凛「強化合宿と魔の山岳地帯」
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いらっしゃいませ、南ことりです、前回までのあらすじをご案内いたします
留学から久々に日本に帰ってきたことり、皆と久しぶりに会えて喜んでいると、留学先から荷物が送られてきたの
中身は可愛いお人形さんだったんだけど、実はそれは呪いの人形だったの!
ことりの体調が悪くなったり、ことりが怖い目に遭っていると、真姫ちゃんや海未ちゃん達が助けに来てくれたの!
無事、人形を倒してお祓いも終わったんだけど...真姫ちゃん達なんか手馴れてない?あんな超常現象的なことが急に起こったっていうのに
今度、真姫ちゃんか海未ちゃんに聞いてみようかなー?まぁ、いっか...それよりも今は
今回のお話をご案内いたしますね、それではどうぞ! 凛「この音...なんの音だろ?」
海未「霧の向こうから聞こえてきますね....」
ガシャン!
凛「!!」
海未「.........」キョロキョロ
凛「な、なに?なんなの?」
海未「星空さん!あそこの草むらに一旦隠れて様子を見ましょう!嫌な感じがします」
凛「は、はい!」
海未「..........」ガサガサ
凛「っ.......」ガサガサ ガシャン!!
「.............」
凛「!!」
海未『星空さん、静かに』
凛『は、はい.....』
海未『あれは....鎧の武者?』
凛『こ、コスプレかな?』
海未『とりあえず様子をうかがってみましょう....』
「..........」チャキン
凛(あれは...刀?)
海未(なにやら....ただならぬ雰囲気を感じますね....) 「..............」キョロキョロ
海未(なにかを探している?.....)
凛「...........」
「.......気のせいか....」チャキン
凛(刀をしまったにゃ、あれは本物...なのかな?)
「..............」スッ
ガシャン!!ガシャン!ガシャン....
海未(どうやら私達の存在には気がついてないようですね...去っていきます)
凛(一体これは...なんなの?) 海未「...........」キョロキョロ
凛「.........」
海未「よし、周りには誰もいないようです」
凛「さっきのは...あれって一体なんでしょう?」
海未「私にもわかりません、しかし...なにやら嫌な感じがしました」
凛「嫌な感じですか?」
海未「えぇ、寒気というか...殺気というか...そうですね、貴方の友達の言葉を使うなら超常現象が起きているってところでしょうか?」
凛「....え、なんで先輩がそのことを!」
海未「私だって音ノ木坂の生徒ですよ?噂くらいは聞いたことはありますし、実際に会ったことくらいはありますよ?」
凛「そ、そうだったんですね...じゃあ、真姫ちゃんのことも」
海未「えぇ、知ってますよ、一緒にあれは...悪霊ってものなのですかね?現場に立ち会ったこともありますよ」
凛「し、知らなかったにゃ....」 海未「2回も大切な人達を守ってもらったんです、西木野さんや東條先輩は私の恩人です」
凛「そんなことが...あったんですね....そっか....」
海未「今回はスペシャリストの二人がいないですが...なんとか我々だけでこの状況を乗り越えないといけないようですね」
凛「そうですね...でも、どうしたら?」
海未「さっきの鎧武者が原因かはわかりませんが、この状況に関係しているのかもしれません」
凛「あれって本物なんでしょうか?」
海未「こんな霧の中、鎧姿で山の中を歩くなんてまずありえません、おそらくは本物かと」
凛「でも、今のこのご時世に鎧武者なんて....」
海未「もしかしたらこの今、私達がいる空間は時空が歪んているのではないのでしょうか?」
凛「そんな...オカルトというよりはそんなのSFですよ!!」
ザッ!
