私達の物語
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亜里沙 「雪穂ー。行くよー」
雪穂 「あーい」
音ノ木坂学院 廊下
雪穂 「私達、呼び出されるの多いね」
亜里沙 「今日は何の用事なんだろう」
雪穂 「面倒な事を押し付けられなければいいんだけど」
亜里沙 「あのさ、入学してからずっと思ってることがあるんだけどさ」
雪穂 「ん？」
亜里沙 「理事長室って他の教室に比べて、綺麗すぎじゃない？」
雪穂 「・・・理事長が使う部屋だからね。お金かけてるんだよ。きっと」
https://itest.5ch.net/fate/test/read.cgi/lovelive/1524317262 >>2
コンコン
雪穂 「3年A組の高坂と絢瀬です」
「どうぞー」
ゆきあり 「失礼します」
理事長 「いらっしゃい。美味しいお菓子あるわよ」
雪穂 （なんか、遊びに来たみたいな歓迎のされ方）
亜里沙 「やった！いただきます！」
亜里沙 「雪穂も、はい！」
雪穂 「い、いただきます」
雪穂 「早速なんですが今日は何のご用件でしょうか？」
雪穂 （あ、このクッキー美味しい）
理事長 「ありがたいことに今年もあのイベントから声がかかったので2人に出席のお願いしたいの」
雪穂 「あのイベント？」
雪穂 「っていうかまたイベント出演の依頼ですか？」
理事長 「そうよ」
雪穂 （やった！イベントってことはまたライブができるってこと？）
雪穂 （あ、でも私達は受験生なのにそんな時間あるのかな？） >>3
理事長 「正直、普通の高校生には考えられないほどのイベント出演依頼が貴女達にはきているの」
理事長 「それでも、本業は学生。ましてや事務所に所属しているアイドルではなく、スクールアイドルとして活動をしているのだから学業に影響のないように私からお断りしている件も多くあるの」
雪穂 「そうだったんですね。初めて聞きました」
理事長 「ただ、今回のイベントは去年、一昨年と2年連続でウチの学校から出させてもらっているので、この流れを止めたくないのよ。私個人としても楽しみなイベントだし」
雪穂 「そう・・なんですね」
雪穂 （2年連続ってことはかなり限られてくる気がするけど・・）
理事長 「だから今年は是非貴女達に出てもらいたいと思っているのだけれど、時期が時期なだけに受験勉強が」
亜里沙 「出ます！」
雪穂 「ちょっ！亜里沙！説明も何も聞いてないのに勝手に決めないでよ！」
亜里沙 「結局出ることになるんだし返事はしちゃってもいいでしょ？」
雪穂 「まだそうとも決まってないよ！」
亜里沙 「そんなことないでしょ。イベントって聞いて雪穂嬉しそうな顔してたように見えたよ？」
雪穂 「・・・相変わらずそういう所はしっかり見てるんだね」
雪穂 「まぁ嬉しいっちゃ嬉しいけど」
亜里沙 「じゃあどんなイベントだとしても決まりじゃん！」
雪穂 「分かった！分かったからとりあえず話だけはちゃんと聞こう！」
亜里沙 「うん！分かった！」
理事長 「じゃあ説明をするわね」 >>4
高坂家 雪穂の部屋
雪穂 「・・・困ったね」
亜里沙 「うん。困った」
亜里沙 「まさかファッションショーのイベントだとは思ってなかったなー」
雪穂 「私は2年連続って聞いた時になんとなく分かってたよ」
亜里沙 「そうなの！？」
雪穂 「うん。でも私はファッションショーの最後にちょっとだけ出てライブをするんだと思ってたんだけど、まさかファッションショー自体に参加して欲しいなんて言われると思ってなかったよ」
亜里沙 「私達は午前の部のファッションショーに出て、最後にライブをするんだったよね？」
雪穂 「うん。午前の部は学生向けのイベント内容で、服飾系の勉強をしてる人達がデザインした服を着て、ランウェイ？っていうのを歩く」
雪穂 「だから、モデル側の人も学生しかいないって言ってたね」
亜里沙 「でも、その学生って大学生の人がほとんどなんでしょ？」
雪穂 「そうなんじゃないかな？いくら学生とはいえモデルをやるくらいだから、絵里さんみたいに大人っぽい人とか、ことりちゃんみたいに可愛い人ばっかりだと思うよ」
亜里沙 「そんな所に私達が混ざっちゃっていいのかな？」
雪穂 「そういうのをやったことないからどうなるか想像もつかないけど、そういう招待を受けちゃったから仕方ないよ」 >>5
亜里沙 「モデルさんって歩き方が違うんだよね？お姉ちゃんなら知ってるかな？」
雪穂 「絵里さんなら知ってそうだから今度聞いてみようか」
亜里沙 「そうだね・・・でも問題ってこれだけじゃないよね」
亜里沙 「・・あのドレス・・凄くなかった？」
雪穂 「・・凄かったね。画像で見ただけでも鳥肌が立っちゃったもん」
雪穂 「しかも今年は2着。完全に私達用で用意したって感じだよね。色も私達のイメージカラーと同じ色だったし」
亜里沙 「去年までは1着しかなかったからセンターの子だけだったもんね」
亜里沙 「ますますプレッシャー感じちゃうよー」
雪穂 「私はプレッシャーっていうより楽しみ・・かな。ドレスも凄く可愛かったし」
亜里沙 「それは私も同じ気持ちだよ！雪穂のドレス姿がこんなにも早く見られるとは思ってもなかったし」
雪穂 「それを言ったら亜里沙もね。青のドレスなんて見たことないから早く見てみたいなー」
亜里沙 「雪穂は白だからザ・ドレス！って感じだね」
雪穂 「うん。でもショー用にアレンジとかされてるはずだよね」 >>6
亜里沙 「さぁどうなんだろうね。そういえばさ」
雪穂 「ん？なぁに？」
亜里沙 「雪穂ってなんで白がイメージカラーなんだっけ？」
雪穂 「んー？なんでだろうね」
雪穂 「初めてスクールアイドルのホームページに曲をアップした時にお互いの自己紹介の動画も一緒にアップしたよね？」
亜里沙 「うん」
雪穂 「あの時に亜里沙は好きな色が青だからライブではペンライトの色を青にしてくれると嬉しいです。みたいなこと言ってたけど、私は言わなかったんだよね」
雪穂 「特に好きな色とかもなかったから気にしてなかったんだけど、初めてライブをした時に青と白のペンライトが振られてたから私の色は白なんだってお客さんに教えてもらった感じかな」
亜里沙 「そうだったんだ。あ！もしかして、『雪』だから白にしてくれたのかもよ？ほら、雪って真っ白で綺麗だし！」
雪穂 「かなり安直な考えだとは思うけどあり得る話だね」
亜里沙 「でも、ステージから見る白と青の光って凄く綺麗だよね」
雪穂 「うん。今になって好きな色は何色って聞かれたら、白って答えるくらい愛着があるよ」
亜里沙 「ねえ。久しぶりに自己紹介動画見てみる？」
雪穂 「え！？恥ずかしいから見なくていいよー！」
亜里沙 「いいじゃん！いいじゃん！初心に戻ってみるのも楽しそうだし！」
雪穂 「分かった。でも恥ずかしいから1回だけね！」 >>7
都内 某居酒屋
絵里 「予約した絢瀬です」
店員 「ご予約のお客様、いらっしゃいました！」
「いらっしゃいませー」
絵里 「とりあえず、生2つと枝豆とたこわさください」
店員 「かしこまりました」
絵里 （あ、穂乃果から電話）
絵里 「あ！もしもし？・・うん。いつもの席よ。はい、はーい」
穂乃果 「ごめん絵里ちゃん！待った？」
絵里 「お疲れ様！私も今来たところよ」
穂乃果 「そっか！よかった」
穂乃果 「今が混雑のピークくらいなのによくここの席が空いてたね」
絵里 「先週、私が電話で予約しておいたのよ。この席ならゆっくりできるし」
穂乃果 「そうなの！？さすが絵里ちゃん！ありがとう！」
絵里 「私から誘ったんだから、これくらいは当然よ」 >>8
穂乃果 「とりあえずビールと枝豆・・あと絵里ちゃんはたこわさだよね？」
絵里 「もう頼んであるから大丈夫よ」
店員 「お待たせしました。生2つと枝豆とたこわさと焼き鳥の盛り合わせです」
絵里 「あれ？盛り合わせは頼んでないんですけど・・・・もしかして、またですか？」
店員 「はい。店長からのサービスです。お2人が来る時間に合わせて焼いてたみたいですよ」
絵里 「いつもすみません。ありがとうございます」
穂乃果 「ありがとうございます！帰りにお礼言わなきゃね」
絵里 「そうね」
店員 「いつか妹さん達も連れて来てほしいって言ってました。では、ごゆっくり」
穂乃果 「雪穂達と4人で来れたら楽しそうだね！」
絵里 「そうね！じゃあとりあえず、乾杯！」
穂乃果 「かんぱーい」 >>9
絵里 「あ"ーーウマい！」
穂乃果 「美味しいねー！」
穂乃果 「ふふっ」
絵里 「ん？どうしたの？」
穂乃果 「もう見慣れたけど絵里ちゃんの飲み方ってイメージと違ってたなって思って」
絵里 「大学の友達にも最初は言われたわ」
絵里 「でもそんなこと言ったらそういう穂乃果だってそうじゃない。
可愛くジョッキを両手でなんか持っちゃって」
穂乃果 「そうかな？」
絵里 「そうよ。ガサツな性格とはかけ離れた飲み方だもの」
穂乃果 「あー！絵里ちゃん酷いよ！」
絵里 「あはは、ごめんごめん」 >>10
穂乃果 「そういえば、この前の雪穂達のライブ、すごかったね」
絵里 「・・・そうね。なんて言うのかしら。私達の時とは次元が違ってたわね」
絵里 「2人がステージに出てきた瞬間、会場の雰囲気が変わったものね」
絵里 「まるで2人の単独ライブみたいな感じに」
穂乃果 「ツバサさん達ですらあそこまでは騒がれてなかったよね？」
絵里 「スクールアイドルの認知度が今と昔とでは違うけれど、間違いなく今のあの子達の方がA-RIZEや私達よりも人気ね」 >>11
穂乃果 「私達もある程度の人気はあったと思ってたけどμ’sなんて比べ物にならないんじゃないかなって思っちゃったよ」
絵里 「それに、人気だけではないわね」
穂乃果 「うん。2人ともダンスはキレキレでカッコ良かったし、曲も良かった。なにより、歌が上手すぎる」
穂乃果 「正直、高校生のレベルじゃないなって思ったよ」
絵里 「私もあの子達のライブを見ると毎回そう思うわよ」
絵里 「特に今回のライブで初披露した2曲の新曲のうち、1曲はバラードだったじゃない？」
穂乃果 「うん。マイクスタンドを使うのが珍しいし、まさかのバラード曲でびっくりしちゃったよ」
絵里 「あの曲のサビでのハモリの部分を聞いた時、凄すぎて鳥肌が立っちゃったわ」
絵里 「今回作った2曲ともラブライブ本戦で歌った曲よりも自信があるって亜里沙が言ってた理由がよく分かった」
穂乃果 「雪穂も良い詩が書けたって言ってたもんなー」
絵里 「立派になったわよね」
穂乃果 「少し寂しい気もするけど嬉しさの方が私は大きいかな」
絵里 「私は・・どうなんだろう。寂しさの方が大きいかも」
穂乃果 「まぁ絵里ちゃん姉妹は何年も前から2人だけで生活してたから亜里沙ちゃんが独り立ちできるようになってくると寂しくなるだろうね」
穂乃果 「雪穂は元々私よりしっかりしてたからそういう寂しさはないなー」
絵里 「そう思える穂乃果が羨ましい」 >>12
絵里 「それと、昨日、亜里沙から聞いたんだけど、またイベントに呼ばれたらしいわよ」
穂乃果 「そうなの？私、雪穂から何も教えてもらってないな」
絵里 「そのうち教えてくれるわよ」
絵里 「それにね、今回のイベントで2人とも自分の色のドレスを着るらしいわよ」
穂乃果 「そのイベントってファッションショーのこと？」
絵里 「そう」
穂乃果 「っていうことは雪穂が白で亜里沙ちゃんが青のドレスを着るの？」
絵里 「そういうことになるわね」
穂乃果 「そうなんだー！まさか先に雪穂に白のドレスを着られるとは思ってもなかったよ」
絵里 「ふふ、そうね。当日が楽しみだわ」 >>13
絵里 「私は午後の部の準備があるからドレス姿の2人は見られないかもしれないけれど」
穂乃果 「絵里ちゃんは今年も出るんだね。今年で4年連続になるの？」
絵里 「高校生の時はライブだけだったから参加してないようなものよ。実質、3年連続になるかしらね。毎年、三木さんからはこのイベントだけは出てって言われちゃってて断れないのよ」
穂乃果 「三木さんにとっては絵里ちゃんを初めて見て、事務所にスカウトした時のイベントだから思い入れがあるんじゃないかな？」
絵里 「まぁその気持ちは分からなくもないわね」
穂乃果 「でも、本当に絵里ちゃんはすごいよね。プロのモデルさん達に混ざってランウェイを歩いてるんだもん」
絵里 「そんなことないわよ。それに、こうやってショーに呼んでもらえた時に毎回思うのだけれど、やっぱりプロのモデルさん達って凄いわよ」
絵里 「私みたいに学業優先でやってる人とは面構えが違うもの」
絵里 「それこそ私なんかが同じ舞台に立ってていいのかなって思っちゃうくらい」
絵里 「多分、先輩方にも同じようなことを思われてると思うわ」
穂乃果 「・・絵里ちゃん」
絵里 「でもね、私だってステージに立つからにはそういう人たちに負けないように頑張ろうって思ってるわ」
絵里 「そういう姿を亜里沙だけじゃなく雪穂ちゃんにもちゃんと見て欲しい。舞台袖からとは言えないけれど、こんなに近くでそういう姿を見てもらえるのは最初で最後になると思うし」 >>14
穂乃果 「あ、そっか。今年はあの2人は関係者なんだもんね。控え室のモニターとかで見るのかな？」
絵里 「さあ。どうかしらね。どうせなら現場の雰囲気も感じてもらいたいとは思うけど、みんながみんなバタバタしてるから2人みたいな素人さんがいたらちょっと危ないかもね」
穂乃果 「ケガとかしちゃうと大変だもんね」
穂乃果 「それとさ・・・・絵里ちゃん」
絵里 「ん？なに？」
穂乃果 「この前のイベントの日の帰りに一緒に帰った男の人って・・彼氏さん？」
絵里 「え？そうよ？お付き合いしてる人がいるって言ってなかったっけ？」
絵里 「あ！この前の集まりの時に話したんだけど、その時はすでに穂乃果はベロベロだったから覚えてないのね」
穂乃果 「そうだったの？だからみんなそこまで驚いてなかったのか！」
穂乃果 「いいなぁいいなぁ」
穂乃果 「ねぇねぇ。どこでどうやって知り合ったの？」
絵里 「うーんとね」 >>15
イベント当日
亜里沙 「あれ？会場ってこんなに大きかったっけ？」
雪穂 「私も同じこと思った。去年も来たけど今年は大きく見えるね」
亜里沙 「秋葉ドームと同じくらいに見えるんだけど」
雪穂 「え？それはさすがに言い過ぎじゃない？」
亜里沙 「そうかな？あ、雪穂。受付あっちだって」
雪穂 「ホントだ。よくあんな遠いところの案内が見えたね」
亜里沙 「雪穂と違って視力はいいからね」
雪穂 「ちくしょー、羨ましい」
亜里沙 「でもここだけの話、メガネかけてる雪穂の姿って校内だけしか見られないから音ノ木坂以外の生徒からはかなりのプレミア扱いされてるらしいよ」
雪穂 「なにそれ。なんか怖いんだけど」
亜里沙 「なんだっけ、あれ。生写真っていうんだっけ？ああいうので売り出せば相当売れると思うよ」
雪穂 「いやいや。そんな事したくないから」
亜里沙 「まぁそんなことはどうでいいから、とりあえず記念に写真撮ろ！」
雪穂 「はいはい」
雪穂 （・・・自分から話題を振っておいてどうでもいいってなんだよ） >>18
ゆきあり 「おはようございます」
雪穂 「あのー。音ノ木坂学院の」
美人受付「高坂さんと絢瀬さん、ですよね？」
雪穂 「え？あ、はい」
美人受付「やっぱり！音ノ木坂の制服着てないけど、絶対そうだろうなって思ってました。私、2人が中学生の時からのファンだったので今日会えるのをとっても楽しみにしてたんです！うわー。ヤバい。本物だー！そうだ！もしよろしければサインして頂けませんか？」
雪穂 「え、あのー」
亜里沙 「はい！喜んで！」
美人受付 「うわー！本当にありがとうございます！家宝にします！」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
