0086名無しで叶える物語(やわらか銀行)
2018/05/12(土) 01:03:52.27ID:W2PjMw5p『子どもが怪我をしては大変だ』
『棘人のトゲを斬り落としてしまえ。そうすれば二度と生えてはこないのだから』
『口々に拡がっていく辛辣さに、ネコは耐えられず、村人たちの前に躍り出ました』
『待ってくれ、待ってくれ。そんな仕打ちはあんまりだろう』
『彼女がこれまで村のためにどれだけ頑張ってきたと思う。あなたたちも知っているだろう』
『しかし、恐怖を思い出した村人たちには届きません』
『それはわかっている。だけれど、これは少女のためでもあるんだ。トゲを斬り落としてさえくれれば、私たちも彼女に怯えることはなくなる。誰もが安心して暮らせるようになるんだ』
『やがて、村の蔵から刀が運ばれてきました』
『悪く思わないでおくれ。私たちと棘人が、手を取り合って生きていくためなんだ』
『刀が振りかざされ、そしてーー』
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