【SS】自己愛性的な行為
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今日は花陽の夢を見た。
別に私は花陽の事なんて考えながら寝たわけでもないのに、何故かあの子の夢を見たのよ。
これって不思議じゃない?
だって私、花陽の事なんて何とも思ってないのに、
あの子を無理矢理犯す夢なんて見ちゃって、こんなのおかしいわよね。
これはたぶん、花陽が「真姫ちゃんの夢に出てきますように」っておまじないとか念みたいなのを送り続けてきたに違いないわ。
少しでも自分の事を思ってくれるようにって。
きっと花陽は私の事が好きなのよ。
そう思うのには当然理由があるの。
例えば私がこの学校に入学して初めて友達になったのは花陽だし。
クラスでも部活でもやたらと気にかけてくれる。
何気なく私があの子にくっついたりしても、嫌な顔なんて1度もした事ないし、腕を腰に絡ませればそっとその腕に指先を触れさせてくれる。
きっと一目惚れってやつで、花陽は私に出会ってから今日まで、ずっと恋してたんだわ。この私に。
でも、女の子同士なんて正直考えた事もなかったし興味もなかった。
だから花陽の気持ちは嬉しいけど答えられそうにないわね。
……でも、花陽がどうしてもっていうなら一晩だけの思い出作りとか、
もっといえば親や友達に内緒で付き合うっていうのもやぶさかではないんだけど。
まぁ、あの子次第ね。
だから、チャンスを上げようかなって思ったのよ。
ほら、私って優しいから。 ◇◇◇◇◇
最近、真姫ちゃんの花陽を見る目がちょっと変です。
やけにボディタッチも多いし距離感も妙に近い気がして……
別にね、嫌とか気持ち悪いとか、
そんな風に感じたり思ったりする事はないんだけど、
ただ、何て言えばいいんだろ……
ちょっとだけ怖いです。
あと「花陽って○○○よね」みたいな……決め付けっていうのかな?
真姫ちゃんの想像で花陽を判断されることが多くなって、それに関してはちょっとだけ嫌かなぁ……なんて。
こういう気持ちってちゃんと伝えた方がいいんでしょうか?
これからも真姫ちゃんとは仲良くしていきたいし、でもこんな事言ったら嫌われちゃったりしないかな。
最近はそんな事ばっかり考えて少し寝不足気味です。
やっぱり1度話し合ってみようかな……
そんな風に思ってると携帯に着信が入る。
相手は真姫ちゃんからで「今度の休日、山にある私の別荘に遊びに来ない?」というお誘いでした。
その日は予定もなかったし、さっき考えていた話し合いを出来る機会がやってきたと思って、二つ返事でオッケーしたの。
真姫ちゃんは「やっぱりね」みたいな含みのある笑いかたをして電話を切ったけどなんだったんだろ?
やっぱり最近の真姫ちゃんは少し変です。 ◆◆◆◆◆
ふふ、やっぱりね。
やっぱり花陽は私の事が好きなのよ。
急な誘いなのに二つ返事でオッケーしちゃって。
どんだけ好きなのかしら?私の事。
まぁ、私もあの子の事は優しいし可愛いから、好きか嫌いかで言えば好きな方だけど。
こんなに一方的に思われてると少し照れるわね。
……さてと、じゃあチャンスもあげた事だし今度の休日あの子がどうするか[[rb:見物 > みもの]]だわ。
今日はもう遅いし、ベットの枕元に置いた花陽の写真をいつものように見ながら眠りにつきましょ。
おやすみ花陽。 ◇◇◇◇◇
約束の日、当日。
花陽は真姫ちゃんに連れられて山奥の綺麗なコテージに着きました。
「ここよ」
「うわぁ、綺麗だねぇ」
「でしょ?」と言って笑う真姫ちゃん。
手にはビデオカメラを持っていて、それはずっと花陽だけを撮しています。
それはここに来るまでずっと回り続けていて、なんで花陽を撮ってるの?って聞いたら「思い出を残すためよ」と答えられ、
私はそっかとしか言えませんでした。
でも落ち着かないなぁ、迎えに来てもらってからずっと撮られてるから。
やめてって言ったらやめてくれるのかな?
それともう一つ驚いた事があって、花陽は当然皆も誘っているものだと思ってたんだけど、
どうやら真姫ちゃん、花陽の事しか誘ってなかったみたい。
まさか、二人っきりだなんて思ってなかったから変に緊張しちゃう。
どうりで昨日、凛ちゃんと話が噛み合わなかったわけだよ。
今からでも誰か誘ったら来てくれないかな?
そう思って携帯を見てみたけど右上には圏外の表示。
どうやらここにいる間は誰とも連絡が取れないみたい。 こういうのって怖い映画とかだと仮面とか覆面をした人に追いかけられるシチュエーションだよね……
そんなことないと思うけどちょっとだけ不安です。
女の子二人だけだしね。
でも、これってこの前考えてた話し合いが出来る絶好チャンスだよね。
今日はずっと真姫ちゃんと二人っきりだし話す機会はたくさんある。
皆がいたらそんな機会全くなかったかもしれないし、
お互いの気持ちを確認し合うには絶好の良い機会かもしれません。
花陽に切り出す勇気があればの話ですが……
「ほら花陽、ぼーっとしてないで入りなさいよ」
「へっ?……あっ!うん!」
そんな風に考え事してたらぼーっとしてたみたい。
促されて真姫ちゃんの別荘に急いで入っていく。
中は外観と同じく綺麗で部屋もたくさんあって広い、ほんのり木の良い匂いがしてそれがとっても落ち着きます。
夏だけど涼しくて、湿度も高くなくとても快適でした。
「気に入った?」
真姫ちゃんが顔を近付けながら聞いてくる。
それに少しドキッとして後ろに1歩引きながら、うんって答えたの。 「そう、よかった」
そう答える真姫ちゃんの手には相変わらずビデオカメラが回っています。
皆で楽しく盛り上がってるような所を撮るならわかるけど、今は二人だけだし、
たいして盛り上がってもいないのに、花陽なんかをずっと撮ってどうしたいんだろ?
