穂乃果「百年経ったらまたおいでッッ」千歌「ライタイ祭?」 2回戦
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月(えッッ)
スカッ…
月(消えた!?)
グル…
月「!」ハッ
曜(前逆さ宙返り―――)
月(上かッッ)バッ
曜(三回半抱え型ッッッ)グルンッ 千歌(曜ちゃんの切り札だッッ)
善子(ここで…)
海未(このタイミングは躱せませんね)
真姫(終わった………)
月「―――」バオッ
!
ふわ…
月「――ッ」ニヤ… 彼方(消力……………)
せつ菜(間に合わせますかッッ)
にこ(どういう反射神経よッッ)
絵里(天才―――)
月(惜しかったね曜ちゃん――――)
ガシッ
月「ッッ!?」
回転の最中―――空中にあって曜の腕が月の身体が掴む―――
グイッッ
月(なんでッ) 月(なんで腕が自由に!?)
せつ菜(消力が使えないッッッ)
月(世界で数人しかできない超難易度の大技――――膝の“抱え”なくしてはできないハズなのに――――)
曜「―――」グルルンッ
月「!!」ハッ
上着の中に膝をスッポリ入れて………抱え…………
月(だからハンドポケットで伸ばして…………)
グワシャアアアァァァッッ 月「」ドシャアアッ
曜「――――っと……」スタッ
審判「勝負ありッッッ」
『勝負あったァ〜〜〜〜〜!!天才同士の異次元の対決ッッ』
『制したのは曜だァッッ』
梨子「ハンドポケットで伸ばした上着の中に膝を折り曲げて収納するなんて…」
梨子「あの状況でよくあんな発想が………」
ルビィ「衣装係だからだよ」
ルビィ「曜ちゃんはAqoursの衣装のこと、服のこと、ずっと一生懸命考えきたから……ッッ」
果南「持ち味……イカしやがったなァ〜〜〜……」 観客「曜ちゃ〜〜〜んッッ」
観客「勝利の決めポーズお願いッッ」
曜「よーしッ」
曜「全速前し…」
曜「!」ハッ
月「」
曜(もうやってるよ…)
敬礼(ヨーソローポーズ)
曜(最後の最後まで)
曜(私の取られちゃったよ…)ス…
・補欠選手控室
月「ゴメンみんなッッダメだったよッ」スリスリ
雪亜里よいつむ10「…」グー!
三回戦第二試合 曜〇 月× 刃牙VSズールみたいなのやってほしかったけど、そんなバーサーカーうちっちーぐらいか 善子(ショートパンツが完全に隠れて穿いてないみたいじゃない…えっろ) かなんて、ストリートファイター5でいうところの
ネカリポジションだよね 医務室。四人。花陽と聖良は各ベッドの上。付き添いで凛と理亞。
花陽「………………」パチクリ
凛「!!」
花陽「凛ちゃん………?」
凛「かよちんッッ」ギュッ
凛「かよちんかよちんかよちーんッッ」スリスリ
凛「かよちんが目覚めたにゃーッッッ」
理亞「チョット、うるさい…姉様が……」
凛「どうして鹿角さんが凛とかよちんの話に入ってくるの――ッッ!?」
理亞「〜〜〜〜〜〜〜ッッ」 聖良「良いんですよ、理亞」
理亞「姉様ッ」
聖良「こういう部屋だからこそ、騒がしい方が気も晴れるというものです」
理亞「………」ムス…
花陽「えっと……私、どうして………」
凛「かよちん?」
聖良「記憶が飛んでいるのかもしれませんね。無理もありません」
凛「凛が説明してあげるにゃー!」
カクカクシカジカ 花陽「そっかァ………じゃあもう試合は………」ズーン…
花陽「う…うう………」
花陽が顔を両手で覆って肩を震わせる。
凛「かよちん……」
理亞「………」
理亞「もっと、胸張って良い、と思う」
理亞「綺羅ツバサvs小泉花陽、スゴい試合…」
花陽「もう6試合も終わっちゃったのォッッ!!?」バッ
理亞「!?」
花陽「私とツバサさんの試合が二回戦の第四試合で、これから始まるのが三回戦の第三試合ッッ」
花陽「つまり私がスヤスヤしてる間に二回戦の五六七八続いて三回戦の一二試合が終わっちゃったことになります!!」 花陽「この大会でしか見れない貴重な貴重な闘いを六試合も見逃しちゃった……」エーンエンエン
理亞「………」
理亞「ネットで見逃し配信、あるから……」
花陽「スクールアイドルの試合観戦は録画じゃなくて生ッッッ!!」
花陽「リアルタイムで観る熱と興奮は生でしか味わえないものッッ!!」
理亞「〜〜〜〜〜〜〜ッッ」
花陽「!」ハッ
花陽「凛ちゃんッッ次の試合の組み合わせは……」
凛「えっと…にこちゃんと、優木せつ菜ちゃんだね」
花陽「にこちゃんとせつ菜ちゃんッッ!?」
花陽「これはスゴイ……ッッ要注目のマッチアップですッッ」 凛「せつ菜ちゃんが強すぎて……にこちゃんに勝ち目あるかなあ?」
凛「なんか真姫ちゃんと作戦練る?みたいな感じでちょっと前に出てったけど……」
花陽「あっ、それで真姫ちゃんいないんだね」
花陽「帰ってきたらちゃんとお礼言わなくちゃ……」
聖良「にこさんですか………」フッフッフ…
理亞「姉様?」
聖良「私も勝利のためには手段は選択ばないタチなんですが……」
聖良「あの人はズルいですよね……魅せ方が上手いですから………」
凛「魅せ方?」キョトン
花陽「プロ意識が高いってことだよ、凛ちゃん」 ・通路。
海未(三回戦も二試合を終えて……四強の座を掴んだのは果南と曜……………)
海未(どちらにしても極上の相手です………決勝が楽しみですね……)
海未(しかしその為にはまず……)
ぼいんっ
海未「ッ!」ズテンッ
にこ「ったく、ちゃんと前見て歩きなさいよ〜…」
海未「すみません、少し考えごとをしていて………」スッ…
海未「ヌアッ!!?」
にこ「何よ」ボイン 海未「いや、何って……………」
海未(体格がまるで違うじゃないですかッッ)
海未(というよりおっぱいがッッ)
10センチ………イヤ20センチ……ですか!?
にこ「海未は穂乃果とだっけ?」
にこ「私としては、どっちが上がってきても迷惑極まりないんだけど…」
海未(別人!?)
海未(5人目の姉弟!?)
海未(しかし私を知っている…ッッ)
にこ「ま、先に待ってるって言っといてあげるわ」
海未「あ………ありがとうございます…………」 にこ「じゃ」
海未「ハイ…」
ザッザッザッザ…
海未(パッド………………無からここまで盛れますか…………?)
海未(バカなッ)
打撃格闘技においておっぱいは重要な要素(ファクター)を占める。
武術を極めた海未がよもやサイズを見誤ろうわけもなく――――――
高校三年生を迎えた者のおっぱいが大きくなるなどということが果たして…………
海未(まさかッッ)
大会中に豊胸手術(オペ)完了ゥ――ッ!? 通路。相対する身長154cm。他には誰もいない。
にこ「……………………」ショボン…
せつ菜「……………………」
せつ菜「あの」
せつ菜「お話って、さっきの……」
にこ「せつ菜ちゃん」
にこ「わたしはもう3年もこの栄冠を目指している」
にこ「その長さ…………密度……」
にこ「あなたに想像ができるかしら」
せつ菜「にこさん…………」
にこ「せつ菜ちゃん……わたしにはもう時間がない」
にこ「それに………」スッ…
せつ菜「ちょ……」
にこ「あなたに勝てる実力もないのよッッ」ドゲザッ せつ菜「だ……だからって…………」
ポタッ…
せつ菜「え………………」
にこ「せつ菜さんッッッ」ポロポロ
にこ「お願いしますせつ菜さんッッ」
にこ「わたしに勝たせてくださいッッッ」
せつ菜「じょ……」
せつ菜「冗談じゃないですよッッ」
せつ菜「『勝たせろ』……ってあなた………………」
せつ菜「にこさんにだって闘士としての誇りがあるハズです」
せつ菜「全力を尽くしますよ私は」ザッ… にこ「待って下さいッ」ガシッ
にこ「あなたは若い、これからだってチャンスは―――」
せつ菜「いい加減にしてくださいッ」ガッ
せつ菜「私だって勝ちたいですよッッッッ私だってアナタが怖いですよ!!!」
にこ「ひ……」
せつ菜「試合場で会いましょう」クルッ
にこ「ひィィ」
ザッザッ…
にこ「ひィィィィ〜〜〜〜〜」
せつ菜「…………ッ」ザッ… 『三回戦第三試合ッッ』
『青竜の方角ッッ』
『烈士・優木せつ菜!!!』
ワアアアアアアア
『偉大なる先輩・Aqoursのメンバーを瞬く間に一蹴すること二度ッッ』
『未だ相手にまともに自分の身体を触れさせてすらいませんッッ』
『蛮勇とも言える快進撃は一体どこまで続くのかッッ』
せつ菜「…………」
かすみ「……なんか、せつ菜先輩…」
果林「ちょっと雰囲気暗いわね……」
『続きまして白虎の方角……』
『!!!!!』 『こッこれはッッ一体……………ッッ!?!?!?』
にこ「…………」ボイン
穂乃果「ええ〜〜〜〜ッッ!?」
『我が家のドアより薄ッペラだったあの胸が』
『圧縮した生ゴムを閉じ込めたように高密度に発達を遂げている〜〜〜〜〜〜〜ッッ』
観客「胸があるにこちゃんなんて〜〜〜〜」イヤアアア
観客「バカヤロウッッおっぱいがあろうが無かろうがにこにーはにこにーだッッ」
ざわ ざわ やざわ
絵里「フフ……」
絵里「遊んでいるわ」 ルビィ「にこさん、巨乳なんて弱点しかないって言ってたのにぃ…」
善子「結局、ただのひがみだったってことね」
凛「抜け駆けはずるいにゃーッッ」
真姫「…どうなっても知らないわよ、私は………」クルクル
『風雲急の第三試合』
せつ菜「…………」
にこ「…………」
審判「開始めいッッ」
『スタートオオオオッッ』 にこ「ダッシャッ」ピョンッ…
せつ菜「!」
『矢澤にこ、いきなりの大技――――ッ』
『ノーモーションからの延髄斬り――ッッ』
せつ菜「―――」
ガコッ
『あ…ッッ』
『当たった……ッッ』
せつ菜「…………ッ」 『拳雄・優木せつ菜が我々の目の前で初めて………』
にこ「ダッ」ブンッ…
ガッ
『更にローキックッッッ』
せつ菜「………ッッ」
せつ菜(これが……ッ)
にこ「ダッダッダッ」
ガッ ガッ ガッ
『ローキック、ローキック、ローキック』
『優木せつ菜、全く防御できな〜〜〜〜い』
せつ菜(これが仮にも宇宙No.1アイドルと呼ばれる方の攻撃!?) かすみ「何ですゥ?あのトロいローは…」
果林「あんな攻撃、せつ菜にとっては避ける意味もないというものね」
愛「あれェ、おかしいなァ〜」
愛「にこにーの動き、二回戦まではすっごい良かったのに…」ウーン
エマ「おっぱいの重さに身体がついてけないんじゃないかなあ……」
にこ「ハア、ハア、ハア」ガッ…
ルビィ「やっぱりおっぱいをつけたのは失敗だったんじゃ………」
花丸「策士策に溺れるずら」
にこ「せつ菜さん」ピタッ
にこ「ハア、ハア」 にこ「ダメージはあったかしら」
せつ菜「―――」
にこ「今わたしが仕掛けた攻撃でアナタはダメージを受けたかと尋いているのよ」
せつ菜(ない…………)
にこ「アナタは今そうして立っているけど………」
にこ「わたしは今の攻撃で立っているのがやっとよ」
にこ「仕掛けたわたしのほうがよッッ」
観客「にこがなにか言ってるぞ」
観客「声が小さくて聞きとれねェッ」
にこ「わたしの言いたいことがワカるかしらせつ菜さん」
にこ「アナタは今そんな哀れな少女を痛めつけようとしているのよ」
にこ「まともな攻撃すらできない哀れな少女を」 せつ菜「………………………………」
せつ菜「にこさん」
にこ「………………」
せつ菜「フンッッッ」ビュバオッ
ガキャアアッ
ダイヤ「なッ!?」
『オオオッなんとせつ菜も延髄斬りィィッ』
にこ「〜〜」ドシャアッ
せつ菜「寝ボケないでくださいよ先パイ」グイッ
せつ菜「アナタそうやって決勝まで登るつもりですか」 せつ菜「ここがどこだかワカってるんですかッッッ」
せつ菜「ここはですね……………」
ガシイッ
『フロントネックロックだ――――ッ』
せつ菜「最強を決定る場所ですよ!」ミキイッ
『ひねりをくわえた―――ッ』
にこ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
『これは強烈だ――ッ』
『人を絶命し得るとも評されるプロレス技がにこの首を締めあげている――』
ダイヤ(せつ菜さん……中国拳法専門ではなかったのですか………ッッ) 『矢澤にこ絶体絶命―――ッ』
にこ「………」スッ…
チョンチョン
せつ菜「!」
せつ菜の腕をにこが人差し指で二回小突く。
せつ菜(タップ!?)
にこ「ギバ………プ」ボソ…
せつ菜「〜〜〜〜〜〜ッッ」
にこ「ギ……ギブアップよ……………」
にこ「アナタの…勝ち…………」
せつ菜「………」 パッ
観客「せつ菜がにこを解放したッッ」
観客「決まったのか!?」
希「若い…なあ…」
せつ菜「ありがとうございましたッッ」ペコリ
観客「せつ菜の勝ちだッッ」
ヒデコ「え…」ガタッ
理事長「………………」
理事長「いつ終わったの……………??」 にこ「オラァッ」グシッ
せつ菜「ッッ!!」
『にこがせつ菜の股下を蹴り上げたアアッッ』
せつ菜「〜〜〜〜〜〜」グラ…
にこ「誰も聞いちゃいないのよ私のギブアップなんて」
せつ菜「…………………ッッ」ドシャッ
にこ「さあみんなッッもっと声出してぇ〜〜〜〜ッッッッ」ヒョイヒョイッ
オオオオオオオオ
にこ「ここからが超アイドル・にこにーのステージにこ♡」ニコッ せつ菜「〜〜〜〜ッ」ムズ…
にこ「ヘッ」
歩夢「今のは効いちゃったみたい……」
愛「そりゃ痛いよ〜アレは…」
にこ「ッシャア」ピョンッ
ドガッ
『ふッ踏みつけェ〜〜〜〜ッッ』
にこ「ッシャア、ッシャア」ドガッ ドガッ
ダイヤ「おっぱいで体重が増えた分、威力は以前より上昇(アップ)しているでしょう」
ダイヤ「その比率ッ実に30パーセント!!!」
ルビィ「さんじゅッぱあせんとォ?」
にこ「オラァッ」グイッ
『にこがせつ菜を引き起こすッ』 にこ「ホンモノのにこにーに会わせてやるわ」
かすみ「なにモタついてんですかせつ菜先輩」グヌヌ
かすみ「あんな可憐な美少女相手にィ」
希「可憐………?」スッ…
かすみ「!」
絵里「あのにこがかしら?」
にこ「ウラアッ」ゴキャッ
せつ菜「〜〜〜ッッ」
『オオッ力強い右ストレートだァ〜〜〜〜ッッ』
かすみ「なッ……」 にこ「ダッ」ベキィッ
せつ菜「ッッ!」
『またまたローキック〜〜〜ッッ!!』
にこ「――」ガキッガキッ
せつ菜「〜〜〜〜〜ッッ」
果林「なによちょっと」
果林「さっきまでと全然違うじゃない」
かすみ「曜さんばりのローキック打ちますねッ」
かすみ「あの小悪魔、ブラフかましてたんですか………腹黒いマネを……」
絵里「フフ」
絵里「今さらにこを卑怯者よばわりするなんてずいぶんとまたノンビリしたというか…………」 にこ「フンッ」ガッ
せつ菜「ッッ」
『脳天に手刀〜〜〜〜ッッ』
にこ「ヤッ」グルンッ
グワシャッ
しずく「後ろ廻し蹴りッッこれも速いッ」
愛「あちゃ〜〜もろ………」
せつ菜「――――」グラ…
歩夢「せつ菜ちゃんッッ」
エマ「あの揺れ方はマズイかも…」 にこ「――」バッ
果林「!!」
果林(あの構えはッッ)
ルビィ(おっぱいの先端を…)
ピインッ
せつ菜「――ッッ」カア…
ドシャアアアッ
『やッ矢澤にこ圧倒的ィ―――――』
『せつ菜に全く反撃のスキを与えない〜〜〜ッッ』 ダイヤ「思えばにこさんも、一、二回戦をほとんど無傷で勝ち上がって来ていたのですわね」
ダイヤ「それにしても胸を得たにこさんがこれ程のレベルだとは思いもしませんでしたが」
ルビィ「………」ムーッ
ダイヤ「踏みつけだけではありません、あらゆる打撃の威力が確実に上昇(アップ)しています」
ダイヤ「胸の体重増加をここまで生かせるのは、おっぱいを熟知しているにこさんならではでしょう」
歩夢「せつ菜ちゃん、頑張れッッ」
愛「せっつー!気合だよ気合ッッ!!」
せつ菜「…………」ピクピク
果林「キビシイわね…持つ者(私たち)にとってあの技は効きすぎる」
璃奈「私には理解らないセカイ…」 観客「スッゲェ〜〜〜〜〜〜〜あのせつ菜が問題にならないなんて」
観客「やっぱにこにー最強だッッ」
ニーコッ ニーコッ ニーコッ ニーコッ
にこ「にこッ♡」
絵里「たった数分で、豊胸の困惑もどこへやらね…」
希「敵わんなあにこっちには」
彼方「……」ファ…
海未「……………………」
白虎側入り口から一人見守る海未。
海未(何故です……………?)
海未(にこが勝つ姿が思い浮かびません) にこ「これで…」
せつ菜「………………」グッタリ
にこ「どうあがいても終わりだわ」
『まだやるのかにこッッ』
にこ「ダメ押しィイイイッッ」ドギャッ
せつ菜「ぁぐッッ」ビクンッ
『喉を踏みつけたァ――――――ッッ』
海未「にこッ逃げてくださいイィッ!!」 鞠莉「油断も手加減も一切なし…」
善子「えげつないわ…」
せつ菜「……」ガクンッ
にこ「悪かったわねせつ菜ちゃん」
にこ「大人気なくヒッサツしちゃったわ」
海未「もういいです」
海未「帰ってきてくださいにこ」
にこ「――」クルッ
ザッザッ
審判「勝負あ」
審判「…ッ………………」
にこ「あら」ザッ… にこ「海未、アンタわざわざこんなとこから見ててくれたのね」
海未「……………」
にこ「いい汗かいたわ………………タオル持ってる?」
海未「………」ジトッッッッ
にこ「なんてツラしてんのよ、タオルだって」
海未「にこォ……」
にこ「……………」
海未「まだ終わっていませんッッッッッ」
にこ「――――ッ」ハッ にこ「ッッ」バッ
にこが咄嗟に身を屈める。
ボスッッ
頭上ギリギリを拳が掠める。
にこ「……………ッ」ヒヤ…
観客「決着はまだだ――――ッ」
観客「元気だよせつ菜ッッッッッッ」
にこ(これ以上は本当に死ぬっつーの)
にこ「もうやめときなさ……」クルッ
にこ「!!?」 せつ菜「いいえ、まだまだですッッ」キラキラ
にこ「な…ッッ」
にこ(マジで元気じゃないッッ)
せつ菜「肉体的苦痛があるレベルを超えたとき――苦痛はむしろ陶酔感と変化し――――――」
せつ菜「肉体は爆発的な負担を跳ね返す耐久力を宿す」
せつ菜「人体にそのような能力(ちから)が存在することを近年西洋医学にて証明されたと聞きます」
真姫「………ッッ」
せつ菜「古代中国拳法で言うところの復元!!!」
せつ菜「私達の稽古は復元を日常化することを伝統としますッッ」
彼方「せつ菜ちゃんにとっては、これでやっとスタートラインってとこかな〜〜……」 せつ菜「それにしてもすばらしい攻撃でした」
せつ菜「アナタはやはりホンモノです!」
にこ「…………」
にこ「ぬかしてくれるじゃない、小娘が」ケッ
にこ(や…ヤバいッッ)
せつ菜「もし神様というものがこの世に存在(いた)のなら」
せつ菜「今宵矢澤にこさんという極めつけの武道家(もののふ)と引き合わせてくれた幸運を心から感謝したい!!」
にこ「大げさなのよアンタはいちいちねェ」ヘッ…
にこ(ヤバすぎるわコイツッッ)
果林「ああいう途方もない台詞を本当に“心から”言えるのがせつ菜の強いところよねえ…」
せつ菜「皆さ―――んッッッッ」バッ
『拳を天に突き上げたせつ菜ッ』 せつ菜「にこさんだけじゃなくッッ私の応援もよろしくお願いしますねッッッ」ピョンッ
ワアアアアアアアアア
にこ(ホンモノ………正真正銘の本物………)
にこ(実力(ちから)も…精神(こころ)も………スクールアイドルとして超一級…………ッッ)
せつ菜「にこさんッッ」
せつ菜「二人で最高の試合(ステージ)にしますよッッ」ビシッ
にこ(だからってッ………いや、だからこそ……………ッッ)
にこ「当然でしょ…………!」
にこ(絶対に敗けられない…………ッッ)
にこ(“ホンモノ”の先輩として、何が何でも上を行ってやるわッッッ)クワッ
花陽「ここで死ぬ気だねにこちゃん…」 親父逃げろぉぉ!(テンション高)からの親父、まだ終わっちゃいねぇ!(テンション低)が再現されてて吹いた >>打撃格闘技においておっぱいは重要な要素(ファクター)を占める。
参考になるなあ 詠春拳の開祖は貧乳だったらしい
突きに邪魔だとかで せつ菜「フウ………」ズチャ…
『復活したせつ菜が前に出る』
にこ「――」ビュンッッ
『遅れてにこもッ』
『しかし速いッッッ』
絵里「おっぱいターボ……」
希「いきなり使いこなしとるやん」
にこ「おぎゃッッ」バオッ
『勢いそのまま前蹴りイイィッッ』
愛「また股狙いだッッ」マタダケニッ パンッ
にこ「!」
『な』
せつ菜「――」シュウウ…
『なんと蹴りを掌で止め………』
せつ菜「ハイッ」パシッ
『さらに足首を掴んだ!!』
グリッ にこ「ッッ!」ズキン
ダイヤ「三陰光圧痛」※すねの内側、足首から約10cmにあるとされる急所。
にこ「………ッ」
にこ「この…」ブンッ…
せつ菜「――」グルンッ
千歌(回転!)
ピシャンッ
にこ「ッッ」
梨子「後ろ髪を目に叩きつけたッッ」 せつ菜「……」ピタッ
にこ「!」
せつ菜の拳がにこの腹にピッタリとくっつけられる。
ダイヤ「寸勁……ッッッ」
せつ菜「フンッ」ドウンッ
にこ「―――」ブワッ…
『吹っ飛んだ〜〜〜〜ッッ』
『ゆうに6mッイヤ7mッッ』
善子「スンケイって…」
ダイヤ「別名1インチパンチとも呼ばれる――相手に触れた状態での直突き」
ダイヤ「古代中国が生み出した超ベリーショートパンチですわァッ」 にこ「―――ッッ」ダアアンッッ
『壁に激と〜〜〜〜〜〜〜つッ』
かすみ「ぃヨッシャア」
かすみ「しょせんニセパイです」
かすみ「まっとうな戦力となりゃせつ菜先輩が圧倒的ですよ」
せつ菜「………」ズチャ…
絵里「まっとうにやれれば…ね」ニィ…
スッ…
せつ菜「……?」 観客「なんだァ?」
観客「にこが手を挙げて……」
にこ(今よ!!!)ビッ
???(さ…合図ですね)スッ…
向かいの客席、一人の客がおもむろに立ち上がってマスクを外す。
せつ菜「え???」
せつ菜の視界に入って来たその顔は―――――
???「…………」ニコッ
せつ菜(にこ………さん!!?) せつ菜「…………………………ッッッッ」
せつ菜(胸が無い)
せつ菜(本物ッッ)
せつ菜(今私が闘っているのは!?)
せつ菜(替え玉)
せつ菜(手術したのは顏の方!!?)
せつ菜「!」ハッ
こころ「にっこにっこにー♡」
せつ菜(小さ……ッッッ)
にこ「ダッシャアッ」ドキャッ せつ菜「――――――ッッ」ドシャアアッ
『逆転のドロップキックがせつ菜の後頭部にヒットオオオォッッ』
にこ「気付いたようね」
にこ「モチロンあの子は矢澤にこじゃない」
にこ「私の妹よ」
せつ菜「〜〜〜〜〜ッ」ムズ…
にこ「アンタは数瞬で見破ったワケだけど……」ガッ
せつ菜「!」
にこの左足がせつ菜の首の後ろにかかり、両腕も身体に巻き付く。
にこ「それで十分よ」ガチイッ 『卍ィ〜ッ!!』
ギチイッ…
愛「タコみたいだッッ」
しずく「手足を絡めて……完全にキマってますッッ」
希「あれやね」
希「あれが大人の実力(ちから)ってものやん」ニシシ
かすみ「目的のためにゃ手段は選ばないッて人ァずいぶん見てきましたけどォ」
かすみ「これほどエゲツない方は初めてですよッッ」
せつ菜「…………」
海未(あの卍は脱出不可能ですね)
海未「!」
海未(卍………………?) 『イッイヤッッ』
『これは卍固めではありませんッ』
海未(極め方が微妙に違う……)
『初めて見るシロモノですッ』
にこ「にこにー特製の〜新卍にこ♡」
オオオオオオオオオオオオオ
千歌「すごい盛り上がってる…」
ダイヤ「お客さんの欲しているものを理解っている、理解りすぎていますわ」
聖良「フィニッシュホールドに自分だけのオリジナルを持ってくる」
聖良「ニクいですね……」 ニーコッ ニーコッ ニーコッ ニーコッ
にこ「フフフ…」
せつ菜「………あ………」
にこ「!」
せつ菜「ア……リ…ガ…………ト…」
にこ「アァ?」
せつ菜「にこさん……………」
せつ菜「ありがとうございますッッ」
にこ「ア……アンタこの期に及んで……ッッ」 せつ菜「――」スルスルッ…
!
にこ「なッ……」
海未「馬鹿な……ッッ」
観客「卍が外れたッ」
観客「イヤッ…外したんだ……………簡単にッッ」
にこ「…………ッッ」
穂乃果「なんで……」
ことり「貧乳さんってけっこう硬いんだよね体が………」
ことり「おっぱいがある子と無い子では日頃肩や背中にかかる負担」
ことり「そしてその軽減のための柔軟運動に費やされる時間に雲泥の差がある」 ことり「バストサイズ80cmを超えると稽古以外でも一日30分以上もストレッチに時間を割くこともあるぐらいなんだよ」
穂乃果「………へー…」ジトー
ことり「ましてやせつ菜ちゃんレベルの低身長巨乳となるとその柔軟性たるや――――」
ことり「体操選手やヨガ選手が裸足で逃げ出そうってものだよ」
ことり「あの新卍にしてもにこちゃん自身の―――貧乳さんの関節を前提にして考案されたシロモノだよね」
ことり「通じるワケがないのですッ」
果林「持つ者(私達)の日常の苦悩までは想像できなかったようね」
果林「百聞は一見に如かず―――百見は一触に如かず」
果林「持たざる者の限界よッッ」 せつ菜「にこさん」
せつ菜「あなたに心から感謝したいです」
にこ「…………ッッ」
せつ菜「あなたからは本当に多くのことを学ばせてもらいました」
せつ菜「勝ちたいのなら何をすべきなのか」
せつ菜「どれほどのことをしなければならないのか」
せつ菜「だからこそ…」ザッ…
全力で…………
ドドドドドッ
『せつ菜の一転攻勢〜〜〜〜〜〜ッッ』
オオオオオオオ 観客「せつ菜もすげえぞッッ」
観客「負けるなにこにーッッ」
ニーコッ セ・ツ・ナッ ニーコッ セ・ツ・ナッ
『観客が総立ちだ〜〜〜〜〜〜〜』
千歌「スゴイ……ッ」ゴクリ
ダイヤ「…ですが……もう…………」
ドドッ ベキッ ガッ ガキィッ
にこ「〜〜〜〜〜〜」
聖良「万策尽きましたかにこさん……」
凛「もうダメだにゃーッッ」ワーン 真姫「…………」クルクル
シュウウ…
せつ菜「!」ピタッ
希絵里「あッ!!!」
にこ「…………」シュウウ…
観客「あああ………」
観客「にこの胸が……」
花丸「痩せて………小さくなって……………」
ダイヤ「というよりこれは……」
ルビィ「元に戻っちゃってるッッ!?」 希(やっぱり……)
絵里(やっぱりこうなってしまうのね………ッッ)
豊胸手術…………
絵里(近代美容整形における恐らくは最高にして最凶の悪魔――――――)
絵里(一体何人の悩める貧乳がこの高級コールガールの毒牙にかかったことか)
希(人口おっぱいは砂上の楼閣――――突然すべてが崩壊するリスクはごく平和な日常生活を送るのにさえつきまとうもの)
希(それは何十年後かも――何日後かも――何時間後かもしれない)
海未(やはり無謀だったのですッッこの激闘の合間に手術(オペ)執行なんて………)
海未(手術してすぐ闘おうなんて………)
希(神の配慮に背くッッ)
絵里(行きつく果ては!!!)
にこ「……………」ペッターン……
避けられぬ破滅 希(これ以上は―――)ダッッッ
絵里(認められないわッッッ)
絵里「理事長ッこれ以上は無理ですッ」
絵里「友人の立場からはもうこの試合は看過できませんッッ」
理事長「………………」
絵里「理事長ォッッッ」
理事長「決着をつけられるのは闘っている二人だけよ」
理事長「観客(私達)に決められるのは、それを見るのか見ないのか……」
絵里「そんな……」
理事長「一歩でも闘技場に入って見なさい」
理事長「音ノ木坂学院は、廃校にします」 希「にこっちッッッ」タタタッ
絵里理事長「!」
希「試合は終わり」
希「カードの指示に従うんやッッ」
にこ「邪魔すんじゃないわよ……」
希「にこっちッッ」
希「ウチは力ずくでも…」わしっ
希「!」
希(え…)
にこ「…………」ピシイ…
希(この弾力……!?) にこ「希」
希「!」
にこ「カードはなんて」
希「………!」
シャッシャッ
ピッ
希「!!」
希(『世界』……………ッッ)
希(意味するのは…………)
“完成”………………!! 希「にこっち…………」
にこ「悪い目じゃなさそうね」
にこ「続行けるわよ」ズチャ…
希「……………ッッ」
希(まさか………)
絵里(まさかッッ)
海未(まさかアレは…)
花陽「真姫ちゃん…………にこちゃんの胸……」
真姫「…そうね」ハア
マッキシング!!!! ―
――
―――
・試合前。一室。真姫とにこ。
真姫「用意はできてるわよ」
真姫「この通り……」
ズラァァ………
テーブルの上にはありったけの薬品、薬物。
真姫「私の自作(オリジナル)もあるわ」ス…
真姫「ただし猛毒かもしれない」ニヤリ
にこ「……………」 真姫「本当に飲め……」
バッ
真姫「!」
ゴクゴクゴクゴク
真姫「…………ッッ」
にこ「次」
真姫(胸部のみに特化した筋肉増強薬―――都合25種類)
真姫(狙いは巨乳化のその後―――おっぱいのマッキシング)
真姫(ケド………) 真姫「薬物を克服なんて………そう易々とできるもんじゃないわよ」
にこ「ワカってるわよ」
にこ「でもこれしかない」
真姫「………………」
にこ「全てをおっぱいに委ねる」
にこ「生まれ落ちてから今日この瞬間(とき)まで音をあげずに私についてきた」
貧乳(あなた)を信じる
ゴクゴクゴクゴクゴク…
ズブッ… グ……
ガリッ ガリッ ガリッ…
―――
――
― にこ「無知な巨乳どもにはたどりつけぬ境地がある……………」
にこ「薬物と滅びゆく乳とのせめぎ合いの果てッ」
にこ「薬物を凌駕する例外の存在!!!」
にこ「日に30時間の鍛錬という矛盾のみを条件に存在する肉体」
にこ「10数年その拷問に耐え、私は貧乳を超えた!!!」ピシィッ
真姫「丹念に造り上げられた巨大なおっぱいは、贅肉と断ぜられ淘汰され―――切り捨てられ―――」
真姫「筋と見紛うほどに細く引き絞られた高密度な胸はまさに――――」
Diamond princess style!!!
絵里「フンッ」
絵里「私だけ仲間はずれってわけね……」
ルビィ「にこさん、嘘ついてなかったぁッッ」パアッ
ルビィ「やっぱりおっぱいなんていらないんだよッッッッ」 千歌「で、でも………」
千歌「真姫さんみたいに全身ならワカるけど、おっぱいだけがダイヤモンドみたいになったところで………」
にこ「―――」ダシュッッッ
せつ菜「!!」
曜「速いッッ」
善子「おっぱいターボ以上だわッッ」
ダイヤ「文字通り身体が軽くなったのです」
ダイヤ「巨乳を経験してからの無乳化―――それが生むスピードの強化というメリットは、体重(ウェイト)の減少のデメリットを考えてもなお余りあるものですわ」
にこ「――ッッ」ブンッ せつ菜「――」カッ
パンッ パシッ パッ パンッ
『な…なんという攻防だッッ』
『迅いッ』
善子「このヨハネアイを持ってすれば……」グヌヌ
『みッ見えませんッッ』
『我々の目からは何も見えませんッッ』
千歌「曜ちゃんッッ」
梨子「何が起こってるの?」
曜「にこさんの猛ラッシュをせつ菜ちゃんが全部捌いてる……」 パシッ パシッ パッ パパパンッツ
『さらに加速ゥ――――!?』
にこ「―――」バババッ
せつ菜「―――」パンパンパンッ
『譲らないッッ両者一歩も譲らないッッ』
ダイヤ「二人とも人間じゃありませんわ………」
『全くの互角だァ――――ッッッ』
海未「…………いや…」
パパパンッ パシッ パシパシッ パパパパパッ にこ「――――ッ」
せつ菜「…………」
海未(互角とは言えません……あくまでにこの攻撃をせつ菜が捌いているだけ……)
海未(せつ菜を防御に専念させるほどにこが攻め込んでいるとも言えますが――――)
せつ菜「――」ボッ
にこ「!」
海未(左の崩拳ッッ)※中段突き
海未(命中(あた)りますッッ)
ポキッ
せつ菜「ッッ!?」ズキン
にこ「フンッッッ」ブッ… せつ菜「ッッ」ピョンッ
ガッ
にこ「チッ」
ブワッ…
穂乃果「おぉ〜…」
曜「足で受けた……」
タンッ
せつ菜「…………ッ」ポキッ…
愛「せっつーの左拳がッ」
エマ「中指がイッてるね……」 ダイヤ「ダイヤモンドを殴ったのです」
ダイヤ「当然の結果ですわ」
ルビィ「おっぱいの鎧よりすごい、絶壁の鎧だッッ」
にこ「あえて胸にスキを作ったのよ」
にこ「アンタが確実に“当ててくれる”ようにね」
せつ菜「………ッ」
『さあ再び間合いが開いたッッ』
『仕切り直しだッッ』
ダイヤ「せつ菜さんはキビしいですわね………」
ダイヤ「果たして中国拳法に片拳であの鎧を破れる引き出しが残っているか…」 せつ菜「……………………」スゥ~…
『せつ菜が動いたッッ』
せつ菜(あるもの………)
『こッこれはいったい……!?』
プクウ…
『優木せつ菜の上半身がッッ』
『まるで風船のような…………ッッッ』
せつ菜(全てを!!)プッ
『!!!』 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています