私はある一人の女の子に恋をした_______
「きょうの練習はここまでみんなおつかれ!」
「つかれたずらー」
「ルビィも...もうダメ...」パタリ
「よ、ヨハネにはこのくらい、、へ、へいきなんだから!」
「とか言って、へとへとですけど?」
今日も練習が終わって、みんなでワイワイ過ごしてるこの時間。私はこの時間が大好きだ。なんていうんだろう。胸を張って私の居場所はここなんだって言える気がして。
「ようちゃーん、りこちゃーん!帰ろ!」
「ヨーソロー!りょーかいであります!」
「ふふっ。元気ね。私はちょっと曲作りの方進めたいから音楽室よってくね。だから2人で先に帰ってて」ニコッ
「ぉぉー、りこちゃん頑張り屋さんだ!」
「そんなことないよ?ちかちゃん」
「頑張ってね応援してるであります!」
あー、ようちゃん見てると胸が苦しくなる。
「ありがとう、じゃあまた明日ね」バイバイ
2人『ばいばーい!』 バタン
静まり返る部室。
よし。もうひと頑張りするかな。
そう自分に言い聞かせて音楽室へと
歩き出す。
音楽室___________ポロン
一時間後___________
あ、もうこんな時間。早く帰らなきゃ...。
支度をしてがっこうを出る。
日はもうすぐで沈みそうだった。
あーー。。最近ふと考える。
静かなこの街を歩いているとこの世界には
私しか存在しないのではないのか。
もちろんそんなことはありえないのに。ザーッ
静かな波の音。東京にすんでれば絶対にきくことができなかったんだろうな。
「好き」あ。無意識に言ってしまった言葉。
誰もいない砂浜で私は何を言っているのだろう..
曜ちゃん。いつも私の中には曜ちゃんがいる。
なんでも出来てかっこよくて可愛いくて。
そんな一人の女の子を私はいつの間にか
好きになっていた。けど、
この想いを曜ちゃんに伝えるのにはまだ早い。
だって、今の私は曜ちゃんに「好き」と伝える勇気はないもの。
けれど、いつかわたしが成長した時には
この想いを伝えられるといいなだから待ってて
私が好きという気持ちを言える時まで。
それまで、私は曜ちゃんのことをもっと知ってもっともっとすきになるから。
あれから5年後_______________
高校を卒業して私は20歳を過ぎて
今では東京の大学に通っている。
久しぶりに内浦に帰ってきた今日、
私が真っ先に向かったのは砂浜だ。ザー
あの時と変わらない景色。海の音。
静かな街並み。5年前を思い出すな。
高校3年生になって、卒業式の日に
曜ちゃんに私の想いを全て伝えて。。
でも、断られてしまった。
その時は、立ち直れなくて部屋にこもりきって、自分が何をしたらいいのかとか。
ずっと考えてて。冷静になれなかった。
でも、やっとわかったよ。私。
私があの時。5年前に音楽室でつくってた
曲。それが、今日完成した。
本当の恋を。愛を知った今日。
私が本当に成長したのって今日なんだ。
愛の歌の響きは優しく悲しいんだね何故かは知らずにねえ胸が痛いよ。 theEND