花陽も撮られてるんだからもっと喋ったりとかした方がいいのかな?
でも今はそんなことより……
目的地に着いたのはいいけどこれからどうするんだろう?
真姫ちゃん何か考えてるのかな。
「遊びにこない?」って誘われたけど何をするかまでは聞いていません。
山でする事とか遊びって何があったっけ?
秘密基地作りとか虫取りとか?
どっちも真姫ちゃんはしなそうなイメージがあるけど……
あとはバーベキューとかかな、二人だけだけど。
「ねぇ?」
そんなことを考えていると真姫ちゃんが声をかけてくる。
花陽の腕に触れながら。
「すぐそこに湖があるんだけど泳がない?」
袖を引っ張るようにしてそんなお誘いをしてきた。
「えっ?泳ぐの?」
「えぇ」
「花陽、水着は持ってきてないんだけど……」
「大丈夫よ、あるから」
「えっ……?」
「水着あるわよ花陽にぴったりのが」
花陽にぴったりの?
なんであるんだろう、そんな疑問が浮かぶ前に真姫ちゃんに引っ張られて、花陽はどこかに連れていかれてしまいました。 「ほら、ここよ」
連れられた場所は個室にカーテンがついた、服屋さんとかによくある更衣室。
それだけが5個くらいあるお部屋に案内されたの。
新しめのショッピングモールとかだとよくあるよね。
店の奥の方に更衣室だけがあるスペース。
あんな感じの場所に案内されたんだ。
「はい、これ」
そう言って真姫ちゃんが渡してきた水着を受け取る。
色は花陽の好きな緑と黄色の縞々で、よく見てないけどデザインはそんなに派手じゃなさそう?
「うん、ありがとう」
お礼を言って真ん中の更衣室に入っていく。
着てた服を脱いで、下着だけになった姿で受け取った水着を体の前で広げ鏡で見てみると。
「あわわっ」
それは布の面積が小さいって訳じゃないんだけど……
どちらかと言えば大きい方なんだけど、その代わり胸元が大きく開いたデザインになっててこれを着るのかと思うと途端に恥ずかしくなっちゃった。
でも、せっかく用意してくれたし泳ぐなら着ないといけないよね。
別に他に誰かいる訳でもなさそうだし、そんなに恥ずかしがらなくてもいいんだろうけど……
でもやっぱり、恥ずかしい。
「うぅ……」
だけど、いつまでも恥ずかしがってちゃダメだから観念したように、下着を脱いで水着に着替える。
その水着は紐で固定するタイプの物だったから一度反対向きにつけて背中の紐を前で結んだ後、ぐるっと回しながら胸につけて首の紐を結んだ。
上下水着に着替えた後、鏡で自分の姿を見てみるとやっぱり胸元が派手に開いてて、そんな大胆な自分の姿に顔が火照ってくる。
上着か何か羽織る物があれば気持ち的に少し楽なんだけど、貸してくれないかな……
そんな事を思ってたら、
鏡越しに真姫ちゃんと目があった。 「……っ」
いつから覗いてたんだろ……
そもそも覗きなのかな?
花陽が遅いから様子を見に来ただけなんじゃ。
目があっても真姫ちゃんは何も言ってこない、それどころかニコッて挨拶するみたいに笑ったの。
気付かないふりは目があっちゃった以上出来ないし、このまま無言でいても気まずいだけだから花陽は……
「……も、もぉ〜何してるの?真姫ちゃん?」
子供にイタズラされた時みたいな反応をする。
出来るだけ明るく笑顔で、
すると真姫ちゃんは「一人じゃ着づらいんじゃないかと思って」と言いながら更衣室の中に入ってきた。
なんで入ってくるの?
少しだけ花陽は身構えます。
「似合ってるわね」
花陽の肩を掴みながら鏡越しに下から上に舐め回すように見てくる。
「う、うん……そうかな……」
「えぇ……とっても……」
「かわいいわ」そう耳元で囁かれた。 ◆◆◆◆◆
湖に花陽を連れてくる。
そこはあの別荘から歩いて10分もかからない距離にある場所で、
花陽は今、私が貸してあげたぴったりサイズのあう胸元が大きく開いたホルタービキニを着ている。
とてもよく似合っているわ。
でも、この子恥ずかしがり屋だから気を利かせて上に羽織る用にブラウスも貸してあげたの。
ほら、私って優しいからね。
花陽もそういうところに惹かれたんだと思う。
ビキニは緑と黄色が交互に入った斜めのストライプ。
ブラウスは白で、こっちはサイズがあっていないからボタンは全部開いたままになってるけど、まぁ私しか見てないし平気でしょ。
さっきから花陽が妙に私を意識というか警戒してるようにも見えるけど、それはやっぱり私の事が好きだからかしら。
湖につくと早速、水の中に花陽の手を引いて入っていく。
「つめたいっっ」
そんな言葉を可愛い擬音みたいに呟いて花陽は思わず私にしがみついてきた。
それは近くにいたから私にしがみついてきたんじゃなくて、私だからしがみついてきたんだなっていう、
確固たる確信を持ちながら花陽の腰に手を回してあげる。
すると花陽はなんだか苦笑いというか、バツの悪そうな顔を一瞬したけど、この子どんだけ私の事を意識してるのよ。ねぇ? 湖は当然淡水だから海水と違って体が浮かない。
だから持ってきた浮き輪を浮かべて花陽と湖の外周を回るように泳いでいく。
たいして大きな湖でもないから、ゆっくりでも30分も泳げば一周出来る距離だと思うわ。
湖を遊泳中、水面下を泳ぐ淡水魚を見て、そういえば海水魚も淡水浴させてあげると寄生虫が取れていいっていう豆知識を花陽に教えてあげた。
すると「そうなんだ」って笑って答えて博識な私に憧れの眼差しを浴びせてくるの。
また株が上がっちゃったかしら?
そんな風に思いながら、しばらく泳いでると、海では味わえない色んな野鳥達の鳴き声がメロディーのように耳に響き渡ってくる。
普段、遠くにいる花陽を観察するのに使ってる単眼鏡を、この子に渡してあげて鳥達を観察させてあげた。
鳥達を見て「うわぁ〜きれい……」とか「かわいい」とか言ってる花陽をじっと見つめながら、今見てる鳥の特徴を聞いて、その鳥は○○あの鳥は○○と名前を教えてあげる。
一周し終わる頃には、この森に生息するほとんどの鳥は解説したんじゃないかしら。
湖水浴を終えると、陸には私が先に上がって花陽の手を引いてあげたの。
この子は笑顔で「ありがとう」って言ってくれた。
その顔には私に対する尊敬も入っててて、こんな事をされて感激という気持ちも入ってるに違いないわ。
私の事がますます好きになってしまったに違いない彼女を見て、自分は本当に罪な女だと思う。
「お腹も空いてきたし、そろそろ戻りましょうか?」
そう言うと花陽はまた笑顔で「うん」と答えて私の後をちょこちょこついてくる。
なんだか手を繋ぎたそうにしてたから私は花陽の手を握ってあげた。
少し驚いた顔をしてたけど拒まなかったから、私の考えは正しかったみたい。
その手を引いて別荘へと私達は戻っていったの。 ◇◇◇◇◇
湖から帰ってきて花陽達は今、ご飯の準備をしています。
どうやら本当にバーベキューをするみたいで、コテージの玄関前にあるスペースに鉄板と焚き火を用意し、今は野菜から順番に焼き始めている所です。
花陽は野菜をひっくり返したり火の様子を見たりしてるんだけど、
真姫ちゃんはそんな花陽を観察するようにカメラを回しながらじっと見つめていて……
……気付かないようにしてあげたけど、湖でもじっと花陽の事を見てたよね。
一体何なんだろう?
人の事をじっと見る理由って何があるかな。
何か伝えたいことがあるとか?
今、花陽に変な所があったり?
もしかして敵意の表れだったりして……?
それとも単純に観察してるだけかも?
どれも心当たりがないのでイマイチぴんと来ません。
なんで花陽なんかずっと見つめてるんだろう。
1つだけ考えられる事があるけど……まさかね。
でも、もしかするともしかするかも……?
真姫ちゃんは……花陽の事を……
「そろそろお肉焼きましょうか?」
そんな自意識過剰な事を考えそうになっていると、いきなり真姫ちゃんに声をかけられたので、不自然に体がビクッと震えちゃう。 「どうしたのよ?」
「あっ……えぇっと、ちょっとびっくりしちゃって」
「?……ふふ、ぼーっとしてるからよ」
そう言って真姫ちゃんに頬を軽く撫でられた。
「っ……あはは……ごめん」
なんで撫でられたんだろ……?
ここに来てから真姫ちゃんに対して身の危険ばかり感じている。
でも、こんなの自意識過剰だよね。
友達なんだから、そんな変なこと考えないようにしなきゃ。
そこからお肉も焼き始めて、良い感じになってきた頃に真姫ちゃんが「もう食べましょ」って言ってきたの。
手にはお茶碗を持ってて、どうやら花陽のためにご飯も用意してくれてたみたい、
それはとっても嬉しかった。
「おいしい?花陽」
「うん!とっても」
外の大自然を見ながら食べるご飯は一味も二味も違いました。
野菜もお肉も上手に焼けてたから、とっても甘くておいしかったです。
「そう、よかった」
真姫ちゃんは髪の毛をクルクルしながら花陽の反応に満足したみたいに頷きます。
肩がぶつかるくらい近くに座っているので、そこに若干の息苦しさを感じてはいるのですが、気にしないように箸を進めました。 「あっ……」
すると箸からご飯粒の塊がポトッと花陽の胸元に落ちて、その部分がほんのり温かくなります。
それを取ろうとしましたが、
そこに真姫ちゃんは顔を近付けて、いきなり舌で舐めとってきました……
「っ!!」
真姫ちゃんの顔は花陽の胸に埋めたまま戻らない。
匂いを嗅ぐみたいな吐息がかかってくすぐったかった。
「ま、真姫ちゃん?なにして……」
真姫ちゃんは花陽の質問なんて無視して、胸元から下の方に顔を移動させていく、
そこは胸の先端部分で次の瞬間水着越しに吸い付かれて……
「いやっ!!」
思わず押し退けて真姫ちゃんから離れちゃった。
今なにされたの?
傷つけちゃったかな?
でも真姫ちゃんがあんなことするから。
色んな考えが花陽の頭をグルグル過るけど、
今までの真姫ちゃんに対する不信感が、考えないようにしてた可能性がどんどん浮き彫りになってきて、
とにかく今は真姫ちゃんから離れたくなり、コテージの中に入るため玄関の方へと駆け出して行きました。
森の方にも一瞬逃げようかと思ったけど、迷ったりお互いに転んで怪我でもしたら大変だからお家の中に入ったの。
玄関を抜けて通路を走りリビングに入る。
大きなテーブルの向かい側に立って、真姫ちゃんが来てもテーブル越しに会話が出来るような距離を保ちます。 でも、すぐには真姫ちゃんは追ってこなくて、
花陽は手に持ったままのお茶碗をとりあえずかきこみ、ご飯を全部平らげてからそれをテーブルの上に置きました。
ゆっくりご飯をよく噛んで飲み込む。
丁度そのタイミングで真姫ちゃんの影がリビングに入り込んできて。
「花陽」
「……な、なに……真姫ちゃん」
「花陽って私の事、好きよね」
「えっ……?」
いきなり何を言い出すの?
「ね?」
真姫ちゃんは笑ってるけど、花陽にはとても不気味な笑みに見えて思わず後退る。
真姫ちゃんはテーブルをぐるりと回って花陽に近付いてきてて、私も同じように回って距離をとりました。
「花陽の事は全部わかってるんだから」
「なに言ってるの……?真姫ちゃん」
半周回って背後に部屋の入り口がきた時、花陽は一気に駆け出して真姫ちゃんから逃げ出す。
後ろからは「私に追いかけて欲しいのね」なんて謎の言葉が聞こえたけど無視して走り続けました。
「えっ!」
でも、ある程度進むとさっき通ってきた玄関へと続く通路は、防火扉みたいな物に閉ざされて先に行けなくなってたの。
どうして?どうしよう?とあたふたしてると、
背後からは走り寄ってくる真姫ちゃんが見えた。 「あっ……いやっ」
咄嗟に近くの部屋に逃げ込んで内側から鍵をかける。
かけてすぐにドアノブがガチャガチャと動き出して、あとコンマ何秒と遅かったらこの部屋に入られてたんだなって思うとゾッとしました。
部屋のすみっこに踞りガチャガチャ回るドアノブと、何度も執拗に叩かれるドアをガタガタ震えながら見て、どのくらい経ったのかな。
たぶん10秒くらいだと思うけど、その時の花陽には何時間にも感じられて、
ああいうのを生きた心地がしないっていうんだなって、たぶん一生知らなくても良いことを知りました。
ドアから気配は消えて真姫ちゃんはどこかに行っちゃったみたい。
でも、まだ緊張は解けなくて……
手足は固まっちゃってて体は震えるだけ、唯一自由に動かせる目だけでとりあえず部屋を見渡す。
寝室なのかな、ベットと棚と小さなテーブルがあるだけの簡単なお部屋。
棚には山菜の本や川魚の本なんかが数冊あって。
テーブルの上には花瓶があるけどお花は飾られてない。
年に数回しか来ない別荘らしいから当たり前かと思いつつ、
そんな事を考えてると大分余裕が出来てきて少しずつ体が動かせるようになってきた。
とりあえず身を少しでも守りたくて、羽織ってたブラウスのボタンを悴んだような指で閉めていく。
胸回りがキツかったけど肌が一部隠れると、気持ち的にも大分楽になりました。
真姫ちゃんがどこかに行っちゃったのかが気になるけど、
ここに入る前にあの扉のドアノブには鍵穴はなかったから、
この部屋の鍵は内側からしか開かない。
だから、たぶん鍵を取りに行った訳じゃなさそう。
だとしたらどうしたんだろう。
単純に諦めてくれたのかな。
そんな風に色々考えながら部屋を見渡していると、窓に目が行く。
その窓の外からは真姫ちゃんがこっちを見て…… ……いたりなんかはしなくて、そんな怖い光景は勝手に花陽が想像しちゃっただけでした。
実際には木の影が揺れているだけです。
でも、そんな光景を現実に見る可能性もあったから近くにあった棚を押して窓を隠したの。
だってカーテンがなかったから。
「よい……しょっと……」
完全に窓が隠れてこれで大丈夫だって思ったとき、またドアの向こうに気配がやってくる。
その後、凄い音がしてドアに斧らしき物が突き刺さり、その刃先が室内に入り込んできていた。
「きゃっ!!!」
それは何度も何度も繰り返されて、
すぐに扉はボロボロになっていく。
破れかけたドアから次第に真姫ちゃんの姿が見えてきて、
大きな穴が空くと、そこから顔を出してこちらを覗いてきた。
目が合うとニッコリ笑ってから、足でドアを突き破り大きな足音をたてながら入って来ました。
「やっ!やだ……」
「花陽」
「こないで……!」
どうにかしないと……そう思ったけど、
でも真姫ちゃんの手には凶器が握られてるから下手に動けなくて、
唯一の逃げ道になったかもしれない窓もさっき塞いじゃったからどうしうもなくて、
あっという間に床に押し倒されて、されるがままになっていく。
