梨子「……ねえ、善子ちゃん」

梨子「私がピアノを弾けなくなった理由、知ってる?」


善子「なによ、いきなり関係のない話を」

善子「同情でも引こうっていうの?」

梨子「ううん、これは関係のある話だよ」

善子「関係のある、話?」


梨子「だってその理由はね、私が恋をしたから」

梨子「二人と同じ、許されない恋を」

梨子「その結果、最愛の人は消え去り、私は消えない傷を負った」