わたしと梨子ちゃんの関係が壊れたのは、閉校祭の2日目のことだった

「閉校祭を一緒に回りたい」の誘いを断られたことはショックではあったが、まだそれは彼女が善子ちゃんと先約を交わしていたから仕方ないと諦めはついた

「あくまで友情の範疇である」と

わたしは前々から抱くようになっていた自分の気持ちに素直になろうと決意し、晩のキャンプファイヤーが始まる前に梨子ちゃんを校舎裏に呼び出した
 
『梨子ちゃんのことが好きです。わたしと付き合って下さい』
 
『ごめんなさい。私、善子ちゃんと付き合うことにしたから』
 
わたしのストレートな一世一代の告白は、見事に玉砕した

わたしはその場で力を失い崩れ落ちた
梨子ちゃんはワンワンと子どものように大声をあげて泣き出したわたしに一声も掛けることなく、その場を後にした
 
あれ以降梨子ちゃんの顔を見るのも声を聞くのも嫌になってしまい、クラスやスクールアイドル絡みの事務的なやり取りすら出来なくなった

その拒否反応ときたら、見かねた曜ちゃんが連絡係を買ってくれたほどだ