そこには、なにもない。

棘人が人を。

人が棘人を。

棘人が棘人を。

人が人を。

恐れ、嫌い、憎み、侮り、見下し、蔑み、嗤い、貶し、恨み、妬み。

そんな確執が、一つもない。


希「きっと…きっと、こんな世界もあったはずよね」


『あなたたちは、なにを望むのですか。なにがしたくて、私たちを集めようとするのですか』

『……本当に、簡単なことなんです』

『……私たちの願いは、最初から一つだけ』

『私たちの願いは、最初からーーたった、一つだけ』


『みんなが手を取り合って、笑い合う。そんな世界に生きたかったーーただ、それだけです。 黒澤ダイヤ』



終わり