曜「代替品」
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曜(高校二年生の夏、渡辺曜の人生は終わった)
曜(理由は簡単)
曜(大切な幼馴染みに、千歌ちゃんにフラれたのだ)
曜(長年貯め込んだ想いをぶつけた、一世一代の告白)
曜(だけど彼女から返ってきた返事は至ってシンプル)
千歌『ごめん、曜ちゃんをそういう目で見れないや』
曜(せめてもう少し、悩むような表情が欲しかった気がする)
曜(仮にも、長年寄り添った幼馴染なのだから) 曜(ある程度理解はしていたけど、思い知らされた)
曜(所詮人の気持ちなんてそんなもので)
曜(私からすれば千歌ちゃんは誰よりも大切で、自分自身の存在理由、人生の大部分を占める重要な人だった)
曜(でも千歌ちゃんは違う)
曜(親友で幼馴染は共通認識であっても、そこまで大きな感情は存在しなかったようだ)
曜(一般的に考えれば、それが普通なんだけど)
曜(まあ、人間関係なんてそんなもので)
曜(感情が重い側はその差に気づけない、困ったものだ) ――バス車内――
善子「曜さん、おはよう」
曜「ああ、うん……」
曜(例えフラれた後でも人生は続く)
曜(スクールアイドルとしての活動も、高校生としての生活も終わらない)
曜(そんなことは理解している)
曜(しかしあまりにもあっさりとした断り方)
曜(そして告白の言葉を述べた直後にみせて困惑したような表情は、セットで頭から消えてくれそうにない) 善子「元気ないわね」
曜「……そうかな」
善子「いつもなら『おはヨ―ソロー!』とか言うところでしょ」
曜「今日はそんな気分じゃないんだよ」
善子「それならほら、やっぱり元気がない証拠でしょ」
曜「言われてみると、確かに」
善子「確かに、じゃないわよ」 善子「全く、本当に重症みたいね」
曜「うぅ、そうだよぉ」
善子「なにがあったの?」
曜「それは――」
善子「それは?」
曜「……簡単に言えるようなことじゃなくて」
善子「なによ、気になるわね」
曜「でも言えないよぉ」 善子「そんなことで大丈夫なの」
曜「大丈夫じゃない」
曜「やさしく慰めてよーしこー」
善子「落ち込んでる理由も知らないのに無茶言わないでよ……」
曜「そこはほら、堕天使の超能力かなんかで察してさ」
善子「都合のいい時だけ堕天使扱いしないで」
曜「いいじゃん、私だってリトルデーモンなんでしょ」
善子「はぁ、困った人ね」
ナデナデ 曜「善子ちゃんってさ」
善子「なに」
曜「何だかんだ、やさしいよね」
善子「別に、これ以上押し問答をするのも面倒だったからよ」
曜「あはは、照れてる」
善子「照れてない!」
曜「可愛いねぇ〜」
ナデナデ
善子「にゃー、何で撫でるのよぉ」
曜「えっ、可愛かったから」 善子「もう、そんな余裕があるなんて」
善子「落ち込んでるのは演技だったの?」
曜「いやいや、そういうわけじゃないよ」
曜「善子ちゃんが慰めてくれたおかげで、ショックから立ち直れたんだよ」
善子「……そう、力になれたなら良かったわ」
曜「あはは、流石は良い子ちゃん」
善子「良い子じゃなくて善子よ!」
曜「ヨハネじゃなくていいの?」
善子「あっ――ヨハネよ!」 ―部室―
梨子「そう、フラれちゃったのね……」
曜「うん」
曜「ごめんね、梨子ちゃん」
曜「色々と相談に乗ってもらったのに」
梨子「ううん、気にしないで」
梨子「私の方こそ、何の助けにもなれずに」
曜「そんなことないよ」
曜「梨子ちゃんのおかげで、少なくとも告白まではできたわけだし」 梨子「でも上手くいかなかったなら、しないでいた方が幸せだったかも」
曜「いいんだよ」
曜「確かにフラれたことは辛かった」
曜「でもずっと抱え込んでいるのは、それ以上に辛かったから」
梨子「曜ちゃん……」
曜「とりあえずさ、元気出してよ」
曜「空元気でもいいから、明るくしてた方が私も楽だからさ」
梨子「……ええ、分かったわ」 梨子「だけど千歌ちゃんが休みの理由はこれだったのね」
曜「気まずいもんね」
梨子「話を聞いた後だと、曜ちゃんが来たことも驚きよ」
曜「あはは、私は半分開き直っていたから」
梨子「強いわね、曜ちゃんは」
梨子「無理をしてるのかもだけど、思ったより元気そうで安心したわ」
曜「あはは、まあ覚悟はしていたから」
曜「千歌ちゃん、私をそういう目で見てない感じはしてたし」 曜「あとね、今朝善子ちゃんが励ましてくれたんだ」
梨子「善子ちゃんが?」
曜「うん」
曜「詳しくは話せないからさ、事情も話さずに泣きついたんだよね」
曜「とにかく誰かに慰めてもらいたかったし」
梨子「へぇ」
曜「そしたら普通にやさしくしてくれてさ」
曜「いい子だよね、本当に」
梨子「ええ、そうね」 曜「私は幸せだよ」
曜「傷ついても、励ましてくれる人がたくさんいて」
梨子「それはね、普段の曜ちゃんのやさしさのおかげよ」
曜「やさしさ?」
梨子「ええ、自分じゃ気づいてないかもしれないけどね」
曜「全然そんな意識はないけど」
梨子「それこそが証拠ともいえるのよ」
曜「うーん、分からん――でもありがとう」
梨子「ええ」 曜「だけどさ、これから私はどうしたらいいと思う?」
梨子「どうしたら?」
曜「正直さ、千歌ちゃんは諦めきれないよ」
曜「ずっとずっと、見続けてきた」
曜「本当に大好きな人だから」
曜「でもさ、流石に考えちゃうんだよね」
曜「あそこまできっぱりフラれて、それでいいのかって」
曜「私はもう、脈があるとは到底思えないんだよね」 梨子「そうね……」
梨子「私は現場にいたわけじゃないからはっきりとは言えないわ」
梨子「でも当事者の曜ちゃん本人がそう感じたとしたら、それ正しいかもしれないとは思う」
曜「だよね」
梨子「私はね、曜ちゃんの気持ちがとても強いのは知ってるから、諦めないでほしい」
梨子「でも、自分で限界を感じている中で、それを勧めることはできない」
梨子「確かに千歌ちゃんは諦めた方が賢明かもね」
曜「うん」
曜「はっきり言ってくれてありがとう」 曜「あーあ、これから辛いなぁ」
曜「千歌ちゃんのこと、ずっと引きずり続けるのかな」
梨子「それは良くないと思うわ」
梨子「精神的な負担が大きいし、千歌ちゃんを諦めきれなくなるかもしれない」
曜「まあ、確かにね」
曜「でもどうしようもないし」
梨子「……少し無責任なことを言うけどね」
梨子「立ち直る一番簡単な方法は、新しい恋をすることよ」 曜「新しい、恋」
梨子「ええ」
梨子「恋を忘れるのに必要なのは、やっぱり恋なの」
梨子「新しく好きな人を作る」
梨子「例え千歌ちゃんほど愛せなくても、それがきっかけで心の傷は癒えるかもしれない」
曜「……何かそれ、不誠実じゃない?」
梨子「いいのよ、恋の形なんて人それぞれなんだから」
梨子「きっかけは何であれ、最終的に真剣に相手を愛することができれば、それで」
曜「そういうもの?」
梨子「ええ」 曜「じゃあ梨子ちゃん、私と付き合ってよ」
梨子「嫌よ」
曜「なんでさ」
梨子「曜ちゃんの面倒くささはよく知ってるもの」
曜「えー、話を持ち掛けておいて薄情な……」
梨子「別に、私に恋をしろとは言ってないでしょ」
梨子「曜ちゃんはモテるんだし、相手ぐらい簡単に見つかるでしょ」
曜「えー、無責任だよーそろー」 梨子「私にだって選ぶ権利はあるのよ」
梨子「また好きな相手ができたら協力するから、ね」
曜「まあ、それなら」
梨子「正直難しいとは思うけどね」
梨子「曜ちゃんの性格と、千歌ちゃんへの重い情念を考えたら」
曜「その言い方だと、私が凄く重い女みたいなんだけど」
梨子「えっ、自覚無かったの」
曜「……いや、あるけどさ」 Aqoursで容姿が一番千歌に似てるのは曜という皮肉 ―渡辺家―
曜「恋、かぁ」
曜(今まで考えたこともなかった)
曜(私にとって、物心ついたころから好きな人は千歌ちゃんだった)
曜(だからそれは当たり前のこと)
曜(どこからともなく降って湧いてくる恋なんてものを、意識する機会もなくて) 曜(千歌ちゃん以外の人を好きになるなんて、想像もできない)
曜(梨子ちゃんの言うとおり、恋は今のモヤモヤした気持ちを解消してくれるかもしれない)
曜(でもやっぱり、抵抗はある)
曜(少女漫画みたいな運命的なものじゃなければ認めない――というわけではない)
曜(元々そこまで夢見がちなタイプではないし、失恋の直後だから尚更)
曜(だけどやっぱり、自分の為の道具にするほど、軽い感情だとは思えない)
曜(そんなことを考えているから、重い女になってしまうのかもしれないけど) 曜(そもそも、私が恋する相手なんているのかな)
曜(流石にほとんど関わりのない相手を好きにはなれない)
曜(そうなると選択肢はどうなるんだろう)
曜(水泳部?)
曜(飛び込みの関係者?)
曜(クラスメイトの同級生?)
曜(駄目だ、どれも違う気がする)
曜(例外としてパパは大好きだけど、流石に恋愛対象にはできないし) 曜(そうなると、残るはAqoursのみんなぐらい)
曜(同級生二人にはお断りされたから、残るは六人)
曜(恋愛対象となると年上かな)
曜(果南ちゃんは――違うか)
曜(幼馴染だし、千歌ちゃんとの関係も深い)
曜(多分私の千歌ちゃんへの気持ちも知っているはず)
曜(そうなると色々と不都合だから、対象外)
曜(そもそも鞠莉ちゃんの存在もあるもんね) 曜(ダイヤさんはどうだろう)
曜(付き合ったときの甘々な姿とか、想像すると可愛いかも)
曜(でも普段は厳しそうだな)
曜(家も面倒だし、そもそも女の子同士の恋愛を受け入れてくれるかも分からない)
曜(逆に鞠莉ちゃんは簡単に受け入れてくれそう)
曜(私にも結構好意的だし、千歌ちゃんへの気持ちも知ってそうだから、慰めてくれるかも)
曜(押しに弱い感じもするから、案外コロッと付き合ってくれたり)
曜(でも結局、果南ちゃんがいるからなぁ)
曜(そこをつつくほど、私も野暮じゃない) >>34
今はだいたいでもだいがえでもどっちも正解になってるぞ 曜(となると残るは一年生)
曜(ルビィちゃんと花丸ちゃんは――)
曜(なんだろう、そこはかとない犯罪臭が)
曜(いや、二人とも高校生ではある)
曜(問題がないことは分かるんだけど、何か、どうしても――)
曜(まあ、恋愛対象にはならないかも)
曜(そもそもあの二人、付き合ってたはずだし)
曜(いつも一緒にいて幸せそう)
曜(あれ、上手くいってないのもしかして私だけ……) >>29
世の中は代用品だらけって話かもしれないよ?
「愛してる」って言葉さえもね 曜「はぁ」
曜(まあ気を取り直して)
曜(そうなると残るのは、善子ちゃん)
曜(年下だけど、同じ一年生の二人と違って女の子としては見られる)
曜(そもそも、年下が嫌いなわけじゃないし)
曜(割と私に好意的で、よく懐いている可愛い後輩)
曜(私と千歌ちゃんの関係は知らないし、同性愛にも抵抗はないはず)
曜(多分私のイメージもそんなに悪くない) 曜(一緒にいて楽しいし、結構気も合う)
曜(スキンシップも嫌がらない、付き合っても面倒なタイプじゃない)
曜(容姿的に考えても、十分に可愛い)
曜(あれ、もしかして悪くない?)
