花丸「心中」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
ルビィ「助けてくれる?」
花丸「マルたちの関係に反対する人のいない所へ連れて行ってくれるって」
ルビィ「反対する人に、いない所……」
花丸「ルビィちゃん?」
ルビィ「それは、駄目だよ」
花丸「どうして」
ルビィ「だってお姉ちゃんと離れ離れになっちゃう」
ルビィ「そうなったら、お姉ちゃんは絶対自分を責める。それは――」
花丸「ルビィちゃん!」 ルビィ「ピギッ」
花丸「前に言ったよね、ダイヤさんよりマルが好きだって」
ルビィ「い、言ったね」
花丸「もうどちらかしか選べないの」
花丸「マルか、ダイヤさんか」
花丸「選ばれなかった方とは、会えなくなる」
花丸「選ばれなかったことに深く傷つく」
花丸「でも決めて、ルビィちゃんが望む方を」 ルビィ「…………分かった」
ルビィ「ルビィは、マルちゃんと行くよ」
花丸「ルビィちゃんっ」
ルビィ「でも、少し待って」
花丸「へっ」
ルビィ「この書き置きを――」
『鞠莉ちゃんの家へ遊びに行っています』
ルビィ「こうすれば、しばらく時間を稼げるでしょ」
花丸「おぉ、流石ルビィちゃんずら」 ルビィ「本当は嘘をつきたくないけど、仕方ないよね」
ルビィ「お姉ちゃんもルビィが消えた後、嘘つきの酷い妹だって思っていた方が、傷つかずに済むだろうし」
花丸「……ごめんね、マルの所為で」
ルビィ「気にしないで、決めたのはルビィだから」
ルビィ「早く行こう」
ルビィ「一緒に居るところを見られるわけにはいかないから」
花丸「う、うん!」 いったんここまで
夜と言いながら朝投稿が続いているので、この感じだと次は明日の朝かなと笑 ―沼津駅―
鞠莉「着いたわよ」
花丸「ありがとう、鞠莉ちゃん」
鞠莉「悪いわね、ここまでしか送れなくて」
花丸「気にしないで。本当にありがとう」
鞠莉「じゃあ私は戻るわね。後は計画通りに」
花丸「うん」
鞠莉「困ったことがあったら連絡するのよ」
ブロロッ
. ルビィ「鞠莉ちゃん、車の運転なんてできたんだね」
花丸「こっそり免許を取ってたらしいよ」
ルビィ「凄いねぇ、やっぱり大人だなぁ」
花丸「ルビィちゃんは、運転ができる人が好きなのかな」
ルビィ「どうして?」
花丸「駆け落ちしたら、きっと免許を取れないから、嫌かなって」
ルビィ「あはは、そんなの気にしないよぉ」
ルビィ「ルビィはマルちゃんが居れば、それでいいんだよ」
花丸「……ありがとう」 ルビィ「それで、この後はどうする予定なの?」
花丸「北海道の方に鞠莉ちゃんの家があるらしいから、そこへ行く予定」
ルビィ「北海道かぁ」
花丸「うん、出来るだけ遠くへ逃げた方がいいだろうって」
ルビィ「なら、今からどこへ向かうの」
花丸「とりあえず東京へ行って、そこから飛行機に乗る予定」
ルビィ「へぇ、じゃあ新幹線?」
花丸「うん――あれ」 ルビィ「どうしたの」
花丸「切符、どこにやったかな」
ルビィ「もしかして無くしちゃった?」
花丸「そ、そんなことはないはずなんだけど」
花丸「あれ、あれ、おかしいな」
ルビィ「お、落ち着いて、それならちゃんと探せばあるはずだよ」
花丸「う、うん――あっ、あった」
ルビィ「よかったぁ」 花丸「あ、安心したら腰が……」
ルビィ「大丈夫?」
花丸「ごめんね、段取り悪くて」
花丸「こんな格好悪いところばかりみせて、不安になっちゃうかな」
ルビィ「そんなことないよ」
花丸「でも」
ルビィ「格好いいよ、花丸ちゃん」
ルビィ「一刻も早く、ルビィの元に来てくれようとしてくれたんだよね」
ルビィ「嬉しいよ、本当に」
花丸「ルビィちゃん……」 ルビィ「ルビィね、諦めてた」
ルビィ「もう花丸ちゃんに会えないって、お姉ちゃんの言うことを受け入れようって」
