0001名無しで叶える物語(玉音放送)
2018/08/26(日) 06:31:24.58ID:4GJsXIEj親友の曜ちゃんと下校しようと教科書を鞄に入れていると、やや低めながらも透き通るような懐かしい声が耳に入ってくる
「千歌ちゃんはいる?」
「いるけど」
「……あっ」
声がした方を振り向くと、肩ほどまで伸びた紅いセミロングの娘と目が合ってしまった
一瞬だと誰だかわからなかったが、わたしはやや吊り上がった琥珀色の瞳を憶えている
「はぁ、はぁ」
動悸が高まる
呼吸が荒くなる
まるで天敵を視界に捉え、いつでも逃げられる体勢に入った草食獣のように