曜(少なくとも、Aqoursの中では一番恋愛対象として考えられる相手かも)
曜(何か善子ちゃんとなら付き合ってもいい気が――
曜(いやいや、落ち着け私)
曜(そんな実利的な思考は駄目だって) 曜(それに私が良いと思っても、善子ちゃんの気持ちもある)
曜(恋なんて自分だけの気持ちじゃ成り立たないんだ)
曜(相手もそれを望むことが前提として求められる)
曜(自分がどんなに想っていても、相手は違うことを考えている可能性の方が高い)
曜(それに気づけずに、失敗したばかりじゃないか)
曜(うーん、もうわけわかんなくなってきた)
曜(これ以上考えない方がいいかもしれない)
曜(ろくなことが浮かばない、そんな気がする) 曜(もう寝よう、早く寝てしまおう)
曜(そうすれば、考えることも――
カタン
曜「あっ……」
曜(しまった、千歌ちゃんの写真を倒しちゃった)
曜(何やってるんだろう、私)
曜(…………)
曜(千歌ちゃんと二人の、写真) 曜(もう、片付けたほうがいいのかな)
曜(捨てることはできなくても、どこかに仕舞って)
曜(こんなものがあると、いつまでも未練を捨てられそうにない)
曜(でも急になくなったら、お母さんに千歌ちゃんと喧嘩したと思われるかも)
曜「はぁ」
曜(冷静に考えたら、はなからおかしいよね)
曜(一人の同性の幼馴染の写真ばかり、こんな風に)
曜(重いな、気持ち悪いな)
曜(恋人でも、何でもないのに) 曜(あぁ、自分が嫌になる)
曜(考えたくない、でも考えちゃう)
曜(忘れたい、全て消し飛ばしたい)
曜(どうしても、耐えられそうにない)
曜(……善子ちゃん、やさしかったな)
曜(本当に、恋をしたら忘れられるのかな)
曜(この気持ちから解放されて、楽になれるのかな)
曜(千歌ちゃん……) >>38
品がついてもだっけ?
代替はどちらでも正解だけど 少し中断します
続きは明朝か日付が変わったころにでも >>34
だいたいの人はちゃんと読めると思うけど…
あ、ちなみに今のは代わりって意味の代替と大部分って意味のだいたいとがかかってて (*> ᴗ •*)ゞいやいや説明しなくていいからっ どろろの映画で知ったわ
ミスチルの他の曲は分からんけどこの曲は好き ※
―翌朝・バス車内―
曜「おはよう、善子ちゃん」
善子「ヨハネ――って今日も元気なさそうね」
曜「いやぁ、寝不足でさぁ」
善子「曜さんが? 珍しいわね」
曜「そうかな」 善子「衣装でも作ってたの?」
曜「そういうわけではないよ、ただ個人的なこと」
善子「へぇ、どんなことしてたの」
曜「えっと、内容についてはノーコメントで」
善子「……なによ、調子狂うわね」
曜(結局、考えてたら眠れなかった)
曜(平気なフリをしても、やっぱりダメージは大きいみたいで)
曜(当たり前か)
曜(むしろあっさりと現状を受け入れられたら、私の今までの人生の意味が分からなくなる) 善子「もしかして、まだ昨日の件を引きずってるの」
曜「……そうだね」
善子「いつになったら平気になるのよ、それ」
曜「うーん、分からないや」
善子「本当に何があったのよ、一体」
善子「凄く気になるんだけど、どうしても話してくれないの」
曜「うん、ごめん」
曜「ちょっと人に話せるようなことじゃなくて」 善子「……仕方ないわね」
ナデナデ
曜「ど、どうしたの急に」
善子「昨日みたいに、慰めてあげようかと思って」
善子「まだ必要としてるみたいだから」
曜「……今日の善子ちゃん、やさしいね」
善子「今日『も』でしょ」
曜「あはは、確かに」 善子「でも私、そんなに信頼無いかしら」
曜「なんで?」
善子「だって悩みごとを相談してもらえない程度の関係でしょ」
善子「これでもそれなりに仲良くしていたつもりだったんだけど」
曜「いやぁ、言えない理由は仲の良さとか関係なくてさ」
曜「話すと色々と恥ずかしいんだよね、これが」
曜「それに、一応私だけの問題じゃないし」 善子「あー、ますます気になるわね」
曜「しまった、今の言い方だと確かにそうなるね」
善子「まあいいわよ、信頼されてないわけではないって分かったから」
善子「でもいつか話せるようになったら、ちゃんと教えてよね」
曜「うん、分かってるよ」
ギュー
善子「な、なんで抱きついてくるのよ」
曜「なんとなく、気分かな!」 善子「き、気分って」
曜「顔真っ赤だよ、善子ちゃん」
善子「急にいつもの感じに戻らないでよ!」
曜「おっ、心臓もドキドキしてるね」
善子「む、胸触らないで」
曜「いいじゃん、仲良しなんだし」
善子「仲良し関係ないわよ!」 曜(ドキドキしている)
曜(善子ちゃんは気づいてないけど、私の胸も)
曜(普段と変わらないスキンシップ)
曜(今までだったら、こんな気分になることはなかったのに)
曜(そんな目で見てはいけない)
曜(いくら自分に言い聞かせても、流石に意識してしまう)
曜(彼女の一挙手一投足が気になってしまう)
曜(今までとは違う視点を彼女に向けてしまう) 曜(もしかしたらこれが、恋の始まりなのかな)
曜(そう思わずにはいられないぐらい――
善子「ちょっと、急に黙ってどうしたの」
曜「……いや、なんでもないよ」
曜(違う)
曜(これは寝不足と精神的なダメージで少しおかしくなっているだけ)
曜(そう自分に言い聞かせないと)
善子「……曜さん」 おひさま「おい!いつまで寝てんだよ!こっちはもうとっくに上がってるんだよ!」 朝とは言った
しかし“いつ”の“朝”ということまでは明言していない
ってことかぁぁぁぁ!!!
このSSの雰囲気大好きよ
楽しみに待ってる 遅れてるのは内容がえっちすぎるからだって春色が言ってた なんでナチュラルにみんな同性愛前提で話してるんだ……? お待たせして申し訳ありません
外出用のポケットwifi忘れて投稿できませんでした
遅くなりましたが再開します ――部室――
曜(辛い、しんどい)
曜(失恋の痛みは時が解決してくれる)
曜(そんな風に聞いたこともあるけど、絶対に嘘だ)
曜(どんどん痛みが強くなっている)
曜(胸が痛い、胸が苦しい)
曜「面倒だなぁ、恋は」 鞠莉「恋?」
曜「あっ、口に出てたかな」
鞠莉「ええ」
曜「ヤバいなぁ、恥ずかしい」
鞠莉「気にしなくていいのよ、今は私たち二人しかいないわけだし」
鞠莉「でも恋ってあれよね、love?」
曜「うん、そうだね」
鞠莉「ちかっちと何かあったの?」 曜「あっ、やっぱりわかっちゃう?」
鞠莉「曜の恋なんて、それ以外考えられないでしょ」
曜「あはは、流石鞠莉ちゃん」
鞠莉「どうしたのよ、モヤモヤしちゃうことでもあったの?」
鞠莉「よかったら相談に乗るわよ」
曜「……もう、相談どころじゃないんだよね」
鞠莉「どういうこと?」
曜「告白したんだよ、千歌ちゃんに」 鞠莉「告白!?」
曜「ちょ、声が大きいよ」
鞠莉「ご、ごめんなさい」
鞠莉「でも驚くわよ」
鞠莉「まさか曜がそこまでの行動を取っているなんて」
曜「そう?」
鞠莉「ええ」
鞠莉「てっきりウジウジと悩んで、変に抱え込むものだとばかり」 曜「……流石にその言われようは傷つくような」
鞠莉「あら、ごめんなさい」
鞠莉「でもそんなイメージが、どうしても拭えないのよね」
曜「一応、今の私は傷心状態なんだけど」
鞠莉「その様子を見れば分かるわよ」
曜「そんな分かりやすい?」
鞠莉「そりゃね」
鞠莉「普段は元気いっぱいの貴女があからさまに凹んでたら、気づくわよ」 鞠莉「やっぱりフラれちゃったの?」
曜「……うん」
鞠莉「脈もない感じ?」
曜「うん」
鞠莉「……辛かったでしょう」
曜「うん」
鞠莉「よかったら、胸ぐらい貸すわよ」
曜「うん……」ギュッ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています