曜「大変なことになった……」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:37:43.30

千歌「あ、あ、あ、あ、あ、あ」

千歌「あのさっ！」

千歌「ち、チカね……梨子ちゃんのこと、好きなんだけど……」

梨子「えっ？」

梨子「あーっ、あははっ！」

梨子「うん。私も千歌ちゃんの事が好きだよ？　一番の親友だと――」

千歌「違うよ！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:38:19.70

梨子「……」

千歌「わかるでしょ？　そういう"好き"じゃあないの！」

千歌「チカの好きは、恋愛の好きなの！」

梨子「こ、困るよ。そんなの！」

千歌「えっ？」

千歌「こ、困る？」

梨子「第一、曜ちゃんに悪いわよ……」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:38:59.07

千歌「何で？　何で曜ちゃんが出てくるの？」

梨子「ご、ごめん。私曜ちゃんに恨まれたくないから！」ﾀﾞﾀﾞｯ

千歌「あっ！　ちょ、ちょっと！　梨子ちゃん！」

梨子（困った事になったなぁ……）

梨子（私は千歌ちゃんの事は嫌いではない。むしろ好意を抱いている）

梨子（けど曜ちゃんと千歌ちゃんの仲を引き裂くつもりもないのだ）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:40:09.99

＼ﾗｲﾝ♪／

梨子（う、そんな事を考えていると千歌ちゃんからラインだ……）

梨子（とりあえず機内モードにして、っと）

ちかちー＜曜ちゃんの事を言い訳に使わないで、しっかり答えてよ
ちかちー＜りこちゃんの気持ちが聞きたいの！

ちかちー＜りこちゃんのやってる事は逃げだよ！

梨子「うわぁ……」

梨子（そう言われても、こっちとしても曜ちゃんとの禍根を残すわけにもいかないし）

梨子（うーん……）

梨子「あの手を使うか……！」ﾎﾟﾝ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:41:02.58

Prrrrrrrrr

ガチャ

善子『我、堕天の王なり！』

Pi

♪～ﾏｯﾃｰﾅｲﾖﾗﾌﾞ♪

ｽｯ

善子『そっちからかけてきて、なんで切るのよ！』

梨子「ごめん、つい……」

善子『で、何よ、リリー』

梨子「リリーは止めて。ま、とにかく、相談があるのだけど……」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:41:44.93

善子『クックック！　言ってみなさいリリー！　悩めるリトルデーモンを導くのも堕天使の使命！　聞いてあげるわよ……！』ｷﾞﾗﾝ

梨子「じゃあ相談なんだけど。私と付き合う気ない？」

善子『は？』

善子『あ、ああ。買い物に、とか、ダイエットに、とか、そういう系ね』

梨子「言い方が悪かったわね。恋人になるつもりはある？」

善子『はぁぁぁぁぁぁ！？』

善子『馬鹿リリー！　何言ってんのよ！』

善子『そもそもそういう大事な話を電話で言うのってどうなのよ、もう！』

梨子「落ち着いて」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:42:34.55

善子『逆にリリーは何でそんなに落ち着いてるのよ！』

梨子「また言い方が悪かったみたいね」

梨子「少しの間でいいから、恋人のフリをして欲しいんだけど」

善子『えぇっ！？』ﾄﾞｯｼｪｰ

梨子「お願いっ！　頼れるのはヨハネ様しかいないの！」

善子『よ、ヨハネ様っ……！』ｷﾗｷﾗ

善子『フフフ……！　わかったわ！　上級リトルデーモンリリーよ！　そこまで言うのなら、あなたの願いを聞いてあげましょう！』ﾜﾊｰ

梨子「ありがとう、善子ちゃん！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:43:20.16

善子『ヨハネでしょ、そこ！　で、なんたって急に恋人のフリなんて？』

梨子「それが、最近ちょっと厄介な人に言い寄られていて。困っていたのよ」

梨子「体よく断るのに、もう既に恋人がいるって事にしておきたいの」

善子『そっ、そうなの！？　もう、それならそうと早く言いなさいよ！』

善子『そんな事情があるなら、協力しないわけにはいかないじゃない！』

梨子「ふふっ。ありがとう、善子ちゃん」

梨子「じゃあ、明日早速協力してもらうから。私が善子ちゃんを恋人だって紹介するから、善子ちゃんもそれっぽい感じで振舞って頂戴」

善子『クックック……！　この堕天使ヨハネの演技力を刮目するがいいわ！』

梨子「普通でいいのよ、普通で」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:44:15.77

梨子「じゃあ、明日はよろしく！　本当にありがとうね、善子ちゃん！」

善子『あ、おやすみ。また明日学校でね』

Pi

梨子「よし！」ｶﾞｯﾂﾎﾟｰｽﾞ

梨子「後は千歌ちゃんに……」ｽｰｽｰﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

　　　　　　　　　　　ごめんなさい＞
　　　　　　　　理由は明日話します＞

梨子「これで今夜もくつろいで熟睡できるわね……！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:46:33.68

　～翌日、部活終了後～

花丸「ぬあー疲れたずらー」

ルビィ「ね、今日練習きつかったね！」

善子「大会近いから仕方ないわよ」

千歌「みかん、みかん♪」

鞠莉「バッチェ冷えてますよ」

ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ！

梨子「皆着替えたりする前にちょっと聞いて！」

梨子「えー、突然ですが皆さんに重大発表があります！」

8人「！？」ｻﾞﾜｻﾞﾜ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:47:19.06

梨子「私こと桜内梨子ちゃんは、ここにいる津島善子ちゃんとお付き合いさせて頂いております」

善子「！？」

梨子「この度は一部の方に、私の態度や仕草で『もしかしたら付き合えるのでは？』と誤解させてしまった事をここに深くお詫び申し上げます」

梨子「今後も今までと変わらず真摯にスクールアイドル活動に取り組んで行きたいと思っていますので、どうか変わらぬご声援をよろしくお願いします」

一同「」ﾎﾟｶｰﾝ

善子「え、あ、そ、そうなのよ～！　実はねぇ、リリーってばヨハネを独り占めしたいなんてワガママ言うもんだから……」

ルビィ「しょうだったんだ！　じぇんじぇんきぢゅかにゃかったよ！」

花丸「それならそうと言ってくれたら良かったのに。マルたち結構お邪魔じゃあなかった？」

善子「そ、そうやって気を使われるのが嫌で今まで秘密にしていたのよ。ゴメンネ！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:48:02.42

曜「……」

千歌「……」

梨子「そういう事なの。今まで黙っていたのは悪いと思っているけれど……」

千歌「ふーん。良いんじゃあない？　お似合いだと思うよ」

梨子「千歌ちゃん……」

花丸「マルもそう思います」

鞠莉「マリーも同意デェス！　でも、ユニット活動のときにマリーだけのけ者にしたら、NO！　なんだからネ☆」

梨子「みんな……ありがとーう！」ﾌﾘﾌﾘ

――――

―――

――

―

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:48:54.43

梨子「じゃ、善子ちゃん一緒に帰りましょ」

善子「え、ええ」

梨子「みんなさようならー」

善子「ではまた！」ｷﾞﾗﾝ

ﾃｸﾃｸﾃｸﾃｸ

善子「あれでよかったの？」

梨子「うん、完璧」

善子「そう、よかったわ。それにしても、まさかその"厄介な人"とやらがメンバー内にいるとは……」

梨子「そうなのよね。だからあまり強く言うわけにもいかずに困ってたの」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:49:18.56

善子「で、でもあまりメンバーを悪く言うのは……」

梨子「言い方は悪かったかもしれないけど……。けど、本当にこじれて厄介なことになりそうだったのよ」

善子「まぁ……それなら仕方ないのかもしれないけど……」

梨子「向こうもこれで諦めてくれたと思うし、本当に助かったわ！」

善子「うぅ、ヨハネがその人に恨まれたりしないでしょうね……」

梨子「あははは、ないない！　そういう人じゃあないわよ！」

善子「ふぅん……？」

善子「ていうか千歌ちゃんでしょ？　リリーの事を好きな人って」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:49:56.62

梨子「へっ！？」

梨子「な、なんで……」

善子「消去法で千歌ちゃんしかいないし」

梨子「くっ……！」

梨子「……まぁ別に支障はないかな……。一応、内緒にしておいてね」

善子「言いふらす趣味はないわよ」

梨子「ありがと、善子ちゃん」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:51:44.50

善子「それにしても、リリーが千歌ちゃんの告白を断ったのは意外だったわ」

梨子「そう？」

善子「好きなのかと思ってた」

梨子「ううん……好きではあるけど」

梨子「でもやっぱり、あの二人の間には入り込めないかな」

善子「……そうかしらね」

梨子「？」

善子「まぁ、リリーが選択したのならどうこう言うつもりはないわ」

梨子「うん……。あっ、私ここだから。またね！」

善子「クックック……！　闇に飲まれよ！」

……

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:52:18.36

梨子宅

梨子（あー、良かった！）

梨子（千歌ちゃんも諦めてくれたみたいだし！）

梨子（後はほとぼりが冷めるのを待って、自然消滅した感じにしておけば大丈夫ね！）

梨子（善子ちゃんにも感謝だわ）

梨子（そうだ！　曜ちゃんにアドバイス送ってあげようっと！）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:53:04.70

Prrrrrr

曜『もしもし』

梨子「あ、曜ちゃん、今大丈夫？」

曜『うん』

梨子「えっとね、実は曜ちゃんにお願いがあって」

曜『お願い？』

梨子「うん。えっとね、私千歌ちゃんに告白されちゃって」

曜『うん』

梨子「ほら、私、今日も言ったとおり、善子ちゃんと付き合ってるじゃない？」

曜『……』

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:53:34.29

梨子「だから断ったんだけど……多分、傷ついているかもしれないから」

梨子「曜ちゃん慰めてあげてくれない？」

曜『え？』

梨子「ほら、曜ちゃんに慰められたらきっと千歌ちゃんもさ。ね？」

曜『……』

曜『梨子ちゃんと、善子ちゃんって』

曜『いつから付き合ってるの』

梨子「えっ？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:54:55.69

梨子「それは、えーっと、結構前からだよ」

梨子「そんな事どうでもいいから、今は千歌ちゃんだよ」

梨子「曜ちゃん、千歌ちゃんの事好きでしょ？」

梨子「これを機にさ、距離を縮めても良いと思うんだよね」

梨子「曜ちゃんも千歌ちゃんと恋人同士になりたいでしょ？」

梨子「だからさ、今の傷心状態の千歌ちゃんなら……優しい言葉をかけてあげればきっと曜ちゃんに振り向くから！」

梨子「頑張って、曜ちゃん！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:55:41.34

曜『あー……』

曜『……』

曜『……ありがと、梨子ちゃん』

梨子「えへへ！　どういたしまして！」

曜『じゃあ私、眠いから切るね』

梨子「あ、うん！　おやすみな」Pi

梨子「さーい、って最後まで言わせてよー。せっかちだなぁ曜ちゃんは」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:56:25.73