近くにあったテーブルに持っていたビデオカメラを置いて本を何冊か台にし、床に倒された花陽が写る角度に調整してるみたいだけど、滑って垂直になったり転がり落ちてきたりしてイライラした様子の真姫ちゃん。
この間に突き飛ばして逃げちゃおうかとも思ったけど傍らにある斧の刃先がこちらを向いていたから、それが怖くて動き出せなかった。
やがてビデオカメラの角度を満足行く位置に維持できてご満悦になった真姫ちゃんは、
その笑顔のまま、こっちを見て花陽が着てるブラウスを破いて5個のボタンを部屋中に弾けさせたの。 ◆◆◆◆◆
「いやぁっ!!」
そんな甘美な悲鳴が部屋に響く。
甘美だと感じたのは、それが悲鳴じゃなくて歓喜の声だったからかもしれない。
私は花陽をもっと喜ばせてあげようと、乱暴にブラウスの下のビキニも左右に引き裂いてあげた。
すると花陽の歓声とともに綺麗な乳房が露になる。
それは真っ白で先端は綺麗な桃色。
まるで高級な洋菓子みたいな美しさで思わず吸い付きたくなる程だった。
花陽は首を振りながら「いやぁ……いやっ!」って言ってるけど、
私がこの子の胸を口に含んで舌で転がすみたいにいじってあげると、小刻みに震えていやらしい声を漏らしだす。
ほら、やっぱり嫌なんかじゃなかったのね。
だから、舐め回すみたいに花陽の胸に吸い付いてもっと喜ばせてあげる。
もっちりとした肌の乳房、すべすべで舌ざわりのいい乳輪、思わず噛みたくなるような乳頭。
背中に手を回して広背筋、胸背神経を刺激する。
じたばた私から逃れようとしてるけど、
今触れてる背中の筋肉も、
口に含んだとても柔らかな脂肪下の筋肉も、私を本気で押し退けようと活動してはいなかった。
花陽は乱暴にされるのが好きだから、わざと抵抗したり逃げようとしたりしてるみたい。
まるでこちらの嗜虐心をくすぐるみたいに……
だったら望み通りしてあげましょうか。
そう思って今私が口にしてる、一番敏感な所を噛んであげた。 「─────っ!!」
その瞬間、私を思いっきり抱き締めて痙攣するみたいに震えだす。
もっとして欲しいのかと思って今度は甘噛みで2、3度噛んであげると、ぎゅっと私を抱き締めながら絶頂したみたいに息を荒げた。
「や……やだ……」
おねだりするみたいにまたそんな事言う。
仕方ないわねと思いながら口で先端をコリコリと刺激しながら、この子の秘部に指を滑らす。
「っ!!やだぁっ!!」
すると花陽は私を押し退けてフラフラになりながらこの部屋から出ていった。
その頼りない足取りはわざとやってるんだなと思って、
花陽は追いかけられるのが好きなのねと確信する。
私も逃げるあの子を捕まえて乱暴にするのが少し楽しく感じてきたし、ちょっと楽しませてあげましょうかと思ったの。 ◇◇◇◇◇
覚束無い足取りで別の部屋へと逃げ込む。
そこは服屋さんによくある更衣室が5つ並んで設置されてるお部屋。
私があの水着を着替えるのに使ったあのお部屋だった。
それぞれカーテンがつけられていて全部閉まった状態になっている。
上半身が裸だから入り口付近にかけられていたTシャツを1枚取って。
その後、とりあえず身を隠したくて一番左端の更衣室に入りその隅でまた踞る。
なんでこんな事になっちゃったんだろうと思いながら、さっき手に入れたTシャツを着てみた。
サイズが小さくて胸回りが特にキツい、
胸の先端に服が擦れる度、真姫ちゃんに噛まれた痛みが甦ってきて吐息が漏れる。
しばらくするとコツンコツンって足音がゆっくり聞こえてきて、ここには私と真姫ちゃんしかいないからその足音の主は一人しかいないんだけど、
違う人だったらいいのにとか、違う人じゃないかなと思ってみたけど、そんな事は絶対ないから……
でも、もしかしたら管理人さんとかが実はいて、あんなに騒いだから来てくれたりとか……
斧でドアをめちゃくちゃにしちゃったし真姫ちゃんと一緒に花陽も怒られるのかな?
頭が混乱してて自分でもさっきから何を考えてるのかわからない。 その間に足音はこの部屋に入ってきて更衣室のカーテンを一部屋ずつ開けていきます。
シャッ……て音が一番右端から聞こえてきて、TVCM2本分くらいの時間が経ったあと、
その隣の部屋も同じようにカーテンを開けて同じ時間静かになった。
それを真姫ちゃんは繰り返していく。
中央のカーテンが開かれる音がした。
たぶん真姫ちゃんは花陽が一番左端にいるのを知ってるんだ……
わざと花陽を怖がらせる様なことして楽しんでるだ、真姫ちゃんは……
隣の更衣室が開けられる。
逃げるなら今が最後のチャンスだけど怖くて動き出せない。
やがて時間が経ち、今度はこの更衣室の番。
でも、なかなか花陽がいる更衣室は開けられない。
真姫ちゃんが待ち構えているのかな。
でも気配はしないし、下から影も見えなかった。
ここまできて最後の場所は確認せずに帰るなんてあるのかな。
でも、こんなすぐ見つかるような所に隠れるわけないかって思ったのかも……
時間が経ったから少しだけ緊張が緩んじゃう。
もしかしたらやり過ごせたかも?
