刀を握る手に力が入る。

壇の中央には黒澤ダイヤ。

その周り、彼女を囲うように棘人と人が半円を為す。

一歩、また一歩。

やがて、黒澤ダイヤの正面へ。


すう…

刀を構える。

同じくして、黒澤ダイヤが両手を挙げる。

顔を隠すように拡げられた両の手。

そして、拡げられた黒澤ダイヤの両手が小刻みに震え。

ぐぐぐーー……と、手の甲から幾本もの『トゲ』が生える。


ダイヤ「希さん」

希「ダイヤちゃん」