凛「!?」
海未「し、静かに...また何かが近づいてきている?」 「............」ザッザッ
海未『今度は...あれは軍服でしょうか?』
凛『兵隊さんってことですか?今度は....』
「...........」ザッザッ
海未『そのまま通り過ぎていきますね...あの方は元々、私達には気が付いてないようですね』
凛『もう、凛にはなにがなんだか....』
海未『私もこの状況には頭が追い付きません』
凛『.........』
海未『武者の次は軍人...どうやら本当にここは時空が歪んでいる可能性が高いですね』 真姫「バミューダトライアングル?」
希「そう、別名、魔の三角海域って言われてるんよ」
真姫「さすがに名前くらいは私も聞いたことがあるわ、詳しくは知らないけど」
希「その海域では奇妙なことが起きるんよ、その海域に入った船や飛行機が行方不明になったり、方位磁石や計器などが急に狂ったりするんよ」
真姫「なんか怖いわね....それ」
希「それで宇宙人がそれを攫っていたとか、あとはワームホール...簡単にいうと異世界に繋がっている通路みたいなもんやね、それに入ってしまったとか」
真姫「今度は随分とSF色が強いわね」
希「まぁ、最近では海底からのガスの影響じゃないかって説も出てるけどね」
真姫「ふ〜ん...」
希「まぁ、実際の真実はまだよくわからないけどね」 真姫「成程、今回の神隠しを聞いてそれを思い出したってことね」
希「うん、でも...今回はそんなSFで片付かないと思うけどね」
真姫「そうね、山の中で忽然と姿を消すなんて不自然すぎるわ、それに過去の事件も」
希「とにかく急ごう!花陽ちゃんのことも心配だし!」
真姫「そうね!」
海未「全く...異世界に迷い込むなんて...まるでファンタジーの世界みたいですね」
凛「ファンタジーにしてはなんか殺気立ってる空間のような...」
海未「とりあえずここは私達がいた世界とは違う可能性が高いです、脱出の手掛かりがないか動くしかなさそうですね」
凛「でも、さっきの人達に会ったら」
海未「たしかにあの人達がこちらに対して友好的とか限りませんね、注意して探索をしましょう」
凛「はい!」 凛「それにしても濃い霧だにゃ...」
海未「そうですね、味方でもあり大きな敵ですね、これは」
凛「味方?どう見てもこれは大きな障害なんじゃ...」
海未「たしかに障害ですが、これのおかげでさっきの人達にも探知されづらくなってますから」
凛「うーん...まぁ、それはそうかもしれないですけど...」
海未「では、刀を持った相手にどう立ち向かうんですか?竹刀は持っていますが、真剣相手には玩具みたいなものです」
凛「っ......」
海未「まぁ、相手が襲ってきたらの話ですがね」
凛「..........」 海未「..........」
凛「.....っ!うわっ!」グラッ
海未「!大丈夫ですか?」
凛「は、はい...なにかに躓いた?...なんだろ?」
海未「これは....刀ですね....」
凛「さっきの人が落としたのかな?」
海未「.....!!」
凛「先輩?」
海未「...見ない方がいいかもしれませんよ」
凛「え?」
海未「...どうやら、そう簡単には帰れないのかもしれませんね」 凛「これは...骨?....」
海未「おそらくは人のでしょうか?」
凛「凛達もこうなっちゃうとか.....そんなことはないですよね?」
海未「そうはなってほしくないですね....」
凛「あは...あはは.....」
海未「気をしっかり持ってください、諦めるのはまだ早いですよ」
凛「でも、諦めるなって言われてもどうすればいいんですか!」
海未「それは...しかし、このままやけになってもいても仕方ないです」
凛「っ........」
海未「..........」
海未(星空さんの手前、あぁは言いましたが、ここには何人の人が入って、何人の人がここを脱出できたのでしょうか...)
海未(穂乃果...ことり.....) ザッ!
海未 凛「!!」
「..........」
凛「し、しまった...見つかって....」
海未「気配を全く感じませんでした...さすが軍人と言ったところでしょうか....」
「君達も迷っているのかな?」
凛「しゃ、喋った!?」
海未「..........」
「この森は人の心を映す森....私みたいにならないようにね....」
凛「それはどういう....」
「成程、片方は巻き込まれただけみたいだね、なら可能性はある」
海未「可能性?」
凛「可能性って脱出ができるってこと!?」
「..........」 「鎧武者には注意してね、下に転がってる私みたいにならないようにね」
凛「!?」
海未「では貴方は幽霊ということですか?」
「..........」スー...
凛「ちょっと待ってよ!!ここがどうやったら脱出ができるの!?」
フッ....
海未「消えた....」
凛「このままじゃ、凛達もこの足元の骨みたいに....」
海未「鎧武者には注意しろですか...鎧武者は先程見かけた人のことでしょうか?」
凛「っ....かよちん....」
海未「それと....人の心を映す森ですか....」
凛「もう意味がわからないにゃ....」 海未「...........」
海未(さっきの方は片方は巻き込まれただけと言っていましたね...ということはどちらかにこの森に迷うきっかけがあったということでしょうか?)
海未(人の心を映す森....迷う...そしてあの方も私達と同じでこの場所で迷って最終的にあぁなってしまった)
海未(ではそのきっかけがわかれば脱出できるのでは)
海未「とりあえず、この刀はもしかしたら役にたつかもしれません...持っていきましょう」
凛「...持って行って呪われたりしないですよね」
海未「...怖い事を言わないでくださいよ」
凛「いや、その....だって.....」
海未「護身用です、なにが起こるかわかりませんからね」
凛「色々となんかいけない気がするけど.....緊急事態だから仕方ないよね?」 海未「ん?他にもなにか落ちてますね....」スッ
凛「これは手帳?....うわっ、なんか文字が読みづらいですね」
海未「かなり古そうなかんじですね、さっきの方のものでしょうか?」
凛「もしかしたらなにかここのことで書いてあるかも!」
海未「そうですね...すいません、拝見させていただきます」
凛「中はそんなに傷んでないですね、そこまで」
海未「なにかヒントになることでも書いてあればいいのですが....」ペラペラ
凛「凛には読めないんですけど、先輩は読めるんですか?」
海未「まぁ、これくらいならなんとか」
凛「先輩すごいにゃ」
海未「大したことじゃないですよ」 凛「なんて書いてあります?その手帳には」
海未「.....ふむ、読めない部分もありますが、この持ち主の方もこの森で迷った方のようですね」
凛「ってことは....ここの場所には昔にも迷った人がいたってことだね」
海未「そのようですね...それとなにかを後悔していたようですね」
凛「後悔?」
海未「はい、このページを見てください」
凛「...えっと、なんて書いてあるんですか?」
海未「簡単にまとめればこれを書いていた人がここに書いてある人に対してずっと謝ってるかんじですね」
凛「謝ってる....」
海未「あとは文字がかすれていたり、滲んでいたりして読めないですね」
凛「........」 海未「さっきの方が言っていた可能性を信じて行動してみますか」
凛「でも行動って?なにをするんですか?」
海未「ここみたいに他の場所にもなにか手がかりになるものが落ちていたりするかもしれません、それを探してみましょう」
凛「成程、わかりました」
海未「とりあえずこの刀を持っていきますか....」スッ
凛「武器になりそうですもんね」
海未「はい....痛っ!!」バチッ
凛「先輩!?」
海未「だ、大丈夫です...刀を持とうとしたらなにやら電気のようなものが....」
凛「電気?」 海未「....っ!...」バチッ
凛「まさかそんなことが?....」スッ
海未「!星空さん!無暗に触ったりしたら」
凛「...?普通に持てますけど?」
海未「...え?でも、さっき私が持とうとした時には....」
凛「なんともないですけど....」
海未「?...まぁ、ここは不思議な空間です、こんなことでいちいち驚いたりしても無駄なんですかね...」
凛「もしかして...呪いの刀とかじゃないですよね?これ」
海未「さぁ?でも、呪いに呪いをぶつけたりするのはありかもしれませんね」
凛「あ、ありなんですか?」
海未「お互いの呪いが喧嘩をして消えるとかなんとか...友人がそんなことを映画で見たって言ってました」
凛「映画ですか....」
海未「この状況も充分に映画みたいなものですよ」
凛「それは...たしかにそうかもしれませんけど...」 チャキン!
海未 凛「!!」
「............」
海未「いつの間に背後に....例の鎧武者とはこの人のことなんでしょか?」
凛「見つかっちゃったにゃ...先輩、どうします?」
海未「とにかく、一旦逃げましょう!」ダッ
凛「は、はい!!」ダッ
ガシャン!ガシャン!!ガシャン!!!
海未「追ってきますね...」
凛「というか!鎧を着てるのになんであんなに走るのが早いの!?」 海未「霧の中なのにこちらを見失ずに追ってきますね」
凛「もしかして凛達が走っている音を聞いて追いかけてるのかな?」
海未「そうかもしれませんね!なら!!」
凛「どうするんですか?」
海未「...そこの木の近くに隠れてみましょう...もしかしたら撒くことができるかもしれません」ボソッ
凛「わかりました」
ガサガサ
海未「息を整えて...気配を殺してください」
凛「っ...はい....ふぅ...」
ガシャン!!
「............」
海未(来ましたね....さて、どう動きます?)
「............」
凛(動かない?...もしかしてバレてる?それとも見失ったのかな?) 「...........」
ガシャン!!
海未(去っていく?....よし、これで態勢を立て直して....)
「...........」ブン!!
凛「!?」
ドン!!!
凛「な.....これは小刀?...も、もう少し横にいたらこの木みたいに小刀が体に刺さってたところだった...」
ガシャン!!ガシャン!!ガシャン!!!
凛「ってバレてる!?こっちに来る!?」
海未「逃げますよ!!簡単に逃がしてくれないみたいですね!」 凛「はぁ...はぁ...どこまで逃げれば....」
海未「それにしてもどこまで行っても森ですね...人工物が全く見当たらないですね」
凛「!!」
海未「どうしました!?いきなり立ち止まって」
凛「見てください、先輩」
海未「え?....これは!.....」
凛「どれだけ広い森なのここって....」
海未「この崖から見下ろしても...あたり一面の森....完全に元いた場所ではないことはたしかみたいですね、ここは」
ガシャン!!
海未「それよりも...追い詰められてしまいましたね...」
凛「みたいですね....」 「.........」
海未「この状況、まるで2時間ドラマのラストシーンみたいですね...」
凛「先輩が冗談を言うなんて珍しいですね」
海未「私だってたまには冗談くらいは言いますよ、こんな状況なら尚更言いたくもなりますよ」
凛「...先輩どうします?」
「刀を....抜け....」
海未「!喋った?」
凛「刀?刀ってもしかして、これ?」
「....勝負.....」
海未「まさか、真剣で勝負をしろということですか?」
「...........」チャキン
凛「この刀で.....勝負....」 海未「待ってください!いきなり勝負って言われましても!困ります!」
「..........」
海未「こっちはそちらのような鎧もつけてないんですよ!そんな状態で戦いでもしたら!」
「一本.....」
凛「.........」
「一撃でも...当てれば...そちらの勝ちとしよう....」
海未「しかし!!」
凛「先輩、ここはやるしかないみたいですよ」
海未「ですが、危険です!命の危険があるんですよ!怪我ではすまないんですよ!」
凛「それはこのままでも一緒ですよ、このままでも状況は変わりません!なら!この状況を乗り越えるしかないです!!」
海未「!!.......」 凛「...........」スッ
海未「待ってください!ここは私が!!」スッ
ビリッ!!ビリビリ!!!
海未「っ〜!!!なぜ、何故!私には握れないんですか!?」
凛「きっと、この刀は凛にしか使えないんです」
海未「っ.....」
凛「先輩、任せてください!凛、勝ちますから!」
海未「星空さん....」
凛「よし.....」
「...........」 海未「待ってください、せめてこれを....」ゴソゴソ
凛「?」
海未「防具です、小手の部分だけですが、ないよりはましかと」
凛「先輩...」
海未「これくらいしかできませんが、許してください」
凛「ありがとうございます!」
海未「...無茶はしないでくださいね」
凛「善処...するにゃ」
凛「いくよ....」ギリッ
「...........」 乙。
呪いに呪いをぶつけたら更に強い呪いになってしまったってオチの映画ありましたねぇ… 凛「やぁああああああ!!」ブン!!
「..........」ブン!!
ガキン!!
海未「星空さん.....」
凛「えい!!たああああ!!」ブン!ブン!!
「...........」スッ
ガキン!ガキン!!!
海未「さすがにスピードは防具を着けてない星空さんのが上のようですね、しかし...剣技は...」
凛「っ!!」グッ
「.........」ブン!ブン!!!
ガキン!ガキン!!!
海未「やはり相手のが上手ですね...」 凛「っ〜!!!」サッ
「.............」
凛「はぁ...はぁ.....」
海未「大丈夫ですか!?」
凛「なんとか...あの人、滅茶苦茶強いにゃ...」
凛(多分、先輩よりも...先輩にも勝てたことがないのに...そもそも勝てるのかな...) 凛「っぐ....ああああ!!」ズサッ
「弱い.....つまらない....」
海未「星空さん!!」
凛「はぁ...はぁ....」
海未「大丈夫ですか!?」
凛「なんとか...でも、勝てないです」
海未「勝てない?」
凛「あいつは先輩よりも強い...先輩に一度も勝ってない凛が適うはずがないにゃ...」
海未「.......」
凛「そう...凛は弱いんだ....」 凛「この前だってそう、かよちんを守るっていって、守れてなかったし...今だって大口をたたいておいて、こうやって力不足で天を仰いでるんだから...」
海未「では、諦めるんですか?」
凛「凛は先輩みたいに強くないし...才能もないんだよ...だからもう、やっても無駄だよ」
海未「.........」
凛「どうせ...凛なんて...」
海未「いい加減にしてください」
凛「...え?」
海未「才能がない、才能がないといいますが...そんなの当たり前です!!」
凛「!?」
海未「この際ですから!言わせていただきます!」 海未「剣道の才能がないと言いますが、貴方は数ヶ月程度しか本格的にやってないはずです!それで十年近くやっている私にそもそも勝てるはずがありません!」
凛「そ、それは...」
海未「たしかに誰でも壁にぶつかることがあります!しかしそれを乗り越えて人は成長していくのです!!」
凛「........」
海未「私だって、そうやって成長してきたんです」
凛「っ...先輩に...先輩に凛のなにがわかるの!?」
海未「......」
凛「先輩は知ってると思うけど、真姫ちゃんは頭がよくてシックスセンスもある!希ちゃんは知識がある!...でも凛にはなにもないんだよ!?」
「仲間....割れ?」
凛「大切な幼馴染だって!まともに守ることができない!この間もそうだった!肝心な時に役に立てなかった...惨めだよ...本当に」
海未「........」
凛「凛はどうせ先輩と違って弱いんだよ!!」 海未「...それは違います」
凛「違わないよ、凛は弱いよ」
海未「たしかに貴方は実力も心も弱いかもしれません」
凛「....っ...」
海未「しかしそれは成長する途中だから、そして私だって成長の途中のつもりです...そして貴方は私と似ています」
凛「似てる?なにがですか?」
海未「強くなりたいと思う根源です、私も強くなろうと思ったきっかけは幼馴染達でした」
凛「..........」
海未「こう見えて、小さい頃は泣き虫で人見知りだったんですよ?私」 海未「そんな私を変えてくれたのは、幼馴染の二人でした」
凛「...幼馴染.....」
海未「いつも引っ込み思案な私を二人が私を引っ張ってくれました、そして私だけでは絶対に見ることができなった景色をたくさん見せてくれました」
海未「そしていつからかこう思うようになりました...二人を守れるようになりたいと強くなりたいと....そうなる為に鍛錬をしてきました、今まで...そしてこれからもしていきます」
凛「だからなんなんですか?...凛と先輩は違います!!」
海未「そうです!違います!!なぜなら貴方はまず自分に負けています!!!」
凛「!!」
海未「自分を卑下し、しっかりと前を見ようとしてない!自分自身が自分のことも信じてない!自分を信じられない人間が前に進むことはできません!!」
「...........」
海未「まずは自分を信じて!失敗をしても恐れずに!少しずつでも一歩ずつでも前に進むことが大事です!」
凛「.....先輩....」
海未「.........」
凛「...今、失敗したら死んじゃうんと思うんですけど.....」
海未「た、例えですよ....例え!というか変なことで急に冷静に突っ込まないでくださいよ」
凛「いや、だって....」
「..........」 凛「でも...少し目が覚めたかも...凛、ずっと悩んでいたんです...悩んで悩んで...こんがらがってたのかも...」
「.........」
凛「そうだよ、簡単なことだったんだ....大切な人と一緒にいたい、それだけでよかったんだ...何も力がなくても一緒にいられるんだから....」
海未「........」
凛「でも貴方には勝つよ!そしてかよちんが!皆がいるところに帰るんだ!!」スッ
「っ.........」グラッ
海未「!」
凛「待たせたね、今度の凛はさっきのまでの凛とは違うんだからね!」
海未(一瞬、鎧武者がふらついたような...気のせいでしょうか?)
凛「よーし!行くよー!!!」 凛「やぁ!!」ブン!ブン!!!
「............」スッ
ガキン!ガキン!!
海未「...急に相手の動きが鈍くなったような....それとも星空さんの動きがよくなったからなのでしょうか?」
「ぐっ........」
凛「はぁ!!!」ブン!!
ガキン!!
「し、しまっ....」グラッ
凛「隙あり!!」ブン!!
「!!」
ガキン!
海未「き、決まった!!」 凛「き、決まったの?」
「.....どうやら今回は負けのようだね......」スッ
海未「兜を外してる?一体?....」
「............」
凛「!!」
海未「鎧武者が星空さん!?いや、そっくりさん?」
「...私は貴方の心が生んだ迷いが具現化したもの、この森の魔力によってね」
凛「迷い....」
『この森は人の心を映す森....』
海未「成程、あの言葉はそういう意味だったんですね」 「この森は人間の心から後悔や迷いなどのマイナスエネルギーによって人を閉じ込める森...今回はそっちの子のマイナスエネルギーによって私とこの空間が生まれた」
海未「だから片方は巻き込まれたという言い方だったんですね」
凛「じゃあ、どうやったら帰れるの?元の世界に」
「時期に私は消える、貴方が迷いを断ち切って前に進んだからね、もう少ししたらこの空間も消えて帰れるよ」
凛「本当?」
「本当だよ、まぁ、信じなくても帰れるから信じるかはご自由に」
凛「そう...」
海未「星空さん」
凛「なんですか?先輩?」
海未「おめでとうございます....そしてすいませんでした、貴方は弱くはない!強い人間です!」
凛「....はい!」 スー....
海未「霧が!」
凛「晴れていくにゃ!」
「そうだ、一つだけ言っておくね、最後に」
凛「え?なに?」
「この森みたいに人は生きていく中で色んなことで迷うことがある、でも立ち止まっていてもなにも解決しない、一歩踏み出す勇気だけは忘れないで?」
凛「....うん!わかったにゃ!」
「わかってくれれば...問題はないね....」フッ
海未「消えましたね....」
凛「はい.....」 真姫「全く...二人はどこに....」
花陽「凛ちゃん...園田先輩...」
希「.....あ!二人共あそこ!!」
海未「あれは....」
凛「かよちん!!それに真姫ちゃんと希ちゃん?なんで?」
花陽「凛ちゃん!!」ダッ
凛「うぐっ!!」ドサッ
花陽「凛ちゃん!だ、大丈夫!?怪我とかしてない!?て、手当てを!」
凛「か、かよちん....ちょっと落ち着いてほしいにゃ....」 真姫「そんなことが....」
海未「はい、無事に帰ってこれてよかったです」
希「心が空間を作るなんて...スピリチュアルやね...」
真姫「元々、この森にそういう力が溜まっていたんでしょうね...かすかにまだ力を感じるし」
希「せっかく急いで駆け付けたのに...まぁ、皆が無事だったからいっか...」
真姫「そうね」
花陽「凛ちゃん....ぐすっ....」
凛「かよちん、苦しいにゃ....」
花陽「だって...だって!」
凛「もう...ごめんね?心配かけて...」
花陽「うん...」
凛「もう...迷わないから...」
花陽「え?」
凛「ううん、なんでもないよ?かよちん」 「園田さん、心配したんだよ?でも無事でよかった」
海未「ご迷惑をおかけしました」
「後で捜索隊の人にお礼を言いにいくから、付き合ってよね」
海未「はい、もちろん」
真姫「どうやら凛の悩み事も解決したみたいね」
希「うん...よかった、よかった」
真姫「さて...今度は貴方ね」
希「え?」
真姫「勉強よ、さぁ、帰ってするわよ」
希「えー....鬼ぃ....」 真姫「私は貴方のことを思って....」
希「........」
真姫「希?」
希「.........」ダッ
真姫「あ!こら!!希ぃ!!」
希「逃げるが勝ち!!」
真姫「待ちなさい!!」
海未「あの二人は元気ですね」
凛「いつものことなんで」
花陽「あはは....」
おしまい これでおしまいです
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