ルビィ「でも、こんな風に来てくれて、連れ出してくれて」
ルビィ「マルちゃんは、最高の恋人だよ」
花丸「ありがとう」
花丸「そう言ってくれて、すごく嬉しい」
花丸「不安だったんだ、拒絶されないか」 花丸「本当に辛かった、会えない日々は」
花丸「だから鞠莉ちゃんが協力を申し出てくれた時、すぐにそれを受け入れた」
花丸「でもね、怖かった」
花丸「ルビィちゃんはもう、マルの事なんてどうでもいいと思っているんじゃないかって」
花丸「何の抵抗もできずに、あっさりと関係を断ち切られてしまったマルを、見損なっているんじゃないかって」
花丸「もう、マルの事を好きじゃなくなったかもしれない、そんな考えが頭をよぎってたの」
花丸「でも、それは杞憂だった」
花丸「ルビィちゃんはマルの事を想っていてくれた、大切なお姉ちゃんよりも」
花丸「それがただ、嬉しい」 ルビィ「酷いなぁ、マルちゃん」
ルビィ「マルちゃんの事を好きじゃなくなるなんて、あるわけないのに」
花丸「えへへ、ごめんね」
ルビィ「いいよ、気持ちは分かるもん」
ルビィ「ルビィだって、全く考えないわけじゃなかった」
ルビィ「バレた原因はルビィだし、マルちゃんが見損なわれてもおかしくない」
ルビィ「でも信じてた」
ルビィ「そうしたらこうやって、迎えに来てくれた」
ルビィ「だからね、どんなことがあってもルビィはマルちゃんを信じるよ」
ルビィ「どんなことがあっても、好きでいるよ」 花丸「ルビィちゃん……ありがとう」
ルビィ「それじゃあ、行こうか」
花丸「うん」
ルビィ「もう、戻ってくることはないのかな」
花丸「そうかもしれない」
ルビィ「マルちゃんは、寂しくない?」
花丸「寂しくないといえば嘘になるよ」
花丸「でもルビィちゃんと一緒に居られない以上に、寂しいことはないから」
ルビィ「そうだね、ルビィも一緒」
花丸「……今度こそ、ずっと一緒に居ようね」
ルビィ「うん」
ルビィ「絶対に、ルビィの元から離れないでね」
花丸「うん、今度は絶対に離れない」
花丸(それに、もし離されそうになったら、その時は――――) ―小原家―
ダイヤ「鞠莉さん!」
鞠莉「あら、どうしたのダイヤ」
鞠莉「せっかくの可愛い顔に皺が寄ってるわよ」
ダイヤ「それどころではありません!」
鞠莉「へぇ、何事かしら」
ダイヤ「とぼけないでください」
ダイヤ「ルビィが家から消えました」
ダイヤ「そして花丸さんも行方不明になったそうです」
ダイヤ「二人を、どこへやったのですか」 鞠莉「何のことか分からないわね」
鞠莉「私がルビィと花丸の事なんて知るがないでしょ」
ダイヤ「ルビィが残した書き置きに、貴女の名前がありました」
ダイヤ「それに二人には監視をつけていたはずです」
ダイヤ「それを破って、どこかへ逃がす」
ダイヤ「こんな大掛かりな事ができるのは貴女しかいません」
鞠莉「あらあら、ずいぶんと高く評価してくれるのね」
ダイヤ「この期に及んで、よくそんなことを……」
鞠莉「きっと二人で上手く逃げただけよ」
鞠莉「どこかの硬度10のお姉さんから逃れるために」 ダイヤ「無事なのですか、あの子たちは」
鞠莉「さあ」
鞠莉「でもきっと、元気だとは思うわ」
ダイヤ「……そうですか」
鞠莉「もし場所が分かったら、どうするつもりなの」
ダイヤ「当然、連れ戻します」
ダイヤ「それが私の、姉として、先輩としての義務ですから」
鞠莉「そう……」
鞠莉「それならきっと、二人の居場所は不明なままね」 ダイヤ「貴女は何もわかっていない、何も考えていない」
ダイヤ「この行為は、自己満足の為でしょう」
ダイヤ「叶わない気持ちを持った自分とあの子たちを重ねて、自らの望みを託しているだけ」
ダイヤ「信じられないほどに、自分勝手な行為です」
鞠莉「……そうね、否定しないわ」
鞠莉「だけどね、少なくともあの子たちは喜んでいる」
鞠莉「貴女ではなく、私を肯定している」
鞠莉「その時点で、間違っているのは貴女の方よ」 ダイヤ「……なるほど、よく分かりました」
ダイヤ「貴女の事は、問題が解決するまで友人とは思いません」
ダイヤ「世界一大切な妹を貶める敵として考えることにします」
ダイヤ「内浦で黒澤家を、私を敵に回す」
ダイヤ「それ相応の報いを受けることを覚悟しておいてください」
鞠莉「……残念ね、それは」
ダイヤ「では、私は失礼します」
ダイヤ「また友人として再会できる日が来ることを、期待していますよ」
鞠莉「そうね」
鞠莉「でもその日は来ない」
鞠莉「来させないわ、絶対に」 とりあえずここまでです
明日の朝に更新がなかったら、続きは明後日以降になると思います んー同性愛が特殊といいながらこのグループはレズの割合が多すぎませんかねぇ…
はやく書くずら!待ってるずら 最初から読み返したらまるちゃんがいきなりクライマックスだった これからの展開を思うとキツいけどこの鞠莉とダイヤのやりとり好きだわ… >>371
そうですね、ご指摘ありがとうございます
では再開します ――函館――
ルビィ「凄いなぁ、海」
ルビィ(北海道へ来て少しの時間が経った)
ルビィ(今のところ、追っては来ていない)
ルビィ(二人で鞠莉ちゃんの知り合いのお世話になりながら、ひっそり暮らす日々)
ルビィ(外出する時も髪型を変えて、目立たないように行動する)
ルビィ(下手な行動を取ることはできない、見つかったら終わり)
ルビィ(でも、幸せな日々) ルビィ(だって横には常にマルちゃんが居るから)
ルビィ(一緒に寄り添って暮らしている)
ルビィ(一度離れ離れになる前よりも、近い距離)
ルビィ(まるで本当に駆け落ちした夫婦みたい)
ルビィ(鞠莉さんの家の人たちは、みんな理解があってやさしい人)
ルビィ(外国の人だからなのかな、それとも立場が作る余裕?)
ルビィ(立場、はあると思う) ルビィ(少なくともお姉ちゃんの立場で、ルビィ達の関係に賛成できない)
ルビィ(例え本心では理解があるとしても)
ルビィ(そこの事に気づいたのは、最近の事で)
ルビィ(もっと早く気付いていれば、何か変わったのかな)
ルビィ(相いれない事は不変だから、変化なんてないかな)
ルビィ(でも結果は変わらなくても、もっとお姉ちゃんにやさしくできたかもしれない)
ルビィ(後悔をしても、もう遅いけどね)
ルビィ(だってもう、会うことはないんだから) ルビィ(……あそこのハンバーガー、マルちゃん好きそうだな)
ルビィ(今度、教えてあげよう)
ルビィ(せっかく駆け落ちしたのに、残念なのは一緒に外出できない事)
ルビィ(二人でいたら目立つから、変装して別々に出かけるだけ)
ルビィ(今日は前から気になっていた赤レンガ倉庫に来てみた)
ルビィ(お洒落で可愛いお店もたくさんあって素敵)
ルビィ(多分、デートにピッタリな場所)
ルビィ(カップルみたいな人、たくさん見かけたもん) ルビィ(どこかで海外に連れていくからその時までの我慢だって、鞠莉ちゃんが電話で言ってた)
ルビィ(もう少し、本当に自由な立場までもう少しだ)
ルビィ(だから今の寂しさぐらい、我慢しないと)
ルビィ(でも、外で一緒に話ができる友達ぐらい欲しいなぁ)
ルビィ(ルビィ達の事を理解して、存在を外部に話したりしない、理想的な友達――)
??(……)
ルビィ(例えばそこに座っているような、同い年ぐらいの子なんて――)
??「ん?」
ルビィ(あれ、こっち観た) ??「……」
ルビィ「ピギッ」
ルビィ(こ、こっちに来る)
??「ねえ、そこのあなた」
ルビィ「な、何ですか」
??「あなた、黒澤ルビィ」
ルビィ「えっと」
ルビィ(もしかして、黒澤家の人?)
ルビィ(ば、ばれたの、どうしよう、逃げなきゃ――) ??「その反応、私のこと覚えてないの?」
ルビィ「えっ?」
理亞「鹿角理亞、Saint Snowの」
ルビィ「あっ……」
理亞「思い出した?」
ルビィ「東京で会った、あのバク宙の」
理亞「……何か微妙な覚えられ方ね」
ルビィ「あ、あはは、インパクト強かったから」 理亞「なにしてるの、こんなところで」
ルビィ「え、えっと」
理亞「観光?」
ルビィ「う、うん」
理亞「でも今は普通に学校のある期間でしょ」
ルビィ「まあ、そうなんだけど……」
理亞「もしかして、訳ありな感じ?」
ルビィ「そ、そうなんだよね」 理亞「まあ、詳しいことは聞かないでおくわ」
ルビィ「ありがとう、理亞――さん?」
理亞「同い年なんだから呼び捨てとかでいいわよ」
ルビィ「そう?」
理亞「そ、そうよ」
ルビィ「じゃあ――理亞ちゃん?」
理亞「『ちゃん』は付いてくるのね……、まあいいけど」 ルビィ「でもよくルビィだって分かったね」
ルビィ「髪型とか、普段と変えてるのに」
理亞「まあ、貴女は特に気になっていたから」
ルビィ「気になってた?」
理亞「少し前にね、あなた達のライブの動画を姉さまにみせられたの」
理亞「凄くいい動きをして、みんなイキイキしてた」
理亞「その中でも特に、貴女は輝いてた」
理亞「本当に楽しそうに歌って、踊って……」
理亞「その時確信したの、この子は私と決勝で戦うライバルになると」 ルビィ「……そうだね」
理亞「なによその反応」
理亞「自信がないの?」
ルビィ「そういうわけじゃないんだけど……」
理亞「じゃあなに? 私たちが予選で負けるとか考えてるの?」
ルビィ「それも、違うんだけど」
理亞「……煮え切らないわね」
ルビィ「ごめんね」
理亞「もう、まさかアイドルを辞めたからとかじゃないでしょ」
ルビィ「…………」 理亞「えっ、本当に?」
コクリ
理亞「本当にアイドル、辞めたの?」
ルビィ「……うん」
理亞「もしかして、私の所為?」
ルビィ「へっ、なんで?」
理亞「だって、初対面で攻撃的な態度を取って、あなた達を否定して――」
ルビィ「ち、違うよ。それ以外の理由」 理亞「グループ内の誰かと喧嘩したとか?」
ルビィ「えっと……」
理亞「定番だけど、方向性の違いみたいな?」
理亞「人間関係が原因で脱退するのはよくあるし」
ルビィ「まあ、それに近いかな」
理亞「……勿体ない」
理亞「せっかく、ライバルになれると思ったのに」
ルビィ「……仕方なかったんだよ」 理亞「理由はなによ」
理亞「恋愛関係のもつれとか?」
ルビィ「っ」
理亞「ほ、本当にそうなの?」
理亞「アイドルに恋愛はタブーでしょ」
ルビィ「す、スクールアイドルはそこまで厳しくないもん」
理亞「でも人間関係の崩壊の原因になるから、普通は避けるじゃない」
ルビィ「そうだけど……」 理亞「相手はアイドルに関係ある人なの?」
ルビィ「まあ……」
理亞「何よそれ、理解した上で付き合ってるなんて、ろくでもない奴ね」
ルビィ「ま、マルちゃんはろくでもない奴なんかじゃないもん!」
理亞「マル、ちゃん?」
ルビィ「あっ……」
理亞「マル『ちゃん』って言ったわよね、今」
ルビィ「ち、違くて――
理亞「確かAqoursに居たわね、貴女と仲良しの、国木田花『丸』って子が」 理亞「もしかして貴女、メンバーと、女と付き合ってるの?」
ルビィ「…………」
理亞「別にいいわよ、話さなくても」
理亞「言いにくいことだろうし」
理亞「でも口に出すことで、少しは楽になれるんじゃない」
理亞「私は誰にも言わないし」
理亞「そもそも友達いないから言う相手もいないし」
ルビィ「理亞ちゃん……」 ルビィ(いいのかな、話しちゃっても)
ルビィ(ほとんど初対面の相手に、こんな大事なことを漏らす)
ルビィ(人に聞いたら、絶対に止められそうな行為)
ルビィ(けどどうしてかな、不思議と大丈夫な気がする)
ルビィ(この子なら大丈夫って安心感がある)
ルビィ(実際、抱え込むのもつらい)
ルビィ(味方が欲しい、自分を肯定してくれる味方が)
ルビィ(もしかしたら、理亞ちゃんはそれになってくれるかもしれない) ルビィ「じゃあ、話すよ」
理亞「う、うん」
ルビィ「最初にね、出会ったときの事から――――
―――
――
―
ルビィ「――とまあ、そんな感じで駆け落ちしてきたの」 理亞「はぁ……」
ルビィ「や、やっぱり変かな」
理亞「そんなことない」
理亞「凄いわ、あなたたち」
ルビィ「気持ち悪いとか思わないの?」
理亞「思わないわよ、そんなこと」
理亞「尊敬するわ、あなたたちの事」 ルビィ「尊敬って、そんな」
理亞「そこまで相手の事を想える、素敵じゃない」
理亞「私は恋をしたことがないけど、憧れるし、格好いい」
ルビィ「そ、そんなに立派なものじゃないよ」
理亞「でも実際、全てを投げ捨ててでも駆け落ちをしてきた」
理亞「大好きだったアイドルさえ捨てて」
ルビィ「よく分かったね、ルビィがアイドル好きだって」
理亞「見てれば分かるわよ、演じている時の雰囲気を」
理亞「それに、私と貴女はどこか似てるもの」 理亞「私ね、本当は凄い人見知りなの」
ルビィ「理亞ちゃんが?」
理亞「ええ」
理亞「東京に居た時にそっけない態度をとったのも、どう話していいのか分からなかったから」
理亞「だから、普段の私なら今日も話しかけられなかったと思う」
理亞「でも今日、貴女に話しかけられたのは、どこか放っておけない雰囲気を感じたから」
ルビィ「そうなんだ……」
理亞「実際話してみても、正直心配よ、貴女の事」
理亞「危うい状態にいるようにしかみえないもの」 ルビィ「……理亞ちゃんは反対なの」
ルビィ「ルビィがマルちゃんと今の状態を続けること」
理亞「ううん、さっきの話を聞いて反対なんてしないわよ」
理亞「助けにはなりたいけどね」
ルビィ「理亞ちゃん……」
理亞「何かできることがあったら言ってね」
理亞「できる限り、協力するから」
ルビィ「うん、ありがとう」 ルビィ「あっ、私そろそろ行かないと」
理亞「時間?」
ルビィ「うん、そろそろ帰らないと心配されちゃう」
理亞「ねえ、しばらくはこっちにいるのよね」
ルビィ「うん」
理亞「じゃあ、明日も会える?」
ルビィ「うーんと、明後日なら」
理亞「じゃあ明後日、またここで待ち合わせしない?」
ルビィ「うん、いいよ」 理亞「今度はもっといろんな話をしましょう」
理亞「好きなアイドルについてとか、国木田花丸の話とか」
ルビィ「そ、それは恥ずかしいかも」
理亞「いいじゃない、一度恋バナとかしてみたかったのよ」
ルビィ「り、理亞ちゃんも話すならいいよ」
理亞「残念、さっきも言ったけど私は恋とかしたことないから」
ルビィ「む、むぅ、ズルいっ」
理亞「あはは、じゃあまたね、ルビィ」
ルビィ「またね、理亞ちゃん」 ※
―小原家関係者宅―
ルビィ「ただいまぁ」
花丸「あっ、おかえり」
ルビィ「あれ、外行きの格好だね」
花丸「ごめんルビィちゃん、すぐに荷造りできるかな」
ルビィ「ふぇ?」
花丸「急いでここを出なくちゃ行けなくなったみたい」
ルビィ「えっ」 花丸「さっきね、鞠莉ちゃんから連絡があったの」
花丸「黒澤家の人に、滞在場所がバレたかもしれないって」
ルビィ「そ、そんな」
花丸「もうマルは準備ができてる」
花丸「後はルビィちゃんが良ければすぐに出発を――」
ルビィ「あ、あのね」
花丸「どうしたの?」
ルビィ「その、こっちで友達ができたの」
ルビィ「それで挨拶をする時間ぐらいは――」 花丸「……ごめんね、早く出ないといけないから」
ルビィ「そ、そっか……」
花丸「でも、どうしても必要なら――」
ルビィ「大丈夫だよ」
ルビィ「そんな事より、逃げなきゃだもんね」
ルビィ「元々、友達を作る事自体がおかしいわけだから」
花丸「ルビィちゃん……」 ルビィ「じゃあ急いで支度するから。物も少ないしすぐに――」
花丸「ごめんね」
ルビィ「マルちゃん?」
花丸「マルはずっと、ルビィちゃんの気持ちを考えられてない」
花丸「駆け落ちをすれば、ダイヤさんだけじゃない」
花丸「善子ちゃんやAqoursのみんな、新しくできた友達」
花丸「そして、大好きなアイドルとしての活動」
花丸「それら全てをルビィちゃんが失う事、ちゃんと理解できていなかったかもしれない ルビィ「いいの」
ルビィ「マルちゃんは、どんなものよりも大切だから」
ルビィ「それにルビィを手に入れる代わりに色々な物を失ったのは、マルちゃんも一緒でしょ?」
花丸「そうかもしれないけど……」
ルビィ「それより急ごう、お話は後でじっくりすればいいよ」
花丸「う、うん」
ルビィ(でも連絡先ぐらい、聞いておけばよかったかな)
ルビィ(ごめんね理亞ちゃん)
ルビィ(いつかお詫びするから)
ルビィ(今はルビィが来ない理由、察してくれると嬉しいな) ―十千万―
曜「あの2人が、駆け落ち?」
千歌「うん」
曜「な、なんで」
千歌「詳しいことは分からないけど、付き合ってたらしいよ」
千歌「ダイヤさんに聞かれたんだ、二人から連絡はないか」
曜「駆け落ち……」 千歌「ビックリしたけど、やっと納得できたよね」
千歌「突然花丸ちゃんがAqoursを辞めた理由」
千歌「二人が付き合っていたからなんだね」
曜「……そうだね」
千歌「曜ちゃんは知ってたの?」
曜「何となくは、ね」
千歌「えー、直接聞いてたとか?」
曜「そういうわけじゃ、ないけど」 千歌「じゃあ、自分で気づいたってこと?」
曜「そうだね」
千歌「へぇ、流石曜ちゃん」
曜「ははっ、まあね」
千歌「二人のこと、心配?」
曜「そりゃね」
曜「駆け落ちなんて、簡単にできることじゃないから」
千歌「そうだよね、あんな可愛い子たち二人だけなんて」
千歌「幼めに見られる私から見ても、子どもみたいだもん」
曜「そう、だよね」 千歌「でも大丈夫、ダイヤさんがすぐに二人を見つけ出すよ」
曜「えっ」
千歌「何かね、だいたいの居場所を見つけたらしいんだ」
千歌「もうすぐ戻ってくるよ、二人とも」
曜「……連れ戻されるの」
千歌「言い方は悪いけどそうなるね」
千歌「でも仕方ないよ、それが普通なんだもん」
千歌「これが普通に男女同士で、年齢も大人だったら応援したんだけどなぁ」 曜「ダイヤさんは、二人の関係に反対なんだよね」
千歌「うん、絶対に認められないって言ってたよ」
千歌「千歌はリーダーだから教えてくれたけど、他の人には知られないようにしているみたいだし」
千歌「本当はこうやって曜ちゃんに話すのもダメなんだよ〜」
千歌「人に漏らしたりしないって、信じてるからいいけどね」
曜「…………」
千歌「どうしたの?」 曜「……私、二人を助けなきゃ」
千歌「曜ちゃん?」
曜「ルビィちゃんと約束したんだ」
曜「二人の事を応援するって」
曜「もし連れ戻されたら、二人はどうなるか」
曜「どうしても、嫌な予感しかしない」
千歌「……それは」 曜「今ならまだ間に合う」
曜「この事を伝えて、パパにも協力してもらえば何か――
千歌「駄目だよ」
曜「千歌ちゃん?」
千歌「そんなことしたら、黒澤家を敵に回したら、ここで生活できなくなる」
曜「……きっとパパもママも分かってくれる」
曜「例えどんな目に遭っても、私は行かないといけない気がする」
千歌「嫌だよ」
千歌「私を、置いて行かないでよ」
曜「でも」 千歌「私ね、二人と同じなの」
曜「同じ?」
千歌「曜ちゃんの事が、好きなの」
曜「っ」
千歌「二人みたいに、女の子が、曜ちゃんが好きなの」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「だから離れたくない、一緒に居たい」 千歌「今ね、もし曜ちゃんが動いたら私が疑われる」
千歌「曜ちゃんに情報を漏らした犯人だって」
千歌「そうなったら、どうなるのかな」
千歌「どんな報いを受けさせられるのかな」
千歌「怖いよ、想像しただけで」
曜「や、止めてよ、そんなこと――」
千歌「行かせないよ、絶対に」
千歌「曜ちゃんの居ない世界は嫌なの」
千歌「お願いだから私と一緒にいて」
千歌「千歌を、見捨てないで」 とりあえずここまで
次の更新はやや遅くなるかもです
物語自体は現在8割程度まで来たので、もう少しで完結です
最後までよろしくお願いします おつ、各メンバーもどうなるか気になる・゜・(つД`)・゜・ 乙
続きがかなり気になるけどタイトル的に本当に嫌な予感しかしない… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています