梨子「大人になろうよ」曜「オトナ?」

1名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 13:35:37.64ID:3HJF2s6e
高校を卒業したのは3年前のことだ。

沼津にある大学に入学してからは、留年しないように勉強に励み、サークル活動に打ち込んで、アルバイトをこなしつつ、たまに地元のボランティアにも参加なんてしてたらあっという間に月日が経ってしまった。

地元からのちじんか

13名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 15:39:53.94ID:3HJF2s6e
曜「どういうことさ」

梨子「そのまんまの意味よ。千歌ちゃんを取り合うライバルが消えるんだから、曜ちゃんは内心ほくそ笑んでるんじゃないかなって」

曜「ほくそ笑むって」

梨子「擬音語にするならニヤニヤって感じかしら」

曜「ニヤニヤは何処となく微笑ましいから、こういう時はニタニタの方がいいんじゃないかな」

梨子「ニタニタ。いいね。採用」

曜「だけどね梨子ちゃん、ニヤニヤもニタニタも外れてる」

梨子「じゃあどう思ってるの?」

曜「何とも思ってないよ。梨子ちゃんの好きにすればいい話だし、無関係な私に発言権なんかないんだからさ」

梨子「引き留めたりしないの?」

曜「引き留めてほしいの?」

梨子「別に」

そう言って梨子ちゃんはニッコリ笑う。
ニンマリとも言うのかな?

梨子「でも、曜ちゃんがどんな反応するのかなーって気になってたのは本当よ」

曜「人のことを試すのは感心しないね」

梨子「無関心な人にそんなこと言われたくないわ」

無関心。無配慮。無反応。

14名無しで叶える物語(もんじゃ)2018/04/17(火) 15:47:07.04ID:yePQq6rm
お、ドロドロようちかか

15名無しで叶える物語(もんじゃ)2018/04/17(火) 15:47:31.84ID:yePQq6rm
ようりこやったすまん

16名無しで叶える物語(庭)2018/04/17(火) 16:00:20.58ID:LkumvRka
落ちるぞ

17名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 16:01:06.04ID:3HJF2s6e
実際のところ、梨子ちゃんに対して全く関心がないと言えばそれは嘘になる。
からかわれたくないから虚勢を張っている。

2年の春に東京からここ内浦にやって来て
その美貌と才能と経歴に千歌ちゃんが興味を示さないはずがなくて
それは言うなれば運命の出逢いで
Aquorsにとっての原点のようなもので
そこから1年生や3年生、Seint Snowも巻き込んでいって
どんどん強くなって
どんどん大きくなって
どんどん輝きが増していって
私と千歌ちゃんだけだったはずの小さな渦はいつのまにか竜巻のように広がって
その中心核には当たり前のように梨子ちゃんがいて

梨子ちゃんが居なくたって千歌ちゃんの夢を叶えてみせるなんて胸を張れるほど、私は愚かなやつじゃない。
だけど、そんな人に対して嫉妬も憎悪もなく心から大好きなんて言い張れるほど、私は良いやつじゃない。

18名無しで叶える物語(プーアル茶)2018/04/17(火) 16:05:43.18ID:G28owpm9

19名無しで叶える物語(プーアル茶)2018/04/17(火) 16:07:34.55ID:G28owpm9

20名無しで叶える物語(プーアル茶)2018/04/17(火) 16:11:17.56ID:G28owpm9

21名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 16:13:48.10ID:3HJF2s6e
梨子「残念ね」

曜「何が?」

梨子「面白い反応じゃなかったから」

曜「……」

いくらなんでもはっきり言い過ぎだと思う。

梨子「曜ちゃんってからかい甲斐があるのよね、個人的に」

曜「そんなの知らないよ」

梨子「からかったり、からかわれたり、そういうの苦手だもんね、曜ちゃんは」

曜「……冷やかしは好きじゃないだけだよ」

梨子「優しい人ね」

優しい人。

梨子「でもね曜ちゃん、優しい人が優しい人生を送れるとは限らないのよ?」

優しい人生。

梨子「信じるものは報われるとか、待ってれば必ず助けが来るとか、健気な気持ちさえあればハッピーエンドとか、そんな優しい結末あると思う?」

優しい結末。

梨子「ねえ、曜ちゃん。いつまで千歌ちゃん待ってるの?」

22名無しで叶える物語(プーアル茶)2018/04/17(火) 16:16:05.50ID:G28owpm9

23名無しで叶える物語(プーアル茶)2018/04/17(火) 16:16:58.23ID:G28owpm9

24名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 16:18:02.51ID:3HJF2s6e
遅筆で申し訳ないっす
ちょっとトイレ行ってきます

25名無しで叶える物語(禿)2018/04/17(火) 16:28:02.34ID:gqFMmBHB
良いゾ〜これ

26名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 16:37:36.72ID:3HJF2s6e
曜「……千歌ちゃんのことは梨子ちゃんに関係ないでしょ」

梨子「あるわよ」

曜「何で?」

梨子「私の好きな人だもの」

曜「……私だって好きだよ。きっと梨子ちゃん以上に」

梨子「知ってるわよ、そんなこと」

恋敵のことは恋敵が一番よく知っている。
そう言いたげな眼光を放っていた。

梨子「だから曜ちゃんには負けたくなかった。今までの時間分を取り返さなきゃって思ってた」

曜「今までの時間分―――」

梨子「圧倒的な曜ちゃんのアドバンテージを埋めるために私は必死に頑張ってきた。東京から来た転校生なんて幻想が剥がれ落ちる前に、私自身を認めてもらえるように」

そして、と梨子ちゃんは続ける

梨子「ここに来て、やっと肩を並べられた気がするの」

梨子ちゃんが私たちと最初からずっと居たような感覚。
二年生になるまで一緒に居なかったのが嘘みたいな感覚。
安心感。一体感。連帯感。対等感。

27名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 17:03:42.63ID:3HJF2s6e
梨子「私ね、心の中では曜ちゃんともきっと親友になれるって思ってたの」

曜「え?」

梨子「だって、同じ人に惹かれて、その人の夢に導かれて、その人の夢の為に一緒に走って、そしてその人のことを愛しているなんて、まるで鏡写しじゃない」

曜「……確かに、そうかもね」

梨子「ここまで似た者同士なんて、今考えたら千歌ちゃんやよっちゃん以上に曜ちゃんは運命の人かもしんないわね」

曜「気持ち悪いこと言わないでよ」

鏡写しだとか、運命の人だとか、妙な言い回しでいちいち強調してくる梨子ちゃんを前にして、つい本音を口走ってしまった。

梨子「ごめんなさい」

そう言って梨子ちゃんはニンマリと笑う。
ニッコリなんて可愛らしい擬音語はこの場合ふさわしくない。

梨子「結局は他人なのにね。よくて恋敵かしら?」

曜「敵対関係のどこがいいのさ」

梨子「ある意味で特別よ?」

曜「気持ち悪い」

梨子「ふふ、曜ちゃんと話してるとついついからかいたくなくなっちゃうの」

曜「悪女め」

梨子「曜ちゃんの方がずっと悪女よ」

曜「なんでさ」

梨子「そりゃあだって―――曜ちゃんはとても優しい人だからよ」

曜「……?」

梨子ちゃんが言わんとしていることを上手く飲み込めない。
誉められてるのか皮肉を言われてるのかすらも分からない。

28名無しで叶える物語(プーアル茶)2018/04/17(火) 17:14:41.69ID:byX1ub46
>>24
トイレ報告までいちいちしないで好きに行けよw

29名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 17:51:55.14ID:3HJF2s6e
梨子「まあ、真偽はともかくとして、親友には一応なれたと思ってる。曜ちゃんにとっても、千歌ちゃんにとっても」

曜「真偽はいいんだ」

梨子「友情を試すような真似をするの?なんてひどい人なの曜ちゃん……」

曜「うるさいよ!」

さんざん人を試しておいてよく言えるね!

梨子「友情なんてハッキリしてなくていいし、あの子と私は本当に友達なのかな?みたいな気苦労はするだけ無駄なのよ」

曜「まあ、いざ確かめたところで変な空気になるのな必至だしね」

梨子「友情は下手にハッキリさせる必要はない―――でも」

梨子ちゃんは再び真剣な表情になり、その両の瞳は私をしっかりと捕らえている。

梨子「恋愛は、ハッキリさせた方がいいと思うの」

曜「……その話に戻るんだね」

梨子「当たり前でしょ。私が東京に行くまでに片付けたい案件なんだから」

曜「大袈裟だよ」

梨子「大袈裟なんかじゃない。曜ちゃん、からかってるの?」

そんなつもりはないよ、梨子ちゃん。
だけど敢えてふざけたことを抜かしていいなら。

梨子ちゃんの真剣な表情、子供っぽくて私は結構好きだよ。

30名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 18:59:12.80ID:3HJF2s6e
梨子「私は東京を発つ前に自分の気持ちを千歌ちゃんに伝えたい。でも私より先に曜ちゃんに告白してほしいの」

曜「それは何?様子見?」

梨子「違う!」

ピアノの椅子から梨子ちゃんが立ち上がる。

梨子「私は……曜ちゃんの想いを知ってるの。ずっと一緒に居たから。見てきたから。曜ちゃんの想いを知れば知るほど、千歌ちゃんのことは諦めなきゃいけないって思ったの」

窓から射す斜陽が梨子ちゃんを照らす。

梨子「でも無理だった。忘れられなかった。諦めきれなかった。私はやっぱり千歌ちゃんのことが好きで、今でも千歌ちゃんのことが好きで、だけど曜ちゃんへの罪悪感も沸き上がってきて」

