海未「む、どうされましたか」

凛「ちょっと風に当たりたくて…」

海未「いつ頃戻られますか?」

凛「えっ⁉」

凛(こ、細かいなぁ…)

凛「ちょっと夜空を見るだけです」

凛「こんな綺麗な星空が見れるのはあまりないですから」

海未「そうですか。一時間後にはお戻りください。この家は門限が24時となっております」

凛「はい、わかりました」

凛「もうそんな時間かぁ…」

凛(そういえば、凛が探偵になろうと思った時もこんな静かな夜だったにゃ)

凛(あの日、ただの荷物持ちとして探偵の助手になっていた凛は、現場での師匠のかっこよさに痺れ、憧れ、それまでの安易な考えを持っていた自分に打ちひしがれたにゃ)

凛(全く出掛かりのない事件を解決した後、黒々とした中に銀の煌めく空の下、キセルに火をつける師匠はかっこよかったなぁ…)




海未「中へ入られますか?」

凛「はーい。おまたせしました」

凛(今はただの駄洒落過ぎな助平親父になっちゃったけど…)