凛「凛がなんでも解決しちゃうにゃ」
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〜西木野家別荘〜
ドライバー「お客さん、着きましたよ」
凛「ありがとうございました〜。料金は?」
ドライバー「先払いで頂いていますから、結構です」
凛「はぇ〜流石お金持ちにゃ」
ドライバー「ではお気をつけて」ブゥウン
凛「あぁ、確かに見えてきたにゃ」
凛「でっかいお家…ホントに別荘?」 5/2 急用で他県行く必要があって今茸だから明日にはたこやきに戻りますー
長いこと待たせて申し訳ないけど明日ようやく更新出来るためよろしく
先言っとけばよかった 凛「皆さんこんにちは、私は探偵の星空凛…ってもうみんな知ってるよね」
凛「はい!というわけで、ようやく事件の真相を突き止めました」
花陽「すごい唐突に始めるね…」
凛「そ、そんなこと今はいいの!」
凛「じゃあ、一つ一つ追っていきながら犯人を探しましょうか」
真姫「……すーはー」
凛「はい!それじゃ」
真姫「…!」ガタッ
希「なぁ、どうしたん?」
真姫「べ、別に…ちょっと…」
花陽「落ち着いてください」ポン
凛「かよちん…」
花陽「肩に力が入っておりますよ。どうぞリラックスなさって…」
真姫「…ありがと」
凛「この家の主人が冷静でない状態で話を進めるのはナンセンスですね。落ち着いたところで西木野さん、先に犯人を発表するか、出来事を並べた後に最後に犯人を知りたいか、お選びください」
真姫「…先に教えて。今なら冷静でいられると思う」
凛「かしこまりました。ではお望み通りに…」
凛「事件はこの別荘の主人である西木野真姫さんの自室のベッドにて発生、被害者は西木野さんの友人の矢澤にこさん」
凛「その矢澤にこさんを殺害した犯人は…!」
凛「西木野真姫さん…小泉花陽さん…」
凛「2人を除いた、この家の人間全員による組織犯罪です‼」
真姫「なっ……‼」 真姫「花陽以外、全員…⁉」
真姫「聞いてないわよ‼私はてっきり…」
凛「はい、追って説明しましょう。もう既に半分程罪を認めている方もいられるようですね…」
穂乃果「………」ガタガタ
絵里「…お待ちください。この事に関しては無礼ながら、私は不服を申し立てたいのですが」
凛「どうぞ、根拠があるなら」
絵里「私は事件当日、早朝の仕事の為にお嬢様へお水を運んだ後、仮眠としてすぐに2時間半程度の睡眠をとらせていただきました。その私がどうしてこのような事件に関連があるというのでしょうか」
凛「そう早まらないでください。後に解説しますから…それに」
凛「絢瀬さん、あなたの運んだ水は『普通の水』でしたか?」
絵里「っ…!」
真姫「そういえばあの時…!」
真姫「妙にすぐ眠くなってそのままソファで寝ちゃったのよ…まさかあなた…‼」
凛「そういうことです西木野さん。あなたにはあの日、睡眠薬を含んだ水を飲ませたんですよ…間違いありませんよね?絢瀬さん」
絵里「お見事です。間違いありません」
凛「弁護をするわけではありませんが敢えて言っておきましょう!」
凛「この事件は…事件であると同時に事故でもあったのです‼」
真姫「は⁉事故…⁉」
花陽(そういえばお嬢様はこの事は聞いていなかったかな)
凛「彼女達は、元々矢澤にこさんを殺害するつもりなどなかったのです」
真姫「はぁ⁉ちょっと!意味わかんないんだけど⁉」
凛「西木野さん、あなたですよ」
真姫「…⁉何よ」
凛「この事件の犯人である5人の殺害予定は、矢澤にこさんではなく!」
凛「西木野真姫さん…あなただったのです」
真姫「…嘘…嘘!嘘よ…‼」フラッ...
