梨子「何ですか?これは」果南「」ダラダラ
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梨子「果南さん?」
果南「…」
梨子「聞いてます?私の話」
果南「き、聞いてる!聞いてるよ!」
梨子「だったら答えてください。何ですか?これは」
果南「…アジフライ、かな〜ん…」ハハ… 梨子「はぁぁ…」タメイキ
果南「ぅ…」
梨子「……今日が何の日か知ってますよね?」
果南「…バレンタインデーです…」
梨子「ああ良かった。私の勘違いってわけじゃなかったんですね」
果南「…」
梨子「じゃあこの可愛らしくラッピングされたものはバレンタインのプレゼント、で合ってたんですね」
果南「はい…」
梨子「……どうしてアジフライかなぁ」ハァ
果南「ゴメンナサイ」 梨子「違うよー?果南ちゃん。謝って欲しいんじゃないの」
梨子「私はね「どうして?」って聞いているのよ?」にっこり
果南「ぅ…」
果南(や…やばいやばいやばいぃぃ!)
果南(これめっちゃ怒ってる時のやつだ!返答次第じゃ…)ゴクリ
果南(でもこの梨子ちゃんも結構かわーー)
梨子「果南ちゃあん?どうしたのー?もう私とお話するのも嫌になっちゃったのかなあ〜?」
果南「へ? あ、あああいやいやいや!そんなことない!そんなことないよ?!」
梨子「じゃあどうしてずっと黙ってるの?」
果南「い、いま考えてたとこだったから!ちゃんと言う!ちゃんと言うから、ね!」
梨子「…ふぅん」 梨子「じゃあ聞かせてもらおうかな。どうしてこうなったのか」
果南「えっと…」
梨子「うん」
果南「…は…」
梨子「は?」
果南「…恥ずかしかった、から…」メソラシ
梨子「はぁあ?!」 梨子「恥ずかしかったって、なに?」ギロリ
果南「いや違うんだよ!ちゃんとチョコレートを用意しようとはしたんだよ?!したんだけど…」
果南「ほら、私いままでそんなのしたこと無かったからさ、台所使おうとしたら父さんに「お、まさかチョコレートか?果南が?」なんて冷やかされちゃって…」
果南「だから「違うし!捕ってきた魚捌くだけだし!」とか言い返してたらなんやかんやでこう、アジフライが出来上がってて、ね」
梨子「」
果南「あの、だから、えっと…悪気は無かったんだよ?仕方なくというか…」
梨子「」
果南「で、でも一応考えてはいるんだよ?!ほら、アジフライってハートの形してるじゃん?だからいける?ワンチャンある?だいじょぶくない?って…」
梨子「」 果南「だから、あの…ね?梨子ちゃん?」
梨子「…」
果南「ずっと無言はちょっとこわいかなぁん?なんちゃって…」
梨子「……」
果南「あのー 梨子、さん…?」
梨子「」ウルウル
果南「…え」 果南「え?あれ、ちょっ…梨子ちゃん?!」
梨子「」ポロポロ
果南「わあっ?!ど、どうしたの?!わ、私のせい…だよね!ごめん!謝る!謝るから…」
梨子「……覚えてますか?」グスッ
果南「え…?」
梨子「こないだの、果南さんの誕生日」
果南「も、もちろん!梨子ちゃんがケーキ作ってくれて、すっごく美味しかったしすっごく嬉しかった!忘れるわけないよ!」 梨子「私も」
果南「う、うん」
梨子「私も、初めてだったんです。ケーキ作るの」グシグシ
果南「そ、そうなの?」
梨子「そう、初めてだったんですよ」
梨子「だからたくさん失敗して」
梨子「仕方なくお母さんにいろいろ教えてもらって」
梨子「たくさん冷やかされて本当にすっごく恥ずかしかったけど、果南さんの為だからって」
梨子「果南さんが喜んでくれるならこれくらい、って」
果南「梨子ちゃん…」 果南「…そうだったんだ…ごめん梨子ちゃん。私…」ハグ…
梨子「」スイッ
果南「あ、あれ…?」スカッ
梨子「…覚えてますか?」
梨子「その時、果南さんが「お礼にバレンタインは私が梨子ちゃんをもてなす」って言ったこと」
果南「ぁ…」
梨子「私、嬉しかったんです」
梨子「果南さんもおんなじ気持ちなんだって」
梨子「私とおんなじ気持ちを果南さんももってくれてるんだって」
果南「」ダラダラ
梨子「違ったみたいですけどね」ジロリ
果南「ぐはっ!」グサッ 果南「」ダラダラ
梨子「…」ハァ
梨子「ーーそれじゃあ松浦先輩、私はこれで」
果南「い、今まで感じたこと無いくらいのすっごい距離感を感じる!?」
果南「って、いやいやいや!待って!」ガシッ
梨子「何ですか?これは。離して下さい」
果南「だ、ダメだよ!離したら帰るつもりじゃん!」
梨子「へえ、よくわかりましたね。先輩は私のこと何にもわからない人だと思ってました」
果南「…あの、その先輩ってやつやめて?すっごい刺さるから。私の心にザクザク刺さってるから…」
梨子「いいから離してくれないかな?松浦さん」
果南「もっとキツいやつあったああああ!!」 果南「お願い!梨子ちゃん!チャンスを…いっかいだけチャンスをちょうだい!」
梨子「」ムスー
果南「今からつくるから!梨子ちゃんの為に!」
梨子「つくるって何を?アジフライに合うタルタルソースでもつくるの?」
果南「えー?いやあ私アジフライには醤油派なんだよね〜 あ、でも梨子ちゃんがタルタルソース好きならーー」
梨子「どーでもいいよアジフライに何つけるかなんて!!なんでそんなところ広げてるのよ!!」バンッ
果南「は、はい!ごめんなさい!」
梨子「もういい!果南のバカ!もう知らない!」
果南(あ…初めて呼び捨てにされた…)トゥンク
梨子「なにときめいてるの?!」 梨子「はぁぁ……もうほんと…ほんっとなんなの…?意味わからないよ…」
果南「ご、ごめん…」
梨子「もういいから…いいからもう帰らせて…お願いだから」ハァァ…
果南「それは…ごめん、出来ない」
梨子「どうしてよ…」
果南「今から梨子ちゃんの為にチョコレートケーキをつくるから」
果南「だから…さ、それだけ食べてってよ」
梨子「!!」 梨子「…そ、そんなこと言ったってもうこんな時間じゃ材料も揃わないじゃない」
果南「いや、材料はあるんだよ。言ったじゃん用意しようとはしたんだって」
果南「ちゃんと材料も揃えて、レシピも調べて、準備はしてたんだよ」
果南「ただちょっと私の勇気が足りなかっただけなんだ」
梨子「…」
果南「さっきも言ったけど、チャンスが欲しい」
果南「私バカだからさ、梨子ちゃんの気持ちとかわかんないことも多いけど…」
果南「梨子ちゃんがあんなに怒るくらい今日に期待してたんだってことはわかったからさ」
梨子「…」 果南「だったらそんな梨子ちゃんをそんな気持ちで…そんな顔のままで帰せないよ」
梨子「っ…」
果南「だからお願い、取り返すチャンスをください」
果南「梨子ちゃんが期待した今日を取り返すチャンスを!」
梨子「…」
果南「…どうかな?」
梨子「……果南さんはずるいです」
果南「…?」
梨子「そんなに必死に言われたら…また期待しちゃうじゃないですか」プイッ
果南「!」 アジフライは最強伝説黒澤思い出す
悲しい食べ物なんだな 果南「じ、じゃあ…?」
梨子「ええ、いいですよ。あげます、チャンス」
果南「ありがとう!ちょっと待っててね!」
梨子「はい、期待しないで待ってます」
果南「えー?ひどいなぁ梨子ちゃん あ、でもあんまり自信ないのはホントだし…」
果南「失敗しても怒らないでね…?」
梨子「ふふっ、何言ってるんですか果南さん♪」
果南「なんてね、へへ…♪」
梨子「そんなの、怒るに決まってるじゃないですか」
果南「怒るの?!」 梨子「当たり前です。私だって何度も何度も失敗したけど、果南さんの為に頑張ったんですよ?」
梨子「果南さんだって、頑張ってくれますよね?」にっこり
果南「も、もちろん!梨子ちゃんの為だもん!」
果南(目がマジじゃん…が、頑張らなきゃ…!)
梨子「ふふっ、じゃあちょっとは期待して待ってますね♪」
果南「う、うん!まかせてよ!」
果南「よ、よーし!頑張るぞー!」
梨子「いってらっしゃい♪」
梨子「…」
梨子「……まったく、仕様がない人なんだから…♪」 この時期チョコに飽きてるからアジフライは正直嬉しい 梨子「…」
梨子「なんか、落ち着いたら少しお腹空いて来ちゃったな…」
梨子「……」
梨子「」サクッ
梨子「!?!?」
梨子「なにこのアジフライ?!美味しっ!?」
梨子「ふわふわで、サクサクで…こんなに美味しいアジフライ、初めて…」
梨子「…!」
梨子「あーもうホント、不器用な人だなぁ…」 エ?ナンデ?ドーナッテルノ?!
ドコカマチガエタッケ?
梨子「…ふふっ♪」
ソウカ!ココヲコースレバ
オオッ!ケッコーイイカンジナンジャナイ?!
梨子「」スタスタ
カナンサーン?
リコチャン?!ゴメンモーチョットマッテ
チガウンデス.エット,ポンズアリマス?
ポンズ?ナンデ?
おしまい お疲れさまでした
バレンタインデーに間に合わなかった…
ちなみに長崎県松浦市はアジフライの聖地です!美味しいですよ! >>24
オチが最高すぎる
この先松浦って聞くたびにアジフライを思い出すに違いない
梨子ちゃんの喋り方はこれはこれでアリ
いやアジだと思う アジフライにポン酢は初めて聞いたな
長崎県のお隣の佐賀県には「松浦漬」とかいう鯨の軟骨を粕漬けにした名物もあるよ
やはり松浦の名は海に縁があるんだなあ >>25
ポン酢ジュレのは食べたことある
アジじゃない白身だったかもだけどうまかった
書いてくれてありがとう そうだよね、生じゃ味わえない味っていうのもあるもんね。それぞれの味をきちんと味わってこそ、沼津のアジの素材の味、本来の味、極上の味を味わい尽くすアジの味の味わい方を味わえるアジのマネって言えるアジ。 梨子ちゃんの口調はちょっと気になるけど二人の関係性が色々想像できて面白いな
普通にカプものだと思って読んでたら確かに違和感が凄くある
けどこの二人付き合ってるどころか恋愛感情があるかすらはっきりしない書かれ方してるんだよな
むしろあんまり仲良くない果南ちゃんに近付きたい梨子ちゃんなのではとか想像するとまた違って見えるな
そんな私は王道を行くタルタルソース派です タルタル用意が面倒でいつもソースなんだよな
たまに外でタルタル出てくるとテンション上がる アニメ梨子ちゃんを表現しようと頑張ったけどキレてる時の威圧感ある発音やイントネーションを文で表現しようとしてこうなってしまった感がある
でも発想や勢いは良かった、これからも頑張れ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています