『棘人はやっぱり棘人だ。危険な存在だ』

『子どもが怪我をしては大変だ』

『棘人のトゲを斬り落としてしまえ。そうすれば二度と生えてはこないのだから』

『口々に拡がっていく辛辣さに、ネコは耐えられず、村人たちの前に躍り出ました』

『待ってくれ、待ってくれ。そんな仕打ちはあんまりだろう』

『彼女がこれまで村のためにどれだけ頑張ってきたと思う。あなたたちも知っているだろう』

『しかし、恐怖を思い出した村人たちには届きません』

『それはわかっている。だけれど、これは少女のためでもあるんだ。トゲを斬り落としてさえくれれば、私たちも彼女に怯えることはなくなる。誰もが安心して暮らせるようになるんだ』

『やがて、村の蔵から刀が運ばれてきました』

『悪く思わないでおくれ。私たちと棘人が、手を取り合って生きていくためなんだ』

『刀が振りかざされ、そしてーー』

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