0075名無しで叶える物語(やわらか銀行)
2018/05/12(土) 00:56:22.18ID:W2PjMw5p『三日が過ぎ、一週間が過ぎ、二週間が過ぎ』
『少女とネコは、いつも一緒にいました』
『働き者のネコは村のみんなに好かれ、よく打ち解けました』
『そしてなにより、そんなネコが隣にいることで、少しずつ、少しずつ、少女も受け入れられるようになってきました』
『昨日は初めて野菜が売れました』
『夕方にすれ違った老夫婦には、初めてあいさつをされました』
『嬉しい。私、まるで村の一員になれたみたい』
『ありがとう、ネコさん』
『お礼を言うことなどなにもないよ。やっと、きみの頑張りが報われたというだけのことなんだ』
『やがて、村人は少女に冷たくすることはなくなりました』
『少女は、毎日ネコの手を握って眠りに就きました』