よろしくお願いします、とのメッセージ。

こちらこそ、と返信し終えるのを待っていたかのように。




『着いた』


淡白なメッセージ。

そっけないわけでも怒っているわけでもない、彼女の標準。

すっかり慣れたその淡白さは意にも介さない。


『出口のところのいすに座ってるよ』


スマートフォンをしまい、これからの時間につい頬が弛む。

やがて流れ始めた人の群れに目を凝らす。

ぴょこぴょこと揺れる二つ結びを発見して、腰を上げる。


「理亞ちゃん」

「あ、花丸!」


今日は理亞ちゃんとお出掛けです。

***