花丸「心中」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/06/20(水) 20:09:28.31

ゆっくり投稿していきます

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2018/07/12(木) 09:50:24.90

いつでもええで

**名無しで叶える物語**(庭) · 2018/07/12(木) 09:56:19.85

まってる

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2018/07/12(木) 10:01:10.66

めっちゃ不穏だな…

**名無しで叶える物語**(アメリカ合衆国) · 2018/07/12(木) 11:37:48.38

タイトルがタイトルだけに不穏
おつ

**名無しで叶える物語**(わたあめ) · 2018/07/12(木) 12:57:55.38

このまま駆け落ちENDかそれとも…

**名無しで叶える物語**(わたあめ) · 2018/07/12(木) 17:51:27.77

ルビィちゃんと楽しく生きていくずら＾＾

**名無しで叶える物語**(きしめんだぎゃー) · 2018/07/12(木) 21:36:47.16

ほ

**名無しで叶える物語**(きしめんだぎゃー) · 2018/07/12(木) 23:01:32.58

ほ

**名無しで叶える物語**(家) · 2018/07/12(木) 23:54:10.09

頼むから幸せになってくれ

**名無しで叶える物語**(きしめんだぎゃー) · 2018/07/13(金) 05:59:06.13

ほ

**名無しで叶える物語**(茸) · 2018/07/13(金) 11:26:48.00

ほ・゜・(つД｀)・゜・

**名無しで叶える物語**(香港) · 2018/07/13(金) 11:29:31.16

ずら！

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2018/07/13(金) 19:34:49.12

ほ

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:07:23.75

―沼津駅―

鞠莉「着いたわよ」

花丸「ありがとう、鞠莉ちゃん」

鞠莉「悪いわね、ここまでしか送れなくて」

花丸「気にしないで。本当にありがとう」

鞠莉「じゃあ私は戻るわね。後は計画通りに」

花丸「うん」

鞠莉「困ったことがあったら連絡するのよ」

　ブロロッ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:08:29.50

ルビィ「鞠莉ちゃん、車の運転なんてできたんだね」

花丸「こっそり免許を取ってたらしいよ」

ルビィ「凄いねぇ、やっぱり大人だなぁ」

花丸「ルビィちゃんは、運転ができる人が好きなのかな」

ルビィ「どうして？」

花丸「駆け落ちしたら、きっと免許を取れないから、嫌かなって」

ルビィ「あはは、そんなの気にしないよぉ」

ルビィ「ルビィはマルちゃんが居れば、それでいいんだよ」

花丸「……ありがとう」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:10:40.68

ルビィ「それで、この後はどうする予定なの？」

花丸「北海道の方に鞠莉ちゃんの家があるらしいから、そこへ行く予定」

ルビィ「北海道かぁ」

花丸「うん、出来るだけ遠くへ逃げた方がいいだろうって」

ルビィ「なら、今からどこへ向かうの」

花丸「とりあえず東京へ行って、そこから飛行機に乗る予定」

ルビィ「へぇ、じゃあ新幹線？」

花丸「うん――あれ」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:11:44.47

ルビィ「どうしたの」

花丸「切符、どこにやったかな」

ルビィ「もしかして無くしちゃった？」

花丸「そ、そんなことはないはずなんだけど」

花丸「あれ、あれ、おかしいな」

ルビィ「お、落ち着いて、それならちゃんと探せばあるはずだよ」

花丸「う、うん――あっ、あった」

ルビィ「よかったぁ」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:13:12.09

花丸「あ、安心したら腰が……」

ルビィ「大丈夫？」

花丸「ごめんね、段取り悪くて」

花丸「こんな格好悪いところばかりみせて、不安になっちゃうかな」

ルビィ「そんなことないよ」

花丸「でも」

ルビィ「格好いいよ、花丸ちゃん」

ルビィ「一刻も早く、ルビィの元に来てくれようとしてくれたんだよね」

ルビィ「嬉しいよ、本当に」

花丸「ルビィちゃん……」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:14:53.83

ルビィ「ルビィね、諦めてた」

ルビィ「もう花丸ちゃんに会えないって、お姉ちゃんの言うことを受け入れようって」

ルビィ「でも、こんな風に来てくれて、連れ出してくれて」

ルビィ「マルちゃんは、最高の恋人だよ」

花丸「ありがとう」

花丸「そう言ってくれて、すごく嬉しい」

花丸「不安だったんだ、拒絶されないか」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:18:17.60

