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曜「微笑みは、あの日と同じあかね色」
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0001名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:03:43.24ID:6RVIALim
ようまり。
0003名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:04:53.34ID:6RVIALim
びゅうお、夕方

曜「あ、まだ来てない。少し早かったかな」

曜「でも他に人もいないし、ちょうどよかったのかも。あの時の椅子も空いてるし、ね」スッ

曜「早いなぁ。もう一年経つのかぁ」

曜「…夕焼け、綺麗だな」



「――お隣、いいかしら?」

曜「!はい、どうぞ」
0004名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:05:43.33ID:6RVIALim
「ありがとう」スッ

曜「いえ…」

「普段は混んでるのに、今は私たちだけみたいね。一人で来てるの?」

曜「うん。でも、人を待ってるんだ」

「そう。ここにはよく来るの?」

曜「たまにね。嬉しいことがあった時とか、逆にちょっと落ち込んだ時とか…」

曜「大事な場所なんだ、私にとって」
0005名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:06:28.99ID:6RVIALim
「私もここが好き。この景色、懐かしいね」

曜「うん。凄くきれいで、あの時のまんまだよ」

曜「夕陽に照らされた海も空も、私たちも」

「そうね…ただいま、曜」

曜「おかえり、鞠莉ちゃん」
0006名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:07:12.71ID:6RVIALim
鞠莉「ふふっ。なかなか『おかえり』って言ってくれないから、どうしようかと思った」

曜「だったら素直に言えばいいのに。『ただいま』って」

鞠莉「それじゃあ面白くないでしょ?せっかくの再会にはドラマが無いとね」

曜「ドラマかぁ。んー、考えてもみなかったよ」

鞠莉「あの日だって、なかなかドラマチックな始まり方だったと思わない?」

曜「ドラマチック?…ああ、あの時の――」
0007名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:07:54.47ID:6RVIALim
曜『はぁ…』トボトボ

曜(これで良かったんだよね…)

鞠莉『――うりょっ!』わしっ

曜『!?』

鞠莉『オーウ!これは果南にも劣らない、いっつざ〜』

曜『〜っ!』

ぐっ

曜『とおりゃあーっ!』バッ

鞠莉『――い?』

ドサッ!
0008名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:08:33.19ID:6RVIALim
鞠莉「元気付けてあげようとしたのに、問答無用で背負い投げだなんて。あんなことされたの、初めてよ?」

曜「まあ、確かに劇的といえば劇的かも…あの時はごめんね?」

鞠莉「せっかくだから、1年ぶりに再現してみない?あ、ジュードーはダメよ」

曜「やだよ。そもそも触るのがダメでしょ」

鞠莉「久しぶりの再会だもの。曜の成長を確かめたくなるのは当然デース」

曜「ふふっ。隙あらばセクハラしようとする所、相変わらずだね」
0009名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:09:17.28ID:6RVIALim
鞠莉「セクハラとは失礼ね。スキンシップって言ってほしいわ」

曜「鞠莉ちゃんのは度がすぎるの」

鞠莉「それだけ想いが強いってことよ。言葉よりも気持ちが伝わるわ」

曜「そこはちゃんと言葉でも伝えてほしいかな。大事なのは本音でぶつかる、でしょ?」

鞠莉「ふふっ、そうね」
0010名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:10:09.08ID:6RVIALim
鞠莉「でも本当、少し会わないうちに大人になった気がする」

曜「えへへ、そう?」

鞠莉「キュートな所は変わらないけどね」

曜「お上手だね。さすがはイタリア帰りって感じ?」ニシシ

鞠莉「忘れたの?マリーは以前からこういう性格デース!」

曜「あははっ!」

鞠莉「うふふっ」クスクス
0011名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:11:25.52ID:6RVIALim
鞠莉「こうやって二人並んで、海を眺めてると。あの頃を思い出すわね」

曜「懐かしいね。去年のことなのに、ずいぶん前のことみたいで」

鞠莉「ラブライブ、卒業、進学に転校…本当に色々あったからね」

曜「だよね。あっという間だなぁ…」

鞠莉「ね。せっかくだし、久しぶりの再会を祝して、ぶっちゃけトーク!してみない?」

曜「!」

鞠莉「あの時を振り返って、今だから言える話とか、今だから言いたいこととか…色々話したいの。付き合ってもらえる?」

曜「うん!」
0012名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:11:57.71ID:6RVIALim
鞠莉「ことの起こりは、梨子に代わって曜が千歌っちと組むことになったからだけど――」

果南『梨子ちゃんの位置に、誰かが代わりに入るか…』

鞠莉『代役って言ってもね〜』チラ

果南『あ…』

曜『うーん…ん…?えっ?ん?』

千歌『うんっ!』

曜『えっ?え、私!?』
0013名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:13:02.94ID:6RVIALim
曜「そうそう。だけど、何回やっても合わせられなくて――」

千歌『あ、あれ〜?』

果南『曜ちゃんなら合うかと思ったんだけどな』

曜「私が悪いの。同じところで遅れちゃって』

鞠莉『…?』

果南『もう少し頑張ってみよう。じゃあ、行こうか』

果南『ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス――』

千歌『あっ、ごめん』

曜「ううん、私が早く出すぎて…ごめんね、千歌ちゃん。アハハ…』

鞠莉『…』
0014名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:14:06.74ID:6RVIALim
鞠莉「急なポジション変更だったから、上手くいかない理由はそれだって、みんな思っていたみたいだけど」

鞠莉「本当の原因は別のところにあった。曜の心の奥深くに、ね」

曜「うん…私が言うのも変だけど、鞠莉ちゃん、よく気づいたね」

鞠莉「私が代役に推薦したようなものだし、前から曜のこと、よく見てたから」

曜「そうなの?」

鞠莉「頼りになる子だなってね。でも、あの時の曜は何かがおかしかった。それがわからなくて、ずっと気になっていたの」

曜「鞠莉ちゃん…」
0015名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:14:49.76ID:6RVIALim
鞠莉「その時点では、正体不明の漠然とした違和感だったんだけど、その後に生徒会室で――」

鞠莉『あら!最初はちかっちと曜の二人だったのね』

果南『意外?』

鞠莉『てっきりスタートは、千歌っちと梨子だとばかり思ってました』

ダイヤ『まあ、確かにそう見えなくもないですわね。今の状況からすると』

鞠莉『そうですねえ』

鞠莉「――曜と千歌っちの二人の名前が書かれた、スクールアイドル部の申請書を見つけてね」

鞠莉「全てが繋がったの。不調の原因はこれだ、って」
0016名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:16:37.66ID:6RVIALim
曜「それで、わざわざ会いに来てくれたの?」

鞠莉「すれ違いや、誰にも相談出来ない辛さは、私が一番わかってるつもりだったからね」

鞠莉「急いで学校を出て、曜を探して…というわけ」

曜「うう、そんなに心配かけちゃってたんだ…」

鞠莉「ま、家に着く前にキャッチ出来てよかったわ。お尻は痛くなっちゃったけどね?」

曜「ふふっ、ごめんって」
0017名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:17:19.95ID:6RVIALim
鞠莉「で、二人きりで話せそうなところ…つまり、ここに誘って――」

鞠莉『千歌っちを梨子にとられて、ちょっぴり、嫉妬ファイヤ〜!が、燃え上がってたんじゃないの?』

曜『うっ、嫉妬!?ま、まさか、そんな事は…』

ぐいっ

曜『ふぇぇぇぇ〜!?』ギュー

鞠莉『ぶっちゃけトーク!する場ですよ、ここは』

曜『鞠莉ちゃん…』
0018名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:18:13.85ID:6RVIALim
曜「あの時はびっくりしちゃったよ。いきなり確信に切り込まれたから」

鞠莉「…本当は、イヤだった?」

曜「ううん、確かにドキってしたけど…でも、同時にホッとしたんだ」

曜「話さなきゃいけない時がきた。でも、聞いてくれる人がいるんだって」

鞠莉「ん、そっか」ホッ

曜「ふふっ」ニコニコ

鞠莉「ん?」
0019名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:22:19.47ID:6RVIALim
曜「ううん。それで、その後は話を聞いてもらって――」

曜『私、全然そんなことないんだけど、なんか要領いいって思われてることが多くて』

曜『だから、そういう子と一緒にって、やりにくいのかなあって…』ウルウル

鞠莉『ていっ!』ビシッ

曜『いたっ、わっ』むぎゅ

鞠莉『なに一人で勝手に決めつけてるんですか?』

曜『だってぇ…』

鞠莉『うりゃ、うりゃ、うりゃうりゃうりゃ!』むぎゅむぎゅ

曜『ふあぁ〜!』
0020名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:23:15.02ID:6RVIALim
鞠莉『曜は千歌っちのことが、大好きなのでしょう?なら、本音でぶつかった方がいいよ』

曜『ん…?』

鞠莉『大好きな友達に本音を言わずに、2年間も無駄にしてしまった私が言うんだから』

鞠莉『間違いありませんっ』ニコ

曜『!』

鞠莉「――ふふっ。思い返すと、私がしたことは、ただのおせっかいだったって気がしてきちゃうわね」
0021名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:24:48.55ID:6RVIALim
曜「そんなことないよ」

鞠莉「ん?」

曜「今まで言えなかったけど…あの時、鞠莉ちゃんが話を聞いてくれたから、背中を押してくれたから、心からもっと好きになれたんだ」

曜「千歌ちゃんのことも、梨子ちゃんのことも。スクールアイドルのことも、自分のことも」

鞠莉「曜…」

曜「鞠莉ちゃん。悩んでた私を見つけてくれて、優しくアドバイスしてくれて、本当にありがとう!」

曜「鞠莉ちゃんと会えて、いつもそばに居てくれたことが。本当に、本当に嬉しい!」

鞠莉「!」

曜「へへ、やっと言えたよー!よかったぁ!」
0022名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:25:25.86ID:6RVIALim
鞠莉「…ふふっ。発言を訂正しなきゃね」

曜「え?」

鞠莉「さっき、大人になった気がするって言ったことよ。気がするどころか、曜は立派に成長したわ」

鞠莉「このマリーがドキッとさせられちゃうくらい、ね」ニコ

曜「…!」

鞠莉「日本に帰ってきて…ううん、曜と出会えて、本当によかった。これからもよろしくね?」

曜「鞠莉ちゃん…うんっ!」
0023名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:26:43.27ID:6RVIALim
鞠莉「さてさて。思い出話がブルーミングだけど、暗くなる前にそろそろ帰ろっか」スッ

曜「あ、待って」

鞠莉「ん?」

曜「もう一つ、どうしても伝えたいことがあって」

鞠莉「あら、延長戦?」

曜「うん。いいかな?」

鞠莉「答えはオフコース!そのためのぶっちゃけトーク!ですもの」
0024名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:28:02.82ID:6RVIALim
曜「ありがとう!ああ、なんかドキドキしてきたよー」

鞠莉「いまさら緊張しなくても」クス

曜「だって、大事なことなんだもん」

鞠莉「大事なこと?」

曜「うん。待ってたんだ、この瞬間が来るのを」

曜「ずっと、ずっとね」
0025名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:28:44.15ID:6RVIALim
曜「あのね。私、鞠莉ちゃんのことがずっと――」



終わり
0026名無しで叶える物語(らっかせい)
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2018/09/09(日) 06:33:02.71ID:6RVIALim
全弾撃ち尽くしました。ぶっちゃけトーク再放送記念でした。

↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。

曜「夏の誘い」
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1535576780/

ありがとうございました。
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