罪悪感?そんなの感じる必要なんかないのに
梨子ちゃんを苦しめている私の方がよっぽど罪悪感があるよ

梨子「ねえ、曜ちゃん、お願い。千歌ちゃんに告白して?好きって想いを伝えて?曜ちゃんなら大丈夫だよ、お似合いカップルだもん。そうすれば私は今度こそ諦められるから―――」

曜「ごめん」

嗄れかけていた梨子ちゃんの声が、断たれる。

曜「今は、告白するタイミングじゃないから」

31名無しで叶える物語(わんこそば)2018/04/17(火) 19:47:35.41ID:vrkz/Ve4

32名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 20:00:45.08ID:wz1dcuh2
梨子「……告白するタイミングって、何よ」

曜「タイミングはタイミングだよ。今はまだ時期尚早なだけで」

梨子「そんなの来ないわよ」

それは私が一番よく知っている。

梨子「……そう、これ以上話しても無駄みたいね」

曜「みたいだね」

梨子「曜ちゃん、千歌ちゃんと同じ大学行くんだっけ?」

曜「うん、沼津の大学」

梨子「そう」

そっけない返事をして梨子ちゃんはこちらを見る

梨子「タイミング、来ると良いね」

曜「……うん」

梨子ちゃんが私を横切って扉に向かっていく

曜「梨子ちゃん」

梨子「なに?」

曜「ごめん」

梨子「……本当に悪い女の子だよね、曜ちゃんって」

梨子ちゃんはそう言うと、悲しそうにニッコリと笑って、音楽室の扉を閉めずに出ていった。

33名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 20:55:03.80ID:wz1dcuh2
音楽室に一人残された私は、退屈しのぎにピアノに近付いて鍵盤に触れてみる。
梨子ちゃんが普段ひいている様子を真似してみても、音は鳴り響けどそれが旋律になることはなかった。
あんなに綺麗な音色を奏でながらも、このピアノでは楽しめないと、相性に問題があってそれは自分の未熟さゆえだと、そう梨子ちゃんが言っていたのを思い出す。

相性。

私と梨子ちゃんの関係はどうだったんだろうか。
お互いが「千歌ちゃんのことを愛している」を互いに知ったとき、焦燥感を抱くと同時にある種の友情が生まれた。
相手の裏の顔を知っている、自分の裏の顔が知られているという牽制状況は、学生生活で覚える息苦しさを解放する場としてかなり有効なことに気付かされた。

良い子ぶる必要がない。
そんな空間がどことなく心地よくて、音楽室や私の部屋で集まっては、気だるげに話したり、相手をからかったり、緊張感のなさから睡魔に襲われたり、無為な時間を過ごすことが多々あった。

そう考えると今日の音楽室には妙な緊張感があって、いつものようなだらけた空気がピアノ線のように張り詰めていた気がする。
その理由については考えたくない。
考えれば考えるほど自分を絞め殺す気がしてならない。

閑話休題。
そんな習慣を続けるうちに私と梨子ちゃんは、よく分からない関係性に陥ってしまった。
友達なのにどこか敵視し合っていて、
恋敵なのにシンパシーを感じて、
写し鏡のようでいて結局は他人で

どこからが本音でどこまでが嘘で
どこからが声でどこまでが揶揄で
どこからが仮面でどこまでが素顔か

頭の中でさっきの梨子ちゃんの声がリフレインされてグチャグチャになっていくのを感じる

34名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 21:05:08.15ID:wz1dcuh2
曜「梨子ちゃん……私、よく分からなくなっちゃったよ」

鍵盤をひとつ弾いてみる。
指の感触と聴こえてくる音がシンクロする。
冷たい人さし指から温もりが伝わってきたような、そんな気がした。

35名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 22:09:08.19ID:wz1dcuh2
2人きりでちゃんと話せたのはそれが最後で、3月が終わる頃には梨子ちゃんはすでに上京してしまった。
親友でもあり、恋敵でもあり、写し鏡でもあり、他人でもあった梨子ちゃんとの関係は続くこともなくあっさりと途切れることになる。
二年前の春に内浦に引っ越してきた少女は、プロピアニストになるという情熱を燃やしながら内浦を発っていった。

「ねえ、曜ちゃん。いつまで千歌ちゃん待ってるの?」

そんな言葉を私のなかに残して。

36名無しで叶える物語(茸)2018/04/17(火) 23:00:59.12ID:wz1dcuh2
千歌「づがれだよぉぉぉ!」

曜「お疲れ千歌ちゃん」

千歌ちゃんは今日一日分の授業が全て終わったようでひどくやつれていた。
朝一番の授業に出席する千歌ちゃんと食堂で別れたあと、プールで泳いだり筋トレに励んだりして時間を趣味に費やし、千歌ちゃんの授業終了の報告を受けたので再会して今に至る。
もう必要な単位を全て取ってしまった身としては暇この上ないのだ。

千歌「いいなぁー!私もプール入りたい!入りたい!」

曜「我慢だよ我慢、卒業第一で単位取りに行かなきゃ。とりあえず前期はどの授業も自主休講しちゃダメだよ」

千歌「うぅー!鬼ー!」

なんとなく予感はしてたけど、千歌ちゃんの好奇心旺盛な性格と大学生の行動の自由度の高さはやっぱり混ぜるな危険だった。
大学生活が始まる直前に私に千歌ちゃんの監視役になってほしいと高海家からめちゃくちゃお願いされたことは今でも覚えている

千歌「でも今日を乗り切ればもう今週は余裕だよ!久しぶりにうちで晩酌でもしよーよ!」

曜「ダメだって千歌ちゃん、明日は朝早いんでしょ。また起きられないじゃん」

千歌「ちょびっとだけだよちょびっとだけ!」

曜「ちょびっとでもダメなものはダメだよ。千歌ちゃんのお母さんからも止めるようにお願いされてるし」

千歌「もー、ダメダメばっかり言ってるとさー、なんか梨子ちゃんみたいだよよーちゃん」

一瞬だけ、動揺する

曜「梨子ちゃんって、そんなダメダメ、言ってたっけ」

37名無しで叶える物語(庭)2018/04/17(火) 23:31:04.68ID:hIWxZnbq
ようちかレベルの女子に彼氏ができないとは女子大かそれとも2人がデキてるって噂でも流れてるのか
何にしてもワケありの可能性が微レ存

38名無しで叶える物語(庭)2018/04/18(水) 00:01:17.15ID:z+anXR1u
彼氏とはどんな効果だ。いつ発動する?

39名無しで叶える物語(茸)2018/04/18(水) 05:29:07.37ID:yAw2pz2k

40名無しで叶える物語(風靡く断層)2018/04/18(水) 05:54:13.00ID:RZmCvez+
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41名無しで叶える物語(庭)2018/04/18(水) 06:16:10.92ID:MuEeGtzq
ぬしくん?

42名無しで叶える物語(茸)2018/04/18(水) 09:07:00.22ID:LOKRUnwl
千歌「言ってた言ってた!もう耳にタコさんができるほど!」

曜「そんなウインナーじゃないんだから」

そのタコじゃないでしょ。よく知らないけど。

千歌「歌詞を早く書き上げろーとか、直した歌詞早く提出しろーとか、タイトル早く決めろーとか」

曜「まあ千歌ちゃん〆切を守れた方が少なかったからね。そりゃ毎回お叱りも受けるよ」

千歌「〆切、きらい」

曜「漫画家みたいなこと言うね」

千歌「いいよねー曜ちゃんは。〆切で頭抱えたことないでしょー?」

曜「そんなことないよ」

千歌ちゃんには私を完璧超人として見るきらいが相変わらずある。
自分を普通怪獣と名乗るのはAquors時代以降は少なくなったが、ここ最近また耳にするようになった気がする。

曜「衣装作りも大学の課題もそうだけど、ちゃっちゃと終わらせちゃった方が楽だと思うんだよね。今日できることは今日やっておいて損はないじゃん」

千歌「明日だってできる事なら明日に回すべきと思うなー」

曜「明日やろうはバカヤロウだよ」

千歌「チカはバカヤロウだもん。バカチカだもん」

千歌ちゃんがぷくーっと頬っぺたを膨らませる。可愛い。

43名無しで叶える物語(茸)2018/04/18(水) 09:45:16.98ID:LOKRUnwl
曜「まあ実を言うと、千歌ちゃんが遅れて提出するのを想定して〆切日を一週間くらい早めにしようって、梨子ちゃんと話してたんだよね」

千歌「え!なにそれ!?」

曜「梨子ちゃんから一週間くらい猶予もらってたでしょ?先伸ばしした日にちが本来の〆切日ってわけ」

これを提案したのは確か私の方からだったかな。
二週間を一週間と一週間に分けて、後半を猶予期間として設けることで作業の促進を図るシステム。

千歌「ひどい!なにそのシステム!詐欺じゃん!」

曜「詐欺じゃないよ工夫だよ」

千歌「でもズルじゃん!」

まあ、ズルいっちゃズルい。
悪意的ではないけど作為的ではある。

千歌「そうやって〆切日に追われる私の姿を見て二人はほくそ笑んでたんだね……」

曜「ほくそ笑んでないって」

千歌「〆切日が迫ってくるトラウマもんの恐怖は二人の陰謀だったんだね……」

曜「陰謀じゃないって」

トラウマもんなら大学の課題も頑張ろうよ。
全然懲りてないじゃんか。

千歌「よし決めた!」

曜「何を?」

千歌「飲む!」

曜「え?」

千歌「今日はよーちゃんと一緒に飲む!決定!」

曜「いやいや、だから明日早いんでしょ千歌ちゃん」

千歌「よーちゃんはチカと飲みたくないの?」

う。

千歌「チカはよーちゃんと飲みたいなあ」

まずい!千歌ちゃんの上目遣いは私にこうかばつぐだ!

千歌「私の家で今晩さ……飲も?」

曜「……もー、しょうがないなあ、今日だけだよ?」


こういう時でも梨子ちゃんなら今日はダメって厳しく律することができるのかな。
さながら鞭のように。
結局、千歌ちゃんを甘やかして要求に答えてしまうのが私の役目なんだと思う。
まるで飴みたいに。
高海家の方面からは怒られるかもしれないけど、まあ、惚れた弱みってことで赦してほしいな。

44名無しで叶える物語(茸)2018/04/18(水) 14:09:07.44ID:fhyPdJf5
食料とお酒の買い出しが終わり、私は千歌ちゃんの住んでいるアパートに足を運んだ。
大学キャンパスから歩いて10分程度の近場にあるところで、なるべく近い方が授業に遅刻せずに済むという理由でここに決定したらしい。

自宅から自転車で通っている私からすれば羨ましくも思うけど、家が大学から近いという緊張感の無さは千歌ちゃんにとってはむしろ逆効果だったのかもしれない。

曜「お邪魔しまーす」

千歌「どぞどぞー」

曜「びっくりした」

千歌「ほえ?何が?」

曜「部屋に足場がある」

千歌「失礼な!」

いや、こないだ部屋にあがったときは色々と凄まじかったじゃん。
びびるほど物に溢れてたじゃん。

千歌「チカだってちゃんと掃除してますよーだ」

曜「部屋の番号間違えたのかと思ったよ」

千歌「むー!よーちゃんきらい!」

曜「ごめんね、嘘だよ」

好きな子をからかいたくなる心理が今の私にはよく分かる。
あの悪友を思い出して少し嫌気がさすけど。

曜「先にシャワーもらっちゃっていい?」

千歌「好きにすればー」

千歌ちゃんからふて腐れたレスポンスが来る。
案外こういう対応されるのも悪くないなと思いながら、私は浴室に向かった。

45名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/18(水) 15:30:19.12ID:pNbv7GVK
千歌「今日も一日お疲れさまー!かんぱーい!」

曜「乾杯ー」

缶チューハイを掲げてコンッと音を立てると私たちは口に運んだ。

千歌「ああ〜〜美味しいよ〜」

感嘆の声を漏らす千歌ちゃん。
アルコール度数低めの甘いお酒が好きなようで、みかん味なら大抵はいけるらしい。

曜「がぶ飲みは禁物だよ」

グレープフルーツの味を舌で感じながらそんなことを言う。
私はアルコールにかんしてはごくごく普通で、ビールもハイボールも飲めるには飲めるがあまり自分から進んでは飲まない。
飲む相手や集まりに合わせるタイプだ。

千歌「ついついグビグビいっちゃうんだよねー」

曜「まあそうだろうと思って、今日はアルコール度数低いだけにしたんだよ。ほろよえるやつとか。」

千歌「さっすがよーちゃん〜、私のことよく分かってる〜」

曜「何年一緒にいると思ってるのさ」

千歌「まさに嫁ってやつだね!」

曜「もしかしてもう酔ってる?」

千歌「酔ってない!」

千歌ちゃんは楽しそうに話を続ける。

千歌「実際よーちゃんは良いお嫁さんになると思うなー、チカは」

曜「そりゃまたどうして?」

千歌「だってぇ、可愛いし、しっかりしてるし、勉強もできるし、料理も得意だし、裁縫も上手だし、きくばりかそれに可愛いし、」

曜「」

千歌「それにすっごく優しいし!」

優しい人―――

46名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/18(水) 15:33:49.36ID:pNbv7GVK
聖火リレーですが1です
>>45 訂正


千歌「今日も一日お疲れさまー!かんぱーい!」

曜「乾杯ー」

缶チューハイを掲げてコンッと音を立てると私たちは口に運んだ。

千歌「ああ〜〜美味しいよ〜」

感嘆の声を漏らす千歌ちゃん。
アルコール度数低めの甘いお酒が好きなようで、みかん味なら大抵はいけるらしい。

曜「がぶ飲みは禁物だよ」

グレープフルーツの味を舌で感じながらそんなことを言う。
私はアルコールにかんしてはごくごく普通で、ビールもハイボールも飲めるには飲めるがあまり自分から進んでは飲まない。
飲む相手や集まりに合わせるタイプだ。

千歌「ついついグビグビいっちゃうんだよねー」

曜「まあそうだろうと思って、今日はアルコール度数低いだけにしたんだよ。ほろよえるやつとか。」

千歌「さっすがよーちゃん〜、私のことよく分かってる〜」

曜「何年一緒にいると思ってるのさ」

千歌「まさに嫁ってやつだね!」

曜「もしかしてもう酔ってる?」

千歌「酔ってない!」

千歌ちゃんは楽しそうに話を続ける。

千歌「実際よーちゃんは良いお嫁さんになると思うなー、チカは」

曜「そりゃまたどうして?」

千歌「だってぇ、可愛いしー、しっかりしてるしー、勉強もできるしー、料理も得意だしー、裁縫も上手だしー、気配りがきいてるしー、それに可愛いしー」

曜「二つ目の可愛いはノーカンね」

千歌「それにすっごく優しいし!」


優しい人―――ね。

47名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)2018/04/18(水) 19:18:30.74ID:rb5j22Ff
保守

48名無しで叶える物語(茸)2018/04/18(水) 19:56:01.58ID:q5EvLloe
ほほ

49名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/18(水) 20:55:31.29ID:pNbv7GVK
曜「そんなこと言ったら、千歌ちゃんだって良いお嫁さんになると思うよ?」

千歌「えー、どの辺が?」

曜「そうだなあ……」

グレープフルーツ味を飲み干すと空き缶を机の上に置く。

曜「千歌ちゃんと一緒にいるとね、千歌ちゃんのために頑張ろうって思えるんだよね」

真剣に言葉にする。

千歌「ぶっ」

千歌ちゃんが噴き出す。
千歌ちゃんが噴き出す。
千歌ちゃんが噴き出す。

千歌「な、なに言ってるの……ぶっ……よーちゃん、バカじゃないの」

どうやらツボにはまってしまったようで、千歌ちゃんは腹を抱えている。
なに笑ってんのさ!めちゃくちゃ恥ずかしいやつじゃんか!

曜「笑いすぎだよ……割りと真面目に言ったのに」

千歌「ごめんごめん、あーよーちゃんおもしろい」

曜「まったく……顔熱くなってきちゃったよ」

千歌「もうお酒回ってきた?」

曜「まだ全然だよ」

夜はまだ長いしお酒もまだある。
千歌ちゃんの都合もあるしてっぺんまでには帰るけど。

50名無しで叶える物語(庭)2018/04/18(水) 23:06:08.52ID:hVNwzZfF
これこれ
こういうのが良いんだよ
一歩踏み外した瞬間にヒリ付きそうになるアンバランス感

51名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/18(水) 23:06:10.52ID:pNbv7GVK
乾杯からしばらくして、買ってきたお酒や肴が尽き始めた頃、千歌ちゃんはすでに出来上がっていた。

千歌「えへ〜〜よぉーうちゃ〜ん」

ぺしぺし私の肩を叩いてくる。
痛い。地味に痛い。

曜「なに、なにさ千歌ちゃん」

千歌「なんもなーい」

けらけらと笑う千歌ちゃん。

曜「なら叩かないでよ」

千歌「えぇー、いーじゃん、そんな強く叩いてないよ」

曜「結構痛いんだから」

千歌「でもよーちゃん筋肉あるじゃん」

曜「筋肉の有無は関係ないと思うよ?」

千歌「でも筋肉あるでしょ?」

曜「頑なだね」

千歌「見せてよ」

曜「え?」

千歌「筋肉見せて」

曜「なぜ?」

千歌「見たいから」

曜「ええ……」

千歌「見せて?」

曜「まあ、別にいいけどさ」

仕方なく腹筋をさらすべくシャツを捲る。

千歌「おお〜〜もりもりしてる〜」

千歌ちゃんがじっくりと見つめてくる。

曜「お腹冷やしたくないからもういい?」

千歌「もうちょっと」

まじまじと見つめる千歌ちゃん。
なんだこの状況、なんか恥ずかしくなってきたぞ。

52名無しで叶える物語(庭)2018/04/18(水) 23:29:07.21ID:ih4sdYW/
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53名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/18(水) 23:32:01.60ID:pNbv7GVK
すると突然、千歌ちゃんの指が私のへそに伸びる。

千歌「えいっ」

曜「ひゃんっ!」

千歌「え、曜ちゃん、今のすごく可愛い」

曜「な、何してるの?!」

声がつい裏返ってしまった。

千歌「ここでおへそ触ったら、よーちゃんどうなるかなーと思って」

曜「びっくりして変な声出しちゃったじゃん!」

千歌「だいじょーぶ、可愛かったよ?」

曜「そういう問題じゃなくて……ひゃん!」

私のへそ周りを撫で回す千歌ちゃんの指に反応して、私はまた変な声を漏らしてしまった。

千歌「ほらね?」

曜「ほらねじゃない!やめて!千歌ちゃん!すりすりするのやめて!」

千歌「そんなこと言っちゃって〜うりうり」

曜「あっ!だめ!そこだめ!」

千歌「曜ちゃんの表情、すごく淫靡だよ〜」

曜「ど、どこで覚えたのそんな言葉!?」

大学で出来た友達か!?
男だったらそいつぶっ飛ばすからな!

曜「もうだめ!終わり!」

捲っていた服を元に戻す。

千歌「えーっ」

曜「えーっじゃないよ、えーっじゃ」

まさか千歌ちゃんにここまで辱しめられるとは……。
悪い大学友達に染まってしまったのではと心配してしまう。

54名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/19(木) 00:14:59.86ID:HP0vAHx2
千歌「曜ちゃんは腕の筋肉もすごいって聞いたことあるよ」

曜「誰情報さ」

千歌「チカ情報だよ」

曜「つまり目測だね」

千歌「せっかくだしちょっと触らせてよー、ちょっとだから」

千歌ちゃんが上目遣いでそう攻めてくる。

曜「別に見せる分には構わないけど、さっき突然触ってきた前科があるからなー」

千歌「おねがあいっ」

曜「う、しょうがないなあ」

秒で落とされて私は腕捲りをする。

千歌「やっぱむきむきだねぇ」

曜「そう?」

そこまで筋肉は隆起してる方じゃないと思うけど。

千歌「そうだよー、ほら、押してももぷにぷにしない」

曜「あ!」

まただよ!やっぱり触るんじゃん!

55名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/19(木) 00:38:21.15ID:HP0vAHx2
千歌「ぺたぺた、ぺたぺた」

曜「ぺたぺたって言いながら撫でないで」

千歌「でもよーちゃんの腕ってきれいだよね」

曜「聞いてる?千歌ちゃん聞こえてる?」

千歌「洗練されてて羨ましいやー」

曜「聞こえてないねこれ」

千歌「ねえ、よーちゃん」

ここで私の腕にぺたぺた触れていた千歌ちゃんの手が止まる。

曜「え、どうしたの?」

千歌「腕枕って知ってる?」

ん?

千歌「うでまくらだよ、う・で・ま・く・ら」

曜「いや、さすがに腕枕は知ってるよ」

千歌「ようちゃんの腕でやってみたい」

曜「グイグイ来ますな!」

アルコール高いやつ混じってなかったよね?
お嫁さん失格じゃないよね?

千歌「うでまくら!うでまくら!」

曜「するから!腕枕するからもうちょっと落ち着こうか!」

千歌「やったぁー!」

そう叫ぶと千歌ちゃんはベッドにダイブすると、その姿勢のままで私の方を向いた。

千歌「ほら、曜ちゃんも、おいで?」

私はおもむろに足を運ぶ。

56名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/19(木) 02:32:05.26ID:HP0vAHx2
千歌「よーちゃん、かもーん」

曜「そんな鞠莉ちゃんじゃないんだから」

よっこいしょっ、と千歌ちゃんの隣に寝そべる。

千歌「腕出して」

曜「はい」

腕を差し出すと千歌ちゃんの頭が転がり込んできた。
少し重いけど、心地は悪くない。

曜「どう?」

千歌「うーん」

至近距離で目があう。

千歌「顔近いねー」

曜「近いね」

腕を枕にしてるんだからそりゃ近いさ。

千歌「チカ、よーちゃんの顔好きだよ」

曜「なんで?」

千歌「安心できるから」

曜「安心?」

千歌「よーちゃんが居るとね、心が落ち着くの。肩の力が抜けるというか」

曜「そっか」

千歌「よーちゃんがチカを休ませてくれたから、チカは頑張れるんだよ。よーちゃんが一緒に居てくれなかったら、きっとチカは何も出来ないんじゃないかな」

曜「そんなことないよ」


千歌「ねえ、よーちゃん」

千歌ちゃんは私に問いかける。

千歌「曜ちゃんは、どうしてチカと一緒に居てくれるの」

再度、問いかける。

千歌「どうしてそんなに、曜ちゃんは優しいの」

57名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/19(木) 17:47:54.81ID:HP0vAHx2
曜「別に私はそこまで優しくなんかないよ」

千歌「うそだー」

曜「嘘じゃないよ。千歌ちゃんだからつい優しくしちゃうだけ」

千歌「なんで?」

曜「え?」

千歌「なんでチカだとよーちゃんは優しくなるの?」

曜「それは……」

惚れた弱みだよ。なんて言えるわけない。

曜「千歌ちゃんにはそういう力があるんだよ、きっと」

千歌「ちか、だけに?」

曜「そういうのいいから」

千歌「さっきもそんなこと言ってたよねー、何だったっけ」

しばらく唸ってから、あぁそうだ、と千歌ちゃんが思い出す。
嫌な予感がする。

千歌「千歌ちゃんと一緒にいると、こう思うんだ……千歌ちゃんのためなら私は頑張れるってね……!ギランッ!」

曜「いや、そんな格好つけた言い回しじゃなかったでしょ!」

改変が過ぎる!

千歌「えー?こんな感じだったよー?」

曜「絶対ちがう!少なくとも最後のギランッ!は確実に言ってない!」

千歌「なんか善子ちゃんぽいなーって思って」

曜「間接的に善子がバカにされてる!?」

しかし自分で言っておきながらアレだけど、改めて聞くと何言ってんだこいつ感がすごいな……。
千歌ちゃんが噴き出したのにはびっくりしたけど、これを笑わない方が土台無理な話なのかもしれない。

58名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/19(木) 18:18:19.71ID:HP0vAHx2
千歌「うーん、チカにそんな力はないと思うけどなー」

曜「あ、そこに話戻すんだね」

そんな力。
つい優しくしてしまう魅力。
庇護欲を掻き立てる魔力。

千歌「だって、みと姉にはいつもガミガミ言われるし、Aquorsのときも梨子ちゃんやダイヤさんに叱られることなんかしょっちゅうだったし」

曜「そりゃ千歌ちゃんのことを大切に思ってるからだよ。どうでもいい人の行動にいちいち口を出そうとはしないでしょ?」

あの音楽室のときの私みたいに、ぶっきらぼうな態度は取らないでしょ?

曜「有り体に言えばさ、みんな千歌ちゃんのことを放っておけないんだよ。みんな千歌ちゃんを大事に思ってるから」

千歌「そっかあ」

隣に居る千歌ちゃんが私の方を向きながら笑みを浮かべる。

千歌「じゃあチカはすごく幸せ者だね」

曜「そうさ」

えへへっ、と笑うと同時に千歌ちゃんは大きくあくびをする。

千歌「幸せだからかな?少し眠くなってきちゃった」

曜「そうかもね。今日はもうお開きにしようか」

千歌「ねぇよーちゃん」

曜「ん?」

私の腕に頬擦りをする千歌ちゃん。


千歌「もうしばらく、このままでいい?」

曜「いいよ」

千歌ちゃんのためなら、いくらでも待てるよ。

59名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/19(木) 22:36:48.89ID:HP0vAHx2
片腕で千歌ちゃんを支え、もう片腕でスマホをいじる。
しばらくすると小さな寝息が聞こえてきた。
スマホをいじる手を止めて確認すると、スヤスヤと千歌ちゃんが眠っている。

曜「……さてと」

千歌ちゃんを起こさないように、腕枕に使っていた腕とベッドに置かれていた本物の枕を入れ替える。

曜「……あー、痕が残っちゃってる」

それに若干痺れている。
自分の筋肉には自信があっただけにちょっとショックだ。

曜「こんなもんなんかなぁ」

初めての腕枕の余韻に浸りつつも、そこはかとなく虚しさを覚える。
千歌ちゃんへ近付ける距離に限界を感じてしまう。
こんなにも近いのに、どうしようもなく遠い気がしてならない。


なんか、分かってはいたけどさ。

曜「やっぱりつらいよ…………千歌ちゃん」

千歌ちゃんはスヤスヤと、本当に幸せそうに眠っている。
その笑顔で私の憂鬱が消え去れたらいいのに。

60名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)2018/04/19(木) 23:03:20.17ID:OyNaHryb
期待

61名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/19(木) 23:06:27.58ID:HP0vAHx2
「ねえ、聞いて!」

どうしたの?

「私、ずっと言えなかったことがあるの。」

そうなの?教えてよ。

「あなたのことが好きなの。」

ほんとに?いつから?

「昔から好き。出会ったときからずっと好き。」

そっか。私も好きだよ。

「ほんと?うれしい!」

私もだよ。

「ねえ、いっそのこと付き合っちゃおう?」

それはダメだよ。

「どうして?」

だって私たち女の子だもん。

「そんなの関係ないよ!」

関係あるさ。私はそっち側じゃないの。

「私は気にしないよ?」

私は気にするの。そっちに行けないの。

「じゃあ、あなたからこっちに来てよ。その日まで私は待ってるから」

そんな日は来ないよ。

「来る!」

来ないね。

「私、待ってるから」

「ずっと待ってるから!」

曜「千歌ちゃんのこと、ずっと待ってるから!」

62名無しで叶える物語(聖火リレー)2018/04/19(木) 23:49:52.20ID:HP0vAHx2
目が覚める。
変な夢を見てしまって頭が少し痛い。
家具の配置に違和感がある。

曜「……あ、そっか」

ここ千歌ちゃんの部屋か。

時間を確認したい。
自分のスマホを探して、手に取って電源を入れる。

5:01

画面に表示された時刻を見てわずかばかり一安心する。
現在時刻が分からないことに不安を覚える現代病があるそうだが、私もその病理に冒されているようだ。

ベッドの方をふと確認する。
昨日そこで寝ていた千歌ちゃんが同じ位置でぐっすり眠っている。
当たり前のことだけど、その光景を見て一安心する。

結局あのあと寝落ちしてしまったのか。
ちゃんと家に帰ると言ってしまった手前、ママに怒られるかもしれない。
千歌ちゃんの家に行くということは伝えてあるにはあるけども。

曜「メールで泊まることになったって言うべきだったなぁ」

今のうちに謝っておこうと思い、文面に気を配りつつママにメールを送る。
よし、送信。あとは向こうの出方次第だ。

63名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/04/20(金) 01:41:59.02ID:6YBlFCJR
好きな人が異性愛者だから告白はしない
それでも想いを伝えて区切りをつける
どちらが正しいとも間違ってるとも言えないかもね。告白される方にしてみればまた話は違うかもだけど

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