『…うそ』

『うそじゃないさ。切り株に腰掛けて、自分で言ったんだ』

『ほろりーーほろりーー』

『珠のような涙が頬を伝います』

『いやよーーいやよーー』

『手からかごが離れ、パンが、りんごが、ころげます』

『ひざが震え、目がちかちかして』

『全身がさあっと冷えていきました』

『ああああああああああああああっ!』

『喉が張り裂けんばかりの泣き声』

『いけないーー』

『そう思ったときには、もう手後れでした』


『少女の全身からは、無数のトゲが生えていましたーー』

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