花丸「心中」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
花丸(あれから、どれほどの月日が経ったかな)
花丸(マルはルビィちゃんと引き離された日から)
花丸(最初は数えていたけど、気がつけば分からなくなった)
花丸(数える意味などないと気づいて、止めてしまったから)
花丸(崖下を覗くと、大きな荒れた海が見える)
花丸(なるほど、これは確かに死の舞台にふさわしい)
花丸(果南ちゃん、こんなところで無駄に気を遣ってくれるなんて、馬鹿みたい) 花丸(あぁ、緊張するな)
花丸(飛び降りる前に、何かするべきことは――)
花丸(ルビィちゃんに電話してみる?)
花丸(ちょうどそこに公衆電話がある)
花丸(小銭まで置いてあるから、かけることはできそう)
花丸(でも、きっと番号は変わっているよね)
花丸(ダイヤさんがそんなミスを犯すとは思えない)
花丸(そうだ、遺書を書くべきかもしれない)
花丸(きっと果南ちゃんが回収してくれるだろう)
花丸(紙は、文庫本の空白でいいかな)
花丸(でもペンは――ポケットに入ってる)
花丸(なんて至れり尽くせりな、確かに標準よりいい待遇かも) 花丸(内容は、どうしようかな)
花丸(ルビィちゃんへの愛を語る?)
花丸(でもそれだと、残されたルビィちゃんに悪影響かな)
花丸(そもそも、本人にメッセージを伝えてもらえないかもしれない)
花丸(いっそ、罵詈雑言でも書けばいいかな)
花丸(それでルビィちゃんがマルを嫌いになれば、また新しい人生を歩み直せるかもしれない)
花丸(でも、生半可な言葉だと嘘だってばれるよね) 花丸(悪口……ルビィちゃんの悪口なんて思いつかない)
『ルビィちゃんの馬鹿、あほ、まぬけ』
花丸(なにこれ、小学生みたいな――
ルビィ「あはは、小さい子どもみたいだね」
花丸「えっ」
ルビィ「マルちゃん、ルビィのことをそんな風に思っていたの?」
花丸「……ルビィ、ちゃん?」
ルビィ「うん、そうだよ」
花丸「本物? それともルビィちゃんを想い続けていたマルが生み出した幻覚?」 ルビィ「本物だよぉ、だってほら」
チュッ
ルビィ「この感触、変わらないでしょ」
花丸「……そうだね」
花丸「ルビィちゃんの味、匂い、声」
花丸「これが幻覚だったら、マルは超能力者だよ」
ルビィ「ふふっ、信じてくれた――
ギュッ
ルビィ「わっ、マルちゃん」 花丸「ルビィちゃん、ルビィちゃんだ」
花丸「もう二度と、会えないと思ってた、ルビィちゃん」
花丸「マルの大切な人」
花丸「永遠に寄り添うことを誓った、最愛の人」
花丸「大好きな、大好きなルビィちゃん」
ルビィ「……うん、そうだよ」
ルビィ「マルちゃんが大好きな、ルビィだよ」 花丸「これから、ずっと一緒に居られるの?」
ルビィ「それは、無理かな」
ルビィ「じきにお姉ちゃんがルビィ達を見つけ出す」
ルビィ「今度はマルちゃんだけじゃない」
ルビィ「協力してくれた人とも二度とかかわれない場所に連れ出されるかもね」
ルビィ「海外にでも連れていかれるかな」
ルビィ「二人とも別々の国で、絶対に会えないようにされて」
花丸「そんな……」 花丸「せっかく再会できたのに、結局また」
花丸「そんなの、嫌だよ」
ルビィ「うん、ルビィも嫌だ」
ルビィ「もう二度とマルちゃんと離れたくない」
花丸「ルビィちゃん……」
ルビィ「だからマルちゃん、いいんだよ」
ルビィ「ずっと望んでいた、『酷いこと』をしても」
ルビィ「ルビィ、覚悟はできてるから」 花丸「……無理だよ」
ルビィ「どうして」
花丸「どんなに理想を語っても、マルはルビィちゃんを傷つけられない」
花丸「さっきの遺書にも、まともな悪口一つ書けないぐらい、ルビィちゃんが大切で」
花丸「本当はそれを望んでいるのに、身体がいうことを聞いてくれないの」
ルビィ「……そっか」
ルビィ「それなら――――
花丸(あれ)
花丸(ルビィちゃんの手、何か光って――)
グサッ
花丸「あっ、あぁ」 ルビィ「それなら、ルビィが助けてあげる」
ルビィ「代わりに『酷いこと』、してあげる」
花丸「……ルビィ、ちゃん」
ルビィ「ごめんね、痛いよね」
ルビィ「でもちょっとだけ我慢して」
ルビィ「ルビィも、すぐに一緒にいくから」
ルビィ「ちゃんと一緒に、マルちゃんを1人にしたりしないから」
花丸「……ありが……とう」 ルビィ「ごめんね、ずっと苦しめちゃって」
花丸「マルは……ルビィちゃんと最後に居られて……幸せだよ」
ルビィ「ルビィも、幸せ」
花丸「……最後に……抱きしめて」
ルビィ「うん」
ギュッ
ルビィ「マルちゃん、温かいよ」
花丸「……ルビィちゃんも……ね」 花丸「……生まれ変わっても……ずっと一緒に居よう」
ルビィ「そうだね」
ルビィ「どちらかが男の子になるか、女の子同士でも一緒に居られる、そんな世界で」
花丸「……素敵だね……そん……な……世界」
ルビィ「もう、限界かな」
花丸「……う……ん」
ルビィ「ルビィも、そろそろいくね」
花丸「……………………」
ルビィ「バイバイ、マルちゃん。また来世で」
ルビィ「生まれ変わっても、ずっと一緒だよ」 以上で完結となります
途中長い中断期間がありながら無事完結できたことを嬉しく思います
保守、コメント等、皆さんにはとても助けられました
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました 完走お疲れ様でした
約一ヶ月ハラハラしながら読ませていただきました 一ヶ月もやってたのか結構短く感じた
面白かったありがとう 乙、やっぱり最後は避けれないか…
周りも含めて、幸せな選択だったのか複雑なところだな
花丸ちゃんは元々心中願望があったようにも見えるし… 完結乙
他にも同じような子たちがいたわけだけど、そっちの方はどういう結末を迎えるかとかは考えてたりするの? マルちゃんが無理だよって言った時一瞬油断した
最後までとても良かったわ…… おつ・゜・(つД`)・゜・推しカプ程悲恋物が似合うのはなんでじゃろ…
ルビまるの依存してる危うい感じはやっぱりいいわぁ… あれだ「輪廻」ってホラー映画の主題歌があったけどそれを思い出したわ… これで終わっとくのが一番美しいのかもしれんが、やっぱ構想あるなら後日談見たいなあ タイトル通りのラストだからもう少し補完してほしいね 乙でした
エピローグが見たいような見たくないような 心中を善意で助けたんだから鞠莉にとって好きな人と別れるのは死ぬよりつらいことなのかな
そう考えると果南ちゃんとのシーンがよりきつく思える 水指すみたいになっちゃうけどルビィちゃんが死ねるシーンが描かれてないのが怖い ルビィちゃんが死にかけてたのをダイヤさんが救って死なせずに生涯行かせ続けるってのもなかなかにきつい おつ!
やっぱ最後はそうなるよな…
後日談あれば見たい なかなか辛い結末だったけど、
ほんと読んでて引き込まれたわ
乙 >>200
まるちゃんの家族はLGBTについて何で見たんだ? >>74
こんな風に言い切ってしまうダイヤさんがルビィと花丸が心中してその手伝いをAqoursの仲間がやったと知ったらどうなってしまうのか... 花丸ちゃんに対して自死を警戒するほどだったのに、こうなることは考えなかったんだろうか
ダイヤさんはルビィちゃんを家から追い出すことにはなっても意志を尊重するくらいはできたろうに、考えが甘かったように思う 転生したルビィちゃん達のはなしも気になる(野暮かもだけと) もうまとめでも後日談的コメント多いからやるなら別スレで
ここでやられてもまとめには反映できないアフィ〜 >>624
アフィカスには反映されてないけど続いたSSも結構あるからな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています