凛「強化合宿と魔の山岳地帯」
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いらっしゃいませ、南ことりです、前回までのあらすじをご案内いたします
留学から久々に日本に帰ってきたことり、皆と久しぶりに会えて喜んでいると、留学先から荷物が送られてきたの
中身は可愛いお人形さんだったんだけど、実はそれは呪いの人形だったの!
ことりの体調が悪くなったり、ことりが怖い目に遭っていると、真姫ちゃんや海未ちゃん達が助けに来てくれたの!
無事、人形を倒してお祓いも終わったんだけど...真姫ちゃん達なんか手馴れてない?あんな超常現象的なことが急に起こったっていうのに
今度、真姫ちゃんか海未ちゃんに聞いてみようかなー?まぁ、いっか...それよりも今は
今回のお話をご案内いたしますね、それではどうぞ! #10
真姫「合宿?」
凛「うん!」
希「それって剣道部のってこと?」
凛「まぁ...一応、剣道部が主体ではあるんだけど...参加は自由で全員が全員参加する訳じゃないだって」
真姫「で?それに行くって?」
凛「うん!」
希「凛ちゃん、まさか...向こうの部活に寝返るつもり!?」
凛「!ね、寝返るつもりはないけど....合宿に行きたいの!!合宿!」
真姫「花陽も行くの?」
花陽「一応、私も付き添いって形で」
真姫「ふーん....」 凛「だって!だって!凛はお泊り合宿に行けなかったんだもん!」
真姫「あれは貴方が補習だったからでしょ」
凛「そうかもしれないけど、真姫ちゃんと希ちゃんだけずるいにゃ!」
希「だから園田さんとの合宿に行くの?」
凛「そう!特訓もできるだろうし」
真姫「特訓、特訓って...貴方、無理をしてない?」
凛「別にしてないよー」
希「合宿かぁ....」
真姫「それでその合宿に行くのはいつなの?」
凛「来週の週末にゃ!」 希「来週かぁ...急だけど....うちは行けるよ!」
真姫「は?何を言ってるのよ、希」
希「え?」
真姫「貴方は試験勉強でしょ?再来週は追試のテストじゃない」
希「あ....」
真姫「だめよ、勉強をしなさい、本当に落第するわよ」
希「あ!そうだ!向こうで、合宿は合宿でも勉強の...」
真姫「だめ、絶対に羽目を外して勉強しないわ!希は」
希「少しくらい信頼してくれてもええやん!」
真姫「勉強に関しては信頼できないわ」
希「そ、そんなキッパリと言わなくても...」 真姫「だから希はお留守番っていうか、参加はだめよ」
希「うぅ....」
凛「まぁ、山でのトレーニングが主体らしいから遊ぶ時間はないかもしれないし」
真姫「トレーニングねぇ....」
花陽「真姫ちゃんはどうする?」
真姫「う〜ん....」
希「え!もしかして真姫ちゃん、うちを置いて行っちゃうの?」
真姫「置いてくって...仕方ないじゃない、呪うなら自分の今までの行いを呪うのね」
希「えー....そんなぁ....」
真姫「自業自得よ」
希「...........」 花陽「ねぇ、真姫ちゃん」
真姫「なに?」
花陽「希ちゃんが.....」
希「.........」シュン
真姫「まるで子供みたいね」
希「いーもん....どーせ、うちなんて....」
真姫「..........」
希「は?笑えばえんやん....」
真姫「もう...やさぐれないの、貴方、本当に3年生なの?」
希「もう、パーフェクトもハーモニーもないんだよ....」
真姫「?なにを言ってるの?貴方は」 真姫「はぁ...仕方ない」
希「!」
真姫「本当に手間がかかるんだから....」
希「真姫ちゃん!じゃあ、うちも?...」
真姫「私も残るわ、みっちり勉強をしてもらうわよ」
希「.......え?」
真姫「貴方の為に残るんだから、しっかり勉強しないさいよね?」
希「あれ?この流れは本来がうちも行ってもいい流れだよね?」
真姫「そんな流れは叩き切ってあげる」
希「そ、そんなぁ....」 凛「さてと...今日から合宿...」
凛「この合宿で少しは強くなれるのかな?.....」
凛「..........」
ピンポーン!!
凛「!!かよちんかな?」
凛「はーい」
ガチャ
花陽「おはよう、凛ちゃん」
凛「かよちんおはよ!」
花陽「凛ちゃんがお寝坊してないかなって思って迎えに来ちゃった」
凛「かよちんー....凛はそんなお子様じゃないにゃ」
花陽「ふふふ、ごめんね?」
凛「むー....」 海未「............」
凛「あ!園田先輩おはようございます!」
海未「!おはようございます」
花陽「お、おはようございます!」
海未「はい、小泉さんもおはようございます」
凛「あれ?他の人達は?」
海未「あぁ、他のメンバーは後から来ます、後で現地で合流の予定になってます」
花陽「じゃあ、この3人で行くってことですか?」
海未「そうです、じゃあ、行きましょうか?」
凛「よーし!いっくにゃー!!」 花陽「うわぁ.....」
凛「すっごく大きいにゃ....」
海未「宿泊地はこの山の七合目辺りです」
凛「この山を登るんですか?」
海未「はい!」
花陽「あ、でもロープウェイがあるよ!」
海未「何を言ってるんですか?自分の足で登るんですよ!」
凛「成程、これも特訓ってことなんだね....」
海未「さぁ!行きますよ!!」 花陽「はぁ...はぁ...」
凛「大丈夫?かよちん?」
花陽「う、うん...でも無事に着いたね」
海未「ここの建物が合宿所です」
凛「なんか学校みたいにゃ」
海未「元々、学校だったものを改装した建物らしいです」
凛「へー」
海未「さてと、荷物を置きに行きましょうか」
凛「はーい」 希「うー.....辛い...」
真姫「何を言ってるのよ、希」
希「だって、せっかくのお休みなのに...こうもずっと勉強詰めなんて」
真姫「それは希が普段からちゃんと勉強をしてないからよ」
希「凛ちゃん達、今頃なにしてるんだろう」
真姫「部活の合宿だから普通に練習でもしてるんじゃないの?」
希「山で練習かぁ....」
真姫「なんか山籠もりみたいね」
希「ん?山.....山.....」
真姫「希?」 希「いや、なんか引っかかるっていうか...」
真姫「引っかかるって...なにがよ」
希「うーん....思い出せそうで思い出せないんよ」
真姫「なによ、それ」
希「...........」
真姫「..........」
希「うーん......」
真姫「....!もしかして、適当なことを言ってさぼろうとしてるんじゃないでしょうね?」
希「ち、違うよ!!」
真姫「....本当かしら?」
希「本当だよ!!」 海未「さてと....まずは準備運動から始めましょうか?」
凛「準備運動ってここまで山を登ってきたし、充分じゃないですか?」
海未「怪我をしたら元の子もないですよ、さぁ!やりましょう!」
凛「はーい」
海未「では、はじめますよ!」
花陽「気合入ってるなぁ...先輩....」
凛「かよちんはどうする?」
花陽「私も見学みたいなものだけど、準備運動はしておこうかな?」
凛「じゃあ、かよちんも一緒にやろう!!」 海未「............」
凛「.............」
海未「....!!はぁ!!」ブン!!
カン!カン!カン!!
海未「ふぅ......」スッ
凛「先輩すごいにゃ!」
海未「やはり、自然の中だと集中がしやすいですね」
凛「........」
海未「次は凛の番ですよ」
凛「よし!」 凛「たぁ!!」ブン!!
カン!カン!!カン!!!
海未「ふむ....」
凛「ふぅ...ど、どうですか?」
海未「動きは中々ですね、ただ少し大振りな気もしますね」
凛「成程....」
海未「その無駄をなくせばもっと早く動けるはずです」
凛「よし....もう一回!」
海未「............」
凛「やぁ!!」ブン!! 凛「はぁ....はぁ....」
海未「今日はこんなところにしておきましょう」
凛「え?ちょっと切り上げるのが早くないですか?」
海未「ここは山の中です、日ももう少しすれば暮れ始める時間です、暗くなる前に戻りましょう」
凛「...わかりました」
海未「さぁ、下山をしましょう」
凛「はい!」
海未「.............」 海未「このカレー、美味しいですね」
花陽「よかったぁ...あんまり上手くできた自信がなかったので」
凛「美味しいよ!かよちん!」
花陽「えへへ....」
海未「特にこのお米が美味しいですね」
花陽「!!実はですね!!!」
海未「!?」
凛「あー...かよちんのスイッチ押しちゃいましたね、先輩?」
海未「??」
花陽「炊き方にもこがわりにあってですね!」 海未「小泉さんにあんな一面があるなんて」
凛「かよちんは昔からお米とアイドルのことになるとすっごく熱くなるんだにゃ」
海未「まぁ、でもご飯は美味しかったですね」
凛「でしょー?」
海未「小泉さんなら毎日の食事が楽しみになりそうですね」
凛「あ!かよちんはあげないよ?凛のだからね!」
海未「別にとらないですよ」
凛「凛とかよちんはずっと一緒にゃー!」
海未「仲がいいんですね」
凛「もちろん!」 海未「..............」
凛「zzzzzzzzzzzz」
花陽「んー.....zzz」
海未(幼馴染を守りたい....ですか.....)
凛「かよ....ちん.....」
海未(気持ちはわかりますが...少し気負いすぎな気が...)
花陽「凛ちゃん......」
海未(さて...どうしたものでしょうか) 凛「んー...今日もいい天気にゃ!」
花陽「そうだね!」
海未「..........」
凛「先輩どうかしたんですか?」
海未「いえ、他にも来るメンバーがそろそろ来てもいい時間なんですが....」
凛「来ないんですか?」
海未「はい」
花陽「なにかあったとか?」
海未「まぁ、山道なので少々時間がかかってるのかもしれないですね」
花陽「結構ここまでの道もきつかったですもんね」
凛「特訓みたいで凛は楽しかったよ」 海未「まぁ、待っていれば直に着くでしょう」
凛「今日は何をするんですか?」
海未「まずは準備運動ですね」
凛「今日は短めでお願いします」
海未「何を言ってるんですか、怪我をしたらどうするんですか?」
凛「まぁ、それはそうですけど....」
海未「なんですか?なにか不満でも?」
凛「先輩の準備運動ってなんか長いような....」
海未「準備運動が大事ですから!念入りにしないといけません!」
凛「はーい....」
海未「さぁ、始めますよ!!」 海未「1!2!3!4!」
凛「5、6、7、8」
海未「1!2!3!4!」
花陽「5、6、7、8」
凛「...なんか夏休みみたい」
花陽「そうだね、朝のラジオ体操を思い出すね」
海未「ほら!お喋りをしてないでしっかりやってください!」
花陽「あ!はい!!ごめんなさい」 「ふぅ...やっと着いた」
「つかれたー....」
海未「!あれは....」
凛「あ!他の人達も着いたみたいにゃ!」
花陽「よかった、怪我とかしてなさそうですね」
海未「みたいですね...」
「あ!園田さん!」
海未「遅かったですね」
「あー...まぁ、色々あってね」
海未「色々?」
「うん、色々ね」 海未「道に迷った?」
「そうなのよ、ちょっと焦ちゃったわ」
海未「迷うもなにも山の麓から合宿所までの道はほぼ一本道のはずでは」
「そのはずなんだけどねー...まぁ、霧もなんか出てたし」
海未「霧ですか?」
「えぇ、しかもこんな山の中だし、スマホは圏外だし」
海未「成程」
「おかげで遅れちゃった訳よ、無事に着けたけどいいけど」
海未「そうですか...」
「これが夜とかだったら考えただけでぞっとしちゃうわ」
海未「ふむ...夜の外出は禁止にしたほうがよさそうですね」 凛「やぁー!!」ブン
「はぁ!!」ブン!!
海未「.........」
花陽「皆、気合が入ってる....」
海未「まぁ、自主参加の合宿に参加するメンバー達ですから気合は充分のはずです」
「あの子、強いわね」
「そうね、剣道部じゃないのに中々やるわね」
花陽「えへへ...」
海未「?どうしかしたんですか?」
花陽「え!あ、その...なんか嬉しくて」
海未「嬉しい?」
花陽「はい」 海未「小泉さんは本当に星空さんのことが好きなんですね」
花陽「はい!凛ちゃんは小さい頃からのお友達で...大切な人なんです!」
海未「幼馴染ってやつですね、私にもいます」
花陽「園田先輩にもいるんですね」
海未「はい、まぁ...昔から二人には振り回されてばかりですがね」
花陽「へー...そうなんですか」
海未「お互い、幼馴染には苦労をしそうですね」
花陽「あはは....そうですかね?」
海未「見ていればわかりますよ、なんとなく」
花陽「........」 海未「回りくどいのも面倒なので単刀直入を言いますね」
花陽「な、なんですか?」
海未「星空さんはなんであんなに無理をするんですか?」
花陽「!!」
海未「最初は星空さんのことをただの頑張り屋...もしくはただのお馬鹿かと思っていました」
花陽「お、お馬鹿....」
海未「いきなり剣道場に来て、『凛を鍛えてください!!』って言ってきたんですよ、あの子」
花陽「な、なんかすいません....」
海未「しかも理由が....あ....」
花陽「?先輩?」
海未「いえ、なんでもないです」
花陽「?」 海未「理由が今わかりました、なんとなくですが」
花陽「わかった?」
海未「たしかあなた方二人はオカルト部の部員でしたよね」
花陽「そうですけど」
海未「もしかしたら星空さんはオカルト的なものと戦う為に鍛えるのかと思いまして」
花陽「お、オカルト的なものですか?」
海未「とぼけなくてもいいですよ?知っていますから、西木野さんや東條先輩のことも」
花陽「え!」
海未「私も伊達に超常現象を乗り越えてきてないってことですよ」
花陽「先輩もみえるんですか?」
海未「...さぁ?どうでしょうね」 花陽「だって真姫ちゃんや希ちゃんのことを....」
海未「......」
花陽「あ、もしかして花陽、嵌められちゃった?」
海未「やっぱりですね、貴方達二人も体験されているみたいですね」
花陽「あぁ!....ごめんなさい、皆...」
海未「大丈夫ですよ、西木野さんや東條先輩は私がこの事を知っているのを知っていますから」
花陽「え?」
海未「私も不思議なことに何回か巻き込まれたことがありましたので、西木野さんと東條さんと一緒にね」
花陽「え!いつの間に!」
海未「夜の呪われた学校に呪いの人形、中々の非日常でしたよ」
花陽「し、知らなかったです...」 海未「成程、二人も中々の経験をしているみたいですね」
花陽「まさか、真姫ちゃんの幼馴染の南先輩が園田先輩の幼馴染だったなんて」
海未「...まるで幼馴染のバーゲンセールみたいですね」
花陽「世間って意外と狭いんですね」
海未「みたいですね....」
凛「かよちーん!!」
花陽「!凛ちゃん?」
凛「ふぅ...いい汗かいたにゃ!」
海未「お疲れ様です」
「強いねぇ、貴方!負けたよ」
凛「えへへ...」 花陽「すごいよ!凛ちゃん剣道部の人に勝つなんて」
凛「へへ、まぐれだよ」
海未「仮にまぐれだとしても、実力差がありすぎればまぐれだって起きたりはしません、これは貴方の努力の成果です」
凛「先輩...」
海未「ちゃんと成長してます、さすがですね」
凛「..........」
花陽「凛ちゃん?」
凛「!あ、な、なんでもない!次は先輩に勝つにゃ!」
海未「簡単には負けませんよ?」
凛「その方が燃えるにゃ!」 よんで無いけどなんで穂乃果ちゃんいないの?ラブライブじゃないじゃん 海未「さてと...そろそろ引き上げますか」
「疲れたー...」
「山登りの後の練習はさすがにきついよねー」
凛「........」
花陽「じゃあ、私!ご飯の準備をしますね!」
凛「先輩!もう少しだけ付き合ってもらえますか?」
海未「もう少しですか?」
凛「はい、なんかコツがつかめそうな感じがして」
海未「ふむ...しかし、そろそろ日も沈む時間ですし」
凛「お願いします!」
「園田さん、つきあってあげればー?少しくらい、私達は先に帰って夕飯とかの準備とかしておくから」
海未「....はぁ...仕方ないですね」
凛「やった!!」 凛「やぁ!!たぁ!!」ブン!ブン!!
海未「剣の立筋はよくなりしたね、無駄がなくなってましたね」
凛「本当!?」
海未「えぇ、貴方の成長は目まぐるしいです、少しうらやましいくらいですね」
凛「えへへ....」
ヒュー....
海未「!」
凛「なんか風が強くなってきましたね」
海未「天気は悪くはならなそうですが...暗くなる前に帰った方がよさそうですね」 凛「そういえば先輩ー」
海未「?なんでしょうか?」
凛「先輩っていつくらいから剣道してるんですか?」
海未「小さい頃からですよ、まぁ...十年くらいですかね」
凛「長くやってるんですね」
海未「他にも色々やってますよ?弓道や薙刀、日舞...まぁ、色々ですよ」
凛「な、なんかお嬢様みたいにゃ...真姫ちゃんとはタイプの違う感じの」
海未「こう見えても道場の娘ですから」
凛「な、成程....」 海未「...........」ピタッ
凛「?どうかしましたか先輩?いきなり止まって」
海未「気のせいでしょうか?結構歩いてるはずなのに合宿所に着かないような」
凛「言われてみれば...道を間違えたとか?」
海未「その可能性は低いですね、ここまで一本道でしたから」
凛「じ、じゃあ...気のせい?もう少しで着くんじゃないですか?」
海未「....なんか嫌な予感がしますね」
スー.....
凛「!え?霧?」
海未「...どうやら深くなりそうなかんじですね」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています