にこ「明日はどこから来るの」
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絵里「さぁ……」
にこ「どうして明日なんて来るのかしら」
にこ「一日くらいサボってくれていいのに」
絵里「私達がどれほど願ってもそれは叶わないけどね」
にこ「分かってるけど……」
にこ「たまにでいいのよ、明日なんて」
にこ「毎日来られちゃたまんないわ」フゥ 絵里「明日が嫌いなの?」
にこ「……」
にこ「嫌いではないけど」
にこ「たまに、たまによ? たまーに、来なくていいのにって思うことがあるの」
絵里「それは…どうして…?」
にこ「……」 にこ「にこね、毎日、」
にこ「……毎日、ご飯つくって」
にこ「洗濯機回して、干して、取り込んで、お風呂洗って、みんなのことお迎えして」
にこ「そうするともう夜になるの」
にこ「……でも、アイカツもしたい、から」
にこ「ダンス覚えたいし、上手く踊れるまで練習したいし、歌も、もっと上手くなりたい」
にこ「にこに合うお化粧ももっと研究したい、可愛い洋服着たいし、他のスクールアイドルの情報も集めたい」
にこ「……勉強も、たまには、しなきゃって思う」
にこ「でも、そうするとすぐに明日が来ちゃうの」
にこ「やりたいことを全てやれずにね」 にこ「だから、優先順位をつけるわけ」
にこ「家族のお迎え、家事が優先で、次がアイカツ、次が趣味とか、美容とか、」
絵里「……勉強とか?」
にこ「あ、そうね、勉強も…うん…」
にこ「明日が来る前に、やりたいことをやれるだけ、大事なことから順番に」
にこ「そうすると大抵、アイカツまでが限界なの」
にこ「頑張って頑張って頑張ってやっと全部できるかな、ってかんじ」
にこ「で、毎日そんな風に頑張ってるとね」
にこ「ふと、どうしてこんなに頑張らなきゃいけないんだろう?って思うワケ」 にこ「なーんか、疲れちゃうっていうか」
にこ「ガソリンが切れちゃうっていうの?」
にこ「もう全てが嫌になるんだけど、やることなすこと全てにキレるワケにもいかないし」
にこ「なんだかね、明日が来るから悪いんじゃないの?って思うワケよ」
にこ「明日が来なければ、こんなに焦ることないじゃない?」
絵里「う、うーん…」
にこ「……あによ」
絵里「少し飛躍してない?」
にこ「……してないわよ」
絵里「……」
にこ「…うるさいわね〜」
にこ「そこに落としこむしか無いんだからしょうがないでしょ?」 にこ「だって、ママは、私たちが生きるためのを稼いでくれてるの」
にこ「だから代わりににこが……って」
にこ「分かってるの……」
にこ「家の事するのは嫌じゃないのよ、それは本当」
にこ「それでも、家の事がなければ、自分のしたいことだけ考えていればいいのにーって……思うことも……嘘じゃない」
にこ「嘘じゃないけど、家の事を言い訳にしたくない」
にこ「絶対にね」 にこ「でも、たまに、全てが嫌になって」
にこ「もう全部投げ出して、赤ちゃんみたいに泣き続けたいって」
にこ「そう、思うの」
にこ「………そう、思っちゃうのよ」
にこ「……でも、それはできないから、明日が悪いんだって」
にこ「明日なんて来るからこんなに辛いんだって言いながら、また家事をするの」
にこ「そうしなきゃ、やってられない……日もある……の」
絵里「そうなの…」
絵里「にこはいつも頑張っているものね」
にこ「…………そうなのかな」
にこ「これくらい、みんなやってると思うし……」 絵里「…確かに周りも頑張っているかもしれないけど」
絵里「にこが日々家族のために頑張っているのも事実だから」
にこ「…………」
にこ「そうなのかしら」
絵里「そうよ、十分頑張ってる」
にこ「……」
絵里「にこ、よく頑張ったわね、偉いわね」
絵里「あなたはお姉ちゃんとして、良い娘として頑張ってるわ」
にこ「………………ねえ」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています