「よっちゃんにフラれちゃった。『重過ぎる』『自分一人の時間が取れない』って」
 
「ふぅーん、あっそ」
 
無関心を装うも、心拍数が高まっていくのを自覚できた

梨子ちゃんがフラれた理由はなんとなく想像できる

善子ちゃんは自分だけの心象世界を大切にする人だからだ

恐らく四六時中ひっきりなしに電話を掛けたり、メールの返信を催促したりして鬱陶しがられたのだろう
 
「ねぇ、何か冷たくない?」
 
「当たり前でしょ。限りなくどうでもいいことだもん」
 
そうだ、わたし達にはもはや同じ学校の生徒である以上の繋がりなんてないのだから