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千歌「…ふう」

にこ「ため息なんかついて、どーしたのよ」

千歌「あ、にこちゃん…」

にこ「しけたカオしてるわね。そんなんじゃよくないわよ」

千歌「にこちゃんって、果南さんと希さんと幼馴染みなんだよね」

にこ「そーよ。それがどうかした?」

千歌「今日は一緒に帰らないの?」

にこ「別に。毎日一緒に帰る契約してるわけでもないし。今日は一人で帰る気分なのよ」

千歌「……」

にこ「……あ。や、いいわよ。急に誰かと帰りたい気分になった」

千歌「にこちゃんは優しいし強いんだね」

にこ「は? なにがよ」

千歌「果南さんと希さんだけどこか寄って帰るかもって思うと、淋しくならない?」

にこ「ならないわねー」

千歌「なんで?」

にこ「そんなんで私たちのなにかが変わるとは思わないからよ」

にこ「…わかった。穂乃果と曜のことね」

千歌「うん。学舎では三人でいるけど、でも…帰りとか、やっぱり一緒にいづらくって」

にこ「気にしなきゃいいのよ」

千歌「どっちを?」

にこ「どっちも! いづらくたって一緒にいたいならいりゃいいし、それが嫌で一人になるんならその場にいない相手のことなんか考えない」

にこ「そんだけよ」

千歌「…あはは。チカもにこちゃんみたいに強くなりたいなあ」

にこ「なれるんじゃない。そのうちね」

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