花陽「お嬢様っ!」 真姫「どうして…今になって全て繋がって…」
凛「ごめんね…ここで言おうって決めてたから」
真姫「探偵のくせに騙すなんて…狡いわよ」
凛「ごめん、凛はそこまで器用じゃないから」
真姫「謝らないで。最後まで教えて」
凛「わかったよ。でもその前に…」
凛「ちょっとだけ電話させてほしいにゃ」
海未「…今この場で出来ない事ですか?」
凛「いいえ、この場で十分ですよ」
海未「早めに済ませてくださいよ…」 ツ-ツ-
凛「あーもしもし?凛だよ」
凛「お姉ちゃんにお願いがあるんだけど…」
凛「…わかってるって」
凛「うん…うんうん、うんっそうだよ…」
凛「うん、はーいそれじゃお願いね」
凛「ラーメンは豚骨がいいにゃ〜」
凛「じゃあまた後でね…」ピッ
凛「失礼しました。続きを言いますね」
希「全く何の電話や…」
凛「大事な連絡にゃ。気を取り直して…」
凛「まず、この事件を解決する大きな決め手となった物はこれです!」
凛「ババンっピアノ線!」ジャ-ン
凛「この事件を飽くまで事故による西木野真姫さんの死亡として済まそうとする為には、徹底的に家にある物、更に言えば西木野さんの自室にある物のみで犯行を行う必要がありました。その為このピアノ線を利用したのです」
希「ちょっと待って。それならなんでピアノ線なん?そんな物、普通部屋に置く?」
絵里「それに、こちらは所謂ミュージックワイヤーというタイプであり、犯行の手口としてしばしば用いられる工芸用のピアノ線とは別物では?」
凛「お詳しいようで。確かにその二つは別物です。しかし、基本的な構造の違いはあまりありません。用途が違うため、厚さが異なるといった程度のこと」
凛「つまり、金属工作をする方であれば利用することは容易、ですね?穂乃果さん」
穂乃果「うん、そうだよ…」
凛「確かに、一般の人にはミュージックワイヤーは、張り替えに用いるとしても専門の技術が必要な為必要ありません…ところがそれは、飽くまで演奏家や趣味でピアノを触る人たちの話。例外として演奏するが調律も出来る人もいる…ですよね?真姫さん」 真姫「ええ、そうよ…そして私はその一般から外れた例外。音大の時代に張り替えを習ったから大学時代はピアノの調律のバイトもしてたわ」
真姫「だから、その名残じゃないけど…私用や学生時代の友達の調律の為に今も家にピアノ線を置いてあるの」
真姫「でも私が自分で調律してるだなんて話はしていなかったはずよ?どこにそんな事がわかる要素があったのよ?」
凛「それこそ部屋にあるピアノですよ」
真姫「あっ…!」
凛「お父様が購入されたものでしょうか、大層歴史があるようですね?」
真姫「ええ、18世紀に製作されたって聞いてるわ。まだピアノが世に出回ったばかりの物ね」
凛「18世紀のピアノともなれば、その価値はヴァイオリンで言うならストラディバリウスやグァルネリといったところでしょうね…」
凛「それはさておき、250年近くも前のピアノですから、当然内部の構造に違いはありましょう…残念ながら細かな違いは私のような素人にはわかりませんが、一つ、素人でもわかる決定的な違いがあるのです!」
凛「それは使われる材質!ピアノ線をご覧ください。当時であれば、使用されるピアノ線は真鍮線でした。この線は炭素鋼であり、現代に張り替えられたという事実が判明します」
凛「これで西木野さんの自室にピアノ線があった事に対する不自然はありませんね?」
希「そ、そうやな…」
真姫「ピアノ線をどう使ったのか、詳しく聞きたいわ」
凛「それはズバリ、仕込んだのですよ…あの、月夜に動く甲冑の中に!」
凛「甲冑に特殊な細工を施し、ある一定の動作を行うと斧を振り下ろすようにしたのです」
真姫「そんな事…どうやって⁉」
凛「スプリングの力を利用するんですよ!そしてその加工をした人物こそ…高坂穂乃果さん、あなたですね?」
穂乃果「はい、間違いありません…!」
真姫「穂乃果…」 穂乃果「あの甲冑には、添え木を抜くと支えがなくなって、籠手の部分が飛ぶように加工したんだよ。で、籠手が飛んで斧が落ちるように…」
凛「そしてその添え木を抜いたのは、自由に西木野さんの部屋を出入り出来た人物の南ことりさん、あなたです!」
ことり「ええっ⁉」
凛「証拠としてこの手袋を見つけました…」
ことり「それは…はい、私のモノです」
凛「この手袋をつけた状態で添え木を抜き、念には念をということで、二つの証拠を隠蔽する為に処分しましたね。一つはその手袋を…もう一つは支えていた添え木を」
ことり「……」
凛「しかし、手袋と違い、添え木は処分するにも家の中では違和感が残りやすい。そこで家の外で処分したいものの、添え木を外に捨てる事が出来る人物は1人しかいません。門限がありますからね…園田海未さん、あなたですね?添え木を処分する為に川へ流したのは」
海未「私が?何の理屈も合いませんが…」
凛「あなたは前に、私にこの家の門限を教えてくれましたね。あの夜24時以降に門を開ける音が聞こえてふと疑問に思ったんですよ」
海未「ぶ、物的証拠が無ければ私が捨てたなど、仮定の域を超えませんよ」
凛「ちゃんと用意しましたよ、ほら!」スッ
海未「なっ何故…!」
凛「優秀な私の右腕が見つけてくれましたよ。妙に綺麗な木片をね…」
凛「それと、しっかりあなただという証拠が一緒に落ちていましたよ」
海未「…!警備時の装備のバッジ!」
凛「あなたはこの家には時計がない事から、自分以外は細かい時間を把握出来ないと過信していたでしょう…ですが、『この家の中には』なくとも確かに時計はありました…依頼人として招かれた私の腕にね」
凛「添え木を外へ捨てたのは、深夜の午前1時で間違いないでしょう」
海未「はぁ…ぐぅの音も出ませんよ」 凛「さてここで西木野さん、何か疑問はございませんか?」
真姫「希よ!希は…何なの?」
凛「ふふ…よく考えてください。事件直前の夜のこと。彼女とはどんなやりとりを?」
真姫「ええと…占ってもらって、物を移動させるといいって…あ…‼」
真姫「っ〜〜‼」
凛「環境作りですよ…東條希さんの主な犯行は」
真姫「あの時…甲冑を動かしたから…‼」
希「………」ガク
凛「自分で動かした甲冑による事故なら、事件だと思われにくいですからね」
希「…少しずつ、ミスが重なってしまったんやね」
希「ウチらの負けやな」
凛「簡単にまとめるとこうですね。高坂さんが細工し、東條さんが環境を整え、南さんが実行し、園田さんが隠蔽し、絢瀬さんが全体を抜かりなくサポートし、西木野真姫という人間を事故に見せかけて殺す算段でした…」
凛「複数人による犯行になった理由は恐らくリスクの分散でしょう。裏で動かす者、実際に動く者が同じでは犯行の際リカバリーが効きませんからね」
凛「しかし、ある大きなイレギュラーが発生した事により、作戦は狂い、結果的に違う人間を『事故で』殺してしまうことになってしまった…」
真姫「イレギュラー?」
凛「そう、そのイレギュラーこそ、私と矢澤さんが偶然犯行当日に足を揃えたこと…!」
凛「この事実に動揺したのか、段々とミスが重なってしまいましたね。最初のミスは?」
絵里「確実に予定時刻に実行する為に用意した睡眠薬の量…」
凛「想定より多く投薬してしまった為、事件の夜、西木野さんは定位置のベッドではなく、ソファに寝てしまった」
凛「一人でベッドに寝ることになった矢澤さんは十分な寝返りを打てました。そして、残念ながら、寝返りによって身体がベッドの右側に寄った時、計画実行…」
真姫「……ふん」
凛「この時、二つ目のミスは?」
絵里「殺害対象の確認を怠ったこと…」
凛「いつもは月明かりに照らされてベッド周りは明るかった為、つい確認し忘れてしまったのでしょう。殺すのが西木野さんかどうか…」
凛「しかし、あの日はとても暗く部屋が見渡せなかった…そう、事件の日は新月の夜だからですよ」
凛「そして、最後のミスは?東條さん」
希「…僅かな良心の目覚め」 希「ウチは…全てを裏切った。真姫ちゃんも、この事件を協力した仲間も…」
絵里「どういうことですか?」
希「実は…あの時…甲冑は、予定より本当は少しだけ遠めに置いたんや」
希「みんなが心配だからって…大した理由もなく、目の前の光景がこれから血で染まるなんて、耐えられんかった」
希「だから、少しでも助かるようにってなぁ…」
希「でも、それが決め手となって…ウチが余計なことをしたせいで…死んだ」
真姫「うっ…ぐす…」
希「ウチが5人分の罰を受ける!だから!他の4人は…
バシッ!
希「うぐっ!」
花陽「最低です!余計な事をしたから亡くなった?そんなことはどうだっていいんですよ!あなたが、他の方が何もミスをしなかったら誰かが助かったわけではないんです!」
花陽「計画通り進んだ場合でも、お嬢様が亡くなっていたんですよ⁉どんな事情があろうと…一時でも芽生えた殺意を行動に移した人を私は許しません‼」
花陽「全員等しく報いを受けるべきですよ…こんな酷い人達は‼」
真姫「花陽…」
真姫「もう、いいわ」
絵里「計画は失敗、証拠は掴まれやがて世に出る…せめて最期まで足掻きたいものですね」
凛「…⁉」
絵里「全て知られたからには…あなたにも消えていただきます‼」
凛「…ふふっ」
凛「袋の鼠ってやつかにゃ?」
絵里「御名答!」
凛「何言ってるの?」
絵里「はい…?」 凛「あなた達のことを言ったんですよ?袋の鼠ってね…」
絵里「な、何を言って…
ことり「絵里さん!警察が大勢!」
絵里「何っ…⁉」
凛「どうしたの?凛達のこと消さなくていいの?」
絵里「くっ…この…‼」
真姫「絵里」
絵里「お嬢様…」
真姫「あなたには失望したわ」
絵里「…!それだけは…それだけは、言われたくなかったのに…‼」
ファンファンファン... コンコン
花陽「誰ですか…?」
凛「凛だよ」
花陽「凛ちゃんかぁ!どうだったの?あの後」
凛「みんなに動機を聞いたんだ。事の結末を見届けたかったからね」
凛「穂乃果ちゃんはお金がないからだって…事故で死んだら保険がおりるからね」
凛「園田さんはやっぱり黒い繋がりがあってそこの命令だって、怖いにゃ〜」
凛「ことりさんは…結局よくわからなかった」
凛「希ちゃんは元々何度も真姫ちゃんと衝突してたっぽい…仲よさそうだったのにね」
凛「絢瀬さんは…」
花陽「どうしたの?」
凛「絢瀬さんは…嫉妬」
凛「昔、もっと若い頃に真姫ちゃんのパパの愛人だったけど、結婚の際に捨てられちゃったみたい。それで長いこと何らかの復讐をしようと…」
花陽「…ダメだよ。結果的に関係ない人が犠牲になっちゃった」
凛「結婚の直前、何度も泣きながら真姫ちゃんのパパに捨てないでって懇願したそうにゃ」
花陽「…その時に言われたの?」
凛「当たり!その時にパパがね…」
凛「君には失望した…って言ったんだと。同情する?」
花陽「申し訳ないけど、無理かな…」
凛「だよね…あ、真姫ちゃんはその後別荘は売って医者を目指すんだって。色んなものがめちゃくちゃになったのに、立派だにゃ!」
花陽「めちゃくちゃといえば…私の職場もめちゃくちゃだよぉ!」
凛「なくなっちゃったからね…」
花陽「これからどうしよう…貯金も仕事もないよぉ」
凛「仕事はあるよ?」
花陽「へっ?」
凛「何たって、かよちんは凛の最高の右腕だから!」
花陽「凛ちゃん…‼」
凛「あっでも探偵としては真姫ちゃんの方がずっと優秀かな」
花陽「そんなぁ〜」
凛「あははは!」 花陽「そういえばね、一つ聞きたいと思ってた事があって」
凛「ん?何〜?」
花陽「どうしてあの時電話したの?」
凛「ああ、あれはあらかじめ決めておいた暗号だよ」
花陽「あっ暗号ー⁉」
凛「あれはね、電話で信号を送ってたにゃ。『お姉ちゃんにお願いがあるんだけど』っていうのが緊急時を意味してて、『わかってるって』っていうのが時間指定の予告だよ」
凛「うんを5回言ったのは『50分後』ってこと!『ラーメンは豚骨がいいにゃ』…これは『現場の包囲』なんだよ」
花陽「だから袋の鼠なんだ」
凛「そそ!」
花陽「すごいなぁ…私、そんな力になれるかなぁ」
凛「なれるとも!次もよろしくにゃ!相棒!」
花陽「相棒かぁ…えへへ、よろしくね」 ピアノ線の事とかよく知ってるなぁ。穂乃果が関わった理由が下衆w 続編見たいけれど、μ'sメンバーの半分以上が逮捕されたり死んだりしてるから無理か 旅行で静岡編あるだろ
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