何気なく頭を壁にもたれさせて、少しリラックスするように上を見上げてみる。
すると、隣の更衣室からこちらを覗く真姫ちゃんが視界に入った。
「……あっ………あぁ」
気付いたら床を這いながら逃げようとしてたけどあっという間に真姫ちゃんに捕まって更衣室の中に引きずられていく。 ◆◆◆◆◆
隠れてた花陽を捕まえて、更衣室へと連れ込む。
今、この子は白いTシャツを着てるけど胸のサイズがあってないからパツンパツンになってて、
さっき直で見たのに、直に触ったの筈なのに何故だかあれ以上に性的な興奮をもたらした。
シャツ越しに胸を揉むと花陽はもがいて逃げ出そうとする。
でも、演技なのは知ってるから気にせず弄んであげた。
ピチピチのシャツからは花陽の突起が浮かび上がってて、それを指で執拗にいじる。
更衣室には鏡があるから、その姿を花陽にも見せようとそっちの方に体を捻らせていった。
「や、やだっ……」
やだはもっとしての裏返しよね。
そんなのわかってるから求められた通り花陽の胸を多少乱暴に揉む。
するとこの子は膝から崩れ落ちて涙をポロポロ溢しながら震える。
泣くほど気持ち良かったのかしら?
泣くほど嬉しかったのかしら?
そんな花陽を見てると、なんだか私も満たされたような気持ちになってくる。
もっとしてあげたい。
もっとこの子をいじめてあげたい。
そんな思いが自分の中から溢れだしてくる。
「ねぇ……花陽」
私達って相性抜群よね。
もっと花陽を喜ばせてあげようと思って、
今度はこの子の手を引いて、ここからそう遠くない地下室に連れていこうとする。 この子はどこに連れていくの?って散歩を嫌がる子犬みたいに抵抗してきたけど、乱暴に引っ張って引きずりながらでも連れていくわ。
階段まで来ると流石に危ないと思ったのか、サッと立ち上がって私について行くように同じ歩幅で降りてくる。
それが少しおかしくって、それがやっぱり花陽が本気で嫌がってる訳じゃない事の証明でもあって、私はクスクス笑ったの。
地下室に花陽を入れるともう逃げ出せないよう内側から南京鍵をかけて、その鍵を投げ捨てた。
地下室は薄暗いから花陽がそれを探そうとしてもきっと見つけられない。
上と違って地下室は換気が悪いからじめじめしててホコリっぽくて居心地はちっともよくない。
部屋の四隅には蜘蛛が大きな根城を建てて争っているし。
でも今、私は子供の頃に味わった、新しいオモチャを買ってもらって家に帰ってきた時くらいの高揚感を感じてる。
どうしてあげようか?
どうして楽しもうか?
これから出来る事に胸が高鳴って仕方ない。
だから地下室の環境なんてどうでもよかった。
とりあえず花陽を押し倒してTシャツをビリビリに裂く。
全部取っ払ってしまおうかと思ったけど、破れたシャツからこぼれ落ちたこの子の胸が凄く性的だったから、中途半端に引ん剥いたままで楽しむことにした。
何度見てもこの子の胸は綺麗で、ずっと見ていたい、ずっと触っていたくなる。
綺麗過ぎて汚してやりたくなるくらいなんだもん。
私が男だったら欲望のまま、この胸を汚せるんだけどね。
胸だけじゃなくその下も。
それが少し残念で、男が初めて羨ましくも思えたけど、
でも、男だったら花陽は私の事を好きにはならなかったでしょう?
だから、これでいいのよ。
こんな風に楽しむことも出来なかったでしょうし。 私は近くに転がってた木のクリップを取って、花陽の乳頭をそれで挟んであげる。
この子は悲鳴……じゃなくて歓喜の声をあげたわ。
そんなに強力なクリップじゃないから全然痛くないと思うけど、ちょっと刺激が強かったかしら?
「やだ……もうやめてっ……」
泣きながらまたおねだりしてくる。
本当に欲しがりなんだから。
クリップに挟まれて敏感になった先端を指先でつついてあげた。
すると、やらしい吐息を漏らしながら目に溜めた大粒の涙が溢れ落ちる。
その顔がたまらなく可愛くて、愛しくて……
キスしてみたくなったから顔を近付けた。
花陽は何をされるのかわかったみたいで首を何度も横に振るけど、顎を掴んで乱暴に唇を合わせあう。
花陽の唇はとっても柔らかくて、一度くっついたら離れないみたいに私の唇を捕らえて離さない。
形も私の唇に丁度フィットして、生まれたときからこうなる事が決められていたみたいに感じる。
唇同士が触れ合えば触れ合うほど、どんどん花陽の事がいじらしくなってきて犯すみたいに舌を滑り込ませていった。
花陽は抵抗せず、
ただただ感涙するだけで、きっと今この子は幸せな気持ちになっていると思う。
私もよ、花陽……
私が満足するまで舌を絡めあう大人のキスは続いた。
本当はまだしていたかったけど、花陽でもっと楽しみたいから名残惜しいけど離したの。 「なんで……こんな事するの……」
すると花陽は意味わかんない質問を問い掛けてくる。
なんでってそんなの……
「花陽が私を好きだからよ?」
それ以外に何かあるのかしら?
でも、花陽は私を恨めしそうに見て「好きじゃないもん……」と言い、
「真姫ちゃんなんて嫌いっ!」と大声で叫んだ。
「……?」
何を言ってるのかしら花陽は、これもまたおねだりの一種なのかしらね?
えぇ、きっとそうね、まだ可愛がって欲しくて仕方ないんだわ花陽は。
「こないでっ!」
もう一度、キスしてあげようと思って顔を近付けると頬を叩かれて拒まれる。
「……なにするの?花陽」
「これ以上、酷いことしたら許さないからっ!真姫ちゃんのことっ」
何を言ってるの?
「花陽……」
「やだ……助けてっ」
「どうしたのよ花陽」
「誰か助けてっ!」
「ここには私達しかいないわよ?誰に助けて欲しいのよ」
「やだぁっ!!助けて凛ちゃんっ!」
「…………」
「凛ちゃん……凛ちゃんっ……!」 気付いたら私は花陽の顔を殴っていた。
「あっ……やぁ……」
酷く怯えた顔の花陽を見て、
私ったらなんて事をしちゃったのかしらって思ったけど、冷静に考えてみるとこの子がそう仕向けたのよね。
だってここには私達しかいないのに凛の名前なんて呼ぶんだから。
私に乱暴して欲しくて、凛の名前なんて呼ぶんだから……
でも今のは少し悪趣味よ。
私、結構傷付いちゃった。
だから、お仕置きしないとね。
だから、仕返ししなきゃね。
「……っ」
だから、部屋を真っ暗にしてあげるの。
暗闇でこの子を痛め付けてあげたいから。
ランプの紐に手をかけた時、花陽の顔はこれから何されるんだろうっていう恐怖と、
少しの憐れみみたいな顔を私に向けてきた。
その顔は闇に塗り潰されたけど。
電気を消す前の私、どんな顔をしてたのかしら……? ◇◇◇◇◇
電気が消えて何も見えなくなる……
真姫ちゃんの気配はすぐそこでするけど何もしてこないみたいで、たぶんまた花陽の恐怖を煽りたいんだろうなって思った。
私はここから逃げ出したいから、最初に鍵が捨てられた方向に這いながら向かう。
移動しちゃうと姿が見えないから真姫ちゃんの気配はどこかにいっちゃって、
一度見失うともう真姫ちゃんがどこにいるのかわからない。
少し後をついてきてるのかも知れないし、真姫ちゃんも花陽を見失ったかもしれない。
でも、今はそんな事より鍵を探さないと……
真姫ちゃんが怖いから……
早く真姫ちゃんから離れたいから……
たぶん、この辺に捨てられたと思うけど、
もしかしたら明後日の方向を探してるのかもしれない。
目をつぶりながら歩いてみたら全然違う所にいた、なんて事はよくあるから。
自分ではちゃんと進めてる自信があっても、ちょっとずつ曲がりながら進んでて今は想像してる方向の全然反対にいるのかもしれない。
そんな不安を感じつつ、でも探すしかないから手探りで鍵くらいの大きさの物を探し続ける。 耳に風がかかる。
すぐ隣に真姫ちゃんがいる気がした。
そっちを見ると、目が暗闇に慣れてきてて、ぼんやりと何かが見える。
はっきりとは見えないから、ただの物影かも知れないけど、何かが近くにあるのはわかった。
すると何かが頬に触れる。
真姫ちゃんの指かも知れないし近くにあった物がたまたま当たっただけかもしれない。
「やっ!」
私はそれを押し退けて鍵を必死に探し続ける。
押した時に触れた感触は固かったから、ただの物だったのかもしれない。
でも、そんな事は今はどうでもよくてとにかく鍵を……
真姫ちゃんから逃げなきゃ……
「っ!」
突然、お腹を蹴りあげられて床に仰向けで倒される。
近くに真姫ちゃんがいると思って、手をぶんぶん振り回して側に来れないようにしたけど、花陽の手は空を裂くだけで。
何度も振り回してると近くにあった硬い物に手の甲をぶつけて痛みだす。
「いっ……たい……」
そこはジンジンと傷んで、
でも見えないからどうなってるかわからない。
赤く腫れてるかもしれないし、なんともなってないかもしれない。
もしかしたら血が出てるかもしれないし、大きな傷になってるかもしれなかった。
そんな手に意識を取られてるとすぐ側に真姫ちゃんの気配がする。
咄嗟に突き飛ばそうとしたけど、手を取られて床に叩きつけられる。 「ひゃっ……やだっ」
なんとか離れようともがくけど真姫ちゃんの力が強くて敵わない。
花陽の両手は真姫ちゃんの片手に押さえられて身動きが取れなくなる。
「……っ!」
そして暗闇の中でざらりとした物が頬に触れた。
それは真姫ちゃんの舌かもしれないけど、もしかしたら別の物かもしれない。
そういう布とかスポンジとか……
でも、その感触は生物的でもしかしたら……虫かもしれない。
そう思うと身体中がゾッとして動けなくなってしまった。
ここに入ってから天井にいた蜘蛛達が脳裏に過る。
蜘蛛があんなにいるならもっといろんな虫がここにはいるはずで……
でも、流石に真姫ちゃんがそんな事する訳ないよね?
……ううん、今の真姫ちゃんだったらするかもしれない。
思えば思うほどそんな気がしてきて、体に少し触れるちょっとの感触が、
花陽の体を虫が這っているような気がして思わず叫び声をあげたくなる。
「やだ……なに……?真姫ちゃんなの……?」
問い掛けても暗闇は返してくれない。
その代わりに右の胸に痛みが襲った。
木のクリップが挟まったままでそれを勢いよく引っ張られたみたい。
「っ!」
右の胸の先っぽはジンジンと傷んで空気が触れるだけでも、言い様のない苦痛を与えてくる。
そこを蝕むみたいに、たぶん真姫ちゃんの手で刺激された。 先端に軽く触れたり、指先で触れるか触れないかの距離でくすぐってきたりする。
その暗闇で受ける愛撫は今までされたどんなことよりも刺激が強くて。
ただでさえ敏感になった先端は、刺激を直接頭に流し込むように苦痛と少しの快楽を与えてくる。
「気持ち良い?花陽……」
やっと真姫ちゃんの声が聞こえてきた。
それは思ってたより近くで聞こえて、体がゾッとする。
「気持ち良く……ない」
「嘘ばっかり」
「うそじゃない……くるしい…もん……もうやだよ…」
「……嘘ばっかり」
体の中で一番敏感になった先端をおもいっきり摘ままれる。
「──────っ!」
「好きよね花陽?私の事が」
「あっ……やだぁっ!!」
そこを摘まむ指はどんどん強くなっていってあまりの刺激に頭がどうにかなりそう。
「やめてぇっ!」
「好きよね?私の事」
「好きじゃないっ!好きじゃないもんっ!」
今度は頬に痛みが走る。
「っ……ひどいよ……なんで」
「酷いのは花陽でしょ……」
そう言ってもう1発殴られた。 「あっ……やだぁっ……」
また涙が溢れ出てくる。
なんでこんな目にあわないといけないんだろ?
なんで真姫ちゃんは花陽にこんな事するの?
とっても理不尽で悲しくて悔しくて、涙が止まらなくなる。
泣いてるともう1発殴られた。
「ひっ……やだ……やだぁっ!!」
「もう殴らないでぇ……」と、花陽は子供みたいに泣きくじゃる。
「花陽……」
でも、そんなの聞こえてないみたいに、真姫ちゃんはそう短く呟いて……
「あっ……あぁ……」
真姫ちゃんの手が花陽の一番デリケートな部分に迫ってくる。
「やっ……いやぁっ……」
今まで散々乱暴されたから、きっとそこにも酷い事するんだと思って体が強張る。
「やめて……ひどいことしちゃやだよ……?」
真姫ちゃんは答えない。
その代わり、花陽の大切な部分に触れた手が答えるように……
「─────いやぁっ!」
激痛が身体中を走って、抵抗する気力も全て失わされる。
「やだ……やめて……」
花陽の中に入った指は蠢くみたいに、そこを弄んでいく。 「ごめんなさい……あやまるから…もうしないで………」
さっき触れた痛みの元に、また指が触れた。
「いたいのやだ……やだ…やだっ」
花陽がそう言うとまるで私が逆の事を望んでるみたいに、真姫ちゃんが花陽を痛めつけてくる。
「やめて……やだぁっ!!」
また激痛が身体を襲う。
「ごめ……なさい……真姫ちゃん……もうやめて……」
そんな言葉を口にすればするほど、痛みが襲いかかってきた。
しばらくそんな苦しみを与えられて、
再び暗闇から聞こえた真姫ちゃんの声は……
「ねぇ花陽……」
「…………」
「私の事、好きよね?」
その言葉を発する真姫ちゃんの顔は笑ってるのか悲しんでるのかわからなかったけど、
こう答えてあげないといけないと思って……
それは自分の身のためにも……
あと真姫ちゃんためにも……
だから花陽は囁くように呟いた。
「うん………好きだよ………真姫ちゃんの事が………」
真姫ちゃんはそれを聞いて、たぶん笑ったと思う。
きっと花陽がよく知るあの笑顔で……
そこで笑ってるのは花陽の友達の真姫ちゃんだと思った。
その後、どうなったかは思い出したくないけど。
花陽はもう真姫ちゃんから逃げられなくなったのは言うまでもなかった…… ◆◆◆◆
やっぱり花陽は私の事が好きだった。
この子ね、私の事が好きで好きで仕方がないみたいなの。
その気持ちはあまりに大きくて私の想像以上だった。
だから、根負けして付き合ってあげることにしたのよ。
ほら、私って優しいから。
今はシャワールームでお互いの体を洗いっこしてる最中。
私に気に入ってもらいたいのかしら。
花陽は自分の体を密着させて私の体を一生懸命綺麗にしてくれてる。
私がそんなこの子の頭にそっと手をやると、少しビクッとして、
でも、優しく撫でてあげるとホッとしたように顔がゆるむの。
「花陽」
私が名前を呼ぶとオドオドした様子で、こちらを窺うみたいに見てくる。
なんだかさっきから様子が変よね?
なんでかしら? なーんて、私には全部お見通しだった。
きっとキスして欲しいのよ。
おねだりするみたいに私の顔を見てきて、本当に可愛い子。
だから、花陽の体を壁に押しつけて、優しくキスしてあげた。
花陽は唇が触れる瞬間、2文字くらいの言葉を呟いた気がするけど、
きっと「好き」って言ったのよね。
現に花陽は今、涙を溢しながら私とキスしてるんだもん。
それがたまらなく愛しくて、この子の体を強く抱き締めてもっと深い口づけを交わす。
シャワーから上がったらどうしましょう?
今日は日が明けるまでこの子を可愛がりたいと思っちゃった。
だって、こんなにも私を好きでいてくれるんだから。
そうしてあげなきゃ可哀想でしょ?
ふふ、これから、花陽はもっと嬉しい涙を流すでしょうね。
今日はこの子にとってとても幸せな日になるんじゃないかしら。
だって、願いが叶ったんだもん。
ずっと思ってた事が現実に……
これ以上の幸福ってないわよね。
ねぇ?花陽…… たまにこういう良SSがあるからラブライブ板やめられねえわ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています