黒澤ダイヤの事情
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ーーー
ホテルオハラ
果南「うわ……やっぱ凄いねこのホテルは……」
ダイヤ「うん……ちょっと緊張するわね……」
果南「鞠莉はロビーで待っててって言ってたけど……」
鞠莉「ダイヤ、果南、お待たせ」
果南「鞠莉!」
鞠莉「こちらへどうぞ。マリーのプライベートルームへ案内するわ☆」 鞠莉「ウェルカム☆ どうぞ入って」
果南「うわ……凄い部屋!」
ダイヤ「高価そうな物がいっぱい……」
鞠莉「好きな様にくつろいでね」
果南「くつろいでねって言われても……」
ダイヤ「なんか落ち着かないわ……」
果南「うわ……このソファふわふわ!」
ダイヤ「この絵……いくらぐらいするんだろう……」
鞠莉(うぅ……なんか恥ずかしいわね……) コンコン
鞠莉「あ、どうぞ!」
「失礼します。お茶のご用意が出来ました」
鞠莉「ありがとう、ここに置いてちょうだい」
「かしこまりました」 果南「うわ、すごい! テレビとかでよく見るお菓子のピラミッドだ」
ダイヤ「現実では初めてみたわ……」
「ふふ……ごゆっくりなさって下さいね。では失礼します」
果南「ふわぁ……綺麗な立ち居振る舞いだね」
ダイヤ「まさに一流のサービスマンって感じね。流石、高級ホテル」
鞠莉「さ、さぁ二人とも。好きなだけ食べてちょうだい」 果南「この綺麗なのもお菓子なの?」
鞠莉「そうよ。マカロンって言うのよ。知らない?」
果南「沼津にそんなオシャレなもの無いよ……ダイヤ知ってる?」
ダイヤ「……マカロニならあるわよ」
鞠莉「そ、そう……」 鞠莉「うーん、良い香り。紅茶はやっぱりアールグレイね」
ダイヤ「……午後ティー≠ニかしか知らない」
鞠莉「ゴゴティー?」
果南「私は紅茶花伝のロイヤルミルクティーが好き」
鞠莉「???」 果南「あー美味しかった」
ダイヤ「……ちょっと食べ過ぎちゃったかも」
鞠莉「ふふ……満足してくれたみたいで良かったわ」
果南「さて、これからどーしよっか?」
ダイヤ「果南……自分でお泊まり会とか言っといてノープランなの?」
果南「鞠莉、この部屋ゲームとか無いの?」
鞠莉「ゲームとかは私はやらないから……」
果南「普段、部屋では何してるの?」
鞠莉「ええっと……お勉強?」
果南「えぇ……」
ダイヤ(この子……本当に友達が居なかったのね)ホロリ 鞠莉「あとは読書とか……」
果南「読書はちょっと……」
ダイヤ「私は好きだよ、読書」
鞠莉「ダイヤはどんな本読むの?」
ダイヤ「ダイヤ◯ンド・ザイとか」
鞠莉「…………」 鞠莉「あ、そうだ。映画のBDならあるわよ」
ダイヤ「へえ。映画もわたしは好きだよ。どんなのがあるの?」
鞠莉「色々あるけどオススメは……あ、このチャイルド◯イ≠ニかエクソ◯スト=A
悪魔の◯けにえ≠ニか面白いわよ♡」
果南「え!? それってまさか……」
ダイヤ「あぁ。ホラー映画の名作ね」
果南「やっぱり〜!!」
鞠莉「イエス! 私、ホラー映画が結構好きで……
ハラハラドキドキが勉強疲れの発散に意外と効くのよ♪
あ、あとこれなんかも面白いのよ。最近、手に入れたB級物なんだけど中々のオススメで……
これを一緒に観ましょうか☆」
果南「いやいやいや!!……ホラー映画はだめ!!」 鞠莉「あら……果南どうしたの?」
ダイヤ「実は……果南ってばそういうホラー物ダメなのよ」
鞠莉「まあ、そうなの!?」
果南「な、なによう……」
鞠莉「果南ったら……意外とカワイイとこあるのね♡」
果南「べ、別いいでしょ!」
鞠莉「まあ、そういう事なら今回コレはやめておきましょうか」 ダイヤ「他にオススメは?」
鞠莉「そうねぇ……私のオススメも良いけど、ダイヤのオススメも知りたいな」
ダイヤ「わたしのオススメの映画?」
鞠莉「ううん、映画じゃなくて……ダイヤのオススメのスクールアイドル」
ダイヤ「スクールアイドル!?」
鞠莉「ええ。私ね、Aqoursのライブを観てからもうすっかりファンになっちゃって。もっと
スクールアイドルの事を知りたくなったの。ダイヤって他のスクールアイドルの事も詳しいんで
しょう?」
ダイヤ「ええ……そりゃ……まあ……」 鞠莉「だからダイヤにスクールアイドルの事を教えて欲しいの。ね、それくらいならいいでしょ?」
ダイヤ「うぅ……わかったわよ」
鞠莉「イェーイ! やった☆」
ダイヤ「そのかわり……教えるからにはみっちりやるから……覚悟しなさい!」
果南「あー、始まった……」
鞠莉「ええ?」
果南「鞠莉……ダイヤがこうなったら……長いよ〜〜〜」
鞠莉「ええええぇぇぇぇぇ?」 2時間後
ダイヤ「……とまあスクールアイドルの歴史の基本はこれくらいかしらね」
鞠莉「お……OK……よく分かったわ……」
ダイヤ「じゃあ次は地方毎によるスクールアイドルの特色などを……」
果南「ちょ……ちょっとまったダイヤ! 少し休憩しない?」
ダイヤ「えぇ〜。これからが良いところなのに……」
果南「いや〜ダイヤの熱のこもった話を聞いてたらこっちも熱くなっちゃってさ〜。ちょっと汗
かいちゃったしお風呂でも入りたいかな〜って。
ね!?」
鞠莉「え? え、ええ、そうね!」
ダイヤ「むぅ〜」
果南「という訳でお風呂タイムに決定!」
鞠莉「じゃあちょっとバスルームの用意してくるわね!」 果南「あ、ねぇ鞠莉。ここの大浴場って利用したらマズイかな?」
鞠莉「え? 別にマズくはないけど……」
果南「じゃあそっちにしようよ! 3人で一緒に汗を流そう!」
ダイヤ「良いね。わたしも入れるならここの温泉に入ってみたいわ」
鞠莉「でも、一緒にお風呂だなんて……」
果南「せっかくのお泊り会なんだから裸の付き合いもしないと! さあ、行こう!」
鞠莉「ええぇ〜〜〜っ」 ー大浴場ー
果南「うわぁ〜やっぱり広いねぇ」
ダイヤ「さすが高級ホテルの大浴場。綺麗で気持ちいい〜」
果南「ほらー鞠莉。早くきなよ。なにしてんの?」
鞠莉「うぅ……」
果南「なんでタオルで身体隠してモジモジしてんのさ」
鞠莉「だ、だってぇ……」 ダイヤ「うーん……やっぱり」
鞠莉「え?」
ダイヤ「わかってはいたけど……鞠莉のムネすっごいわね」
鞠莉「な……どこ見てるのよ!/////」
果南「女同士でなに恥ずかしがってるのよ。ホラホラっ」
鞠莉「あっ! 待って果南、タオル取らないでっ!」
果南「おぉ……生で見ると一段と迫力が……」
ダイヤ「果南だってあるじゃない。いいなぁ◯カップの人は! わたしなんか◯カップだよ……」
果南「ダイヤだってそこそこあるじゃん。カタチも綺麗だしさ」
ダイヤ「うそよ! てきとう言ってごまかさないで! このボリュームに比べたらわたしのムネ
なんて……」ツンツン
鞠莉「な!? ちょっとどこ触って……」
果南「確かにこのボリュームはかなり凶悪だね」ツンツン
鞠莉「ちょっ……果南までっ!? ……もーーっ! 二人とも訴えるわよっ!!/////」 ーーー
果南「あー、良いお湯だったぁ〜」
鞠莉「まったく……二人ともふざけて……/////」
果南「あはは……ごめんって……。あれ? ダイヤどこへ?」
ダイヤ「ちょっとのぼせたから風に当たってくるわ」 ーーー
ダイヤ「……ふぅ、気持ちいい風」
「どうでございましたか? 当館のお湯は」
ダイヤ「あ、どうも……とても気持ちよかったですわ……すみません、少し騒ぎ過ぎてしまって……」
「ふふ、いいえ。大丈夫ですよあれくらいなら……。それにしても、お嬢様のあんなに楽し
そうな姿は初めてみました」
ダイヤ「え?」
「これまでのお嬢様はいつも寂しげで……心細さを必死に我慢している様で……」
ダイヤ「…………」 「でも、こちらに住まわれる様になってから……浦の星女学院に通われる様になってからはとても
活き活きとした表情を見せてくれるんですよ」
ダイヤ「そう……ですか……」
「これも、この地で良い出会いをなさったおかげですね。黒澤様……ありがとうございます」
ダイヤ「え、いや、私はなにも……」
「ふふ、まもなくお部屋にお食事を運ばせていただきます。そろそろお戻り下さいね」
ダイヤ「はい……ありがとうございます」
やっぱり
あの子はずっと寂しかったのかな……
あの部屋に入った時も感じた
とてもゴージャスで綺麗な部屋だけど
生活感を感じず、暖かみもない……
あの子はずっと過ごして来たのだろうか
この地に来る前もあんな風な部屋で一人で
寂しさを抱えて…… ーーー
果南「あー、美味しかった!」
ダイヤ「ほんと……凄い料理だったわね……」
鞠莉「ふふ、満足して貰えて良かったわ」
果南「なんか申し訳なくなっちゃうよ……こっちから押し掛けたのにあんな豪勢な食事まで頂い
て……」
鞠莉「そんなの気にしないでよ。私も久しぶりに誰かと夕食が取れて楽しかったわ」 果南「そういえば、鞠莉のご両親はここには居ないの? たしか、転校した時にお父さんの仕事の
都合でついて来てここに来たって言ってたよね?」
鞠莉「え? あぁ、あれ……実は……」
果南「なに?」
カクカクシカジカ
鞠莉「……って事なの」
果南「へぇ……そ、そうなんだ」
鞠莉「嘘ついててゴメンなさい!」
果南「べ、別にいいよそんなの! 気にしないで! って言うか全然謝る事じゃないし!」
鞠莉「でも……」
果南「鞠莉も大変だったんだね。そんな事を話してくれてありがとう、鞠莉」
鞠莉「果南……」
ダイヤ「まあ、いいじゃん今はそんな事! それよりもスクールアイドルの勉強の続きを……」
果南「あぁーそうだっ! 鞠莉、スキューバダイビングやりたくないっ!?」 鞠莉「スキューバダイビング?」
果南「うん、明日の朝早くなら予約も無いしうちで出来ると思うんだけど……どう!?」
鞠莉「やってみたい! 前から内浦のビューティフルな海を散歩して見たかったの!」
果南「よしっ決まり! 明日は朝一でダイビング! そうと決まれば今日は早く寝なくっちゃ!」
ダイヤ「えぇ〜でもこれから……」
果南「さあ、早く歯を磨いちゃおう! ねっ、ねっ!」
ダイヤ「ああぁぁ〜〜」 ーーー
果南「このベッド気持ちいいー。広くてすごくフカフカで」
鞠莉「そう?」
果南「うん! これは良く眠れそうだよー。ね、ダイヤ」
ダイヤ「……カー……」
鞠莉「もう寝てる!?」
果南「あー。ダイヤって普段、テスト前以外は9時には寝てるからね」
鞠莉「そうなの!?」
果南「小学生みたいでしょ?」
鞠莉「そうね……」
果南「まあその分、朝起きるのも早いんだけどね」 鞠莉「果南も起きるの早いんでしょう? ダイヤといつも朝から一緒にジョギングして」
果南「まぁね」
鞠莉「すごいわね……」
果南「昔からだからね。もう慣れちゃったよ」
鞠莉「ううん、そうじゃなくて……早起きもそうだけど、二人の関係が。小さい頃からずっと
仲良しで……すごく羨ましい」
果南「鞠莉……」
鞠莉「へへ、なんてね」
果南「鞠莉……私は鞠莉に感謝してるよ」
鞠莉「え?」
果南「ダイヤってこんなんだからさ。わたし以外にまともな友達っていなかったから。そんな
ダイヤの世界を広げるきっかけを作ってくれた鞠莉には感謝してる」
鞠莉「そんな……私なんて……」
果南「くすっ……明日は早いし私たちもそろそろ寝よっか」
鞠莉「……そうね」
「おやすみ」
こうやって誰かと一緒に眠るのはいつ以来だろうか
ドキドキするけれど
なんだかとても安心する…… ーー翌朝ーー
鞠莉(すごい……綺麗……)
ザパァ
果南「どう? 海の世界の景色は」
鞠莉「アメイジング! ビューティフォー! 最っ高よ!!」
果南「そうでしょ」
鞠莉「こんなに素敵だなんて……あぁ、なんてもったいない! もっと早く体験しておくんだったわ!」
果南「時期的にもちょうど暑くなり始めた所だからね。また今度遊びにおいでよ」
鞠莉「えぇ、是非!」 ダイヤ「そろそろ戻らなくちゃいけないんじゃないの?」
果南「おっと、そうだね。じゃあ船に戻ろっか」
ーーー
ーーー
鞠莉「果南、今日は本っ当にありがとう! とってもシャイニーな気分よ!」
果南「こちらこそ、ゴージャスな体験が出来て楽しかったよ! ありがとうね鞠莉。
あ、私は手伝いがあるからもう戻るね。二人ともまた明日学校で。バイバイ!」
ダイヤ「うん、バイバイ」 ーーー
ダイヤ(ルビィたち、そろそろ駅に着く頃かな)
ダイヤ「あ、もう着いてる……一緒に居るのは千歌ちゃん達のクラスメートかな?」 ダイヤ「おかえりなさい」
ルビィ「お姉ちゃん……」
ルビィ「うっ……うぅ……うぐっ……うあぁぁあぁん!!」ダキッ
ダイヤ「ルビィっ!」
千歌「ダイヤさん……うっ……ふぐっ……」
ダイヤ「高海さん……」
ダイヤ(やっぱり……こうなってしまったか)
ダイヤ「……よく頑張ったわね」 ーーー
ダイヤ「得票……0ですか……」
梨子「はい……」
ダイヤ(やっぱり……現実は厳しいのね……)
千歌「ごめんなさいダイヤさん……私……」
ダイヤ「高海さん……」
千歌「がんばるって言ったのに……入賞って……うぅ……」
ダイヤ「っ!……泣かないで千歌さん」
千歌「ううぅ……うわぁぁぁっ……」 ダイヤ「大丈夫ですわ……千歌さんが頑張っていたことは私は充分知っていますから……」
スクールアイドル
以前から人気のあったそれは
ラブライブ開催によってさらに爆発的な人気となり
A-RISEとμ'sによってその人気は揺るぎないものになった
さらにラブライブはアキバドームで決勝が行われる様になり
スクールアイドルたちの更なるレベルの向上を生んだ
その結果…… 曜「そう……頑張ってきた……でも」
梨子「私達の力はまるで通じなかった……」
ダイヤ「……貴女達はよくやっておりますわ。スクールアイドルとして充分、練習を積み、見て
くれる人を楽しませるに足りるだけのパフォーマンスもしている。
それはこの私が絶対に保証します」
ダイヤ(でも……それだけではダメなの……)
6人「…………」
ダイヤ「さあ、皆さん疲れたでしょう。今日は早く帰ってゆっくりお休みなさい。
ルビィも……一緒に帰りましょう」
ルビィ「うん……」 ーー翌日ーー
果南「そっか……そんな結果に……」
鞠莉「そんな……」
ダイヤ「……まあ、分かっていた事だわ。所詮、あの子達の実力では……」
鞠莉「っ!……そんな言い方っ!!」
果南「鞠莉っ! ダイヤも!!」
ダイヤ「…………」 ーーー
ダイヤ「あっ……千歌さん」
千歌「ダイヤさん……」
ダイヤ「これから練習?」
千歌「いえ……今日はちょっとお休みにしようと思って……」
ダイヤ「そうですわね……それも良いかもしれませんね」
千歌「…………」
ダイヤ「千歌さん……」 千歌「それじゃあ……失礼します」
ダイヤ「あっ……待って千歌さん!」
千歌「……えっ」
ダイヤ「今回の事は……仕方のない事ですわ。貴方達はまだ結成して間もないのだし……」
そう……仕方ない事だ……
ダイヤ「これからも練習を続ければきっと……」
年々、レベルが上がり続けるスクールアイドルの世界……
その中にこんな田舎の作られたばかりのグループが飛び込んだところで……
ダイヤ「だから元気をだして!」
こうなる事は仕方のない……
千歌「はい……ありがとうございます。失礼します」 ーー翌日ーー
鞠莉「ちかっち達……昨日、練習休んだみたいね」
果南「らしいね……」
鞠莉「今まで毎日……あんなに一生懸命練習してたのに……」
果南「そうだね……」
鞠莉「今日は練習するのかな……」
果南「どうだろうね……」
鞠莉「このまま……自信を無くして辞めちゃったりしたら……」
果南「それは……」
鞠莉「…………」
果南「?……鞠莉、どこいくの?」
鞠莉「ちょっとダイヤのとこ行ってくる!」 ーーー
鞠莉「ダイヤ!」
ダイヤ「鞠莉さん……どうしたんですかそんな大声で。ここは生徒会室ですよ」
鞠莉「ダイヤ……やっぱり私とスクールアイドルやろうっ!」
ダイヤ「な、なにを言って……」
鞠莉「ダイヤは悔しくないのっ!? あんなに頑張ってたちかっち達が……あんなに元気をなく
して……」
ダイヤ「ちょっと落ち着いて……他の方も見てますわ……」
鞠莉「私は悔しいっ! なんだか分からないけど……自分の事じゃ無いんだけど……
どうしようもなく悔しいのっ!!」
ダイヤ「鞠莉さん……」 鞠莉「だから入ろう……私と一緒にスクールアイドル部に。私達のが入れば……私達、二人の
力とあの子達の力を合わせれば……」
ダイヤ「やめて……」
鞠莉「私達もAqoursに加わればもしかしたらもっと……だから私とスクールアイドルに……」
ダイヤ「やめてって言ってるでしょっ!!」
鞠莉「っ……!!」
ダイヤ「なんなのよアンタは……何度も何度も……わたしはスクールアイドルにはならないって
言ってるでしょ!! いい加減しつこいのよもうっ!!」
鞠莉「ダイヤ……」
ダイヤ「出てって! アンタの顔なんか見たくないっ! ここから出てってよ!!」
鞠莉「…………っ」
ACT5★綻ぶ絆/おわり PRE-VIEW
すわふり「これからのダイじじょ!」
ふりりん「せっかく鞠莉ちゃんと仲良くなったのにまたまた突き放してしまったお姉ちゃん!」
すわわ「二人の関係が原因で千歌たちの心も揺れ動く!」
ふりりん「そんな時、お姉ちゃんの心を開くために果南ちゃんが動き出す!」
すわふり「さあ! 彼女達の関係はいったい、どうなる〜!!?」
すわふり「次回、ダイじじょ!【Aqours】」
すわふり「ウオォーーーッス!!」 アニメとの微妙な差異がいいね
補完みたいになってる ACT6★Aqours
果南「鞠莉ーおはよー」
鞠莉「…………」
果南「ダイヤー、鞠莉きたよー」
ダイヤ「…………」
果南「……はぁぁぁぁっ」
果南(やっぱりあの時、鞠莉を止めなかったのは不味かったかなぁ……) ダイヤと鞠莉が生徒会室でやらかしてから2日
二人の間には膠着状態が続いている
学校の有名人二人があんな事になったからウワサはアッと言う間に全校に広まって
そのまま二人がずっとこんな状態だから、教室どころか学校中にピリピリとしたムードが
広がってるんだけど……
果南(いや、でもこれはチャンスだ。ダイヤの本当の気持ちを引っ張り出すための) 果南「ねぇ、ダイヤ。いつまでこうしてるつもり?」
ダイヤ「なにが」
果南「鞠莉の事だよ。鞠莉だって悪気があった訳じゃないんだから……ねぇ?」
ダイヤ「ふんっ」
果南「……もう、良い加減にしなよっ! いつまでもいつまでも大人気ないっ!」
ダイヤ「果南には関係ないでしょ!」
果南「あるよ! 大アリだよ! あんた達二人がずっとこうだと学校中の空気が重苦しくてしかた
ないよっ!」
ダイヤ「そんなの知らないわよっ! 果南のバカ! もうほっといて!!」
果南「あ、ダイヤ待って……ダイヤー! ……はあ、もう……」 ーー放課後ーー
果南「あ、千歌」
千歌「果南ちゃん……」
果南「これから練習?」
千歌「うん……いつまでも落ち込んでいられないからね。0から1を目指すんだってみんなで決めたの!」
果南「そっか」
千歌「でも……」
果南「ん?」 千歌「ねぇ、果南ちゃん……ダイヤさん達の事……私のせいなのかな」
果南「千歌、なにいって……」
千歌「なんとなくの事は知ってるんだ。学校中の噂になってるからね」
果南「そっか……」
千歌「もし、ダイヤさんと鞠莉さんがあんな風になった原因が千歌の所為だとしたら……私……」
果南「バカだね千歌は」ホッペムギュ
千歌「うふぇ……はなんひゃんなにひゅんの……
果南「大丈夫だよ。あの二人の事は千歌のせいなんかじゃないから……あの子たちが勝手にやっ
てるだけ。だから千歌はなんにも気にしないの」ハグッ
千歌「果南ちゃん……」
果南「二人とも……ちょっとボタンを掛け違えちゃっただけなんだ。だからすぐにまた元どおり
になるよ」
千歌「でも……」 果南「それにね、二人共すっごく千歌の事好きなんだ。千歌達の事が……。二人共、Aqoursの大ファンなんだよ。
だから、Aqoursがまた元気にライブをしてくれたらダイヤも鞠莉もきっと笑顔になるよ」
千歌「そうかなぁ……」
果南「そうだよ。だから千歌はくよくよせずにいっぱい練習頑張ってよね」
千歌「うん……ありがとう果南ちゃん。私、がんばるよ!」
果南「うん……いってらっしゃい」
果南(千歌……ごめんね。私があの時止めなかったばかりに千歌にまで余計な心配をかけて。
それなのに頑張れなんて。……でも、今のダイヤと鞠莉にはどうしてもAqoursが必要なんだ。
だから、もう少しだけ力を貸して。私も……頑張るから!) ーー帰り道ーー
果南「鞠莉ー! まってまって!」
鞠莉「果南……」
果南「ふぅ、追いついた! 一緒に帰ろ?」
鞠莉「うん」 果南「どう? 調子は」
鞠莉「どうって……別に」
果南「なんかね……ついこの間の事なのに。3人で仲良くおしゃべりしてたのが凄く昔の様な気が
するよ」
鞠莉「ごめんなさい……なんであんな事言っちゃったんだろ。ダイヤが嫌がってるの知ってた
のに……そのせいで果南にまで迷惑を……うぅ……」
果南「うわ、ちょっと待って! 泣かないでよ鞠莉! ほらっハグッ」ギュ
鞠莉「か、果南!?」
果南「ほら……落ち着くまでこうしててあげるから」
鞠莉「うん……」 果南「私はね……今回の事、良かったと思ってる」
鞠莉「えっ?」
果南「まあ、ちょっと強引だったかな……とも思うけど。私も鞠莉と同じでダイヤにAqoursに
入って欲しいもん」
鞠莉「果南……」
果南「だから……今回の件は良い機会だったんだよ。あの石頭に自分の気持ちを気付かせる
きっかけとして。ダイヤだってAqoursに入りたい筈なんだよ。だから……ね。鞠莉も元気出して」
鞠莉「ぐす……ありがとう、果南。果南は優しいね」
果南「ふふ、それほどでも」
鞠莉「へへ……それにしても……果南は本当にダイヤの事が大好きなのね。ダイヤの事ならなんでも
知ってて……」
果南「え……いや……ははは/////」 ーー黒澤家ーー
ダイヤ「ルビィ」
ルビィ「お姉ちゃん……どうしたの?」
ダイヤ「いや、あの……もう練習再開したんだって?」
ルビィ「うん! ラブライブに向けてまたがんばるの!」
ダイヤ「そう。……ごめんね、わたしのせいで……いろいろやりづらかったでしょう?」
ルビィ「ううん。そんな事ないよ」
ダイヤ「わたしの事でルビィは周りの人に何か言われたりしてない?」
ルビィ「全然大丈夫だよ!」 ダイヤ「それなら良かったけど……」
ルビィ「……ねえ、お姉ちゃん」
ダイヤ「ん? なぁに?」
ルビィ「……ううん、なんでもない。ルビィ練習、頑張るね!」
ダイヤ「うん、お姉ちゃんも応援してる」 『らんらんらーん♪』
『うわぁ……ダイヤちゃん上手だねー!』
『うふふ、そうかな。ありがとう!』
『ダイヤちゃんは本当にアイドルがすきなんだね』
『うん! キラキラしててかわいーもん!』
『じゃあ、ダイヤちゃんも大きくなったらアイドルになるの?』
『ええ!? むりだよそれは……わたしなんて……』
『なれるよ。だってダイヤちゃんかわいいもん』
『そうかな?』
『うん!』
『えへへ……じゃあ、わたしがアイドルになるときは……果南ちゃんも一緒にやってくれる?』
『ええ!? わたしは無理だよ! わたしはかわいくないもん!』
『そんなことないよ! 果南ちゃんもかわいい!』
『そんなこと……』
『じゃあやくそくね! わたしがアイドルになるときは果南ちゃんも一緒! あと、ルビィもね!』
『グループなの?』
『うん! そうだ、グループ名も考えなくっちゃ……そうだなあ……アクア=I』
『アクア=H』
『うん! アクアってね、外国の言葉で水って意味なの! この海みたいにキラキラした
アイドルになりたいから……アクア!』
『アクアかぁ……』
『うん! わたしたちはアイドルグループ、アクアよ!』 ーーAM5:00ー
ピピピピ ピピピピ ピピピピ
ダイヤ「……夢か」
あれっていつの頃はだろう……
まだわたし達が小学校に上がる前くらいか
懐かしいな……
ダイヤ(しかし……あの頃はまだ純真だった
な……/////) ルビィ「お姉ちゃん、おはよう」
ダイヤ「おはようルビィ。今から出るの?」
ルビィ「うん、朝練があるから。お姉ちゃんは?」
ダイヤ「わたしも、もうちょっとしたら出るわ」
ルビィ「そっか。じゃあ、先に行ってきます」
ダイヤ「いってらっしゃい。朝練がんばってね」 あの日から
わたしは長年の日課だった朝のランニングをサボっている
あれ以来、果南ともなんか顔合わせづらいから
ダイヤ(別に違うルートで走れば良いんだけどね……でも、偶然むこうもルート変えて鉢合
わせたりしても嫌だし)
なんやかんや言い訳しても結局、本当のところはやる気が起きないだけなのだが
それでも、長年続いた早起きの習慣は忘れられるものでもなく
ダイヤ「はぁ……勉強でもするか」 それにしても……なんであんな夢をみちゃったんだろ
『私とスクールアイドルやろうっ!』
ダイヤ(やっぱ……あのせいだよなぁ)
ダイヤ「……だめだ、頭が回らない。勉強に集中できない」 ーー生徒会室ーー
副会長「あの……会長」
ダイヤ「あら、なにかしら?」
副会長「こちらの書類なんですが……」
ダイヤ「あぁ、それね。ありがとう、そこに置いておいてちょうだい」
副会長「は、はい! 失礼します……」オドオド
ダイヤ「…………」
はぁ……
果南の言うとおり、やっぱりやらかしちゃったわよねぇ……
副会長以外もなんかオドオドしてるし
せっかくこれまで必死で作り上げてきたイメージが……
いや、そんな事よりとりあえずこの空気だけでもなんとかしないと…… その頃、スクールアイドルーー
千歌「え、沼津の夏祭り?」
教師「ええ。今日、学校にあちらの運営委員からあなた達にステージを演って欲しいとの
オファーがあったのよ」
曜「沼津の花火大会って言ったらここら辺で一番のイベントだよ」
花丸「Aqoursを知ってもらうには一番ずらね」
梨子「でも、今からだとあまり練習時間がないんじゃ……」
ルビィ「千歌ちゃん、どうしよう」
千歌「私……出たい! 花火大会でライブしたい! 私達の新たなスタートにちょうどいいよ!
みんなは!?」
ルビィ「ルビィもやりたい!」
梨子「そうね……せっかくのチャンスだしね!」
曜「ヨーソロー! 参戦であります!」
善子「ふふ……闇の宴が始まるのね」
花丸「闇の宴じゃなくて夏祭りずら……」
千歌「よーし、それじゃあ花火大会に向けて練習開始だー!!」
5人「おーっ!!」 ーー夜、黒澤家ーー
ダイヤ「夏祭り?」
ルビィ「うん! そこでライブをする事になったんだ!」
ダイヤ「沼津の夏祭りのステージなんてすごいじゃない」
ルビィ「千歌ちゃんがね、0から1にするんだって。ラブライブを目指してまた頑張るんだっ
て張り切ってるの! ルビィも頑張る!」
ダイヤ「お姉ちゃんも応援してるね」
ルビィ「ありがとう!」
ダイヤ「あ、でも。もうすぐ期末試験もあるんだからそっちもちゃんとしなさいよ。
ルビィ、中間は赤点ギリギリだったでしょ」
ルビィ「う、うゅ……」
ダイヤ(そっか、千歌ちゃん……。あの子は本当に凄いわね。あんな事があったのにもう立ち
直って次を目指して……。それに比べてわたしは……) 翌朝、校舎入り口ーー
ダイヤ「あ……」
鞠莉「ダ、ダイヤ……」
ダイヤ「……ごきげんよう」
鞠莉「……っ」
ダイヤ(……はぁ。なにをやってるのよわたしは。鞠莉にこんな態度取ったってなんにも
ならないって分かってるのに……)
ダイヤ「……なんか体が重い」 ーーその頃、学校屋上ーー
曜「よーし、じゃあ今日の朝練はここまでにしようか」
梨子「はぁ……疲れた」
ルビィ「ふぅ……」
千歌「ルビィちゃん、おつかれ。はい、ドリンク」
ルビィ「あ、千歌ちゃん。ありがとう」
千歌「……ねぇ、ルビィちゃん。ダイヤさんってどう?」
ルビィ「? どうって?」 千歌「いや、ほら! いろいろさ……あったじゃない? それで今どんな感じなのかな……って」
ルビィ「……ルビィの前じゃ普通にしてるけど。やっぱり元気がないみたい」
千歌「そっか……」
ルビィ「…………」
千歌「あのね。ダイヤさんって自分で気づいてないかもだけど。最近。私のこと千歌さん≠チて
呼んでくれるんだ。東京から帰った時からかな。前は高海さん≠チて呼んでたのに。
私ね、それがすっごく嬉しいの」
ルビィ「千歌ちゃん……」 千歌「私ね、ダイヤさんの事がとっても好き。真面目で頼り甲斐があって優しくて。それに……
私と同じでスクールアイドルが凄く好きで」
ルビィ「千歌ちゃん……知ってて……」
千歌「なんとなくね。ダイヤさんと接してたらわかってきた。だから、ダイヤさんも一緒に
スクールアイドルやれたらいいなって思うんだけど」
ルビィ「ルビィも……本当はずっとお姉ちゃんと一緒にスクールアイドルやりたかった。
ルビィね。この学校に進学したのお姉ちゃんが居るからなの。ルビィ、バカだから浦の星に入るために
毎日、頑張って13時間も勉強したんだよ」
千歌「ひぇっ……13時間も!?」
ルビィ「えへへ。……周りのみんなからはそんなに無理してまで浦の星に入らなくてもって言われてたけど……
お姉ちゃんと同じ学校に入ればもしかしたらお姉ちゃんとスクールアイドルが出来るかもって思ったから」
千歌「そうなんだ……じゃあ、まずは! ダイヤさんに元気になって貰うためにも最高のライブを
しないとね!」 ーー翌朝、教室前ーー
果南(……今日こそいい加減なんとかしないとね)
ガラガラ
果南「おはよー、みんな」
女生徒「おはよー果南」
果南「鞠莉もおはよ」
鞠莉「うん……おはよ」 果南「ダイヤも。おはよ」
ダイヤ「…………」
果南「ダイヤ?」
ダイヤ「あ、果南さん……おはようございます」
果南「ねぇ、ダイヤ。今日の放課後ちょっといい? 少し話があって……」
ダイヤ「…………」
果南「ダイヤ聞いてる?……なんかぼーっとしてない?」
ダイヤ「いえ、別に……」
果南「んーーー?」
ダイヤ「? あの、なにか……」 果南「ねぇ、鞠莉!」
鞠莉「え?」
果南「ちょっとダイヤを保健室に連れてくからさ。先生来たら伝えといて」オヒメサマダッコ
ダイヤ「え……ちょっ、果南さん!?/////」
果南「暴れないで大人しくしてて! ほら、行くよ!」 ーーー
保険医「うーん、たぶん軽い風邪だと思うけど。少し熱があるからここでしばらく寝てなさい」
ダイヤ「はい……」
果南「ダイヤが熱がねぇ……珍しい。熱出すなんて小学校以来だっけ?」
ダイヤ「……どうりで怠いと思った」
果南「くすっ、自分で気付かないなんてね。まあ、ちょっと休んでなよ。私は教室戻るから。
先生、ダイヤのことよろしくお願いします」 ーーー
鞠莉「果南、ダイヤどうだった?」
果南「うん、軽い風邪みたい。今、保健室で休ませてもらってる」
鞠莉「そう……」
果南「そう心配しないで」
鞠莉「でも……私が迷惑かけたせいで体調が悪くなったのかも……」
果南「そんなの気にし過ぎだって。昼休みになったらまた様子見に行くよ」
鞠莉「うん……」 ーー昼休み、保健室ーー
果南「ダイヤ、入るよ」
ダイヤ「んぁ……果南さん……」
果南「あ、寝てたんだ。ゴメン、起こしちゃった?」
ダイヤ「いえ、大丈夫です」
果南「今、保健の先生は席を外してるから楽にしていいよ」
ダイヤ「あ、うん……今はお昼休み?」
果南「そうだよ。ぐっすり寝てたみたいだね。調子はどう?」
ダイヤ「うん……だいぶ楽になったと思う。熱も下がった」
果南「流石、動物並みの回復力」
ダイヤ「なによそれ」
果南「ダイヤのお弁当、荷教室から持ってきてあるんだけど。食べられそう?」
ダイヤ「うん、ありがとう。たべる」 果南「そう言えば鞠莉もダイヤの事心配してたよ」
ダイヤ「そう……」
果南「良い子だよね鞠莉って」
ダイヤ「……わかってるわよそんなの」
果南「じゃあちゃんと仲直りしなきゃ」
ダイヤ「……最近ずっと考えてた。鞠莉の事も千歌ちゃん達の事も」
果南「…………」
ダイヤ「でもわたしには……どうしたらいいか分からなくて……」
果南「ふふ……ダイヤ、今まで対人関係でこんな風に悩むなんて無かったからね。慣れない事に
脳みそ使い過ぎて知恵熱でちゃったか」
ダイヤ「なによ……もう……」
果南「ご飯食べたらまた眠くなった? もう少し寝てなよ」
ダイヤ「うん……」スゥ
果南(ダイヤもダイヤなりに……一生懸命考えてるんだね。……今日のところは話はヤメにしと
いてあげるか。でも、ダイヤ。ダイヤの中で答えは決まってるハズだよ。あとは勇気だけ) あれ? どうしたんだろう
ここはどこ?
あ、そうか。わたし、スクールアイドル部に入ったんだっけ。
Aqoursのメンバーになって、みんなでお揃いの衣装を作って、歌と踊りの練習をして
今からステージの上でライブをするの
わたし達9人で
ダイヤ「……朝か」
ダイヤ(結局、昨日は学校でもずっと寝てて、家でもほとんど寝てしまったな)
ダイヤ「……さっきなんか夢を見てた気がするけど……どんな夢だったっけ?」 ルビィ「あ、お姉ちゃんおはよう。体調はどう?」
ダイヤ「おはようルビィ。おかげさまでもうすっかり大丈夫よ」
ルビィ「よかったぁ。あ、ルビィ朝練に行ってくるね!」
ダイヤ「いってらっしゃい」 ーー学校、ダイヤ達の教室ーー
果南「ダイヤおはよう。体は大丈夫?」
ダイヤ「おはようございます。おかげさまですっかり。果南さんにはご迷惑をおかけしてすみま
せんでした」
果南「そんなの気にしないでよ。それよりさ。昨日の話なんだけど……今日の放課後ちょっといい?」
ダイヤ「えぇ……」
果南「ありがとう。じゃあ放課後に学校裏の林に来てもらっていい?」
ダイヤ「……わかりました」 ーー放課後、学校裏の林ーー
ダイヤ「それで、こんな人気のないところに呼び出してなんの話?」
ダイヤ(まあ、だいたい予想はついてるけど)
果南「うん。鞠莉の事……」
ダイヤ(やっぱり……)
果南「……もなんだけど。それ以上にダイヤ自身の事だよ」
ダイヤ「え?」 果南「ダイヤ……ダイヤはやっぱりスクールアイドル部に入った方がいい」
ダイヤ「果南までなに言って……」
果南「ダイヤは本当はスクールアイドルをやりたいんでしょう?」
ダイヤ「そんな事……」
果南「じゃあなんで千歌達のグループにAqours≠ネんて名付けたの?」
ダイヤ「なんでわたしだって……」
果南「だって、アクア≠ヘ私達が子供の頃に約束したグループじゃない」
ダイヤ「果南……それ覚えて……」
果南「だから千歌達にその名前を託したんでしょ」 ダイヤ「……そうよ、悪い? わたしは自分の夢をあの子達に託したの。だから、わたしはもう、
スクールアイドルになんて……」
果南「嘘だ。ダイヤはまだスクールアイドルになりたい筈だ」
ダイヤ「そんな事……だいたい、わたしはもう三年生で……卒業までもう一年もないんだし」
果南「それだけあれば充分でしょ」
ダイヤ「でも……」
果南「ダイヤがスクールアイドルにならない理由はそんなんじゃないでしょ! この臆病者!」
ダイヤ「……っ」 果南「ダイヤは小さい頃からなんでも出来たよね。勉強もスポーツも。なんでも一番だった。
でも、それはあくまで見栄の為の手段でしかない。 見栄のために本性を隠して作ったウソの
自分だ。だから、それが傷ついても悔しいと思う
事はあっても痛くはない。でも」
ダイヤ「…………」
果南「スクールアイドルは違う。アイドルはダイヤにとって小さい頃からの憧れ。本当に心の底
から大好きなモノ。だから、それで負ける事が。一番になれずに傷ついてホントの心が痛い思いを
するのが怖かったんでしょう?」
ダイヤ「……もうやめて」
果南「千歌達だって、大きな挫折を味わってもまた立ち上がって前を目指してる。後輩にあんな
姿を見せられてまだそんなウジウジして……情けなくないの!?」
果南「いい加減逃げるのやめな! 根性だしなよ! ダイヤはスクールアイドルになりたいんでしょう!?」
ダイヤ「でも……今さらわたしがスクールアイドルになったって……」
鞠莉「……大丈夫だよダイヤ」
ダイヤ「……鞠莉っ!? なんであなたがここに……」 果南「私が呼んでおいたんだよ。ダイヤの本当の気持ちを知ってもらうために」
鞠莉「ゴメンねダイヤ……こんな盗み聞きみたいな真似をして。でもね、ダイヤ。これだけは
言わせて。ダイヤなら絶対みんなを笑顔にさせる最高のアイドルになれる」
ダイヤ「なんであなたにそんな……」
鞠莉「だって私がそうだもの! 私がダイヤのダンスを見て笑顔になれたもの!」
鞠莉「あの日……あの場所で踊るダイヤを見て……キラキラ輝くその姿を見て。私はとても元気を
貰えた。色んなことに絶望しかけてた私に……ダイヤは力を与えてくれた」
鞠莉「だから大丈夫……ダイヤにはみんなを笑顔にさせる力がある。ダイヤなら絶対、最高の
スクールアイドルになれる。だからお願い……私にもう一度、ダイヤの踊りを見せて? スクール
アイドルとしてキラキラ輝いている姿を見せて?」
ダイヤ「……わ、わたしは……」 ずっとアイドルになりたかった
画面の向こうでキラキラ輝くあのひと達の様に……
その憧れは少しずつ大人になって行っても変わらず……
そして、大人に近づくたびに現実を知る
アイドルという物がどれほど大変なものか
あの場所はどれほど険しい道の先にあるものか
やがて世の中にスクールアイドルと呼ばれるものが生まれ
わたしは胸を躍らせた
あの人たちの様にキラキラと輝きたいと
わたしも高校生になったらあの人たちの様になりたいと
しかし、スクールアイドルの人気はどんどん加熱し
ラブライブの開催によりそれは一気に加速する
それに伴い、スクールアイドルのレベルも上がり
全国に様々な強豪校と呼ばれるものが生まれて行った
わたし達が住むこんな田舎にそんなハイレベルな戦いについていける学校などあるはずもなく
わたしはアイドルなんかを目指すより今まで通り勉強をして優等生を演じるのが良いのだ、と
勉強して良い成績を残してより、レベルの高い大学に進学して、良い職業につく……それが
最も賢い生き方なのだと考えた
自分に言い聞かせる様に
でも、わかっていた
それは賢い生き方なんかじゃないと
それはただ小利口な生き方なんだと
でも本当は
本当のわたしは……
ダイヤ「わたしは……スクールアイドルになりたい……」 ダイヤ「わたし……スクールアイドルになって輝きたい……鞠莉と……みんなと……うぅ……」ポロポロ
鞠莉「ダイヤ……ダイヤなら大丈夫だよ……私も頑張るからダイヤと一緒に頑張るから……」ギュ
ダイヤ「鞠莉……ごめんね……ごめんね……ひっく」
鞠莉「もういいよ……私こそごめんね……」 果南「やれやれ……やっと素直になれたか。それじゃあ鞠莉。あとはよろしくね。この通り、
素直じゃないし図太い割に結構、繊細なところもあるからさ。面倒見てやってね」
ダイヤ「……待ちなさい、果南」
鞠莉「貴女、なにいってるの?」
果南「え?」
鞠莉「それなら果南がサポートしてあげないと。それはダイヤのお世話は果南の仕事でしょ?」
果南「えぇ……!?」
ダイヤ「なによお世話って! わたしは果南にお世話なんて……それはともかく、果南。あの時
約束したはずよ。わたしがアイドルになる時は果南も一緒だって。わたしとの約束を破る気?」
果南「いや、それは……」
鞠莉「ふふ、決まりね!」
ダイヤ「さあ! そうと決まったら早速、3人で入部届けを出しに行くわよ!」 ーーー
千歌「えぇ!? 三人ともスクールアイドル部に!?」
鞠莉「そうなの☆ どうぞヨロシクね!」
千歌「…………うぅ」
鞠莉「ちかっち?」
ダイヤ「あ、あの……やっぱりご迷惑で……」
千歌「いやったああぁぁぁぁ!」ハグッ
ダイヤ「きゃっ! いや、あの……千歌さん!?」
鞠莉「ワーオ! ちかっちったらダイタン☆」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています