善子「なによ急に」

千歌「普通が嫌いなら、私の事も嫌いなのかなって思って」

善子「……」


本当になんなの?

急に変な質問してきて……


善子「そうね……」


意図はわからないけど、帰り支度をしている手を休めないで答えるわ。


善子「普通は嫌いよ」

千歌「そう」

善子「でも、貴方の事は……」

千歌「……?」

善子「嫌いじゃないわよ」

千歌「そうなんだ」

善子「まぁ、好きでもないけどね」

千歌「ふぅん、そっか」

善子「……」


言ってから「あぁ、また余計な事を言っちゃったわ」と後悔。

きっと「千歌先輩の事が大好きです」とでも言えば良かったんだろうけど……

実際口から出たのは「貴方の事は好きでも嫌いでもない」という、さっき休憩中に食べたアイスみたいに冷えた冷たい言葉。

そこには甘さなんて物はちっともなくて、
こんなキツい言葉ばかりが出てくる、自分の口が本当に嫌で仕方なくなっちゃう。