～翌日～

梨子「おはよー」

曜「おはヨーソロー！」

千歌「おはよ」

梨子「曜ちゃん」ｺｿｯ

曜「んー？」

梨子「ね、千歌ちゃん見るからに元気ないでしょ？」ｺｿｺｿ

曜「そうだねー！」

梨子「元気付けてあげてね、曜ちゃん」ｺｿｺｿ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:56:53.03

曜「あははははははっ！　任せてよ！　ヨーソロー！！」

千歌「二人でこそこそ何話してるの」

梨子「あ、えっと今日の小テストの範囲を……」

曜「千歌ちゃんを元気付ける作戦を立てていたのであります！！」

梨子「ちょっ、曜ちゃん！？」

千歌「……何それ」

千歌「変な気とか使わなくていいから」

梨子「ご、ごめんなさい」

曜「ま、何にせよ元気だそうよ。元気が一番だよ！」

千歌「……」

曜「さっ、今日も一日頑張るぞい！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:57:21.29

～お昼休憩～

曜「……」ｿﾜｿﾜ

梨子「曜ちゃんどうしたの？」

曜「い、いや、ちょっと……」

千歌「具合悪いの？」

曜「あ、うん……。そうかも……」

千歌「保健室行く？」

曜「あ……えっと……ごめん、ちょっとお昼は二人で食べてて」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:57:34.10

曜「私ちょっと用事……」

千歌「用事？」

曜「う、うん。水泳部のことで。ごめん」

千歌「わ、私達は全然いいけど……」

梨子「本当に大丈夫なの……？」

曜「うん、うん。全然。こんなの平気、うん」

曜「じゃあ私行くから。また。後で」ｻｻｯ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:58:25.30

千歌「……」

千歌「なんか、明らかに変じゃあない？」

梨子「う、うん……流石に、おかしいよね……」

千歌「朝はうざいくらいテンション高かったのに、途中からすっごい沈んでたよね」

梨子「うん……」

千歌「なんか病気なんじゃあないの？」

梨子「躁鬱病みたいな……？　あんまり詳しくないけど」

千歌「なんか怖いよね」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:58:46.39

梨子「千歌ちゃん……」

梨子「！」ﾋﾟｯｺｰﾝ

梨子「千歌ちゃん、曜ちゃんについててあげたら？」

千歌「えっ？」

梨子「ほら、きっと曜ちゃんも千歌ちゃんと一緒にいたら落ち着くと思うし」

千歌「あのさ」

千歌「変な気使わないでよ」

梨子「えっ……？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 21:59:36.98

千歌「私と曜ちゃん、別に何もないし」

梨子「あ……、そ、そうよね、ごめん」ｱｾｱｾ

千歌「はぁ、それより早くご飯食べよーよ！」

梨子「あ、うん」

千歌「梨子ちゃーのお弁当は相変わらず美味しそうなのだ」

梨子「そう？　よかったら食べる？」

千歌「いいの！？」

梨子「うふふ、どうぞ」

……

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:01:13.03

～後日、部活後～

梨子「善子ちゃん、一緒に帰ろ」

善子「ええ」

曜「……」

梨子「みんな、またねー」

善子「ではまた！」

……

梨子「善子ちゃん、帰りに甘い物でも食べてく？」

善子「あっ、良いわね」

梨子「じゃあおごってあげる」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:02:32.97

善子「え？　いいの？」

梨子「善子ちゃんのおかげで助かったからね」

善子「フフフ……！　そういう事ならその厚意、受け取っておきましょう！」

善子「で、どこに行くの？」

梨子「良いところがあるのよ」

梨子「はい、ここ」

セブンイレブン「いい気分」ﾊﾞｰﾝ

善子「……コンビニじゃあないの」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:03:28.82

梨子「そうだよ？」

梨子「最近はコンビニスイーツも美味しいのよ！」

善子「えー」ｼﾞﾄｰ

梨子「ほら、たまにはいいじゃない。買い食いっていうのも」

善子「ま、奢ってもらうのに文句は言わないけどね」

梨子「そうそう。行こ行こ！」

……

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:04:27.26

善子「ごちそうさま。あー、美味しかったぁ」

梨子「でしょ？」

善子「ホント、最近のコンビニスイーツは専門店顔負けねぇ……」

梨子「そうよねぇ。お値段もお手頃で財布に優しいし」

善子「侮りがたし、人間界の進歩！」

梨子「じゃあ、そろそろ帰ろっか」

善子「ええ、そうね。今日はありがとう、リリー」

梨子「お礼なんだから、気にしなくていいの」

善子「それでも、よ。楽しかったわ」

梨子「私も。またこうして二人で遊びましょう」

善子「ええ！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:05:46.97

梨子（善子ちゃんといるのも結構、楽しい）

梨子（お互い、気を使わなくていいからかな。気楽でいいわ）

梨子（この感じ、『好き』とは違うけど。なんだろう、『安心』って言ったほうが近いかな）

梨子（たまにこうして二人で遊びに行くのもいいかもね）

梨子（でも、本当にお礼がコンビニスイーツ1つっていうのも寂しいかなぁ）

梨子（今度またお菓子でも作って持っていってあげようかな）

梨子（うん、そうしよう！）

梨子（しかし、私と善子ちゃんが再び一緒に遊ぶことは、二度と無かった）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:07:26.43

～数日後、学校～

梨子（善子ちゃんが入院した）

梨子（何でも変質者に襲われたらしい。犯人はまだ不明）

梨子（お見舞いに行った私は……行った事を後悔した）

梨子（それくらい凄惨にやられていて……あの可愛らしかった彼女の面影は、どこにも無かった）

梨子「……おはよう」

千歌「……お、おはよう、梨子ちゃん……」

曜「おは、おお、おはよ……」ｶﾞｸｶﾞｸ

千歌「っ！　き、聞いたよ、善子ちゃんの事！」

千歌「今ね、みんなでお見舞いに行かないかって話していたの！」

梨子「……やめてあげて」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:08:01.30

千歌「えっ？」

梨子「多分、今の姿、見られたくないと思う……」

梨子「……特に私達には」

千歌「そう……なんだ……」

曜「……」

梨子「許せないよ……」

千歌「ううっ……」

梨子「なんで善子ちゃんなの……？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:08:46.92

梨子「なんであんなことができるの！？」

梨子「ひどいよ！　こんなの！　ひどすぎる！」

曜「う、ううう！　うるさい！！」

梨子「え？」

曜「あ、頭に響くから！　大声出さないで……」

梨子「え？　え？」

曜「響くの……ううっ！」

梨子「よ、曜ちゃん……？　も、もしかして……体調悪いの？」

曜「ち、違う！　うるさいの……！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:09:14.45

千歌「なに……その言い方……」

千歌「曜ちゃん最近ちょっとおかしいよ！？」

千歌「仲間が傷付いたって言うのになんでそんな態度なの！？」

曜「だ、だから……」ｶﾞｸｶﾞｸ

梨子「……曜ちゃん、その右手、怪我したの？」

曜「え、う、うるさい……関係ないでしょ……」

千歌「曜ちゃんがやったんじゃないの？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:10:08.49

曜「え？」

千歌「善子ちゃん」

曜「は？」

千歌「曜ちゃんがやったんでしょ！　だからそんな怪我したんでしょ！！」

千歌「同じバス使ってるしさぁ！　乗り場も近いんだから！　曜ちゃんしかいないんじゃん！」

千歌「善子ちゃんは仲間なんだよ？　大切な仲間なんだよ？　今までずっと一緒にやってきた！」

千歌「それを平気な顔して傷つけて！」

千歌「もう信じられない！　出てって！ Aqoursからも！　この学校からも！　出ていってよ！」

曜「い、いや、何言ってんの？」ｲﾗｲﾗ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:10:39.64

曜「元はと言えばさぁ！」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

千歌「何！？　言い訳するつもり！？」

梨子「ちょ、ちょっと二人とも落ち着いてよ！」

曜「うるさいなぁ！」ﾄﾞﾝｯ

梨子「きゃあっ！」ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

千歌「もう嫌！　誰か！　誰か来てー！」

ｻﾞﾜｻﾞﾜ

曜「チッ！」ﾀﾞｯ

ｶﾞﾗﾗｯ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:12:01.39

千歌「梨子ちゃん、大丈夫……？」

梨子「う、うん。怪我とかはないみたい」

千歌「なんなの、あれ……。ホントに意味わかんない！　最近おかしいよ……」

梨子「……」

梨子（その日、曜ちゃんの姿を放課後まで再び見る事は無かった）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:13:13.77

～放課後、部室～

鞠莉「……みんな、来てるのかしら？」ｶﾞﾁｬ

花丸「あっ、こんにちは」

ルビィ「こんにちは……」

鞠莉「ダイヤと果南は？」

千歌「見てないよ」

鞠莉「……おかしいわね……二人共、朝に曜に呼ばれたっきり、帰ってこなかったのよ……」

梨子「……えっ？　曜ちゃんも朝からいなくなって……」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:13:49.50

千歌「3人でどこか行ったのかな……？　なにか最近、曜ちゃんの様子おかしかったし……」

梨子「うん……今朝も、ちょっとね……」

梨子「もしかしたら、二人で曜ちゃんの相談に乗ってあげてるとか？」

鞠莉「そうなのかなぁ……そうなのかもね」

鞠莉「あの二人、マリーに内緒で何か色々しているみたいだし」

鞠莉「ハブにされたみたいで、嫌な気分だわ……」

千歌「……」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:14:15.68

ｶﾞﾁｬ

曜「おっはヨーソロー！！！」ﾊﾞﾀﾝ

曜「あっれー？　みんな暗いよー！？」

曜「あ、はい暗い暗い暗い暗い暗い！　Don’t cry！」

鞠莉「よ、曜？」

曜「あれ、そういえば善子ちゃんは？　善子ちゃんはどこにいるの？　おーい！　ヨーシコー！！」

梨子「ヒッ……！」

花丸「よ、曜ちゃん……？」

ルビィ「ぴぎぃぃぃ……」ｶﾞｸｶﾞｸ

鞠莉「あなたその返り血みたいなのは一体……！」

**名無しで叶える物語**(庭) · 2019/01/19(土) 22:14:54.55

！！

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:14:58.72

曜「え？　あー、綺麗にしたつもりだったんだけど！　聞いてよ！　ダイヤさんと果南ちゃんがいじわるしてきてさ！」

千歌「いい加減にして！！」

千歌「曜ちゃんどうしちゃったの！？　本当におかしいよ！」

千歌「もうここから出て行ってよ！　怖いよ！！」

曜「ま、まぁまぁ！　千歌ちゃん！　話を聞いてよ！」

千歌「うるさい！　もう嫌！　意味わかんないんだよぉ！！」

曜「わ、わかったごめん！　今日はもう帰るから！　でも一つだけ！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:15:35.47

曜「善子ちゃんに会わせてよ！　善子ちゃんに会うためだけにココに来たの！」

千歌「ふざけないでよ！！」

千歌「善子ちゃんはここにはいないの！　曜ちゃんがやったんでしょ！？」

千歌「善子ちゃんは仲間だったのに！　私達の仲間だったのに！」

千歌「曜ちゃんなんてもう知らないよ！　出てって！」

千歌「さっさと出てってよぉ！！」

曜「」ﾌﾟﾂﾝ

**名無しで叶える物語**(プーアル茶) · 2019/01/19(土) 22:15:51.73

みてるよ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:16:15.97

曜「っるさいなぁぁぁぁ！！」

曜「元はと言えばさぁ！　あの馬鹿女の口車に乗せられたあんたが悪いんだろ！？」

曜「みんなで私をハブにしやがって！」ｶﾞｼｯ

千歌「い、痛い！　離して！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

曜「うるせぇ！！」ﾊﾞｷｨｯ

千歌「ぎゃっ」ﾊﾟｷｯ

梨子（千歌ちゃんは……髪の毛を掴まれたまま、曜ちゃんの、おそらく全力の拳を顔面に喰らった）

曜「……！」ﾊﾞｷｯﾊﾞｷｨｯ

千歌「ぐえっ、いひゃ」ｺﾞｯ　ﾍﾞｷｯ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:17:02.76

梨子（2発、3発……、4発目で……曜ちゃんが千歌ちゃんの髪の毛を離して、千歌ちゃんは倒れ込んだ……）

花丸「うっ！　おえぇぇ」

梨子（……ように見えた。実際は違った。曜ちゃんは離してなんかいなかった）

ルビィ「うえええええええええええん！」

梨子（千歌ちゃんの髪の毛は頭皮ごと……曜ちゃんの手に残ったまま。綺麗な白い頭蓋を露出して、千歌ちゃんは潰れた眼孔からおびただしい量の血を流していた）

鞠莉「お、落ち着きなさい！　曜！」

梨子（……眼の前の惨状は、本当に人間の仕業なのだろうか。あれは、人間に為せる事ではない）

梨子（力が、というだけでなく……あそこまで、人間を思いっきり殴れるものなのだろうか？　手加減も、慈悲もなく）

千歌「」

梨子（千歌ちゃんはピクリとも動かなくなった。生きているのか、死んでいるのか、そんな事はもうどうでも良かった）

梨子（私は一刻も早く、この場から逃げ出したかった）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:17:51.68

梨子「……ヒッ！」ﾊﾞｯ

曜「待て！　梨子ちゃん！　全部あんたのせいだ！」

曜「善子は？　善子を返してよ！！」

曜「ううっ、梨子！　善子は……」

曜「梨子ォ！　待て！　殺してやる！」

鞠莉「ダメェ！　やめなさい曜！」

曜「殺す！」

曜「待てェ！　私にあいつを殺させろォォォォォ！！！」

鞠莉「マル！　ルビィ！　逃げなさい！　先生呼んできて！」

曜「どけ！　殺す！」

　結局、私は逃げ出した。

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:18:30.67

　私やルビィちゃん、花丸ちゃんを庇って曜ちゃんを止めようとした鞠莉さん、そして生きているか死んでいるかもわからない千歌ちゃんを残して。

　情けない話だが、私は怖かった。

　花丸ちゃんとルビィちゃんは無事だった。
　代わりに、二人と私を守ろうとした鞠莉さんは帰らぬ人となった。

　花丸ちゃんとルビィちゃんはすぐに先生を呼び、駆けつけた男の先生が数人がかりでようやく抑え込めたらしい。

　千歌ちゃんは一命を取り留めた。とはいえ、脳に傷が付いており、後遺症は残っているようだ。
　千歌ちゃんのお母さんの話によると、今後まともに会話ができるかどうかはわからないらしい。
　ダイヤさんと果南さんは3階奥の女子トイレにて死体で発見された。二人共、無残な姿で――特に頭部が激しく損傷していたそうだ。

　善子ちゃんは今では大分回復し、元の可愛かった善子ちゃんに戻りつつある。完全に傷跡が消えたわけではないけれど、元の明るさは取り戻しつつあった。

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:18:59.96

　曜ちゃんはあの後すぐに入院した。
　検査した所、覚せい剤を使用していた反応がでたらしい。

　信じられない話だが、ダイヤさんが曜ちゃんに薬を売っていたらしい。

　今でもあの時の曜ちゃんを思い出す。

　あの爛々と目を光らせた悪鬼のような形相。薬のせいもあったのだろうが、あれほど憎しみを湛えた表情は私は見たことがなかった。

　そしてそれほどの憎しみを向けられたことも。

　身に覚えはないが、私が悪かったのかもしれない。何かか曜ちゃんの恨みを買うようなことをしていたのかもしれない。

　だけど私は――もう二度と、曜ちゃんには会いたくない。

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:20:23.94

第一部オワリ

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2019/01/19(土) 22:21:05.87

だい…いちぶ、だと

**名無しで叶える物語**(プーアル茶) · 2019/01/19(土) 22:22:35.72

黒澤系黒過ぎんよ

**名無しで叶える物語**(SB-iPhone) · 2019/01/19(土) 22:24:26.64

おつ
面白かった

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:25:00.65

　第二部

曜（私は、桜内梨子という女の子の事が好きではなかった）

曜（好きではない、という言い方はどうも生易しいかもしれない。誤解を恐れずに言えば、気に食わないと、そう言った方がより正しかった）

曜（梨子ちゃんは、可愛らしく言えばお節介焼きで――悪く言えば、独り善がり。自分で決めた価値観の中で、他人の幸福も推し量ろうとする。そういう所が苦手だった）

曜（それを押し付ける事を”やさしさ”だと勘違いしている）

曜（何度もそういう考えは打ち消そうとした）

曜（梨子ちゃんなりに、善意で動いているのだと。でも、ダメだった）

曜（思えば思うほど、私の梨子ちゃんに対する反感は、徐々に大きくなっていった）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:26:30.44

曜（ずっと仲の良かった千歌ちゃんは、ここの所ずっと梨子ちゃんにべったりしている）

曜（そういう所も反感の原因だったのかもしれない）

曜（大切な幼馴染が取られちゃった様な気がして、寂しかったのかもしれない）

モブ子「曜ちゃん飛び込みって本当にすごいのよ？」

モブ子「すごくキレイで私もファンだし」

モブ子「この前だってナショナルチームのスカウトが来てたでしょ」

モブ子「曜ちゃん単純だからあんまり考えてないかもしれないけど、そんな事この田舎ではありえないくらいすごい事なんだから！」

モブ子「だからあまりよそ見せずに集中して頑張ってよね！」

曜「あ……うん」

曜（私はスクールアイドルの活動も好きだから両方頑張ってるんだけど）

曜（まぁ、それは良い）

曜（問題はこの後だ）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:26:58.44

曜「っていう事があってさー」

千歌「曜ちゃんはモテるねーっ」

曜「そんなんじゃあないよ///」

千歌「でも確かに曜ちゃんはすごい選手だもんね」

千歌「でもぉ、Aqoursの活動も手を抜いちゃあ嫌だよー！」

曜「あはは、それはもちろん」

梨子「千歌ちゃん、あんまり曜ちゃんにワガママ言っちゃだめだよ」

千歌「ちぇっ、はーい」

曜「いや、別にそんな」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:27:28.11

梨子「そうだ。今日は曜ちゃん、お休みしてもらったら？」

曜「え？」

梨子「曜ちゃんも疲れてるでしょ？」

曜「わ、私は別に……！」

梨子「良いから、良いから！　曜ちゃんも衣装作りとか大変でしょ？　息抜きだと思ってさ」

千歌「うん。そうだよ。思えば曜ちゃんには負担をかけすぎていたかも」

曜「そんな事ないよ！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:28:38.81

……

曜（結局、私は押し切られる形でその日は休むことになった）

曜（私は好きでスクールアイドル部にいるのに）

曜（水泳部との掛け持ちだって、そんなに苦ではないのに……）

曜（梨子ちゃんに、押し付けられた善意が辛い）

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2019/01/19(土) 22:28:53.25

ここまで読んでスレタイ見返すとなんか逆に笑えるな

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:29:13.86

～別の日、バス～

曜「そういう感じで、押し付けてくる人がいてさ」

善子「災難ねぇ」

曜「それで最近、ストレスが溜まっちゃって」

善子「大声でも出してみたら？」

曜「海に向かって、『バカヤロー！』って叫んでみようかな」

善子「ちょっと古典的すぎない？」

曜「うーん、じゃあカラオケに行くとか？」

善子「それは名案ね」

曜（善子ちゃんとの時間は好きだった）

曜（善子ちゃんは私に何も押し付けない。ただ話を聞いてくれる）

曜（私の日常の、唯一の癒しと言ってもよかった）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:29:49.12

……

千歌「曜ちゃん」

曜「千歌ちゃん」

千歌「曜ちゃんって、チカの事好きなの？」

曜「えっ？」

千歌「今日、梨子ちゃんに告白したんだ」

千歌「勇気を出して、思い切って気持ちを伝えたの。その上で拒絶されるなら、それでもいいと思った。でも……」

千歌「梨子ちゃんは、『曜ちゃんに悪い』って。だから、断られた」

千歌「ねぇ、曜ちゃん、曜ちゃんはチカの事が好きなの？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:30:19.29

曜「えっと、いや、それは……」

千歌「チカは曜ちゃんのせいで振られたの？」

千歌「なんでチカなの？」

千歌「曜ちゃんがチカを好きでなければ、チカの気持ちは受入れられていたの？」

曜「そ、そんな……」

千歌「曜ちゃんのせいじゃん……」

千歌「曜ちゃんがチカを好きじゃあなければよかったのに！」

曜「そ、そんな言い方！」

千歌「うるさい！」

**名無しで叶える物語**(おいしい水) · 2019/01/19(土) 22:31:14.74

いやいや

いやいや…

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:32:00.70

千歌「曜ちゃんなんて嫌いだ！」

千歌「曜ちゃんと幼馴染なんかじゃ、なければよかった！」

曜「は……」

曜「それ、本気？」

千歌「……」

曜「本気なんだ……」

曜「っ……！」ﾀﾞｯ

千歌「あっ……」

曜（私はその場から逃げ出した）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:32:29.81

曜（……まただ）

曜（また、梨子ちゃんの勝手な価値観を押し付けられた）

曜（私は、千歌ちゃんに友情以上の感情を持ち合わせていなかったのに）

曜（梨子ちゃんの価値観で、勝手に気を使われて）

曜（その結果がこれだ）

曜（独善的で――たかが数ヶ月しか私たちを見ていないはずなのに、己の価値観を妄信する梨子ちゃんにも）

曜（長年築いてきた友情よりも、恋愛なんていう一時の流行り病を優先する千歌ちゃんにも）

曜（私はいい加減、限界が来ていた）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:33:16.45

～バス～

善子「曜、たまには海にでも寄って行く？」

曜「えっ。突然どうしたの？」

善子「たまには、ね」

曜「うーん。でも面白そうだからいっか！」

～海～

善子「ｽｩｩｩｩｩ」

善子「バカヤローーーーーーーー！！！」

曜「よ、善子ちゃん！？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:33:37.85

善子「曜もやってみなさいよ。思ったよりスッキリするわよ、これ」

曜「で、でも流石に恥ずかしくない？」

善子「うっ……いいのよ！　どうせ人もそんなにいないんだから」

善子「ほら、見てなさい」

善子「堕天使ヨハネ、降臨ーーーーーーーーー！！！！」

善子「これで曜も恥ずかしくないでしょ！」

曜「善子ちゃん……」

曜「ｽｩｩｩｩｩ」

曜「バカヤローーーーーーーーーーーーーーッ！！！！！」

**名無しで叶える物語**(禿) · 2019/01/19(土) 22:34:34.83

けいおんの澪ゲロSSみたいな構成だな

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:35:05.48

曜「あはは、ホントだ。なんだかスッキリしたかも」

善子「フフ。いい顔になったわね」

曜「えっ？」

善子「曜ってばさっきまで死にそうな表情してたもの」

善子「見ているこっちまで気が滅入りそうだったわ」

曜「そうだったんだ……。ごめんね」

善子「いいわよ、別に。またストレス溜めてたんでしょ？」

曜「正直に言うと、うん……」

善子「たまにはこうして、発散しないと」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:35:50.39

>>71
澪ゲロリスペクトして書いた

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:36:14.82

曜（善子ちゃんの優しさは本当に心地良い）

曜（心地が良すぎて……涙が、我慢出来なくなりそうだ）

曜「私が全部悪いのかな」ｼﾞﾜｯ

曜「私が我慢できないから、心が狭いから」

曜「私が他人を穿って見ちゃうから」

曜「全部……全部、それが返ってきちゃうのかなぁ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

善子「よ、曜さん！？」ｱﾀﾌﾀ

曜「うう、もう嫌だよ……」ｴｸﾞｴｸﾞ

善子「曜……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:36:57.13

善子「私は、事情は全くわからないけど」

善子「曜は全然悪くないと思うわよ」

曜「え……？」

善子「事情はさ、あまり知らないから、好き勝手言うけど」

善子「曜は悪くない。全く悪くない。悪いとしたら、曜以外に原因があるわね」

曜「善子ちゃん……」

曜「うっ、うぐっ、うえぇぇぇぇぇん」

善子「曜は溜め込みすぎなのよ」ｷﾞｭｯ

善子「たまにはこうして、吐き出してスッキリしなさい」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:37:24.33

……

曜「いやー、お恥ずかしいところをお見せしました」ﾃﾚﾃﾚ

善子「ホントよ。このヨハネが迷えるリトルデーモンを救済する愛の堕天使でなければ、手に負えなかったわ」

曜「えへへ。善子ちゃんはホントに天使だね」

善子「ヨハネよ！　それに堕天使よ、堕天使！」

曜「ありがと、善子ちゃん」

善子「ヨハネね」

曜「あのさ、善子ちゃん」

善子「だからヨハネ」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:37:37.80

曜「あの、善子ちゃんにしてみたら、凄く迷惑だし、鬱陶しいと思うかもしれないけど……」

善子「ヨハネよ」

曜「もし、また辛くなったら……善子ちゃん、また私の話、聞いてくれる……？」

善子「ヨハネ！」

善子「はぁ、……ていうか、そんな事？」

善子「それ位で良いなら、夜通しだって聞いてあげるわよ」

曜「善子ちゃん……！」ﾀﾞｷｯ

善子「ヨハネだってば！」

曜「ありがとう……」ｷﾞｭｯ

善子「もう、甘えんぼね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

……

**名無しで叶える物語**(禿) · 2019/01/19(土) 22:38:03.19

>>73
ダイヤが覚せい剤売ってた辺りでそんな気はした
最後まで続けて

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:38:58.02

曜（あー……）

曜（善子ちゃんには恥ずかしい所を見せちゃったな///）

曜（でも、本当に良かった）

曜（善子ちゃんのおかげで、かなり心に余裕が出来た）

曜（やっぱり、善子ちゃんと話していると落ち着くな）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:39:31.57

～翌日～

曜（何故かダイヤさんに呼び出された）

曜（3階の奥にあるトイレ。ここは殆ど人も寄り付かず、なんとなく隔離された場所のような感じだ）

曜（こんな場所で一体何の用なのだろう）

曜（暫く待っているとダイヤさんと果南ちゃんがやって来た）

果南「やっほー、曜」

ダイヤ「すみません、曜さん。急にお呼び立てしてしまいまして」

曜「いえ。それより話って？」

ダイヤ「曜さん、あなた、最近何か悩み事を抱えていませんか？」

曜「えっ？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:40:11.03

ダイヤ「見ていればわかりますわよ。落ち込んで、元気が出ないという日が多いのでは？」

曜「あ、あはは。ダイヤさんは凄いな」

ダイヤ「もし、限界が来て、どうしようもなくなった時は、これを使ってみる事をオススメします」

曜（錠剤……？　それにしては変な色だけど）

曜「これは……」

ダイヤ「気分が落ち着くお薬ですわ」

ダイヤ「非常に高価なお薬なのですが、曜さんは仲間ですので。トクベツに差し上げます」

ダイヤ「あっ、勿論、非合法でしたり、怪しい薬ではありませんわよ。きちんと医療目的で販売されている薬ですので」

曜「……ありがとう、ダイヤさん」

ダイヤ「いえ。私達は仲間、ですものね」ﾆｺｯ

果南「またね、曜。元気だしなよー？」

曜「うん。果南ちゃんもありがと」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:40:44.43

曜（うう、なんだか心配させちゃったみたいだ）

曜（そんなに顔に出てたのかな……）

曜（でも、ダイヤさんの気持ちは嬉しいけれど、私にはこんなものは必要ない）

曜（私は病気ではないのだから。薬なんて必要ない）

曜（それに、気分を落ち着かせたいなら薬なんて飲まなくても善子ちゃんと話せばいいもんね）

曜（ダイヤさんには申し訳ないけど、この薬の出番は無いかな）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:41:44.50

～放課後、部室～

曜（善子ちゃんとお話したいな）

曜（千歌ちゃんや梨子ちゃんと顔を合わせるのは苦痛だけど。終われば善子ちゃんと一緒に帰れる）

曜（それだけが楽しみで、スクールアイドルをしているようなものだ）

梨子「えー、突然ですが皆さんに重大発表があります！」

8人「！？」ｻﾞﾜｻﾞﾜ

梨子「私こと桜内梨子ちゃんは、ここにいる津島善子ちゃんとお付き合いさせて頂いております」

曜（……は？）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:42:12.51

梨子「この度は一部の方に、私の態度や仕草で『もしかしたら付き合えるのでは？』と誤解させてしまった事をここに深くお詫び申し上げます」

梨子「今後も今までと変わらず真摯にスクールアイドル活動に取り組んで行きたいと思っていますので、どうか変わらぬご声援をよろしくお願いします」

曜（嘘だよね。善子ちゃんが、そんな……）

善子「え、あ、そ、そうなのよ～！　実はねぇ、リリーってばヨハネを独り占めしたいなんてワガママ言うもんだから……」

曜（嘘だ。嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ！）

曜（なんで善子ちゃんがあんな女と！）

曜（気が狂いそうだ）

梨子「じゃあ、私は善子ちゃんと帰るから」

善子「ではまた！」ｷﾞﾗﾝ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:42:57.09

曜（気が狂いそうだ）

曜（あの女がまた、私から大切なものを奪って行く）

曜（善子ちゃんとの時間まで）

曜（気が狂いそうだ）

曜（その日の夜、梨子ちゃんから電話がかかってきた）

曜（好き勝手な事を言われて……私は、怒りを抑えるので精一杯だった）

曜（もう、限界だ）

曜（……寝よう）

曜（寝て起きたら、みんなが死んでいればいいのに）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:43:32.52

～翌朝～

曜（うう……）

曜（寝ても覚めても気持ち悪い……）

曜（これから学校へ行かなくちゃあだめなのか……）

曜（無理だ……もう何も楽しいことなんてないのに）

曜（そういえば……ダイヤさんから貰った薬）

曜（試してみてもいいか……）

曜（……）ｺﾞｸﾝ

曜（あ……）

曜（すごい……嘘みたいに気分が晴れていく）

曜（なんだろう……気分がいい。今なら何でも出来そうだ）

曜（ああ、凄い！）

曜（世界が、私を祝福しているようだ！）

曜（千歌ちゃんのこととか、梨子ちゃんのこととか、そんなのもう、どうだって良い！）

曜（ふふふっ！　学校行こっと！）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:45:16.47

～学校～

曜（学校でも私の気分は良いままだった）

曜（千歌ちゃんや梨子ちゃんの顔を見ても、何とも思わないくらい）

曜（これなら、なんだって乗り切れそうだ）

曜（ふふっ！　ダイヤさんにはお礼を言わなくちゃ！）

――――

―――

――

―

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:45:34.95

曜（ううっ……）

曜（朝はあんなに気分が良かったのに……今はすごくしんどい……）

曜（もしかして薬の効果が切れたのかな……）

曜（ううっ……もうダメだ……もっとほしい……）

曜（ダイヤさん……ダイヤさんに言ってもっと貰おう……）

曜（ダイヤさんにラインしよう……）ｽｰｽｰﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

曜（……）

ﾌﾞｰﾌﾞｰ

曜（返事が来た！）

曜（……お昼休みにこの前と同じ場所……）

曜（それまで我慢しないとダメなのか……）

曜（ううっ……）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:46:16.40

～お昼休憩～

曜（お昼休み、私を心配する千歌ちゃんと梨子ちゃんを適当にはぐらかしてダイヤさんに会いに行った）

曜（相変わらず果南ちゃんも一緒にいるみたいた）

曜「だ、ダイヤさん！　お願い、この前くれた薬、もっと頂戴！」

ダイヤ「あら。ふふ、やはり使いましたのね」

曜「う、うん……！　それで、もうちょっとほしんだけど……」

ダイヤ「困りましたね……」

曜「えっ？　えっ？　まさか、もうないとか？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:46:39.28

ダイヤ「いえ……まだ少しございますが……その、あの薬は高価なものでして」

曜「ど、どれくらい？　お金なら出すから、お願い！」

ダイヤ「具体的な値段は伏せさせていただきますが……そうですね。曜さんは大切な仲間なので、一錠あたり5,000円でお譲りしましょう」

曜「5,000円……わ、わかった！」

曜「財布の中は……1万円しかない……」

ダイヤ「では2錠ですね」ｽｯ

曜「あ、ありがとう」

ダイヤ「大事に使ってください。次回も同じお値段で、というわけにはいかないかもしれませんので」

曜「わ、わかったよ」

……

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:47:34.70

曜（たった2錠の薬は、当然すぐに無くなった）

曜（あんな高い薬は、早々手が出ない……）

曜（私は我慢しようとしたが、すぐに限界が来た）

曜（その度にダイヤさんに薬を売ってもらって……）

曜（でも、すぐに貯金は底を尽きた）

曜（私はついにやってはいけない事に――ママやパパのお金に――手を出した）

曜（悪いことだとはわかっている。だけれど何故かそれほど罪悪感はなくて）

曜（薬を飲むと、全てを忘れられた）

曜（その反動か、効果が切れた時は最悪だった）

……

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:48:02.68

曜（頭の中で、音楽が鳴っている）

曜（知らない音楽だけど）

曜（煩い）

曜（煩くて堪らない）

曜（頭の中の音楽を切り替える薬が欲しい）

曜（煩い）

曜（煩い）

曜（頭の中の音楽を切り替えたい）

曜（周りの声が私を責め立てる）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:48:35.96

曜（敵だ）

曜（敵だ、敵だ、敵だ）

曜（そんな声が聞こえる）

曜（殺される前に殺してしまえと言われる）

曜（こんな声を聞いていたら、頭が狂ってしまう）

曜（善子ちゃんの声を聞きたい）

曜（でも寄生虫が頭の中に入ってきたらどうしよう）

曜（死ぬしかなくなるのかな）

曜（怖いな）

曜（善子ちゃんの声が流れれば良いのに）

曜（頭の中に善子ちゃんが入ってきてくれたらずっとお話できるのに）

曜（明日、頭の中に善子ちゃんの声を流す薬を貰おう）

曜（それしかない）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:49:40.08

～翌日～

曜「だ、ダイヤさん、おおおお願い。あの、あの薬、切れちゃって……」

ダイヤ「はぁ……。少し使いすぎではなくて？」

曜「だ、だって！　おかしいんだよ！　世の中！　嫌な事だらけだもん！」

ダイヤ「まぁそれは構いませんが……」

ダイヤ「ですが申し訳ございません。さすがに曜さんでも、もうこれ以上は融通できませんわ」

曜「そ、そんな！　お願い！　お金ならホラ、また！」

ダイヤ「そう言われましても、これを仕入れるにはそれなりの危険を伴っているので。今まで通りでは割に合わないのですわ」

曜「そ、そうなの？　じゃ、じゃあ、いくらなら……」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:50:43.71

ダイヤ「2万円」

曜「は？」

ダイヤ「2万円で、1錠お譲りしますわ」

曜「な、何言ってんの。たった1錠で、そんな大金……」

ダイヤ「あら、これでも市場価格からしたらかなりの破格なのですが？」

曜「で、でもっ！」

ダイヤ「無理なら諦めなさい」

曜「おい！　ふざけんな！」

　曜はダイヤに掴みかかろうとした。しかし、それは叶わなかった。
　ダイヤの手に触れる寸前、彼女は下腹部に大きな衝撃を感じ、倒れこんだ。

　果南だった。果南の足が、曜の下腹部を捉え、蹴り上げていた。

曜「ぐえっ」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:51:22.29

　曜は堪らずお腹を押さえながら蹲った。

果南「曜、思い通りにならないからって暴力は駄目だよ」

曜「か、果南ちゃ……」

果南「甘えちゃあダメだよ、曜。折角ダイヤがワガママを聞いてくれてるのにさ」ﾊﾞｷｯ

　果南は、倒れこんだ曜の腹目掛けて、再び蹴りを入れた。

曜「いっ……」

曜「うっ、げほっ、げほっ！」

果南「お金が無いなら、仕事紹介しようか？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:52:49.70

ダイヤ「そうですわね。曜さんのような可愛らしい方なら、10万でも20万でもすぐに稼げますわ」

曜（その言葉だけで、何をさせられるのかわかった）

曜（それだけは御免だ）

曜「わ、わかった。もうわがままは言わない。2万円だよね？」

曜「はぁっ……ううっ、2万円しか持ってない……」

ダイヤ「では一錠だけ2万で売ってあげますわ」

曜「あ、あああっ！　ありがとう！！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:53:21.12

～翌日、バス～

曜（この日、久しぶりに善子ちゃんと帰ることができた）

曜（梨子ちゃんが用事で、一緒に帰れなかったようだ）

曜（善子ちゃんと帰れるのは嬉しい……でも……）

善子「こうして曜と一緒に帰るのも久しぶりな気がするわね」

曜「そうだね」

善子「最近はリリーがよく遊んでくれたからねぇ」

乗客A「そいつを殺せ」

曜「善子ちゃん」

曜「梨子ちゃんと付き合ってるんだよね？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:53:46.07

善子「え、ええ。まぁ、そうよ」

曜「……」

乗客B「そいつは敵だ。裏切り者だ」

曜（ああ、煩い）

曜（善子ちゃんと話しているのに）

曜（関係ない人が邪魔してくる）

曜「あのさ」

善子「？」

曜「あのさぁ！」

善子「ひっ！　な、何？」

曜「あ、ごめん」

曜「相談、あってさ。ちょっとだけ付き合って欲しい……」

善子「え、ええ。良いわよ」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:54:28.61

ﾌﾟｼｭｰ

曜「ついてきて」ﾃｸﾃｸ

「殺せ」「殺せ」
「敵だ」
「殺される前に殺せ」
「こいつは悪魔だ」

善子「よ、曜……？」

善子「こんな所に来て何するつもり？　何も無いじゃない……」

曜「私さ、梨子ちゃんのせいで散々な目に合ったんだよね」

「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」

曜「彼女の善子ちゃんにも責任取ってもらいたいな」

善子「は、はぁ？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:54:56.94

曜「私が梨子ちゃんにどれだけストレスかけられたかわかる？」

曜「善子ちゃんでストレス発散させてよ」

地面「裏切ったその女を殺せ」

木「お前を見捨てたその女を殺せ」

草「殺せ！」

善子「何でそうなるワケ――」

曜「うるさい」ﾊﾞｷｯ

善子「ごっ」

曜「女の子だからね。顔はやめたげる」ﾊﾞｷｯ　ﾄﾞｺﾞｯ

善子「よ、曜、やめて――」ﾖﾛｯ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:55:19.54

善子「謝るから！　謝るから殴るのはやめて！」

曜「うるさいって！」ﾄﾞｺﾞｫ

善子「～～～っ！　オエェ」ﾋﾞﾁｬﾋﾞﾁｬ

曜「汚いなぁ」ﾊﾞｷｯﾄﾞｺﾞｯ

善子「痛い、痛い！　やめてよ！」

曜「顔はやめるって言ったけど、やっぱりあれなしで」

善子「ひゅー、ひゅー」

曜「……」ﾊﾞｷｯ

善子「いひゃ　やめへ」

曜「……」ﾍﾞｷｯ　

善子「ごっ、ごめっ、よっ、ようざんっ、ごめっ、あっ、が、いひゃ、ぎゃっ！　ごめなひゃい！　ごめんあはい！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:56:37.20

善子「ごめんなひゃい」ﾋｭｰﾋｭｰ

曜「何に対しての謝罪だよ！」ﾊﾞｷｯ

善子「うぎゃっ」

曜「私を騙しやがって！」

曜「お前も！　梨子の仲間なんだろ！」ﾊﾞｷｯ

曜「クソッ！　クソォォォォォ！」ﾄﾞｺﾞｯ

曜「梨子！　あいつのせいだ！」ﾊﾞｷｯ

善子「ぁ」ﾋｭｰﾋｭｰ

　善子の顔は、見る影もなく無残に破壊されていた。
　歯は全て折れ、唇は歪に裂け、鼻は潰れて、眼窩は骨折して腫れあがった瞼で目は見えなくなっていた。
　これがあの美少女だとは、誰が見ても思えないだろう。

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:57:14.10

曜「はぁっ、はぁっ！」

曜「あ……」

曜「よ、善子ちゃん……？」

曜「あ……あああ」

曜「あぁあああああああああああああああぁぁぁぁぁああァァァァァァ！！」

曜「も、もう、ダメだ！　薬、薬がないと！」

曜「何で！　何でこんな事になるんだよ！」

曜「クソッ！　クソッ！」

曜「……帰ろう」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:58:19.29

～家～

曜「ああああああああああ！」

曜「クソッ！」

曜（イライラする）

曜（眠れない）

曜（善子ちゃん……）

曜（善子ちゃんと話したい）

曜（手が痛い）

曜（眠れない）

曜（寄生虫に卵を産みつけられたらどうしよう……）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:58:53.41

曜（怖い）

曜（怖い怖い）

曜（寄生虫が……）

曜（傷口から這い出てきたらどうしよう……）

曜（善子ちゃんなら助けてくれるかな）

曜（でも、目の間から寄生虫が出てきたら、いくら善子ちゃんでも無理かな？）

曜（あまり善子ちゃんを危険な目にあわせたくないし）

曜（死ぬしかないのか）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:59:20.42

～翌日～

曜（薬……）

曜（……もうお金も無い……ママの財布から抜くのも限界だ……）

曜（クソッ！）

曜（ああ、あああああああ！！）

曜（……学校へ行って……ダイヤさんになんとか頼み込んで少しだけ貰おう……）

　……

曜（うう、学校にきたけど、辛い、つらすぎる……）ｶﾞｸｶﾞｸ

曜（周りの声が煩い……頭に響く！）

曜（い、今直ぐこいつら全員、黙らせたい……！　クソッ！）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 22:59:42.17

梨子「なんであんなことができるの！？」

梨子「ひどいよ！　こんなの！　ひどすぎる！」

曜（も、もう限界だ……）

曜「う、ううう！　うるさい！！」

梨子「え？」

曜「あ、頭に響くから！　大声出さないで……」

梨子「え？　え？」

曜「響くの……うーっ！」

梨子「よ、曜ちゃん……？　も、もしかして……体調悪いの？」

曜「ち、違う！　うるさいの……！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:01:18.42

千歌「なに……その言い方……」

千歌「曜ちゃん最近ちょっとおかしいよ！？」

千歌「仲間が傷付いたって言うのになんでそんな態度なの！？」

曜「だ、だから……」ｶﾞｸｶﾞｸ

梨子「……曜ちゃん、その右手、怪我したの？」

曜「え、う、うるさい……関係ないでしょ……」

千歌「曜ちゃんがやったんじゃないの？」

曜「え？」

千歌「善子ちゃん」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:01:37.22

曜「は？」

千歌「曜ちゃんがやったんでしょ！　だからそんな怪我したんでしょ！！」

千歌「同じバス使ってるしさぁ！　乗り場も近いんだから！　曜ちゃんしかいないんじゃん！」

千歌「善子ちゃんは仲間なんだよ？　大切な仲間なんだよ？　今までずっと一緒にやってきた！」

千歌「それを平気な顔して傷つけて！」

千歌「もう信じられない！　出てって！ Aqoursからも！　この学校からも！　出ていってよ！」

曜（ぐぅぅぅぅうう！　煩い！　煩い！！）ｲﾗｲﾗｲﾗｲﾗ

曜「い、いや、何言ってんの？」ｲﾗｲﾗ

曜「元はと言えばさぁ！」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

千歌「何！？　言い訳するつもり！？」

曜（も、もう無理だ！）ﾌﾟﾂｯ

梨子「ちょ、ちょっと二人とも落ち着いてよ！」

曜「うるさいなぁ！」ﾄﾞﾝｯ

梨子「きゃあっ！」ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

千歌「もう嫌！　誰か！　誰か来てー！」

ｻﾞﾜｻﾞﾜ

曜「チッ！」ﾀﾞｯ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:06:20.80

……

曜（う、ううっ！　薬、薬がないと！）

曜（もうダメだ！　ダイヤさんの所へ行こう……！）

～3年教室～

ｶﾞﾗﾗｯ

曜「だ、ダイヤさん！」

ダイヤ「よ、曜さん！？」

曜「だ、ダイヤさん！　おっ、お願い！　お願いだから！」

果南「……曜、場所を変えよっか」

曜「あ、ああ、ご、ごめん！」

ダイヤ「そうですわね、ここでするような話でもありませんし」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:06:32.39

鞠莉「Oh、何かあったの？」

ダイヤ「いえ、なんでもありませんわ。鞠莉さん、申し訳ないのですが、先生に私と果南さんは遅れるとお言付けくださいますか？」

鞠莉「え？　いいけど、大丈夫なの？」

ダイヤ「ええ。ちょっとデリケートな話ですので」

果南「よろしくね。鞠莉」

鞠莉「そういうことならわかったけど……」

ダイヤ「では行きましょう、曜さん」

ｶﾞﾗﾗｯ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:07:11.19

～3Fトイレ～

曜「だ、ダイヤさん、お願い！」

ダイヤ「お金は？」

曜「ご、ごめん。明日必ず用意するから。少しだけ分けてよ！」

ダイヤ「お話になりません」

曜「そんな！　お願いだよ！」

ダイヤ「ダメです」

曜「なんで？　絶対持ってくるから！」

ダイヤ「しつこいですわね」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:07:47.99

ダイヤ「果南さん」

果南「はいよ」

曜「か、果南ちゃん」

果南「ワガママはダメって言ったよね、曜」

曜「う、うるさい！　薬をよこせ！」ﾊﾞｯ

ドカッ

曜「がっ」

果南「昔から、一度でも曜が私に喧嘩で勝てた事ってあったっけ？」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:08:32.64

……

果南「そらっ」

曜「ごっ、がぼがぼっ」

　果南は曜の髪の毛を掴み、水を張ったバケツの中に顔を突っ込ませた。
　ごぼごぼと口から大きな水泡を吐きながら、曜は必死にもがくが、果南の頭を押さえつける力は強く、まるで首を掴まれた鶏が暴れるかのごとく滑稽なだけだった。

　ある程度水につけると、果南は髪の毛を引っ張り曜の頭をバケツから引っ張りあげた。苦しみから解放された曜は、足りなかった酸素を存分に吸おうと、大きな呼吸をするが、その呼吸はすぐに打ち切られ、再びバケツの中で大きな水泡となって消えた。

曜「ぷはーっ！　はーっ、は――」

曜「ごぼごぼごぼ」

　果南はこれを何度も繰り返していた。水につけ、苦しくなれば引き上げる。完全に呼吸が整う前にまた再び水に浸ける。
　古典的な拷問方法だが、そういうものほど効果的であることを果南は知っていた。

果南「これさ、いくら水泳やってても普通にきっついよね」

果南「息が吸える！　と思ったらまた水の中」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:09:03.70

曜「か、果南ちゃん」

果南「反省したかなん？」

曜「う、うん。した、した、した」

果南「じゃあ――」

　果南は油断していた。
　これだけ痛めつければ、もう反抗はしてこないと高を括っていたのであった。

　既に曜の理性が、ほとんど残っていない事に気付いていなかったのだ。

果南「痛っ―――！！！」

　曜は果南の指に噛み付いた。右手の人差し指と中指を口の中に含み、根元を噛み千切ろうと、顎に目いっぱいの力を入れた。
　ぶちりぶちりと肉を裂く音と、ごりごりと軟骨を磨り潰す音が曜の頭に鳴り響いた。前歯はしっかりと果南の間接に食い込んでいく。
　いきなりの激痛に判断が遅れた果南は、ここで漸く指を引き抜こうとした。
　しかしもう手遅れだった。引き抜いた手に、2本の指は付いていなかった。

果南「ぎゃああ！」

**名無しで叶える物語**(庭) · 2019/01/19(土) 23:10:42.36

久々に狂気溢れるSSに出会ってしまった

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:10:52.76

曜「ぺっ」

　曜は指を吐き出した。口の中に広がる果南の血の鉄のような味は曜に不快感をもたらした。

曜「まずっ」

ダイヤ「か、果南さん！　大丈夫ですか！？」

果南「こ、こいつイカれてる！　ダイヤ、こいつ始末――」

　果南が取り乱している隙に、曜は指を二本、果南の両の目に目掛けて突き出していた。
　危ない。果南はそう思うが、咄嗟に出来ることなど、瞼を閉じることくらいだった。当然、薄い瞼ではその指を防ぐ事など出来はしない。

曜「殺す、殺す、ぶっ殺す！」

　眼球を押し潰す気持ちの悪い感触を感じながら、曜の二本の指は果南の眼窩へと深々と突き刺さった。

ダイヤ「果南さん！」

果南「あああああああああ！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:11:50.31

　果南は暗闇に囚われ、ダイヤは恐怖からその場から動けずにいた。

　用心棒代わりだった果南が戦闘不能になった以上、自分を守る物は何も無い。
　護身術に覚えはあるが、目の前の化け物に通用するとは到底思えない。
　逃げなければ。ダイヤは理屈ではそう理解していても、身体は動かなかった。

曜「薬をよこせ！」

ダイヤ「わ、わかりましたわ！　今ある分、全部差し上げますから！」

曜「よこせ！」

　曜はダイヤに近付き、頭を掴んだ。

ダイヤ「や、やめてください」

曜「よこせってんだ！」

曜「よこせ！」ｺﾞｯ

果南「曜！　何してんだ！」

　叫ぶ果南を無視して、壁に向かって、思いっきり顔を叩き付けた。

**名無しで叶える物語**(プーアル茶) · 2019/01/19(土) 23:12:09.26

澪ゲロSSってなんだろう

**名無しで叶える物語**(禿) · 2019/01/19(土) 23:12:17.90

指ミサイルの威力すげぇ

**名無しで叶える物語**(たこやき) · 2019/01/19(土) 23:13:01.25

はだしのゲンか？

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:13:41.11

ダイヤ「ぶべっ……」

　ダイヤは力なく腕を垂らし、口からは白い粒のようなものを数個吐き出した。折れた歯だった。
　そんなダイヤに構わず、曜は再び壁に顔を叩きつけた。

曜「よこせ！」ｺﾞｯ

曜「よこせ、よこせ、よこせ、よこせ！」ｺﾞｯｺﾞｯｺﾞｯｺﾞｯ

果南「クソッ！　やめろ！」

　何度も、何度も壁に叩きつけた。
　数度叩きつけられたところで、

ダイヤ「がっ、ごぼっ」

　数度壁に叩きつけ、曜がその手を離すと、ダイヤは支えをなくした人形のようにその場で崩れ落ちた。

　真っ赤に染まったその顔は――いや、顔だったものは。
　そうだったとは思えないくらい、全て潰れ、平らに均されていた。

曜「薬、薬、薬ぃ！」

果南「よ、曜！　どこ！？　ダイヤは！？　何してるの！」

曜「うるさい！」

　目が見えず、這い蹲っている果南に対して曜は吐き捨て、蹴りを入れた。

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:15:15.06

果南「ぎゃっ！」

　暗闇に囚われた果南は恐怖した。
　身体を丸め。頭を庇うように手を回した。

曜「うるさい、うるさい、うるさい！」

　しかし、そんな事を意に介さず曜は果南の頭を踏みつけた。
　潰したかった。とにかく壊したかった。
　何度も何度も、形が変わるまで踏みつける。

　やがて気味の悪い音を立て、果南の頭は決壊した。
　頭蓋は砕け、脳髄を、頭の中に詰まっていたあらゆる物を辺りに撒き散らしながら――曜はそんなことは気にする事なく、構わず踏み続けた。

曜「私の邪魔をするな！」

　後に残ったのは、元の形を留めていない、歪な死体だった。
　砕けた頭蓋が露出し、血が気味悪く噴出していた。

曜「はぁっ、はぁーっ！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:16:18.94

曜「薬、薬は！」ｶﾞｻｺﾞｿ

曜「あった！」

曜「こ、これだけあれば、しばらくは持つよね……」

曜「はぁーっ」

　曜は最早正常な判断すら下せなかった。ダイヤの持っていた薬を全て奪い、乱雑な手付きで6錠ほど取り出すとそれをすべて飲み干した。

曜「ふー、ふー」

曜「ああ、ふう」

曜「良かった」

曜「こいつらは、私の敵なんだ。死んでくれて清々した」

曜「そうだ。善子ちゃんに会いに行こう」

曜「私の味方は善子ちゃんだけだ」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:16:39.04

曜「会いたい……話がしたい……」

曜「ああ、こんなに楽しい気分になれるなんて」

曜「やっぱり善子ちゃんは凄いな」

曜「善子ちゃんのことを考えるだけで世界が輝いて見えるよ」

曜「えへへ。待っててね、善子ちゃん！」

曜「全速前進ヨーシコー！」ﾋﾞｼｯ

――――

―――

――

―

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:17:23.70

～部室～

曜「おっはヨーソロー！！！」ﾊﾞﾀﾝ

　曜が部室に入っても、それを歓迎するものは誰もいなかった。
　善子があんな事になり、全体的に沈んでいる中、曜の場違いな明るさは他の部員に異様さを感じさせていた。

曜（なんだかみんな暗いなぁ）

曜「あっれー？　みんな暗いよー！？」

曜「あ、はい暗い暗い暗い暗い暗い！　Don’t cry！」

みんな「……」

曜（はぁ、人が明るく振舞ってるのにこれだよ）

曜（やっぱりみんなは私の事なんて嫌いなんだね）

曜（ま、みんなはどうでも良いや。そんなことより、善子に会いたいな！）

曜「あれ、善子は？　善子はどこにいるの？　おーい！　ヨーシコー！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:18:00.33

鞠莉「あなたその返り血みたいなのは一体……！」

曜「え？　あー、綺麗にしたつもりだったんだけど！　聞いてよ！　ダイヤさんと果南ちゃんがいじわるしてきてさ！」

千歌「いい加減にして！！」

千歌「曜ちゃんどうしちゃったの！？　本当におかしいよ！」

千歌「もうここから出て行ってよ！　怖いよ！！」

曜「ま、まぁまぁ！　千歌ちゃん！　話を聞いてよ！」

千歌「うるさい！　もう嫌！　意味わかんないんだよぉ！！」

曜「わ、わかったごめん！　今日はもう帰るから！　でも一つだけ！」

曜「善子ちゃんに会わせてよ！　私、善子ちゃんに会うためだけにココに来たの！」

千歌「ふざけないでよ！！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:18:36.94

曜（ああ、ウザイ）

曜（折角人がいい気分でいたのに。元はと言えばこいつが悪いのに。ヒステリックに喚き散らして）

曜（黙らせたい）

曜（声を聞きたくない）

曜（殺したい）

千歌「善子ちゃんは曜ちゃんが！　ううっ！」

曜（煩い）ﾌﾟﾂﾝ

曜「っるさいなぁぁぁぁ！！」ﾄﾞﾝ

曜「元はと言えばさぁ！　あの馬鹿女の言う事を真に受けたあんたが悪いんだろ！？」

**名無しで叶える物語**(禿) · 2019/01/19(土) 23:19:38.91

>>120
けいおんのマジキチSSの代表格
澪「ああああゲロ吐いちゃうゲロ吐いちゃうよおおおおおお」
全体的な流れが似てるしフォロワーも多い
もうマジキチSSの古典と言って差し支えないと思う作品

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:19:41.36

曜「みんなで私をハブにしやがって！」ｶﾞｼｯ

千歌「い、痛い！　離して！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

　曜は千歌の髪の毛を掴んだ。

曜「うるせぇ！！」

　掴んだまま、千歌の顔の、こめかみの部分に向けて渾身の力を込めて拳を振るった。

千歌「ぎゃっ」
　
　パキパキと骨が砕ける音を鳴らしながら、千歌の体は地面へと倒れていった。
　曜の手中に、髪の毛の一部とその頭皮を残したまま。

　頭皮が剥がれ、不自然に露出した頭蓋骨は、奇妙なほどに白く見えていた。

　虚ろに天井を見ながら、その涙腺からは止め処ない血の涙が流れていた。

花丸「うっ！　おえぇ」

ルビィ「うえええええええええええん！」

鞠莉「お、落ち着きなさい！　曜！」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:21:22.10

千歌「」

　動かなくなった千歌を見下ろしていると、曜の視界の隅に映ったのは、ここから逃げ出そうとする梨子の姿だった。
　それを見た途端、曜の中の怒りが再燃した。
　
　自分から全てを奪った女。
　今の曜にはそうとしか思えなかった。

曜（善子を奪ったのも梨子だ。この苦しさも、全て梨子の所為だ）

曜「待て！　梨子ちゃん！　全部あんたのせいだ！」

曜「善子は？　善子を返してよ！！」

曜「ううっ、梨子！　善子は……」

曜「梨子ォ！　待て！　殺してやる！」

鞠莉「ダメェ！　やめなさい曜！」

曜「殺す！」

曜「待てェ！　私にあいつを殺させろォォォォォ！！！」

鞠莉「マル！　ルビィ！　逃げなさい！　先生呼んできて！」

曜「どけ！　殺す！」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/01/19(土) 23:23:07.31

こういうSSまともに読める人すごいわ
途中で気持ち悪くなっちゃう

>>1に暴力描写注意とか書いてもらえると嬉しいな
お願い

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:24:14.28

>>133
ごめんなさい。忘れてました……。
もうこの手のSSは書かないと思うけど次から気をつけます。

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/01/19(土) 23:28:18.12

>>134
流れぶった切って申し訳なかった
自分も生えてるSS書くときは注意書きするようにするよ
そういうの苦手な人もいるだろうから

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2019/01/19(土) 23:28:24.21

>>133
俺にとっては声優レズSSよりマシ
ただこの>>1の描写がやけに生々しく想像しやすいのも事実

うぅ…でも気になる

**名無しで叶える物語**(笑) · 2019/01/19(土) 23:32:05.83

続きは？

**名無しで叶える物語**(プーアル茶) · 2019/01/19(土) 23:33:18.57

>>130
はぇ～SSは広く読んでるつもりだったけど初めて知ったわ

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:36:51.58

曜「私の邪魔を、するな！」ｶﾞｯ

鞠莉「きゃぁっ！」ｶﾞｼｬﾝ

曜「お前も！　お前もあいつの仲間か！」

曜「クソッ！」

鞠莉「うぎゃっ！」

　曜に殴られた鞠莉は簡単に倒れ込んだ。
　生まれてこの方、喧嘩などはしたことがない。ましてや、本気で暴力を振るわれた経験すら無かった鞠莉には、今のリミッターの外れた曜の一撃は大きく響いた。

　曜は周りを見渡した。
　目に入ったのは部屋の隅に置いてある学習机だった。

　――これなら、こいつを。

　曜はそう思い、それを手にとった。

曜「死ね！　死ねぇ！」ﾄﾞｺﾞｯﾄﾞｺﾞｯ

　曜は倒れ込んだ鞠莉に目掛け、机を振り下ろした。
　何度も、何度も振り下ろし――曜が落ち着きを取り戻し手を止めた頃には、鞠莉の全身は潰れ、変わり果てた――朱に染まった肉塊のような姿に――なっていた。

**名無しで叶える物語**(庭) · 2019/01/19(土) 23:41:17.59

うわっ！鞠莉ちゃんまた泣いてる！！

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:46:52.78

　ダッダッダッ

先生A「おい！　何やってんだ！」

曜「！」

先生B「やばいぞ！　抑えろ！」

曜「離せェ！　クソォォォォォ！！」

先生C「くそ！　暴れんな！」

先生D「他の先生も呼んできて！　あと警察も！」

――――

―――

――

―

　数分の格闘後、曜は完全に抑え込まれた。

　男性教諭が4人、怪我を負いながら。

　その後警察が到着し、曜は逮捕された。

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:47:25.08

　現在、曜は病院で拘束されている。

曜（善子ちゃん、どこにいるの？）

曜（ここは怖いよ）

曜（ここには私の敵しかいない）

曜（人も、天井も、壁も、私を責め立てる）

曜（虫もいっぱいいる。私の身体にたくさんの虫が集ってくる）

曜（すぐに頭の中に入ってきて、私の脳を食べようとするの）

曜（だから頭の中ではいつも音楽が鳴っている）

曜（音楽を変える薬を頼んでも、誰も助けてくれない）

曜（煩い）

曜（怖い）

曜（助けてよ、善子ちゃん）

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:47:44.25

曜（私を助けてくれるのは、善子ちゃんだけなのに）

曜（あ……虫刺され……）

曜（こんな所にあったかな……）

曜（え……）ﾓｿﾓｿ

曜「んー！　んーっ！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

曜「嫌！　嫌アアアア！！」ｳﾈｳﾈ　ﾜｻﾜｻ

曜「虫が！　虫がいっぱい！」ｳﾈｳﾈｳﾈｳﾈｳﾈｳﾈ

曜（あああああああああ！　私の体の中から！　口の中から、鼻の中から、目の中から、虫刺されから、ニキビから、おへそから、爪の間から、アソコから！　あらゆる所から出てくる！）

曜「ヤダ！　助けて！　善子ちゃん！！」

曜「怖いよ！　善子ちゃん！」

曜「善子ちゃん！　助けてよ！　善子ちゃん！」

曜「どこにいるの……？」

曜「お願いだから……姿を見せてよ……」

曜「どうして……どうして」

曜「善子ちゃんの姿だけ、見えないの……」

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/19(土) 23:50:09.63

オワリ

呼んでくれた方ありがとうございます。すみませんでした。
多分いろいろガバガバです。

**名無しで叶える物語**(禿) · 2019/01/19(土) 23:53:02.90

乙
久々に古き良きSSの波動を感じた

**名無しで叶える物語**(笑) · 2019/01/19(土) 23:58:34.74

あ、これで終わり？
‪おつおつ

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/01/19(土) 23:59:54.31

作者に質問してもいい？
答えたくなければ無視してくれて構わないんだけども

こういうの書いてるときどういう精神状態なの？
加虐欲求が抑えきれずに流れ出てる感じ？
それとも落ち着いて淡々と書いてるの？

地の文の単語というか表現のチョイスは迷う？
もっと残虐な表現はないかとか考えてるの？

少なくともこの板では頭おかしいは褒め言葉だと思うので言わせてほしい
お前は頭おかしいぞ

**名無しで叶える物語**(湖北省) · 2019/01/20(日) 00:01:16.43

長文くっさ

**名無しで叶える物語**(笑) · 2019/01/20(日) 00:02:36.68

男性教師存在したのか…

**名無しで叶える物語**(茸) · 2019/01/20(日) 00:03:15.41

んー無意識の諸悪の根源である梨子は何にもなしか

**名無しで叶える物語**(庭) · 2019/01/20(日) 00:03:24.54

ちゃんと読んでて草

**名無しで叶える物語**(庭) · 2019/01/20(日) 00:04:10.36

>>1はもんじゃに構うのやめとけよ

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/01/20(日) 00:04:31.83

乙です
怖かったですが、すごい引き込まれました。
質問したいのですがこういうssの時推しキャラはどこに配置してあるのですか？

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2019/01/20(日) 00:07:40.60

ダイヤさんがヤクザやってて笑った

**名無しで叶える物語**(庭) · 2019/01/20(日) 00:08:19.68

おつおつ
第三部で千歌目線もあるのかなと思ったらここで終わりか
久々に狂気染みてるSSに出会えたわ

**名無しで叶える物語**(茸) · 2019/01/20(日) 00:09:07.08

つまんね

**名無しで叶える物語**(フンドシ) · 2019/01/20(日) 00:19:37.15

>>147
どっちかといえば落ち着いて書いてるかな？
加虐心というかどちらかといえば取り返しの付かないことにゾクゾクするかも。

表現のチョイスは、できるだけ場面が想像しやすくわかりやすく書こうとは思ってる。
それでも分かりづらいかもしれないけど。

>>153
推しは善子です。

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2019/01/20(日) 00:19:47.21

けいおん！SSと言えばムギが別荘でみんなを処刑するやつがもう一生忘れることがないくらい衝撃的だったわ

**名無しで叶える物語**(禿) · 2019/01/20(日) 00:21:55.20

>>158
紬拷問は昔も今も一人レベルが違いすぎるというか
終わらない夏休みとかの系譜だろあれは

**名無しで叶える物語**(笑) · 2019/01/20(日) 00:26:24.86

>>157
言われてみれば確かに...
返答ありがとうございます！

**名無しで叶える物語**(SB-iPhone) · 2019/01/20(日) 00:34:18.45

つい数時間前まで楽しいCYaRon!ファンミだったけど流石にイッチは現地もLVも行ってないよな…

**名無しで叶える物語**(家) · 2019/01/20(日) 00:34:37.12

こういうSSが嫌い
こういうSS書くやつも嫌い
誰がなんと言おうと嫌い
こういうものの方が芸術的だの不快だのそれらしいこと言われようと絶対に嫌い

**名無しで叶える物語**(らっかせい) · 2019/01/20(日) 00:35:57.70

推しのグロ画像見たいとかそういう感じなのかね

**名無しで叶える物語**(家) · 2019/01/20(日) 00:37:26.98

とは言え面白いと感じたのも事実
ただダイヤと果南のポジションをこういう感じにしたのは本当に>>1には死んでもらいたい
他の適当なモブで代替できたはず
不必要に鞠莉とか殺す描写入れるのもキモイ
>>1には二度とこういうssは書かないで欲しい

**名無しで叶える物語**(プーアル茶) · 2019/01/20(日) 00:39:15.59

荒浪オマエもう5ch見るのやめろ

**名無しで叶える物語**(庭) · 2019/01/20(日) 00:41:04.14

嫌いなら読むなよ()

**名無しで叶える物語**(ぎょうざ) · 2019/01/20(日) 00:41:31.24

なんで悲しい気持ちになりながら全部読んだんだろ
面白かった…って表現はしたくないしなんかズレてる気がするけど、面白かったよ…

**名無しで叶える物語**(家) · 2019/01/20(日) 00:41:35.97

>>166
読まないで嫌いとか言うの失礼だろ

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2019/01/20(日) 00:41:55.50

不快度なら
気に食わない「推し含むカプ」描写＞推しの被残虐表現だわ
いいスパイスSSだった乙

**名無しで叶える物語**(プーアル茶) · 2019/01/20(日) 00:44:00.91

荒波に嫌なら見るなのAAをくれてやる

**名無しで叶える物語**(家) · 2019/01/20(日) 00:44:21.17

>>170
見なきゃ嫌かどうか判定できんだろ

**名無しで叶える物語**(禿) · 2019/01/20(日) 00:44:48.14

SS新参が多いのか？ってくらいの賛否両論ぶり
でもこのくらい意見別れた方が面白いよね
まだ荒れるまでいかない今夜は紳士が多いようだ

**名無しで叶える物語**(家) · 2019/01/20(日) 00:44:49.05

ところで荒波ってなに？

**名無しで叶える物語**(プーアル茶) · 2019/01/20(日) 00:47:41.68

嫌ならブーブー文句言わず出ていけよクソ荒浪

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2019/01/20(日) 00:48:28.72

けいおんって鬱系とかマジキチ系のSSやたら多かったよな
その代わり百合系は少なかった気がする

**名無しで叶える物語**(家) · 2019/01/20(日) 00:48:36.21

だから荒波ってなんだよ

**名無しで叶える物語**(家) · 2019/01/20(日) 00:51:00.62

>>174
お前みたいな「嫌なら文句言うな」論者って本当頭弱いよな
俺はちゃんと全部読んで面白いとは思ったよ
その上で嫌いって評価してんだよ
れっきとした評価の1つだろ
>>1だって評価されるために投稿してんだから
絶賛しか許さないってお前みたいな奴が一番偏ってるクソ野郎だよ

**名無しで叶える物語**(禿) · 2019/01/20(日) 00:53:17.15

>>177
あんたの態度は間違ってない
こういうこと言うやつは大概問答無用でスレを荒らし出すのもセットだから
みんなピリピリしちゃってるんでしょ

**名無しで叶える物語**(家) · 2019/01/20(日) 00:55:05.96

そうだな
じゃあこれ以上レスしたら本当に荒らしになるからもう退散しとくわ
俺は読み手の1人として嫌いって思ったぞ
それだけ
あと荒波ってなんなのかは教えてくれな

**名無しで叶える物語**(プーアル茶) · 2019/01/20(日) 00:55:23.52

オマエの評価なんて誰も求めてないしブーブーうるさいからクソ荒浪は早く消えてどうぞ

**名無しで叶える物語**(笑) · 2019/01/20(日) 00:55:43.06

面白いけどお腹痛くなった
ようちか目当てで見たけどようちかじゃなくてよかった
あとたしかにりこちゃんはそういうとこあるかもね

**名無しで叶える物語**(庭) · 2019/01/20(日) 00:57:17.86

>>180
結局こういうスレって荒浪よりこういう奴の方がやっかいなんだよね
賛否両論になりやすいスレなのに否定意見を許さない信者
こんな内容で肯定一辺倒の方がおかしいだろ

てかなんでプーアルくんはさっきからID変えてんの？

**名無しで叶える物語**(SB-iPhone) · 2019/01/20(日) 00:57:36.87

>>181
ねーよ

**名無しで叶える物語**(茸) · 2019/01/20(日) 01:02:10.69

素材の梨子の勘違いによる押し付けからどろどろするってのは良いのに
味付けが適当すぎてうんこになってる
もったいねぇな
このネタベースで俺が書いてもいいか？

**名無しで叶える物語**(らっかせい) · 2019/01/20(日) 01:02:18.73

>>179
アプリから見ると君のIDの横が荒波で表示される
http://imgur.com/MQkk9Md.png

**名無しで叶える物語**(プーアル茶) · 2019/01/20(日) 01:02:40.68

荒浪が消えて唐突に荒浪を擁護する庭登場

**名無しで叶える物語**(家) · 2019/01/20(日) 01:03:23.78

>>185
ありがとう、なんのことかと

**名無しで叶える物語**(庭) · 2019/01/20(日) 01:05:41.32

面白いSSは外野が荒れる法則を証明してるこの感じすこ

>>1にはまた何か書いてほしいな

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2019/01/20(日) 01:05:59.64

けいおんの拷問ｓｓはよかったよな・・リョナｓｓの金字塔とも言える作品だったよ

ラブライブｓｓはマジキチモノが少ないからもっと狂った話を書いてほしいよ

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/01/20(日) 01:07:09.49

>>157
ありがとう
取り返しのつかないことにゾクゾクする感覚は分かる
キャラを虐めたくて仕方がないわけではないのね
少し安心した

こんな表現が「分かりやすく」書こうと思って出てくるのは才能あると思う
分かりやすいどころか一瞬で想像できてしまう自分が嫌になるくらいスッと入ってくる
肌に虫が這っている感覚なんて普通は味わうことないから気持ち悪かった

虐殺以外でもマジキチSS書いてほしい
お疲れ様

**名無しで叶える物語**(笑) · 2019/01/20(日) 01:10:55.16

なんかもうちょっと続くと思ってたから中途半端感が否めんな
スレタイとか梨子の勘違いとかについての後日談みたいのがあると思ってたわ
ていうか作者は覚醒剤使用したことでもあるのか？

**名無しで叶える物語**(笑) · 2019/01/20(日) 01:14:50.13

>>183
ごめん、配慮に欠ける発言だった

**名無しで叶える物語**(家) · 2019/01/20(日) 01:15:46.40

けいおんss思い出すなぁと思ってたらマジで意識してたのか
なぜけいおんはあんなに狂ったのがあったんだろう
部室から出られなくなって皆がおかしくなるやつとか未だに少し思い出すわ

けいおんssでトラックの運転手が登場しすぎて6人目のけいおん部とか言われてたのも懐かしい思い出

**名無しで叶える物語**(禿) · 2019/01/20(日) 01:21:11.50

けいおんにマジキチが多かったというよりそれ以前のブーンローゼンハルヒからの流れでしょ
昔のvipのssは大体あんな感じだった
けいおんssは母数が圧倒的だったからマジキチの数もそれなりで悪目立ちしてたんだと思う

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2019/01/20(日) 01:24:32.92

けいおん！SSは百合ノートで1、2年くらいは狂ったように毎日何作か読んでいたわ

**名無しで叶える物語**(庭) · 2019/01/20(日) 01:26:24.31

なんか伸びてるので読んでないけど今年の打線候補か

**名無しで叶える物語**(東日本) · 2019/01/20(日) 01:29:32.22

>>191
SSで覚せい剤描写って聞くとしゃぶすた思い出すなぁ
あれも真に迫ってるかと言われれば分からないけど試しに読んでみれば？
リアルかは知らないけどリアリティはあった

**名無しで叶える物語**(笑) · 2019/01/20(日) 01:49:45.88

普通のSSかと思ったらかなりショッキングな内容でビビるわ…
SSとしては面白かったけど、やっぱ好きなキャラが酷い目に合うのはダメだな俺…

**名無しで叶える物語**(庭) · 2019/01/20(日) 01:59:22.38

これ系は苦手って人はいるからね
まえ、ルビィちゃんがヤられるSSも終わった後若干荒れたし注意書きは最初に書いた方がいいってのはあるかもね

**名無しで叶える物語**(SB-iPhone) · 2019/01/20(日) 02:25:56.57

退院した善子が面会に来るアフターストーリーが見たい