花丸「本当に辛かった、会えない日々は」

花丸「だから鞠莉ちゃんが協力を申し出てくれた時、すぐにそれを受け入れた」

花丸「でもね、怖かった」

花丸「ルビィちゃんはもう、マルの事なんてどうでもいいと思っているんじゃないかって」

花丸「何の抵抗もできずに、あっさりと関係を断ち切られてしまったマルを、見損なっているんじゃないかって」

花丸「もう、マルの事を好きじゃなくなったかもしれない、そんな考えが頭をよぎってたの」

花丸「でも、それは杞憂だった」

花丸「ルビィちゃんはマルの事を想っていてくれた、大切なお姉ちゃんよりも」

花丸「それがただ、嬉しい」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:20:07.97

ルビィ「酷いなぁ、マルちゃん」

ルビィ「マルちゃんの事を好きじゃなくなるなんて、あるわけないのに」

花丸「えへへ、ごめんね」

ルビィ「いいよ、気持ちは分かるもん」

ルビィ「ルビィだって、全く考えないわけじゃなかった」

ルビィ「バレた原因はルビィだし、マルちゃんが見損なわれてもおかしくない」

ルビィ「でも信じてた」

ルビィ「そうしたらこうやって、迎えに来てくれた」

ルビィ「だからね、どんなことがあってもルビィはマルちゃんを信じるよ」

ルビィ「どんなことがあっても、好きでいるよ」

**名無しで叶える物語**(家) · 2018/07/13(金) 23:20:57.10

きましたわーーー

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:23:18.34

花丸「ルビィちゃん……ありがとう」

ルビィ「それじゃあ、行こうか」

花丸「うん」

ルビィ「もう、戻ってくることはないのかな」

花丸「そうかもしれない」

ルビィ「マルちゃんは、寂しくない？」

花丸「寂しくないといえば嘘になるよ」

花丸「でもルビィちゃんと一緒に居られない以上に、寂しいことはないから」

ルビィ「そうだね、ルビィも一緒」

花丸「……今度こそ、ずっと一緒に居ようね」

ルビィ「うん」

ルビィ「絶対に、ルビィの元から離れないでね」

花丸「うん、今度は絶対に離れない」

花丸（それに、もし離されそうになったら、その時は――――）

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:24:46.65

―小原家―

ダイヤ「鞠莉さん！」

鞠莉「あら、どうしたのダイヤ」

鞠莉「せっかくの可愛い顔に皺が寄ってるわよ」

ダイヤ「それどころではありません！」

鞠莉「へぇ、何事かしら」

ダイヤ「とぼけないでください」

ダイヤ「ルビィが家から消えました」

ダイヤ「そして花丸さんも行方不明になったそうです」

ダイヤ「二人を、どこへやったのですか」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:26:33.19

鞠莉「何のことか分からないわね」

鞠莉「私がルビィと花丸の事なんて知るがないでしょ」

ダイヤ「ルビィが残した書き置きに、貴女の名前がありました」

ダイヤ「それに二人には監視をつけていたはずです」

ダイヤ「それを破って、どこかへ逃がす」

ダイヤ「こんな大掛かりな事ができるのは貴女しかいません」

鞠莉「あらあら、ずいぶんと高く評価してくれるのね」

ダイヤ「この期に及んで、よくそんなことを……」

鞠莉「きっと二人で上手く逃げただけよ」

鞠莉「どこかの硬度10のお姉さんから逃れるために」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:27:46.89

ダイヤ「無事なのですか、あの子たちは」

鞠莉「さあ」

鞠莉「でもきっと、元気だとは思うわ」

ダイヤ「……そうですか」

鞠莉「もし場所が分かったら、どうするつもりなの」

ダイヤ「当然、連れ戻します」

ダイヤ「それが私の、姉として、先輩としての義務ですから」

鞠莉「そう……」

鞠莉「それならきっと、二人の居場所は不明なままね」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:29:00.31

ダイヤ「貴女は何もわかっていない、何も考えていない」

ダイヤ「この行為は、自己満足の為でしょう」

ダイヤ「叶わない気持ちを持った自分とあの子たちを重ねて、自らの望みを託しているだけ」

ダイヤ「信じられないほどに、自分勝手な行為です」

鞠莉「……そうね、否定しないわ」

鞠莉「だけどね、少なくともあの子たちは喜んでいる」

鞠莉「貴女ではなく、私を肯定している」

鞠莉「その時点で、間違っているのは貴女の方よ」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:30:06.48

ダイヤ「……なるほど、よく分かりました」

ダイヤ「貴女の事は、問題が解決するまで友人とは思いません」

ダイヤ「世界一大切な妹を貶める敵として考えることにします」

ダイヤ「内浦で黒澤家を、私を敵に回す」

ダイヤ「それ相応の報いを受けることを覚悟しておいてください」

鞠莉「……残念ね、それは」

ダイヤ「では、私は失礼します」

ダイヤ「また友人として再会できる日が来ることを、期待していますよ」

鞠莉「そうね」

鞠莉「でもその日は来ない」

鞠莉「来させないわ、絶対に」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2018/07/13(金) 23:31:47.61

とりあえずここまでです
明日の朝に更新がなかったら、続きは明後日以降になると思います

**名無しで叶える物語**(茸) · 2018/07/13(金) 23:32:39.97

乙…

**名無しで叶える物語**(家) · 2018/07/13(金) 23:38:52.26

明日やってください

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2018/07/14(土) 00:11:29.92

>>360 まるちゃん「に」見損なわれるかな？

**名無しで叶える物語**(きしめんだぎゃー) · 2018/07/14(土) 06:30:59.59

まるビィ…

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2018/07/14(土) 06:49:16.55

んー同性愛が特殊といいながらこのグループはレズの割合が多すぎませんかねぇ…

はやく書くずら！待ってるずら

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2018/07/14(土) 13:24:02.29

ほ

**名無しで叶える物語**(公衆) · 2018/07/14(土) 16:30:52.16

ほ

**名無しで叶える物語**(きしめんだぎゃー) · 2018/07/14(土) 18:49:17.05

最初から読み返したらまるちゃんがいきなりクライマックスだった

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2018/07/14(土) 21:10:02.14

久しぶりに更新が楽しみなSSだわ…

**名無しで叶える物語**(家) · 2018/07/14(土) 21:23:55.05

ほんとにね

**名無しで叶える物語**(庭) · 2018/07/14(土) 22:40:35.92

これからの展開を思うとキツいけどこの鞠莉とダイヤのやりとり好きだわ…

**名無しで叶える物語**(SB-iPhone) · 2018/07/15(日) 05:22:37.67

ほ

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2018/07/15(日) 12:31:21.19

ほ

**名無しで叶える物語**(きしめんだぎゃー) · 2018/07/15(日) 16:08:53.48

ほ

**名無しで叶える物語**(茸) · 2018/07/15(日) 18:25:59.17

まっとるぞ(゜o゜)＼(-_-)

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 18:29:03.66

ﾋﾟｷﾞｨ

**名無しで叶える物語**(湖北省) · 2018/07/15(日) 22:27:54.00

ほ

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 22:48:44.82

>>371
そうですね、ご指摘ありがとうございます

では再開します

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 22:50:09.59

――函館――

ルビィ「凄いなぁ、海」

ルビィ（北海道へ来て少しの時間が経った）

ルビィ（今のところ、追っては来ていない）

ルビィ（二人で鞠莉ちゃんの知り合いのお世話になりながら、ひっそり暮らす日々）

ルビィ（外出する時も髪型を変えて、目立たないように行動する）

ルビィ（下手な行動を取ることはできない、見つかったら終わり）

ルビィ（でも、幸せな日々）

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 22:51:03.69

ルビィ（だって横には常にマルちゃんが居るから）

ルビィ（一緒に寄り添って暮らしている）

ルビィ（一度離れ離れになる前よりも、近い距離）

ルビィ（まるで本当に駆け落ちした夫婦みたい）

ルビィ（鞠莉さんの家の人たちは、みんな理解があってやさしい人）

ルビィ（外国の人だからなのかな、それとも立場が作る余裕？）

ルビィ（立場、はあると思う）

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 22:53:01.09

ルビィ（少なくともお姉ちゃんの立場で、ルビィ達の関係に賛成できない）

ルビィ（例え本心では理解があるとしても）

ルビィ（そこの事に気づいたのは、最近の事で）

ルビィ（もっと早く気付いていれば、何か変わったのかな）

ルビィ（相いれない事は不変だから、変化なんてないかな）

ルビィ（でも結果は変わらなくても、もっとお姉ちゃんにやさしくできたかもしれない）

ルビィ（後悔をしても、もう遅いけどね）

ルビィ（だってもう、会うことはないんだから）

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 22:53:49.97

ルビィ（……あそこのハンバーガー、マルちゃん好きそうだな）

ルビィ（今度、教えてあげよう）

ルビィ（せっかく駆け落ちしたのに、残念なのは一緒に外出できない事）

ルビィ（二人でいたら目立つから、変装して別々に出かけるだけ）

ルビィ（今日は前から気になっていた赤レンガ倉庫に来てみた）

ルビィ（お洒落で可愛いお店もたくさんあって素敵）

ルビィ（多分、デートにピッタリな場所）

ルビィ（カップルみたいな人、たくさん見かけたもん）

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 22:54:40.69

ルビィ（どこかで海外に連れていくからその時までの我慢だって、鞠莉ちゃんが電話で言ってた）

ルビィ（もう少し、本当に自由な立場までもう少しだ）

ルビィ（だから今の寂しさぐらい、我慢しないと）

ルビィ（でも、外で一緒に話ができる友達ぐらい欲しいなぁ）

ルビィ（ルビィ達の事を理解して、存在を外部に話したりしない、理想的な友達――）

？？（……）

ルビィ（例えばそこに座っているような、同い年ぐらいの子なんて――）

？？「ん？」

ルビィ（あれ、こっち観た）

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 22:55:31.49

？？「……」

ルビィ「ピギッ」

ルビィ（こ、こっちに来る）

？？「ねえ、そこのあなた」

ルビィ「な、何ですか」

？？「あなた、黒澤ルビィ」

ルビィ「えっと」

ルビィ（もしかして、黒澤家の人？）

ルビィ（ば、ばれたの、どうしよう、逃げなきゃ――）

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 22:56:20.58

？？「その反応、私のこと覚えてないの？」

ルビィ「えっ？」

理亞「鹿角理亞、Saint Snowの」

ルビィ「あっ……」

理亞「思い出した？」

ルビィ「東京で会った、あのバク宙の」

理亞「……何か微妙な覚えられ方ね」

ルビィ「あ、あはは、インパクト強かったから」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 22:57:20.33

理亞「なにしてるの、こんなところで」

ルビィ「え、えっと」

理亞「観光？」

ルビィ「う、うん」

理亞「でも今は普通に学校のある期間でしょ」

ルビィ「まあ、そうなんだけど……」

理亞「もしかして、訳ありな感じ？」

ルビィ「そ、そうなんだよね」

**名無しで叶える物語**(家) · 2018/07/15(日) 23:02:19.44

きたーーーー

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:02:22.00

理亞「まあ、詳しいことは聞かないでおくわ」

ルビィ「ありがとう、理亞――さん？」

理亞「同い年なんだから呼び捨てとかでいいわよ」

ルビィ「そう？」

理亞「そ、そうよ」

ルビィ「じゃあ――理亞ちゃん？」

理亞「『ちゃん』は付いてくるのね……、まあいいけど」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:03:43.26

ルビィ「でもよくルビィだって分かったね」

ルビィ「髪型とか、普段と変えてるのに」

理亞「まあ、貴女は特に気になっていたから」

ルビィ「気になってた？」

理亞「少し前にね、あなた達のライブの動画を姉さまにみせられたの」

理亞「凄くいい動きをして、みんなイキイキしてた」

理亞「その中でも特に、貴女は輝いてた」

理亞「本当に楽しそうに歌って、踊って……」

理亞「その時確信したの、この子は私と決勝で戦うライバルになると」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:05:17.90

ルビィ「……そうだね」

理亞「なによその反応」

理亞「自信がないの？」

ルビィ「そういうわけじゃないんだけど……」

理亞「じゃあなに？　私たちが予選で負けるとか考えてるの？」

ルビィ「それも、違うんだけど」

理亞「……煮え切らないわね」

ルビィ「ごめんね」

理亞「もう、まさかアイドルを辞めたからとかじゃないでしょ」

ルビィ「…………」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:06:13.33

理亞「えっ、本当に？」

　コクリ

理亞「本当にアイドル、辞めたの？」

ルビィ「……うん」

理亞「もしかして、私の所為？」

ルビィ「へっ、なんで？」

理亞「だって、初対面で攻撃的な態度を取って、あなた達を否定して――」

ルビィ「ち、違うよ。それ以外の理由」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:07:12.94

理亞「グループ内の誰かと喧嘩したとか？」

ルビィ「えっと……」

理亞「定番だけど、方向性の違いみたいな？」

理亞「人間関係が原因で脱退するのはよくあるし」

ルビィ「まあ、それに近いかな」

理亞「……勿体ない」

理亞「せっかく、ライバルになれると思ったのに」

ルビィ「……仕方なかったんだよ」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:08:01.59

理亞「理由はなによ」

理亞「恋愛関係のもつれとか？」

ルビィ「っ」

理亞「ほ、本当にそうなの？」

理亞「アイドルに恋愛はタブーでしょ」

ルビィ「す、スクールアイドルはそこまで厳しくないもん」

理亞「でも人間関係の崩壊の原因になるから、普通は避けるじゃない」

ルビィ「そうだけど……」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:09:38.43

理亞「相手はアイドルに関係ある人なの？」

ルビィ「まあ……」

理亞「何よそれ、理解した上で付き合ってるなんて、ろくでもない奴ね」

ルビィ「ま、マルちゃんはろくでもない奴なんかじゃないもん！」

理亞「マル、ちゃん？」

ルビィ「あっ……」

理亞「マル『ちゃん』って言ったわよね、今」

ルビィ「ち、違くて――

理亞「確かAqoursに居たわね、貴女と仲良しの、国木田花『丸』って子が」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:10:34.42

理亞「もしかして貴女、メンバーと、女と付き合ってるの？」

ルビィ「…………」

理亞「別にいいわよ、話さなくても」

理亞「言いにくいことだろうし」

理亞「でも口に出すことで、少しは楽になれるんじゃない」

理亞「私は誰にも言わないし」

理亞「そもそも友達いないから言う相手もいないし」

ルビィ「理亞ちゃん……」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:11:31.11

ルビィ（いいのかな、話しちゃっても）

ルビィ（ほとんど初対面の相手に、こんな大事なことを漏らす）

ルビィ（人に聞いたら、絶対に止められそうな行為）

ルビィ（けどどうしてかな、不思議と大丈夫な気がする）

ルビィ（この子なら大丈夫って安心感がある）

ルビィ（実際、抱え込むのもつらい）

ルビィ（味方が欲しい、自分を肯定してくれる味方が）

ルビィ（もしかしたら、理亞ちゃんはそれになってくれるかもしれない）

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:12:30.96

ルビィ「じゃあ、話すよ」

理亞「う、うん」

ルビィ「最初にね、出会ったときの事から――――

―――
――
―

ルビィ「――とまあ、そんな感じで駆け落ちしてきたの」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:13:14.51

理亞「はぁ……」

ルビィ「や、やっぱり変かな」

理亞「そんなことない」

理亞「凄いわ、あなたたち」

ルビィ「気持ち悪いとか思わないの？」

理亞「思わないわよ、そんなこと」

理亞「尊敬するわ、あなたたちの事」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:14:52.31

ルビィ「尊敬って、そんな」

理亞「そこまで相手の事を想える、素敵じゃない」

理亞「私は恋をしたことがないけど、憧れるし、格好いい」

ルビィ「そ、そんなに立派なものじゃないよ」

理亞「でも実際、全てを投げ捨ててでも駆け落ちをしてきた」

理亞「大好きだったアイドルさえ捨てて」

ルビィ「よく分かったね、ルビィがアイドル好きだって」

理亞「見てれば分かるわよ、演じている時の雰囲気を」

理亞「それに、私と貴女はどこか似てるもの」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:15:54.24

理亞「私ね、本当は凄い人見知りなの」

ルビィ「理亞ちゃんが？」

理亞「ええ」

理亞「東京に居た時にそっけない態度をとったのも、どう話していいのか分からなかったから」

理亞「だから、普段の私なら今日も話しかけられなかったと思う」

理亞「でも今日、貴女に話しかけられたのは、どこか放っておけない雰囲気を感じたから」

ルビィ「そうなんだ……」

理亞「実際話してみても、正直心配よ、貴女の事」

理亞「危うい状態にいるようにしかみえないもの」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:16:55.69

ルビィ「……理亞ちゃんは反対なの」

ルビィ「ルビィがマルちゃんと今の状態を続けること」

理亞「ううん、さっきの話を聞いて反対なんてしないわよ」

理亞「助けにはなりたいけどね」

ルビィ「理亞ちゃん……」

理亞「何かできることがあったら言ってね」

理亞「できる限り、協力するから」

ルビィ「うん、ありがとう」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:18:16.06

ルビィ「あっ、私そろそろ行かないと」

理亞「時間？」

ルビィ「うん、そろそろ帰らないと心配されちゃう」

理亞「ねえ、しばらくはこっちにいるのよね」

ルビィ「うん」

理亞「じゃあ、明日も会える？」

ルビィ「うーんと、明後日なら」

理亞「じゃあ明後日、またここで待ち合わせしない？」

ルビィ「うん、いいよ」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:19:13.49

理亞「今度はもっといろんな話をしましょう」

理亞「好きなアイドルについてとか、国木田花丸の話とか」

ルビィ「そ、それは恥ずかしいかも」

理亞「いいじゃない、一度恋バナとかしてみたかったのよ」

ルビィ「り、理亞ちゃんも話すならいいよ」

理亞「残念、さっきも言ったけど私は恋とかしたことないから」

ルビィ「む、むぅ、ズルいっ」

理亞「あはは、じゃあまたね、ルビィ」

ルビィ「またね、理亞ちゃん」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:20:14.29

　　※

―小原家関係者宅―

ルビィ「ただいまぁ」

花丸「あっ、おかえり」

ルビィ「あれ、外行きの格好だね」

花丸「ごめんルビィちゃん、すぐに荷造りできるかな」

ルビィ「ふぇ？」

花丸「急いでここを出なくちゃ行けなくなったみたい」

ルビィ「えっ」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:22:36.19

花丸「さっきね、鞠莉ちゃんから連絡があったの」

花丸「黒澤家の人に、滞在場所がバレたかもしれないって」

ルビィ「そ、そんな」

花丸「もうマルは準備ができてる」

花丸「後はルビィちゃんが良ければすぐに出発を――」

ルビィ「あ、あのね」

花丸「どうしたの？」

ルビィ「その、こっちで友達ができたの」

ルビィ「それで挨拶をする時間ぐらいは――」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:23:47.44

花丸「……ごめんね、早く出ないといけないから」

ルビィ「そ、そっか……」

花丸「でも、どうしても必要なら――」

ルビィ「大丈夫だよ」

ルビィ「そんな事より、逃げなきゃだもんね」

ルビィ「元々、友達を作る事自体がおかしいわけだから」

花丸「ルビィちゃん……」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:24:39.62

ルビィ「じゃあ急いで支度するから。物も少ないしすぐに――」

花丸「ごめんね」

ルビィ「マルちゃん？」

花丸「マルはずっと、ルビィちゃんの気持ちを考えられてない」

花丸「駆け落ちをすれば、ダイヤさんだけじゃない」

花丸「善子ちゃんやAqoursのみんな、新しくできた友達」

花丸「そして、大好きなアイドルとしての活動」

花丸「それら全てをルビィちゃんが失う事、ちゃんと理解できていなかったかもしれない

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:25:36.88

ルビィ「いいの」

ルビィ「マルちゃんは、どんなものよりも大切だから」

ルビィ「それにルビィを手に入れる代わりに色々な物を失ったのは、マルちゃんも一緒でしょ？」

花丸「そうかもしれないけど……」

ルビィ「それより急ごう、お話は後でじっくりすればいいよ」

花丸「う、うん」

ルビィ（でも連絡先ぐらい、聞いておけばよかったかな）

ルビィ（ごめんね理亞ちゃん）

ルビィ（いつかお詫びするから）

ルビィ（今はルビィが来ない理由、察してくれると嬉しいな）

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:27:16.00

―十千万―

曜「あの2人が、駆け落ち？」

千歌「うん」

曜「な、なんで」

千歌「詳しいことは分からないけど、付き合ってたらしいよ」

千歌「ダイヤさんに聞かれたんだ、二人から連絡はないか」

曜「駆け落ち……」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:28:19.64

千歌「ビックリしたけど、やっと納得できたよね」

千歌「突然花丸ちゃんがAqoursを辞めた理由」

千歌「二人が付き合っていたからなんだね」

曜「……そうだね」

千歌「曜ちゃんは知ってたの？」

曜「何となくは、ね」

千歌「えー、直接聞いてたとか？」

曜「そういうわけじゃ、ないけど」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:29:51.94

千歌「じゃあ、自分で気づいたってこと？」

曜「そうだね」

千歌「へぇ、流石曜ちゃん」

曜「ははっ、まあね」

千歌「二人のこと、心配？」

曜「そりゃね」

曜「駆け落ちなんて、簡単にできることじゃないから」

千歌「そうだよね、あんな可愛い子たち二人だけなんて」

千歌「幼めに見られる私から見ても、子どもみたいだもん」

曜「そう、だよね」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:30:36.96

千歌「でも大丈夫、ダイヤさんがすぐに二人を見つけ出すよ」

曜「えっ」

千歌「何かね、だいたいの居場所を見つけたらしいんだ」

千歌「もうすぐ戻ってくるよ、二人とも」

曜「……連れ戻されるの」

千歌「言い方は悪いけどそうなるね」

千歌「でも仕方ないよ、それが普通なんだもん」

千歌「これが普通に男女同士で、年齢も大人だったら応援したんだけどなぁ」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:31:39.16

曜「ダイヤさんは、二人の関係に反対なんだよね」

千歌「うん、絶対に認められないって言ってたよ」

千歌「千歌はリーダーだから教えてくれたけど、他の人には知られないようにしているみたいだし」

千歌「本当はこうやって曜ちゃんに話すのもダメなんだよ～」

千歌「人に漏らしたりしないって、信じてるからいいけどね」

曜「…………」

千歌「どうしたの？」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:34:18.88

曜「……私、二人を助けなきゃ」

千歌「曜ちゃん？」

曜「ルビィちゃんと約束したんだ」

曜「二人の事を応援するって」

曜「もし連れ戻されたら、二人はどうなるか」

曜「どうしても、嫌な予感しかしない」

千歌「……それは」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:35:44.43

曜「今ならまだ間に合う」

曜「この事を伝えて、パパにも協力してもらえば何か――

千歌「駄目だよ」

曜「千歌ちゃん？」

千歌「そんなことしたら、黒澤家を敵に回したら、ここで生活できなくなる」

曜「……きっとパパもママも分かってくれる」

曜「例えどんな目に遭っても、私は行かないといけない気がする」

千歌「嫌だよ」

千歌「私を、置いて行かないでよ」

曜「でも」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:36:28.95

千歌「私ね、二人と同じなの」

曜「同じ？」

千歌「曜ちゃんの事が、好きなの」

曜「っ」

千歌「二人みたいに、女の子が、曜ちゃんが好きなの」

曜「千歌ちゃん……」

千歌「だから離れたくない、一緒に居たい」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:38:35.46

千歌「今ね、もし曜ちゃんが動いたら私が疑われる」

千歌「曜ちゃんに情報を漏らした犯人だって」

千歌「そうなったら、どうなるのかな」

千歌「どんな報いを受けさせられるのかな」

千歌「怖いよ、想像しただけで」

曜「や、止めてよ、そんなこと――」

千歌「行かせないよ、絶対に」

千歌「曜ちゃんの居ない世界は嫌なの」

千歌「お願いだから私と一緒にいて」

千歌「千歌を、見捨てないで」

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/15(日) 23:42:20.79

とりあえずここまで
次の更新はやや遅くなるかもです

物語自体は現在8割程度まで来たので、もう少しで完結です
最後までよろしくお願いします

**名無しで叶える物語**(家) · 2018/07/15(日) 23:44:29.16

やっぱりレズじゃないか！

**名無しで叶える物語**(しまむら) · 2018/07/16(月) 00:52:17.83

おつ、各メンバーもどうなるか気になる・゜・(つД｀)・゜・

**名無しで叶える物語**(茸) · 2018/07/16(月) 01:47:01.03

異質なことって設定なのにレズだらけで草

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2018/07/16(月) 02:16:40.33

乙
続きがかなり気になるけどタイトル的に本当に嫌な予感しかしない…

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2018/07/16(月) 02:54:29.29

姉様は一体

**名無しで叶える物語**(きしめんだぎゃー) · 2018/07/16(月) 05:59:06.53

千歌ちゃんも相当だねえ

**名無しで叶える物語**(わたあめ) · 2018/07/16(月) 08:11:48.19

ほ

**名無しで叶える物語**(アメリカ合衆国) · 2018/07/16(月) 10:02:04.41

乙…

**名無しで叶える物語**(やわらか銀行) · 2018/07/16(月) 19:00:39.01

ほ

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/16(月) 20:55:51.04

ﾋﾟｯ・・・

**名無しで叶える物語**(黒酢) · 2018/07/16(月) 21:10:40.32

ちかっち病んでそうな雰囲気だなぁ
今後に期待だ

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/16(月) 22:51:03.58

――某所――

ルビィ「うゅぅ……」

花丸（ルビィちゃん、寝てる）

花丸（柔らかく握られている手にも、全く力が入っていない）

花丸（完全に身を委ねている証拠）

花丸（穏やかな寝顔）

花丸（こんな頼りないマルの横でも、安心してくれているのかな）

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2018/07/16(月) 22:51:54.02

花丸（鞠莉ちゃんからの直接の連絡が途絶えて、ずいぶんな時間が経った）

花丸（危機が迫っていることは理解している）

花丸（でもマルの力じゃ、どうしようもない）

花丸（絶望的な状況でも、助けてくれる人を信じるしかない）

花丸（鞠莉ちゃん、大丈夫なのかな）

花丸（小原家の人は心配ないと言っていた）

花丸（でもそれが嘘であることぐらい、マルにも簡単に理解できて）