果南「お腹空いたよ」
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果南「ポケットには100円玉が3枚と一円玉が2枚……」チャリン
果南「今頃鞠莉やダイヤはご馳走食べてるんだろうなあ」
果南「はあ……これじゃカップ麺しか買えないよ」
果南「どうしたものかな」 千歌「お腹空いたのだ……」グギュルルル……
花丸「ずらあ……」グー
果南「あ、やんちゃコンビだ」
千歌「果南ちゃんだ、果南ちゃーん!」ガバッ
果南「おー、よしよし」
花丸「あー……お魚屋さんが見えるずら〜……」
果南「これは重症だ」 まりえもんハグして四次元口座からひみつ小遣い貰えばいいじゃん 千歌「果南ちゃんもお金無いんだね」
果南「喫茶店にもいけないよ、どうしよう?」
花丸「一応マルはこれだけあるけど」つ546円
千歌「チカもこれだけー」つ85円
果南「私のと足して……えーっと」
花丸「933円ずら」 果南「よし、とりあえずこれで何か食べよう?」
千歌「良いね!」
花丸「どこ行くの?」
果南「ファミレスだよー」 ファミレス
千歌「チカ、ポテト食べたい!」
果南「じゃあハンバーグとライスも頼もうか」
花丸「足りるの?」
果南「ギリギリだけど」
千歌「じゃあ注文しようか、すいませーん」 店員「お待たせしました」
千歌「来た来た!」
花丸「で、誰がどれなの?」
果南「そうだね。ちょっとゲームしようか」
『ゲーム?』 果南「ここにあるポテトとハンバーグ&ライス」
果南「そしてコップに入った水」
果南「勝った人が一番良いのを食べられるってゲームだよ」
千歌「おお、面白そう!」
花丸「え、水は食べ物なの?」
果南「胃に入るなら全部食べ物だよ」 千歌「で、ゲームって何を?」
果南「シンプルにじゃんけんとか」
花丸「シンプルだね」
果南「よーし、いくよ!」
『最初はグー!』 花丸「ハンバーグ美味しいずら〜♪」モグモグ
千歌「うん、美味しい!」モグモグ
果南「…………」ゴクゴク……
果南「なんでなのさ」 果南「マル、ライスちょうだい」
花丸「ダメだよ〜」モグモグ
果南「チカ、そのポテト……」
千歌「ダメー」モグモグ
果南「何が悲しくて水飲んでるんだろう」
千歌「果南ちゃん水女でしょ?」
果南「雨女みたいに言わないでよ」 果南「そりゃ負けた私が悪いよ、でも先輩に少しだけ気をつかう事しても罰は当たらないんじゃないかな」
花丸「あー、知らない知らない」
千歌「しょうがないなー。あーん」
果南「あーn」
花丸「やめるずら」パシッ
果南「うぼっ」 花丸「いやー、食べた食べた」
千歌「果南ちゃんありがとねー!」
果南「うん」
果南「腹減った……」つ31円 果南「うーん……さっきよりお金が減っちゃった」
果南「鞠莉は海外に居るし、ダイヤも東京行っちゃったしなあ」
果南「あ、あの子が居たよ」
曜「果南ちゃんヨーソロー!」
果南「やっほ」 果南「実はかくかくしかしかで」
曜「へえー……果南ちゃん東京に行ったと思ったのに」
果南「お金も頭も無かった私には無理だったよ」
果南「頼れるのは曜だけだ」ハグッ
曜「おお友よ……!」ハグッ 曜「うーん、でもお金が無くてご飯食べられないのは困るね」
果南「そうなんだよー」
曜「じゃあしばらくウチで働く?」
果南「え、良いの?」
曜「良いよ良いよー、その代わり生活はこっちに合わせて貰うけど」
果南「それぐらいならお安い御用だよ」
曜「決まりだね!これからよろしく果南ちゃん!」 アパート
曜「ここが果南ちゃんの部屋だから。好きに使ってくれて良いよ」
果南「おー、結構広いね」
曜「あと必要な物があったら気兼ね無く私に言ってねー」
果南「助かるよ、本当にありがとう」
曜「じゃあ私は用事があるから、また後でね」 果南「さてと、お爺ちゃんに連絡しておこ」
果南「今まで居候で迷惑掛けちゃったもんね」
果南「お爺ちゃん明るかった……なんかあっけないなあ」
果南「でも当面はここで生活できるし、今日はお祝いだ」
果南「あ、お金無かったんだった……」 びっくりした
じゃんけんする直前でちかまるが食いだしたのかと思ったよw 果南「曜」
曜「あ、どうしたの果南ちゃん?」
果南「お金無いんだよね、ちょっと貸してくれない?」
曜「良いよ〜、いつか返してね」つ1万円
果南「ありがと」
果南「さ、喫茶店でも行こう」 喫茶『クロサワ』
果南「炙り海鮮丼とケーキで」
「かしこまりました〜」
果南「……って、ルビィ!」
ルビィ「?あ、果南ちゃんだあ!」 果南「ここでバイトしてるの?」
ルビィ「えへへ、ここの店はルビィが仕切ってるんだよ」
果南「リーダー的なやつかな」
ルビィ「そんな感じだねー」
果南「頑張ってね、これお小遣いだから」つ2000円
ルビィ「ひゃ〜!ありがとうー!」ピョンピョン 果南「ご馳走様」
ルビィ「果南ちゃんまた来てねー!」フリフリ
果南「美味しかったよ、また来るから」
ルビィ「ありがとうございまーす!」
ルビィ(……やっぱりお気楽さんだね) 果南「さ、お腹もふくれたし……ちょっと打っていこうかな」
果南「軍事金は5000円、まずまずだね」
ウィーン
果南「や〜、田舎の娯楽はこれしかないよね」
「も〜!何で出ないのよぉ!」
果南「あれ、あの子は……」 果南「善子!」
善子「んん?あ、果南じゃない!」
果南「どうしたどうしたー?出なくて八つ当たりかー?」バシバシ
善子「痛っ!しょうがないでしょ、出ないんだから!」
果南「運が悪いんだよ、我慢我慢」
善子「そんなの私が一番分かってるわよ!」 果南「で、何万負け?」
善子「じ、10万……」
果南「おうっ」
善子「ママに怒られるわ」
果南「しょうがない、お姉さんが貸してあげよう」つ2000円
善子「マジで!?」
果南「良いよー。私は軽く打って終わりにしようと思ってたし」
善子「恩に着るわ!」 果南「おーし、2万ゲット〜♪」グビグビ
善子「ビール飲んでる……」
果南「いやー、ここ飲めるから良いよね」
果南「それより善子は調子どう?」
善子「あと野口1枚よ」
果南「いっかんの終わりかなん」 善子「負けたわ……」
果南「どんまい、これあげるから」つ柿ピー
善子「食べかけじゃない!」
果南「じゃあねー」
善子(どうせなら1万欲しかったわ) 果南「なんなんな〜ん♪」ガチャ
曜「あ、果南ちゃん!」
果南「私の部屋に入ってどうしたの?」
曜「へへ、綺麗に掃除しておこうと思ってね」
果南「気が利くねえ」
曜「果南ちゃんは適当にくつろいでてすぐ終わるから」
果南「りょーかい」
果南(お金……また今度返せば良いか) 翌朝
曜「果南ちゃんおはヨーソロー!」ガチャ
果南「んー……ああ、おはよー」
曜「ありゃ、まだ寝起き?」
果南「んー」
曜「顔洗ったら私の部屋に来てね」 バシャバシャ……
果南「ふう、さっぱりした」
曜の部屋
果南「で、何か用?」
曜「へへー、果南ちゃんには今日から早速働いて貰おうかと思ってね」
果南「おっ」 曜「まずはその服に着替えてね」
果南「これ?随分黒いけど」
曜「パリッとしてるでしょ」
果南「うーん……確かに決まる感じはするね」
曜「あっちの影で着替えてねー」
果南「はいはい」 果南「どう?」
曜「良いね良いね!私の思ったとおりだよ!」パシャパシャ
果南「めっちゃ撮るね」
曜「かっこいいんだもーん。後で1枚あげるから」
果南「いらない」
曜「ありゃりゃ」
曜「まあそれは置いといて、もう仕事場行こうかと思ってるけど……準備は良い?」
果南「多分……うん、良いと思うよ」
曜「決まりだね!じゃあヨーソロー!」
果南「それは言う決まりなの?」 埠頭
曜「やあやあ皆ー」
『お疲れ様です!!』
曜「今日から入る新人さんだからよろしくー」
果南「よろしく」
『よろしくお願いします!』
果南(なにこれ) 果南「ねえ曜」
曜「何?」
果南「この黒服達は誰?鞠莉かダイヤの所じゃないよね?」
曜「あはは、この人達は私の部下だよー」
果南「ぶ、部下?」
曜「えへへー、黒澤興業の社員さん達でね。私の仕事にぴったりの人材だから役に立つんだよ」
果南「黒澤興業……あれ、ダイヤは居ないよね」
曜「だからルビィちゃんが管理してるんだって」
果南「なあん!?」 ザッザッザッ……
曜「おっ、そうこう言ってる内にボスのお出ましだ」
果南「ボス?」
『お疲れ様ですボス!』
ルビィ「ん」ヒョイ
果南(片手上げてカッコつけてる……) ルビィ「皆さん今日も頑張っていきましょう」
『はい!』
ルビィ「では」
ザッザッザッ……
果南「何あれ」
曜「いやー、相変わらずギャップが凄いよね」
果南「昨日喫茶店に居た時と別人なんだけど」
曜「そりゃあれはルビィちゃんの店だし、表の仕事だもん」
果南「やっぱりそういう事だったんだ……」
曜「いひひ、果南ちゃんも流石に驚いた?」
果南「いや全然」
曜「だよねー慣れてるもんね」 果南「で、私は何をすれば良いのかな?」
曜「そうだね。私のボディーガードをして貰おうかな」
果南「ボディーガード?」
曜「うん。果南ちゃんガタイ良いし仕事内容も簡単だからしばらくはそれで慣らそうかと」
果南「まあお金貰えるならそれで良いよ」 曜「じゃあ早速出航だね」
果南「出航?」
曜「果南ちゃんも乗って乗って!」
果南「あ、うん」
曜「じゃあ……全速前進ヨーソロー!」
果南(やっぱりそれは言うんだ) 甲板
果南「いやー、まさかこんな豪華客船に乗せて貰うとは」
『皆様、本日は黒澤ヨーソロー号にご乗船頂きまことにありがとうございまーす!』
果南「あ、曜の声だ」
『目的地はアメリカ、乗船時間は2週間の予定です!』
果南「……はっ!?」
『快適な海の旅をお楽しみ下さーい!』
果南「に、2週間……?」 黒服「果南ちゃん、船酔いは大丈夫?」
果南「うん……で、これ2週間って聞いたけど」
黒服「あれ、何も聞いてないの?」
果南「ただ乗ってくれと言われただけだよ」
黒服「そうか……船長も人が悪いな」
黒服「この船はアメリカのある大企業とビジネスの契約を結ぶ為に出航してるんだ」
果南「え、わざわざそんな事の為に……?」
黒服「海の上は比較的安全だからね、それに豪華客船としてお金持ちを多数乗せてるからある程度のお金は返ってくる」
果南「そうだったんだ……」
果南(曜……子供の頃はあんなにバカだったのに) スクッ
黒服「あれ、どこ行くの?」
果南「トイレ」
黒服「あそこの扉入ったら右だよ」
果南「ありがとう」
果南(逃げよう!) ガチャ
果南「うわ」
ガヤガヤ……カチャカチャ
果南「いかにもお金持ちみたいな人達が高そうな料理食べてる」
果南「こんな裏社会の縮図みたいな所に私は居れないよ」
果南「あ、トイレここだ」 トイレ
果南「ふう……すっきりしたよ」
果南「さて、どうやって脱出しようか」
「キャー!」
果南「ん?」 「おら、動くんじゃねえぞ!」
「た、助けて下さい……」
果南「わっ、ナイフ持った人がお金持ちを襲ってる!」
果南「助けなきゃ」ダッ 「てめっ、動くんじゃ……」
果南「はっ!」ビシッ
「うごっ」
果南「そいやっ!」バキッ
「げふぉ」
ドサッ
ワーパチパチ
果南「……へへ」 夜
曜「じゃあ今日は果南ちゃんの活躍を祝って」
『乾杯!』
果南「ありがとー」 曜「いやー、見たかったな果南ちゃんのかっこいい姿」
果南「やめてよ、大した事してないから」
黒服「いやいや、あの咄嗟の判断は中々だったよ」
黒服「被害に会った人も謝礼として300万くれたしな」
果南「あはは……本当にたまたまだから」
曜「謙遜しないで良いよ。やっぱり私の見立てた通り果南ちゃんをボディーガードにして良かったよ
果南「そうかな」
果南(本当は逃げたかったのに……これは逃げられそうもないな) 2週間後
鞠莉「ハ〜イ♪」
果南「鞠莉!?」
曜「えへへ、びっくりしたでしょ」
鞠莉「サプライズ成功ね!」
曜「イェーイ」パシン
鞠莉「ヘーイ」パシン
果南「カメラ仕掛けて無いよね」
鞠莉「あるわけないでしょ」 曜「さて、早速仕事の話して良いかな」
鞠莉「準備は出来てるわ、後は用意するだけよ」
果南「用意?」
曜「うん、結構力の要る作業だから果南ちゃんも手伝ってくれる?」
果南「良いよ」 ガラガラ……
果南「この中に入ってる物は?」
曜「聞かない方が良いよ」
果南「あっ、そう」
鞠莉「曜、これが契約書よ」
曜「はいはい」サラサラ
鞠莉「……ええ、確かに受け取ったわ」
曜「へへ。また頼むよ」
鞠莉「勿論よ、曜は最高のパートナーだもの♡」 果南「終わったけど」
曜「そう?じゃあ早いけど帰ろうか」
果南「え、また船で帰るの?」
曜「それじゃ時間掛かっちゃうよ、特別にヘリをチャーターしてるから」
果南「おお、太っ腹だ」
曜「船は黒服達に送らせるから、果南ちゃんは私とヘリで帰ろうよ!」
果南「おっけー」 ヘリ
曜「いやー、快適だね」
果南「それにしても曜がここまでしっかりしてるなんてね」
曜「へへ、仕事しないと生活出来ないもん。私も必死だよ」
果南「その割には楽しんでるよね」
曜「まあね、何事も楽しんでこそだよ」
果南「そっか……」 果南(何事も楽しむか……今までの私にはそんなの無かったな)
〜回想〜
お爺ちゃん『果南、いつもすまんな』
果南『良いって。お爺ちゃんは休んでて』
お爺ちゃん『だがお前の生活を犠牲にしてワシの世話を……』
果南『また言ってる……だから気にしないでよ』
果南『私はお爺ちゃんと一緒に居れるだけで良いんだから』
お爺ちゃん『果南……』 果南『え、施設?』
お爺ちゃん『ああ、70歳から入れる格安の部屋が見つかってな』
お爺ちゃん『ワシの生活なら無理なく払えるから予約しておいた』
果南『何で……?私と一緒じゃ嫌なの?』
お爺ちゃん『そうじゃない、いつまでもお前の世話になるのは癪なだけだ』
お爺ちゃん『若いお前には未来がある、ワシに縛られず自由に生きろ』
果南『…………お爺ちゃんのバカ!!』 果南「……」グス
曜「おーい、果南ちゃん……おーい?」
果南「……はっ、ごめんね」グシグシ
曜「どうしたの?何か嫌な事でもあったの?」
果南「いや……私って子供だなって」
曜「何言ってんのー、果南ちゃん程お姉ちゃんって言葉が似合う人居ないよ」
果南「そうかな」
曜「ここ最近慣れない環境で疲れたんだよ、ゆっくり寝てて良いから」
果南「……ごめんね、そうする」
果南「……ん……すぅ……」
曜「寝付き良いなー」 曜(やっぱり果南ちゃんってお爺ちゃんの世話で忙しかったんだろうね)
曜(しかしルビィちゃんも良く調べたよね……)
曜『え、施設の部屋の値下げ?』
ルビィ『うん、果南ちゃんのお爺ちゃんが予約してるんだよ』
ルビィ『友達サービスで安くしておこうかなって』
曜『でも、月7万でしょ?どうするの』
ルビィ『そこは私達で3万くらい補填してさ』
曜『そこまでするなら無料で良いんじゃない?』
ルビィ『流石にそれは怪しまれるよ。4万くらいなら何とかだろうし』
曜『ふーん……ルビィちゃんしっかりしてるね』
ルビィ『てへへ、お姉ちゃんが居ないし興業を支えるのは私だけだもん』
曜『そっか……』 曜(結局あの後お爺ちゃんは健康になって)
曜(話は保留になったんだけど、またどうなるか分からないよね)
曜(果南ちゃんのお爺ちゃん離れも時間掛かりそうだし……まあ何とかなるかなん?なんてね)
曜「ふわ〜……さあて私も寝るか……」 千歌「よーしーこーちゃーん、あーそーぼー!」ドンドン
「あー、無理無理」
花丸「この扉チェーンソーで切り外すずらー」
千歌「かしこーい!」
「ひぃっ!13日でも金曜でも無いのよ、やめなさいよ!」
千歌「早くしないとぉー……」ウィーン
「分かった、分かったから!」 ガチャ
千歌「開いてるじゃん!」
善子「開けたのよ!アンタ達が一晩中うるさいから!」
花丸「早く出てきてくれたら良いだけの話だよ」
善子「何で私が怒られてるのよ……」
千歌「それより遊ぼう!打ちにいこうよ」
善子「無理よ、金欠だもの」 千歌「嘘付いちゃダメだよー」
善子「嘘じゃないわよ!ほら、この通り」つ294円
花丸「うわ、貧乏」
善子「ストレートすぎない?」
千歌「じゃあさ、3人であれやろうよ」
花丸「あれ?」
善子「何するってのよ」
千歌「ふっふっふ……」ニヤリ 千歌「良いよ良いよー、次はポーズ変えてみようか!」パシャパシャ
善子「は、恥ずかしいんだけどぉ!?」
花丸「千歌ちゃん風はこれで良い?」
千歌「良いよ、良いよこれぇ!」パシャパシャ
善子「ちょ、裸だし寒いんだけど」
千歌「もうちょっと我慢してー」パシャパシャ 善子「ハァ……何が悲しくて自分の裸を編集しなきゃいけないのよ」
千歌「そりゃ全裸じゃアウトでしょ」
善子「私の身にもなりなさいよ」
花丸「仏教じゃ身を清める為に裸になるのは当たり前ずら」
善子「多分アンタ間違えて覚えてるわよ」 善子「ふう、これで良いかしら?」
千歌「おお……、これは良いエロだ!」
花丸「確かに官能的ずらぁ……」
善子「ほぼ全裸なんだけど、一応モザイクは掛けてるから」
千歌「よし、後はこれを量産するだけだよ!」
花丸「諸経費はオラの貯蓄を使うから善子ちゃんは気にしないでね」
善子「寺のお金をこんな汚い事に使うのね……」
花丸「大丈夫だよ、お賽銭も俗の道に行くから」
善子「リアルね!」 千歌「ふっふっふ、後はこの写真を売り捌いて一攫千金なのだ!」
善子「でも素人の私達がこれを売るなんて難しいんじゃ?」
花丸「そこはあの人に頼むずら」
善子「あの人?」
千歌「まあ見ててよ」 花丸「もしもーし、うん、うん……あ、良い?」
花丸「じゃあ今度のサークルでね。はーい」
善子「……サークルってまさか」
千歌「へへ、流石に分かっちゃったか」
花丸「善子ちゃんの考えてる通りの人だよ、早速来週会いに行くから」
善子「ほんと色々早いわね」 即売会会場
梨子「久し振り、皆」
善子「やっぱりリリー!」
千歌「やあやあ梨子ちゃん!」
花丸「早速だけど例のブツを持ってきたよ」
梨子「確かに、これなら問題なく捌けるよ」
千歌「良かったね善子ちゃん!」
善子「何か実感無いわね……」
花丸「さて、後は若い2人に任せるずら」
千歌「そだねー」
善子「え、貴方達は?」
花丸「オラ達は遊んでくるから梨子ちゃんと仲良く売っててよ」
善子「ええ……」
梨子「よろしくね。よっちゃん」
善子「……しょうがないわ、このヨハネが全て売り切って見せるわよ!」 キャーキャー!
梨子「はい、押さないで下さーい」
梨子「今ならよっちゃんの写真集もお付けしますよー」
善子(予想以上に繁盛してる……)
梨子「ほら、善子ちゃんも握手してあげて!」
善子「へぇっ!?あ、よろしく……」ニギッ
「キャー!ヨハネ様ー!」
善子「あ、あはは……」
善子(慣れない……胃が痛いわ) 千歌「でさ、花丸ちゃんこれからどうしようか」
花丸「遊ぶって言ってもお金無いもんね」
千歌「こんな時は……銀行強盗やっちゃう?」
花丸「もちろん。この平和ボケした街を恐怖に落としてあげようよ」
千歌「良いね良いね!映画の悪役みたいで!」
花丸「ふふ、成功したらホテル貸しきって豪遊しようずら」
千歌「おお〜、最高に輝いた時間だね!」 千歌「でもさ、テレビで見る強盗って大体銃とか持ってるけど」
花丸「オラ達にそんな華やかさは似合わないずら、頭を使って無傷で突破してみせるよ」
花丸「それに強盗出来るのは銀行だけかな」
千歌「えー?他にあったかな?」
花丸「そこのファミレスとか暇してるよ、ささっとかき集めて逃げれそうじゃない?」
千歌「良いね!でも抵抗されたらどうしよう」
花丸「安くこき使われてる従業員がわざわざ店の為に命を賭けるなんて正義感持っているわけ無いずら」
千歌「それもそうだね!」 |c||^.- ^|| なんてこと…… なんてことですの…… ただのチンピラからいきなりガチ反社にスキルアップしてて草 9638の息がかかった警察により防衛射撃(死体撃ち)するよ 花丸「問題はバレない様にレジの金を強奪する方法だけど……」
千歌「あ、じゃあその役はチカがやりたいな!」
花丸「出来そう?大金を隠して逃げなきゃいけないから大変だよ」
千歌「ふふ、とっておきの隠し場所を知ってるから任せるのだ」
花丸「大丈夫かなあ……じゃあオラは囮役をやるから頼んだずら」
千歌「おっけい!きばって行くよー!」 ファミレス
花丸「〜♪」ウィーン
店員「いらっしゃいませ〜」
客1(あの子可愛いな……)
客2(結構良い体してるな)
ガヤガヤ
花丸(厭らしい視線……飢えた獣ずら)ストン 花丸(予想通り、店内には従業員が一人だけ)
花丸(監視カメラはいくつかあるけど……オラがサインを送れば何とかなりそうずら)
千歌(屈みながら移動するの辛いー!)コソコソ
花丸(千歌ちゃん頑張れー)
千歌(レジ前来た!花丸ちゃん早く注文してー!)ブンブン
花丸(了解)スッ ピンポーン 店員「お待たせしました」スッ
千歌(チャンス来たー!)
花丸(早く盗ってって、カメラには気をつけてね)サッサッ
千歌(分かってるよー!)ガチャ サササッ
花丸「これとー、これと……」
店員「はい」ピッピッ
千歌(よーし、後20万)
店員「少々お待ち下さい」
千歌(やばっ!)
千歌(後10万……諦めよう!)シャシャシャ
花丸(千歌ちゃん……ゴキ○リみたい)ヤレヤレ 花丸「おいひいじゅら〜♡」モグモグ
ヴーヴー
花丸「『らいん』だ。千歌ちゃんだね」
みかん怪獣:いま、ダイヤちゃんが目の前にいるんだけど
花丸「は?」ポロッ
みかん怪獣:すぐたすけに来て 路地裏
花丸「千歌ちゃんどうしたずら……はっ!」
ダイヤ「あら、お久し振りですわ花丸さん」
花丸「あ、うん」
ダイヤ「話を戻して……千歌さん、貴方隠し事していますよね?」
千歌「べ、別に何も!」
ダイヤ「なら私の顔を見ただけで逃げるのは変な話ですわ」
千歌「それはー……学生時代の癖というか」
花丸(言い訳がきつすぎるずら) ダイヤ「それなら話は終わりですが……ここに花丸さんが来るのはおかしいでしょう?」
花丸「あー……それは千歌ちゃんとは仲良いし」
千歌「そうそう!良く果南ちゃんとか善子ちゃんにイタズラしてたでしょ?」
ダイヤ「それは重々承知しています、2人から良く制裁の相談を受けました」
千歌「でしょでしょ!」
花丸(制裁ってさらっと言う事じゃないずら) ダイヤ「そして何より一番怪しいのは千歌さんがあの覆面を被っている事ですわ」
千歌「ぎくーっ」
ダイヤ「ここ最近肌寒くなってきましたし、北海道の時でも被っていたので納得自体は出来るのですが……」
ダイヤ「何よりこの状況でまだ外そうとしないその行動が疑わしいのです」
千歌「いやー……それはあー……」
花丸「ほら、そんな事より久し振りの再会にどこか遊びにでも行こうよ」
ダイヤ「そうですわね」
花丸(お?)
ダイヤ「その前にこれを取ってからです」グイッ
千歌「うわー!やめてよー!」スポッ
ドサドサッ ダイヤ「なっ!!この札束は……!!」
千歌「あっ」
花丸「終わったずら……」
ダイヤ「貴方達……私にこれを譲って下さいませんか?」
千歌「へっ?」
花丸「……ええっ!?」 2期3話のような展開の目まぐるしさ(けなし言葉ではない) ダイヤ「訳は聞かないで下さい……少しで良いので」
花丸「ははーん……ダイヤちゃん今ホームレスなんでしょ」
ダイヤ「!」
千歌「そういえば服とか汚れてる」
ダイヤ「そ、そうですけど……」
花丸「お金はあげるけど何でそうなったのか教えて欲しいな」
ダイヤ「……黙秘は不可能と?」
花丸「勿論、理由も無しに大金をあげるわけにはね」
千歌「チカも気になるなー、教えてよ!」
ダイヤ「分かりました……」 ダイヤ「高校を卒業した後、私は都内の大学に進学しました」
ダイヤ「大学生活は勉学に打ち込み、良い成績を残し卒業」
ダイヤ「そして優良企業へ入社出来る様に就職をしたのですが……」
ダイヤ「現実は厳しい物でした。何せ家系が堅気ではありませんでしたから」
ダイヤ「いつも最後の最後で落とされ気が付けば1年が経っていたのです」
ダイヤ「実家とは縁を切る覚悟でここまで来たので親からの援助も無く、持ち金も底を付きました……」
ダイヤ「その後はマンションも追い出され、今に至るのです……」
千歌「ドラマみたいだね……」
花丸(想像以上に壮絶だったよ) ダイヤ「こんな姿でルビィや他の皆さんに顔を合わせる訳にはいかないのです」
ダイヤ「なのでせめて服を替えたり体を洗えるぐらいの手持ちさえ貰えれば」
花丸「でもお腹も空いてるでしょ、それにその場凌ぎで綺麗にしても今の状態じゃまた汚くなるだけだよ」
ダイヤ「それは……」
千歌「ならチカ達と一緒に行こうよ!今日はホテルに泊まるつもりだったし」
ダイヤ「……良いのですか、こんな落ちぶれた私と」
千歌「もー!変な所で意地張らなくて良いから!」
花丸「そうだよ、甘えられる所で甘えないと」
ダイヤ「御二人とも……」ポロッ
千歌「あー、もう泣いちゃダメだよー」ギュー
花丸「オラも久し振りに」ギュー
ダイヤ「……暖かいですわ」ギュ 千歌「そうと決まれば善子ちゃんに連絡しておこう」ピッピッ
花丸「じゃあオラはホテル探しておくね」
ダイヤ「あの、私はどうすれば」
花丸「そのお金どこかに隠しておいて」
ダイヤ「御意」コソッ 善子「はぁーっ。やっと終わったわ!」
梨子「よっちゃんお疲れ様」
善子「リリーもね。それより結構稼いだね」
梨子「えへへ、よっちゃんが売り子やってくれたおかげだよ」
善子「クククッ……やはりヨハネの魅力に皆虜になった様ね」 梨子「で、よっちゃんはこれからどうするの?」
善子「そうねそろそろリトルデーモンから連絡が来る筈」ブーブー
善子「来たわ……はっ!?ダイヤさんと居る!?」
梨子「!」
善子「嘘……今日はホテルに泊まるから善子ちゃんは梨子ちゃんと遊んでてって……」
善子「あの2人色々早すぎるのよぉ!しかも私はヨハネ!」キー
梨子「ねえよっちゃん、千歌ちゃんと花丸ちゃんってダイヤさんと居るの?」
善子「そうみたいよ」
梨子「そっか……うん、何でも無いよ」 善子「そう……それよりリリーと遊ぶって言っても、何すりゃ良いのよ」
梨子「あ、ならここの近くにお洒落なカフェがあるんだ」
善子「ふうん?このヨハネを引き立てる様な場所なんでしょうね」
梨子「行ってみようよ、丁度お腹も空いてきたし」
善子「OKよ」 カフェ
善子「へえ……レトロな感じで良いじゃない」
梨子「この薄暗さが雰囲気あるよね」
善子「後は私のコレクションを並べればほぼ自室と同じ模様だわ」
梨子「よっちゃんは相変わらずだね」 善子「ズズッ……コーヒー美味しい」
梨子「サンドイッチ一口あげる」スッ
善子「ありがとう……あら、これもいけるわね」モグモグ
梨子「よっちゃんのナポリタンいただき」
善子「なっ、早いわね!」
TV「本日未明、某ファミリーレストランで強盗事件が発生しました」 梨子「物騒だね」モグモグ
善子「最近の下界はどこも騒がしいわ」モグモグ
TV「強盗犯は現金100万余りを盗った後、すぐさま店から逃げ出した模様です」
TV「犯行に使われた凶器などは存在せず、知能犯による犯行と見ています」
梨子「へえ……頭良いんだね」
善子「銃も持たず良くやるわ」
梨子「あ、コーヒーお代わりで」
善子「私も貰おうかしら」
ハーイ ホテル内大浴場
千歌「うひゃー、気持ち良い〜!」
花丸「はぁ〜……極楽ずら……」
ダイヤ「2ヶ月振りのお風呂……身に沁みますわ……」
千歌「ねね、上がったら牛乳飲もう!」
花丸「賛成」
ダイヤ「入浴の醍醐味ですわね」
千歌「だねー♪」 ゴクゴク……
千歌「ぷはー!!」
花丸「ぷはっ」
ダイヤ「んっ……ぷは」
千歌「あ、ダイヤちゃん詰まったー」
ダイヤ「仕方ないでしょう、慣れてないのですから///」
千歌「可愛いなこのこのー」ツンツン
ダイヤ「やめてくださいまし……//」
花丸「イチャつくなら服着てからね」 部屋
千歌「ベッドにだーいぶ」ボスッ
ダイヤ「千歌さんお行儀悪いですわよ」
千歌「気にしない気にしないー」ゴロゴロ
花丸「それよりお金はどこに置いたの?」
ダイヤ「ベッドの下にあるカバンの中ですわ」
花丸「これかな、ちょっとボロボロだけど」スッ
ダイヤ「これは私が東京に行く際ルビィが持たせてくれた物なんです」
花丸「へえ、お姉ちゃん思いだね」
ダイヤ「私がホームレス生活に挫けなかったのもこのカバンがあったからこそですわ」
花丸「良い話ずら……ねえ千歌ちゃん」
千歌「ぐー……」
花丸「寝てるし」
ダイヤ「ふふ、私達も寝ましょうか。少し早いですけど」
花丸「そうだね、今日は色々あって疲れたし」
『お休みなさい』 遡って数時間前
果南「お疲れ様ー」
曜「お疲れー、今日も飲みに行く?」
果南「もちろんだよ。ルビィも誘ってね」
曜「じゃあ予約してくるー」 居酒屋
曜「さあさあルビィちゃんもっと飲んで飲んでー!」
ルビィ「んっ……んっ……もう無理でしゅ……」ガクッ
果南「あー、飲ませすぎだよ」
ルビィ「んんー……すぅー……」
曜「……よし」 果南「あんまり飲ませすぎたら可哀想だよ」
曜「ごめん、どうしても寝かせなきゃダメだったんだ」
果南「何で?」
曜「実は……黒澤興業と手を切ろうかと思って」
果南「は?」
曜「ほら私鞠莉ちゃん所と契約してやってるでしょ。でも船はルビィちゃん所のを使ってるんだ」
果南「だよね、それは知ってる」
曜「……で、鞠莉ちゃんからウチの所のヘリを使えばビジネスがやりやすいからって」
果南「ヘリってあの時乗って帰ったやつか」
曜「そうそう、実際船って時間掛かるしテンポ悪くなるんだよね」
果南「……でも、今までお世話になった所とアッサリ縁を切って良いの?」
曜「そこだよ、そこで果南ちゃんの出番というわけだ」
果南「ん?」
曜「ルビィちゃんが目を覚ましたら……」コショコショ
果南「……それ失敗したらどうなるの?」
曜「最悪沈むね」
果南「絶対成功させるね」
曜「頼んだよー」 ルビィ「んっ……んんー……」ムクッ
果南「あ、目を覚ましたね」テクテク
ルビィ「ここはあ……?」
果南「ルビィの事務所に歩いて帰ってる所」
ルビィ「そっか……って、ルビィおんぶされてる!?」
果南「酔ってたからね」
ルビィ「は、恥ずかしいよ……//」
果南「たまには良いでしょ」テクテク
ルビィ「……うん」 事務所
果南「はい水」
ルビィ「ありがとう果南ちゃん」
果南「で、ルビィにちょっと話があるんだけど良いかな」
ルビィ「え、良いけど」
果南「じゃあ話すね」 ルビィ「曜ちゃんが鞠莉ちゃんに脅されてる!?」
果南「うん……それで私が鞠莉に説得して何とか契約は続けて貰える様になったんだけど」
果南「今度は黒澤興業との契約破棄を求めてきて……」
ルビィ「……それなら私も腹を括るよ」
果南「ルビィ……?」 ルビィ「曜ちゃんとは長くやってきたんだ、でも曜ちゃんの命が危ないって聞いたら手を引かなきゃ」
果南「という事は」
ルビィ「うん。黒澤興業は今後曜ちゃんとは関わらない」
果南「本当に良いんだね?」
ルビィ「勿論だよ、それで鞠莉ちゃんが納得してくれるならね」
果南「良かった……それなら曜も助かるよ」
ルビィ「まあ本音を言えば曜ちゃんは良いビジネス仲間だったから……ちょっと勿体無いなーとは思うけど」
果南「それなんだけど、私が曜の代わりじゃダメかな?」
ルビィ「えっ、果南ちゃんが!?でも曜ちゃん達とお仕事してて忙しいんじゃ……」
果南「ううん、意外と暇してるし……手助けぐらいなら出来るからさ」
ルビィ「えへへ……じゃあ甘えてみようかな?これからよろしくね果南ちゃん」
果南「こちらこそ」
果南(良かったー!死ななくて!) ルビィ「じゃあさ、今日はここに泊まっていって!」
果南「あ、ごめん今日は曜の所に帰らなきゃ」
ルビィ「そっかー……あ、曜ちゃんの方には」
果南「それなら私の方から言っておくから」
ルビィ「ごめんね」
果南「良いよ、またね」
ルビィ「うん!」 曜「……よし、これで……」
果南「曜?」
曜「ふぉっ!?あ、果南ちゃんおかえり!」
果南「どうしたのさ」
曜「いやー、何でもないでありますよ!」
果南「なら良いけど……あ、ルビィは説得出来たから」
曜「良かった!これで気兼ね無く鞠莉ちゃんと手を組めるよ」
果南「で、私が曜の代わりになるって言ったけど……問題ないよね?」
曜「私は平気だけど、果南ちゃんが大変になると思うよ」
曜「黒澤興業って主に漁とか金融業で稼いでるし」
果南「うーん……何とかしてみせる!」
曜「そっか。まあ私も出来る限りのバックアップはするよ!」グッ
果南「頼むね、じゃあ私は寝るから」
曜「はいはーい。お休み」 ラブホ
梨子「……ふう、また曜ちゃんから依頼だ……」カチッ
善子「リリーお風呂上がったけど」
梨子「あ、よっちゃんごめんね」
善子「?何してるの?」
梨子「なんでもない、おもちゃだから……じゃあ私もお風呂入ってくる」サッ
善子(怪しいわね……) シャー……
善子「リリーが弄ってたこれ……どう考えてもピストルよね」
善子「これが実弾かしら?意外と小さいのね」
善子「まさかリリーは闇に生きる殺人鬼とでも言うのかしら……フッ、まさかね」
ヒュッ
善子「ッ!?」 ドスッ
梨子「よっちゃん……やっぱり見たんだね」
善子「……は、はは……何よリリー」
善子「その手に持ってる針は何なのよ……!」
梨子「麻酔針って言ってね。刺さったらすぐ眠れるよ」
善子「こんな状況じゃ眠れないわよ」
梨子「そう?でもそれを見られたらよっちゃんには死んでもらわないと」
善子「ヤンデレなんて今時流行らないのよ!」ダッ
梨子「逃げないでよ!」シュッ
ドスッ サクッ 善子「あ、危なかった……」プルプル
梨子「不幸な堕天使ちゃんとは思えないよ」
善子「今程自分の不幸を呪った日は無いわ」
梨子「そう、じゃあ今すぐ楽に……」
善子「させるかぁ!」ガバッ
梨子「きゃっ!?」 善子「このまま落としてあげるんだから!」ググッ
梨子「よしこちゃ……くるしっ」
善子「落ちろ、落ちろ……!」グググッ
梨子「んぐぐぐ……えいっ!」グッ
善子「んごっ!」ギュゥッ
梨子「わ、私の方が指の力は強いんだから……!」グググッ
善子「んぐぐ……ぎ、ギブ……!!」ドサッ
梨子「ぶはっ!!はぁ……はぁ……」 善子「フヒー……フヒー……!」
梨子「……ごめんね善子ちゃん、これも仕事の為だから」
梨子「ホテル代と治療費は置いておくね……でもこれ以上関わってこないで」
梨子「……じゃあね」スタスタ
善子「…………」
善子「……リリーのバカ……!」ドンッ シリアスなのに場所ラブホで
やることやっててワロタ ピーピー
鞠莉『はい、マリー』
梨子「こちらリリー、善子ちゃんに感付かれた」
鞠莉『そう……ちゃんと後片付けはしたの?』
梨子「抜かりは無いわ、それに向こうは一般人……厄介な存在にはなりえないでしょう」
鞠莉『それなら問題ないわ。じゃあね』
梨子「あ、待って!」 鞠莉『何?』
梨子「曜ちゃん……ヨーソローからの依頼が来たけどマリさん代わりにやってくれる?」
鞠莉『何でよ』
梨子「おそらくこの電話が最後になるから……お願い」
鞠莉『……分かったわ。アナタの事はデータから消しておく』
梨子「ごめんなさい、不義理を働いてしまって」
鞠莉『事情があっても踏み込まないのがマリー達のルールでしょう?』
鞠莉『お互い綺麗にしてから……また一緒に仕事しましょう』
梨子「……ええ、それじゃ」
梨子(もうどこにも戻れない……でもこれで良いんだ) 千歌「おはよー!」
花丸「ぐー……」
ダイヤ「すぅ……」
千歌「お、2人とも寝てる」
千歌(起きてるのはチカだけ……もしかしてこれはチャンス?)
千歌(そもそもこの大金はチカが取ったんだからチカの物なんだよ!)コソコソ
千歌(今の内に取り分はチカが6割ぐらい……)ソォー
ダイヤ「千歌さん?」 千歌「ひゃん!?」
ダイヤ「私のカバンに手を出して……何をしているのです?」
千歌「い、い、いやー……!何もしてないよー!!」アワアワ
ダイヤ「汗までかいて……こんなに寒いのに?」
千歌「ほ、ほらー!チカ汗っかきだからさー!」
ダイヤ「怪しいですわね……」
花丸「やっぱりだね」 >>153
あぁ、打ち上げでラブホね、そっちか
俺も打ち上げでラブホ行ったことあるわ 俺も大学の時課題終わりの打ち上げで同じゼミの連中と浴びるように飲みまくってラブホになだれ込んだりしたわw
懐かしいな〜青春だわ
ちな理工系 花丸「ズバリ千歌ちゃんはこのお金を独り占めしようって考えてるね?」
千歌「いやいやいや、そんな事無いでありますよ」
ダイヤ「曜さんの台詞盗る程動揺するとは……クロですわね」
千歌「ほんとに違うんだってー!ちょっとした出来心で」
花丸「じゃあ罪の意識を認めるね」
千歌「いやいや」
ダイヤ「認めますわね?」
千歌「ハイ認めます、すいませんでした」ドゲザ
花丸「まったく……油断も隙も無いね」 ダイヤ「こうなったのもこの大金が原因……ならば予め分担して所持しておくのが得策では?」
花丸「オラもそう思ったよ、じゃあ3人で納得いくように分けよう」
千歌「はあーい……」シュン
花丸「さてと、どうやって分けようかな?」
ダイヤ「ふむ……私はお二人より少なくても構いませんよ」
千歌「ほんと!?」
花丸「それはダメだよ、出来るだけ平等にやらないと」
ダイヤ「とは言われましても……私は2人と偶然出会っただけですので」
千歌「ほらほらー、ダイヤちゃんもこう言ってるし」
花丸「うーん……まあダイヤちゃんが良いなら少し減らしても良いけど」 ダイヤ「では私は113万の内、35万だけ頂きましょう」
花丸「残り78万……半分こなら綺麗に39万になるから良いよね?」
千歌「えー……チカは50万ぐらい欲しいな」
花丸「オラは28万……まあ仕方ないか(これなら最初から銀行を狙っておくべきだったよ)」
千歌「これで解決だね!(本当は全部欲しかったけど……まあ頃合を見て盗るか)」 ダイヤ「しかし危機管理の低い千歌さんが50万は持ち過ぎなのでは?」
花丸(ダイヤちゃん良い意見!)
千歌「えー!?じゃあチカだけお金持っちゃダメなの?」
ダイヤ「そうではありません、ここは私のカバンに入れるという事でどうです?」
千歌「それじゃ分けた意味ないじゃん!!」
ダイヤ「先程は取り分の話であって、この場で現金を分けるという意味ではありませんわ」
千歌「ん、んん〜?どういう事なのだ??」
ダイヤ「考えて下さい、今現金を隠せる物は私のカバンしかありませんわ」
花丸「それに覆面や服の中に隠したってすぐバレるだろうからね」
千歌「ううー……確かに」
ダイヤ「この後はすぐこのホテルを離れ、身を隠す必要があります」
ダイヤ「そんな時に裸で現金を持つ危険性とカバンに隠しておく安全性……千歌さんでもどちらを取れば良いのか分かりますでしょう?」
千歌「……分かったよ!でもお金を分けられる様になったら50万はチカの物だからね!」
花丸「それもこれも3人の安全が保障されてからだよ、とりあえず今はここから離れるずら」
千歌「そうだね……すぐ準備しよう!」 準備中
花丸(でもダイヤちゃん、上手く千歌ちゃんを丸め込んだけどこれはお金を狙ってるよね)
花丸(そうじゃなきゃ千歌ちゃんが起きるより前に目を覚ましてるわけ無いし)
花丸(オラの取り分も盗られるかも……そうなったらその時はその時だね)
ダイヤ(千歌さんがまさか独占を狙っていたとは……)
ダイヤ(しかし100万を超える大金であれば人間何かがおかしくなっても仕方ありません)
ダイヤ(事実私もこの2人を欺いて独占を画策してしまおうと考えてしまっているのですから……)
千歌(でもさっきのダイヤちゃんは確実に分けて持っておこうって言ってたよね)
千歌(多分チカの事をバカにして上手く盗ってやろうって思ってるんだろうなあ)
千歌(花丸ちゃんの目の動きも怪しいし……これはチカの人生最大のチャンスが来ちゃったかな?)
千歌(ま、2人とも大して運動出来ないからいざとなったらすぐ逃げてやろう!) 善子「はぁ……これからどうすれば良いの」トボトボ
千歌「善子ちゃんだ。善子ちゃーん!」
善子「ち、千歌!それにずら丸とダイヤまで……」
花丸「あ、善子ちゃん。梨子ちゃんと遊んでたんじゃないの?」
善子「それは……」
ダイヤ「何かありましたか?」
千歌「良かったら話してみてよー、千歌達も話すからさ」
善子「……実は」 ダイヤ「梨子さんが殺し屋!?」
善子「恐らくね……銃も持っていたし」
花丸「映画みたいずら……」
善子「アンタ達の方がよっぽど映画よ!ダイヤが元ホームレスって!」
善子「しかも千歌とずら丸が強盗に成功しちゃってるし!」
千歌「へへへ、アウトローでしょ」
善子「ほぼ身内がアウトローって最悪なんですけど」 善子「ていうか強盗事件なら今ネットで騒ぎになってるけど」スマホッ
千歌「ほんとだ!」
花丸「オラ達有名人ずら〜」
ダイヤ「顔バレしていますわよ!?」
千歌「だから逃げようって話だよ」
ダイヤ「せめて花丸さんも覆面しておけば……!」
善子「ちょっと待って私とダイヤ巻き込まれそうじゃない?」 警察「強盗犯だ!仲間も居るぞ!!」
警察「捕らえろ!!」
ドドドド
千歌「来たー!」
善子「死亡フラグじゃないのー!!」
ダイヤ「花丸さん早く逃げますわよ!」
花丸「ちょ、ちょっと待って……!」
ガシッ 警察「捕まえたぞ」
花丸「あぁっ!」
千歌「マルちゃーん!後は任せたよー!」
ダイヤ「花丸さんが殿を務めている間に早く!」
善子「ちょっとぉ!ずら丸何も言って無いわよ!?」
千歌「じゃあ善子ちゃんが生贄に」
善子「断固拒否するっ!」
花丸「皆ー!!オラは先に地獄行ってるからねー!」 警察「こっちにも来たぞー!」
千歌「前からも来たー!」
ダイヤ「今度こそ善子さんが……!」
善子「だから無理ぃ!」
「ここは私に任せて」 千歌「梨子ちゃん!」
ダイヤ「梨子さん!?」
梨子「皆はバラバラに逃げて、私が惹き付けておくから」
善子「り、リリー……何でよ!」
梨子「最期くらい人の役に立ちたいもん、構わず逃げて幸せになってね!」
善子「……フン、私のリトルデーモンならこのくらい振り切って見せなさいよ!」
梨子「勿論そのつもり……行って皆!」
千歌「梨子ちゃん頑張ってねー!」
ダイヤ「任せましたわよ!」
ダダダダ…… 警察「お前あいつらの仲間か……!」カチャ
カチャカチャ
梨子(せめてよっちゃん達ともうちょっと思い出作りたかったな……)
梨子「でも殺し屋にはお似合いな結末だね……ふふっ」
カチャ スッ
警察「凶器を持ってるぞ!」
「気をつけろ皆!」
梨子「せめて抵抗するよ……死ぬまでね」ダッ 千歌「はぁ……はぁ……もう走れないー……」バタッ
警察「居た、捕まえろ!」
千歌「げっ!」
パタパタパタパタ……
千歌(へ、ヘリコプター!?) 「そりゃあ!」バッ
警察「ぐふっ!!」ボゴッ
千歌「よ、よーちゃん!?」
曜「やっほー!平気だった千歌ちゃん?」
千歌「な、何でここに……?」
曜「へへー。オハラグループの捜索力舐めちゃダメだよ」
千歌「か、カッコいいー!!」 千歌「そういえば……」キョロキョロ
曜「あ、善子ちゃんとダイヤちゃんならまだ見つかってないよ」
千歌「そっかー、でもチカだけでも助かって良かった!」
曜「ふふふ。本当に良かったよ千歌ちゃん」ニコニコ
千歌「あ、チカお金無いんだった……お腹も空いてきちゃったよー」グゥー……
曜「それならヘリの中にいっぱい入ってるよ、鞠莉ちゃんが持たせてくれたんだ」
千歌「本当に!?何から何までありがとー!」
曜「ささ、早くこんな所から脱出しよう」
千歌「うん!」 千歌「すやー……お腹いっぱい……」
曜「うふふ、千歌ちゃんの寝顔可愛い♡」
ブゥン
鞠莉『ハーイ、曜♪ちかっちは見つかった様ね』
曜「鞠莉ちゃん!そうだよー」
鞠莉『で、あの2人は助けなくても良いの?』
曜「私は千歌ちゃんが助けられればそれで良いんだ」
鞠莉『曜……』
曜「それに2人は千歌ちゃんを騙して100万を懐に入れてるんでしょ、なら逃げられるよ」
鞠莉『……アナタはやっぱり恐いわね』
曜「ありがとう、じゃあね鞠莉ちゃん♪」ピッ 果南「ルビィ、パチンコ行かない?」
ルビィ「果南ちゃん、お仕事しようよ」
果南「何かめんどくさくなってきちゃった」
ルビィ「ええ……」
果南「曜はあれから私を追い出しちゃったし、私は結局千歌の代わりだったんだよ」
ルビィ「確か千歌ちゃんを迎えに行くって……」
果南「地元に居た頃は放ってたのにね……千歌が犯罪者になったからって自分で匿うなんて」
ルビィ「だからって果南ちゃんまでヤケにならないで、ルビィだってただで住む場所与える訳にはいかないよ」
果南「ほんとルビィって変わったね、でもあんまり私を怒らせない方が良いよ」
ルビィ「え……?」
果南「こういう事だってしちゃうんだから」ズブッ
ルビィ「!?!?」 果南「んぎっ……思ったより痛いなあ……」ジワッ
ルビィ「な、何で自分の足を刺してるの……!?」
果南「へへ、これでルビィが刺したって事にすれば晴れて黒澤興業は壊滅だね」
ルビィ「何で……何でそんな事を……」
果南「もう疲れちゃったよ、ボッタクリとしか思えない値段で魚を売りつけたり、弱い人を脅して借金を取り立てるのは」
果南「こんな所にウチのお爺ちゃんを預けるわけにはいかないし、潰れた方が良いんだよ」
ルビィ「うう……果南ちゃんのお爺ちゃんは本当に助けたかったのに……!」 ルビィ「こうなったら……!」ズポッ
果南「いだっ!」
ルビィ「絶対死なせないからね!生きててよ果南ちゃん!」ピッピッ
ルビィ「もしもし、今すぐ救急車来てください!」
果南「そ、それより警察を……!」
ルビィ「警察は呼ばないよ!その代わり私が出頭する」
果南「ルビィ……?」
ルビィ「勿論興業は解散してからだよ……もう覚悟はあるから」
果南「……その話刺す前に聞きたかったな」
ピーポーピーポー 2日後
カタカタ……
鞠莉「あら?黒澤興業のデータが全部消えてる?」
鞠莉「果南の病院搬送と何か繋がりがあるのかしら……まあ良いか」
鞠莉「商売敵が一つ消えてくれただけでもラッキーだわ♪」
曜「マリちゃーん!」
鞠莉「あ、曜!」 千歌「よーちゃん……♡」
曜「おー、よしよし」ナデナデ
鞠莉「懐かれてるわね」
曜「鞠莉ちゃん仕込みの手懐けが効いたんだよ!」
千歌「くぅーん……」スリスリ
曜「くすぐったいってー」
鞠莉「もう、嫉妬ファイヤーしちゃうわ」
鞠莉「さ、もう下がって良いから」
曜「はーい、行くよ千歌ちゃん」
千歌「はぁーい♪」テクテク 曜「今日からここが千歌ちゃんの部屋だからね」
千歌「広ーい!」
曜「好きに使って良いから、じゃあ困った事があったら私か鞠莉ちゃんに言ってね!」
千歌「分かったよ」
バタン
千歌(ふう、曜ちゃんに懐いたフリするのしんど……)
千歌(でもこれでチカ一人勝ちだよ!)
千歌(あの2人には悪いけど……まあお金あるし余裕だよね?) 善子「……よし、なんとか撒いたわね」
ダイヤ「もう出てきても大丈夫ですか?」
善子「ええ」
ダイヤ「……しかし千歌さんは何処に行ったのでしょうか?」
善子「捕まったか、もしくは誰かに匿われてるかね」
ダイヤ「……まあ良いでしょう、今は私と善子さんの行く先を考える時です」
善子「そうね、ヨハネは完全に巻き込まれただけだけど」
ダイヤ「それについては私の方から謝罪しますわ、お詫びにこの113万は善子さんに全て献上します」
善子「嘘ぉっ!?棚からぼた餅なんてもんじゃないわよ!?」
ダイヤ「元恋人の梨子さんを失い、私達の騒動に巻き込まれた貴方には安いぐらいですわ」
善子「それはそうだけど……ダイヤはどうするのよ」
ダイヤ「私の事は気にしないで下さい、元々死んだ命が偶然復活しただけですから」
善子「何それかっこいい……!」キラキラ ダイヤ「この私ですら大金を目の前にすれば欲深い罪人になる……ならば善子さんが持っていた方がこのお金も本望でしょう」
善子「わ、私だってこんな大金持った事ないから……どうすれば良いのかしら」
ダイヤ「そのマントに隠すのはどうでしょう?」
善子「これ?あ、裏にポケットがある」
ダイヤ「良い隠し場所になりますよ、どうぞ」スッ
善子「あ、ありがとう」ササッ ダイヤ「さてと、後は身を隠しながら本日の宿を決めなければ」
善子「二日間逃げ回ってて風呂に入れてないものね……」
ダイヤ「流石に臭いますわ、この近くに銭湯でもあれば良いのですが」キョロキョロ
善子「ちょっと待ちなさい、スマホで調べるから……あっ」プツン
ダイヤ「充電切れですか?」
善子「そうみたいね……くっ、充電器なんて持ってないわよ!?」
ダイヤ「ならば充電が出来そうな場所でも……」
善子「あ、あそこにファーストフード店があるわよ!」
ダイヤ「成る程、充電も兼ねて腹ごしらえですね」 善子「あ、充電器が無いのに行っても意味無いわ……!」
ダイヤ「何処かで購入出来ないのですか?」
善子「うーん携帯ショップでもあれば……あ、あったー!」
善子「ごめん、私買ってくるわ!」
ダイヤ「なら私は座席を取っておきます」
善子「ええ、また後でね」 ファーストフード店
ガヤガヤ……
ダイヤ「で、充電は可能でしょうか?」
善子「バッチリよ!これで情報収集は問題ないわ」
ダイヤ「後はどうやって身を隠しながら暮らしていくかですね」
善子「マスクとサングラスは必須よね?」
ダイヤ「逆に怪しまれますわ、マスクだけなら若い人達が付けて道を歩いていますので安心でしょう」
善子「確かに皆マスク付けて歩いているわよね、世を忍ぶ仮の姿とでも言うのかしら?」
ダイヤ「いえ、単純に病気予防の為でしょう」
善子「マジレスしないでよぉ!」 善子「あとさ、大金持って歩いてたら泥棒とかに狙われそうじゃない?」
ダイヤ「確かに。何か護身用に道具を持っていくと良いですわね」
善子「ヨハネはスタンガンが良いわ!」
ダイヤ「私はモデルガンかナイフか……ナイフは銃刀法違反に引っ掛かりそうですわね」
善子「多分モデルガンも不味いと思うわよ」
ダイヤ「最悪私の護身術で対処しても良いのですが」
善子「アンタは戦えるから良いわよね……」
ダイヤ「善子さんも鍛えます?」
善子「無理、絶対死ぬ」 善子「とにかく今日の宿を決めないと、ちょっと調べるわね」スッスッ
善子「おっ、このホテルとか良いんじゃない?」
ダイヤ「良いですわね、外観から隠れ家の様な雰囲気を感じます」
善子「しばらくはここに泊まって今後の逃亡生活プランを立てるわよ」
ダイヤ「了解ですわ……では早速向かいましょうか?」
善子「もちろんよ!」 ビジネスホテル
ダイヤ「意外と中は綺麗ですのね」
善子「よし、早速スタンガンとか諸々の配達を注文しておいたわ」
ダイヤ「住所はどうしたのですか?」
善子「ふふ、最近はホテルで配達の受け取りが出来るのよ」
ダイヤ「なんと……未来ですわね!」キラキラ
善子「そうよ、このホテルをヨハネ達の根城とするわ!」
ダイヤ「ふふ……幼少期に見たアウトロー映画の様で何だか興奮してきました!」
善子「何見て育ってんのよ……」 爺「果南……!果南……!!」
果南「うーん……はっ!?」
爺「目覚めたか……!このバカが……!」
果南「あ、お爺ちゃん……」
爺「お前、黒澤のお嬢ちゃんに刺されたんだろ?」
果南「あ……うん」
爺「お前は友達だから考えなかったんだろうが、相手は裏社会の人間なんだ」
爺「これ以上関わらない様にしろ……な?」
果南「……うん」
爺「分かったら良い、退院したらワシの所に帰って来い」
果南「え……?」
爺「嬢ちゃんから聞いたんだ、お前はワシと離れるのが嫌だったんだろ?」
爺「ワシもまた体の調子が悪くなったからしばらく家に居て面倒を見て欲しいからな……」
果南「お爺ちゃん……!」ポロッ
爺「さ、早く怪我を治して来いよ……じゃあな」スタスタ
果南(お爺ちゃん元気そうなのに……私のせいで)
果南(……でもしばらくは甘えようかな) 果南(それにお金も無いし……何よりお爺ちゃんと一緒に居れるし!)
果南(……あ、私の携帯だ)
果南(ルビィと曜の記録が無くなってる。やっぱり消されたか)
果南(……まあ良いか、元々合わなかった世界なんだし)
果南「よし、治ったら久し振りにダイビングするか!」グッ カチカチ
鞠莉「この病院、果南の名簿がある!」
鞠莉「生きてて良かった……それにしても」
曜「千歌ちゃん千歌ちゃーん!」
千歌「よーちゃん♡……」
鞠莉(ちかっちの目が死んでるわ、曜ちょっと激しすぎない?)
鞠莉(私だって果南に甘えたいのに……何かモヤモヤする……)
鞠莉(……そうだ)
鞠莉「ヘイ、曜」
曜「あ、どうしたの鞠莉ちゃん?」
鞠莉「ちょっと仕事を頼んでも良いかしら」パサッ
曜「もちろんだよ!早速行ってくる!」 千歌「はぁー……」
鞠莉「ちかっちどうしたの?」
千歌「いや、何か疲れたなーって」
鞠莉「まあそうよね……金と家目当てに来たら毎晩求められるもんね」
千歌「げっ、バレてる?」
鞠莉「それぐらい分かるわ、毎回死んだ魚の目みたいに揺さ振られてたら誰でも気付くわ」
千歌「そうなんだよー!曜ちゃんちょっとしつこいぐらいでさ!」
千歌「私は家とお金が欲しいだけなのに毎日毎日さー!」
鞠莉「オウ……結構溜まってたのね」
千歌「どうせなら鞠莉ちゃんに乗り換えようかな?」
鞠莉「無理よ私は果南にゾッコンだもの」
千歌「ちぇー……」 鞠莉「でも、貴方を満足させる事は出来るわよ?」
千歌「へ?」
鞠莉「仕事ばかりで疲れたし、私も貴方達の絡みをみて溜まってんのよ」
千歌「それって……!」
鞠莉「ふふ、本当の気持ちよさを教えてあげるわよ?」
千歌「お願いします」
鞠莉「はやっ!」
千歌「前から鞠莉ちゃんって上手そうだと思ってたんだ」
鞠莉「ふうん……来なさい♡」 曜「いやー、終わった終わった……なっ!」
千歌「あー、気持ち良いー♡」
鞠莉「ホラホラ、ここが良い……あっ」
千歌「どうしたの鞠莉ちゃ……はっ!」
曜「……あ、ああ……!」
曜「」ダダダダ
千歌「ちょ、どこ行ったの!?」
鞠莉「あっちは確か、武器庫だった様な……」 曜「このー!!」ダダダ カチャ
鞠莉「待って!?」
曜「」バキュン
鞠莉「」ドサッ
千歌「鞠莉ちゃーん!!」
曜「次は千歌ちゃん」カチャ
千歌「嘘でしょ」
曜「ごめん」バキュン
千歌「」ドサッ
曜「……ははっ、あ……あ?」
曜「あれ!?2人とも!?」
曜「この銃は……そっか私が撃ったんだ……」
バキュン ダイヤ「早く逃げますわよ善子さん!」
善子「ちょ、ちょっと待ってって!」
警察「逃がすな、追えー!」
バタバタ……
路地裏
善子「ひぃ……ひぃ……もう逃げられないんだけど」
ダイヤ「足に鞭を打ってでも立ちなさい!これを凌げば……!」
善子「そういって何日経つのよ!もうスタンガンの電池も無いし……!」
ダイヤ「まさか宅配物からホテル従業員が通報するなんて思いませんでしたね……」
善子「従業員はダイヤが気絶させたからなんとかスタンガンだけでも取れたけどもう八方塞よ……」
ダイヤ「……善子さん、ここは」
善子「生贄なんてならないわよ!」
ダイヤ「……すいません。ですがこのまま逃げ続けられるとは思えないのです」
善子「それくらい私にだって分かってるわよ!」
ダイヤ「落ち着いて下さい」 善子「こうなるなら最初っから大人しくムショに居れば良かったわ!」
ダイヤ「同感ですわ……」
カチャ
善子「え?」
警察「10時47分逮捕」
カチャ
ダイヤ「なっ!」
警察「こっちも確保」
警察「ったく手間掛けさせやがって……」
善子「まってこんなあっさり捕まるなんて嘘でしょ!」
善子「ね、ダイヤ!こいつらブッ飛ばしてでも……!」
ダイヤ「手錠掛けられた時点で無理ですわ……もう大人しく罪を償いましょう……」
善子「嘘よ、嘘よぉ!私はまだ諦めないんだからね!!」ジタバタ
警察「おい暴れるなっ!!」
警察「こいつ抑えろ!」 果南「お爺ちゃん、マッサージしようか?」
爺「いらんいらん、まだまだワシは元気だ!」
果南「この前は調子悪いって言ってたのに……」
爺「そんなの覚えとらんわ、はっはっは!」
果南「まったく……ダイビングしてくるからね」
爺「おう」 ザパーン……
果南(気持ち良いー!やっぱり海は良いよ)
果南(あれから皆の様子を新聞とかテレビで聞いたけど……碌な目に合ってないね)
果南(結局悪い事したらそれだけ帰ってくる様になってるんだろうね)
果南(私はそんな目に合いたくないからこれからもお爺ちゃんと楽しく暮らしたい)
果南(そうだ、お金を貯めたら日本一周でもしてみようかな?)
果南(もちろんお爺ちゃんと一緒に……その為にもっとお仕事頑張らないとね。さてそろそろ上がろうか)
果南「お爺ちゃんただいまー!!」 お腹空いたよからこんな結末になるとは思わんかった
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