りしましょ♪大丈夫!ここ、夜は私しか来ないから!」 果南「ここで酒盛り!?夜の体育館で!?…まぁいいけど、グラスは?」
鞠莉「あっ、しまった。用意してなかったわ。ん〜…とりあえずこれで代用しといて」
果南「これ実験で使うフラスコじゃん!!何これ私物!?なんで持ってきてんの!?」
鞠莉「ほら、スポイトもあるわよ?」
果南「いらないってば!」
鞠莉「え〜、血中アルコール度数とか正確にわかるのにぃ」
果南「何の役に立つのそれ……うわっ、このフラスコちょっと薬品くさい」 鞠莉「あとこれ、おつまみにどうぞ!」
果南「お、焼き豚?おいしそう」
鞠莉「当然!私がさばいたPigだからね!あ、これ包丁ね。食べたいだけ切って」
果南「ん。おぉいい切れ味。…って待って。鞠莉がさばいたの!?完全自家製!?」
鞠莉「うん!豚一頭買っちゃいました!まぁ、ちょっと肉が多すぎて他は腐らせちゃったけどね」
果南「ホント何してんの鞠莉…ていうかほとんど捨てちゃったんだ。もったいないなぁ」
鞠莉「ま、中身は興味ないから」 鞠莉「じゃあダイヤのとこ行ってくるわ」
果南「うん。ダイヤはこんな時間まで家のお仕事かぁ。大変そうだね」
鞠莉「そうねぇ。よし、今日は強いお酒でも飲ませましょ。途中でウォッカでも買ってくるわ!」
果南「え"っマジで?ダイヤにそんなの飲ませて大丈夫?」
鞠莉「だいじょぶだいじょぶ。あ、ちょっとコート借りるわね」
果南「いいよー」 鞠莉「私たちが帰ってくるまでに酔って寝ちゃわないでよ〜?」
果南「平気だって」
鞠莉「まぁでも一応眠くなったらそこに体操用のマットあるから、眠くなったらそこで三点倒立でもしてて」
果南「しないよ!!!」
鞠莉「そこにちょうどよくダイヤ連れてくるから。『果南さん…あなた何してますの…?』って♪」
果南「悪質だね!?だからしないって!」
鞠莉「あ、でもそこの綿出ちゃってるマットは触っちゃダメよ?私のお気にだから」
果南「え?うわっ、何これ汚いなぁ…捨てなよこんなの」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−
果南「…うーん、一人で飲んでてもつまんないなー」
果南「………」
果南「…いかん、ちょっと眠くなってきた」
果南「ダイヤとも久々に会うし、ちょっと体動かしてテンションあげとこっかな」スクッ
果南「卓球は散々やったし、あとは………マット」
果南「………」
果南「…いやいや、三点倒立なんてしないからね」 果南「…あれ?このカバン、鞠莉のだよね。持ってかなくてよかったのかな」ヒョイ
ドサドサッ
果南「わっ!中身出ちゃった。…大学ノート?なんのノートだろ」
果南「………」
果南「……中は見ちゃ、ダメだよね」
果南「………うーん」
果南「…これ以上何もしないと眠くなっちゃうしね。ちょっとだけ、ちょっとだけ…」 果南「えーっと、『カエル、ハツカネズミ、モルモット』…?」
果南「おっ、動物の実験って当たってたんじゃん。解剖とかかな?」
果南「次が『ニワトリ、ウサギ、ブタ』……」
果南「……『ニンゲン』」
果南「………」
果南「なんだ、じゃあ解剖じゃないね。なんだろこれ」パタン 果南「………」
果南「あ、あー。夜の学校ってやっぱ静かだなー!!こ、怖くないけどねーー!!」
果南「うっ寒っ。なんで鞠莉コート借りてったんだろ…自分のは?」
果南「………」
果南「やばっ、動いてないと寒くて無理だ。早く帰ってこないかな……ん?」
果南「あんな所に人形…ぬいぐるみ?がある…」 果南「なんで体育館に……って、わぁっっ!!」
果南「えっ!?こ、これ、本物!?」
果南「ニワトリと、ウサギ…でも、これ」
果南「はく製……?」 果南「…『ニワトリ』、『ウサギ』…」
果南「それに、この焼き豚……」
【鞠莉「当然!私がさばいたPigだからね!」】
【鞠莉「ま、中身は興味ないから」】
果南「『ブタ』か…」
果南「………」
果南「…てことは次は」
果南「『ニンゲン』……?」 果南「いやいやいやいやいや」
果南「そんな、人間のはく製なんて変だよ。そんなわけないって」
果南「そもそもどこの誰がはく製になんて……」
果南「………」
果南「…え?私?」 果南「む、無理無理無理!!!ここではく製とかそんなのありえないから!!」
果南「だってまず刃物がいるじゃん!?」
【鞠莉「あ、これ包丁。食べたいだけ切って」】
【果南「ん。おぉいい切れ味」】
果南「…中に詰める綿だっているよね!!?」
【鞠莉「あ、でもそこの綿出ちゃってるマットは触っちゃダメよ?私のお気にだから」】 果南「ほら、消毒のアルコールが……!」
【鞠莉「よし、今日は強いお酒でも飲ませましょう。途中でウォッカでも買ってくるわ!」】
果南「待って待って、それなら体育館じゃなくてちゃんとした机のある理科室とか……」
卓球台「」
果南「ぜ、全部揃ってる……」
果南「…………だ、だれか」
【鞠莉「大丈夫!ここ、夜は私しか来ないから!」】
果南「…………」 果南「……やだよ」
果南「私、嫌だからね…」
果南「あ、あはは!やっぱそんなわけないって!!だってこうして私を一人にしちゃってるじゃん!!」
果南「こんな誰も見てない状態にしたことが、違うって証拠だよ!!」
果南「は、はは。こんな、誰も、見てない……」
果南「………」
果南「………」 果南「…ねぇっ!!どうせどこかから見てるんでしょ!?」
果南「ドッキリなんだよね!?ダイヤも一緒になってさぁ!!」
果南「そうだ!スマホだってあるし!私から先にダイヤに連ら、くっ……」グラッ
果南「…っ。な、なんだろ。さっきからすごく眠い」
果南「寒さもあるけど、さっきのビール、何か入って…」
【果南「うわっ、このフラスコちょっと薬品くさい」】
果南「睡眠薬…?」 果南「うそうそうそ!!眠くない!!私は連絡するんだ!!ダ、ダイヤの番号は」
ピリリリリリリリッ
果南「!!!!!!」
ピリリリリリリリッ
果南「え、着信?鞠莉から?」
ピリリリリリリリッ
果南「………」ピッ 果南「……も、もしもし。ま、鞠莉?」
果南「………」
果南「…え?ダイヤがやっと仕事終わった?」
果南「今2人でこっち向かってるって?」
果南「…あ、うん。待ってる…」
果南「え、コート?あー、いいよいいよ大丈夫」
果南「いやホントホント!三点倒立してたら暑くなっちゃったくらいだから!」
果南「うん。はーい。じゃあねー」ピッ
果南「………」 果南「………」
果南「……なーんだ」
果南「なぁぁぁぁぁんだ!!!」
果南「あーーーもう怖かったあああああああ!!」 果南「そうだよフツーに考えてそんなわけないって!!」
果南「私、意外とミステリーの才能あるんじゃない!?」
果南「バカみたいだよね、ふふっ、人間のはく製とか!」
鞠莉「そう?」
果南「え」
バサッ おしまい
元ネタは早々に出てたけどラーメンズの「採集」
映像で見た方が絶対に面白いので>>4からどうぞ 元ネタ知らんかったけど面白さは伝わってきた
コントの方もみてみる すぐ分かったというか、ようちかで採集パロやろうと思ってたからスレタイで直感して1レス目で確信した ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています