「嘘つきっ! 梨子ちゃんの言うことなんて、何一つ信用できないからっ!」
 
頻繁に約束を破る子どもを叱りつける母親のように、ドスを効かせた低音で怒鳴り付けた
 
「だったら──」
 
「だったら?」
 
「いいよ、シよっ♡」
 
梨子ちゃんが右手を伸ばし、わたしの右手首をガシッと掴む
 
「するって……何を?」
 
敢えて無知のフリをしてみせた