その日の夕方6時55分、約束の時刻を迎える5分前にピンポーンとチャイムが鳴った
 
「お邪魔します」
 
梨子ちゃんは見慣れた白と水色の寝間着姿で我が家を訪ねてきた
 
「来ると思ってなかったよ」
 
「……約束したからね」
 
そういうことか

交わした約束を重んじるところは変わっていないという訳か
 
「上がって」
 
「宴会やってるのに呼んだの?」
 
「そうだけど」
 
「ウチじゃ駄目?」
 
「だからこそ、だよ」
 
一式経験した身であらば、今さら恥ずかしがることなぞ何一つないだろうに