穂乃果「海未ちゃんも昔は可愛かったんだよね〜」
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真姫「“昔は”って……海未が聞いたら怒るわよ」
絵里「今は可愛くないわけ?」
穂乃果「もちろん今も可愛いけどさぁー、ちっちゃい頃は、ほら、海未ちゃん人見知りで恥ずかしがり屋だから、『ほのかちゃぁん、ほのかちゃぁん』ってずーっと後ろからついてきて、ああ、あの頃の海未ちゃん返してえぇ」
絵里「高校の時はもうそんな感じではなかったわね」
真姫「時の流れは残酷ね」
絵里「真姫もどうしてこんなに捻くれちゃったのかしら」
真姫「うるさいわね、昔からこうだったわよ」
穂乃果「捻くれてる自覚はあったんだ」
真姫「捻くれてませんケド? 別に今も捻くれてないし」 絵里「はいはい、ほら飲んで。全然進んでないじゃないの」
真姫「私のペースってものがあるの」
穂乃果「真姫ちゃん意外と弱いよね」
絵里「そうよね〜、もっとグイグイいくイメージだったけど」
真姫「私アセトアルデヒドが分解できないのよね」
穂乃果「あせと……なんて?」
真姫「CH3CHO」
絵里「あー……なんだか久しぶりに聞いたわ」
穂乃果「何? シースリーピーオー?」
絵里「お医者さんの話は難しいわね」
真姫「まだお医者さんになれるかどうかもわかんないわよ、国試もこれからだし」 穂乃果「でシースリーピーオーをバラバラにするの? 真姫ちゃんひどーい」
真姫「あのね、アルコールってつまりエタノールでしょう?それが分解されてまずアセトアルデヒドになるわけ」
穂乃果「エタノールって消毒用の?」
絵里「あれは流石に飲めたもんじゃないわ」
穂乃果「飲もうとしたことあるの!?」
絵里「え、いやまあ……ないけど」
穂乃果「なんだビックリした〜」
真姫「絵里ならやりかねないわよね」
絵里「私のことどう思ってるのよ……」
穂乃果「ヤバイ人」
真姫「アル中一歩手前」 絵里「私がヤバイなら穂乃果も十分ヤバイわよ?」
穂乃果「いやいや私は普通だよ? 絵里ちゃんはちょっと頭おかしいけど」
絵里「何よ、私こそ普通よ。私が世界のスタンダードと言っても過言ではないわ」
真姫「過言でしょ、どう考えたって」
穂乃果「普通の人はウイスキーを2時間で空けたりしないんだよ。ねえ真姫ちゃん」
真姫「ちょっと引くわね」
絵里「だってあの時は他に何も無かったの、しょうがないじゃない」
穂乃果「だからって、ねえ? 普通全部いく?やっぱり異常だよ、絵里ちゃん酔ったことないでしょ」
絵里「酔う。酔うわよ。もう今も酔ってるから」
穂乃果「うっそだ〜!」
真姫「ちょっと顔赤いくらい?」
絵里「ね?」 穂乃果「ちょっとだけじゃん。そんなの真姫ちゃんに比べたら誤差だよ。真姫ちゃんいつも最後の方トマトみたいだもん」
絵里「真姫はトマトが好きだもの」
穂乃果「トマトが好きすぎてトマトになっちゃうの?」
真姫「人をトマトの妖怪みたいに言ってくれるわね」
絵里「真姫も本望でしょうね」
真姫「私はご存命よ」
穂乃果「絵里ちゃんはねザルだよ、こういうのを日本ではザルっていうの」
真姫「やっぱりロシアの血?」
穂乃果「あ、そうだウォッカ飲んでよ、ウォッカ。あったりしないかな」 真姫「そういえば本場だとウォッカって言わないんじゃない?」
穂乃果「えー、じゃあ何ていうの?」
真姫「ほら、エリー」
絵里「私?」
穂乃果「そりゃそうでしょ、ロシア人なんだから」
絵里「100%ロシア人ではないけれど」
穂乃果「だいたいロシア人だよ」
真姫「世界地図みたらだいたいロシアだもの」
穂乃果「じゃあ私もロシア人かも」
絵里「それは言い過ぎ」 穂乃果「ねー何ていうの〜?」
絵里「えーっと、водкаよ」
穂乃果「うぉどか?」
絵里「ノーノーノー、водкаよ」
真姫「どうして英語とロシア語混ぜるのよ」
穂乃果「やっぱりウォドカじゃん」
絵里「だからводка」
穂乃果「もうウォッカのままでいいや」
絵里「……まあ通じることが一番大事ね」 穂乃果「ロシア語全然わかんないよ、ちょっと考えた人ここ呼ぼう? なんであんな難しくしたのか聞きたい」
真姫「もう生きてないと思うわ」
絵里「日本語だって難しいわよ。日本人ってひらがなとカタカナと漢字全部覚えてるわけじゃない? これって凄いことよ」
穂乃果「いやいやいや、ロシア語の、あれなんて言うんだっけ? 顔文字とかによく使われてるよね?」
真姫「キリル文字?」
穂乃果「それかな? 多分それ、あれ絶対書きづらいと思うんだよね」
絵里「慣れればそうでもないわよ」
穂乃果「絵里ちゃんは頭おかしいからちょっと参考にならないよ」
絵里「あのねぇ……」 穂乃果「あ、そうだ、ロシア語って言ったらあれ。あれ、あれだよ」
真姫「どれ?」
穂乃果「ここまで来てるんだけど、ほら、あれだよあれ」
絵里「記憶力がお婆ちゃんじゃない」
穂乃果「思い出した、絵里ちゃんの練習着!」
真姫「え? ああ……」
穂乃果「ほら、何かロシア語書いてあったでしょ?」
絵里「そうだっけ?」
穂乃果「そうだよ、あれね私最初シャツ裏返しに着てると思ったの」
絵里「そんなわけないじゃない」
穂乃果「わーかんないよあれ。いやほんと『うわ、会長シャツ裏返して着てる……』と思ってさ。どうやったら気付くかなって大真面目に凛ちゃんと話したもんね」 真姫「それで絵里に言いにいったの?」
絵里「私何も聞いてないわよ?」
穂乃果「確かね、希ちゃんとこ行ったら『あれロシア語やで〜』って言われて解決したんだよ」
真姫「今の希のマネ?」
穂乃果「えりち〜、あれロシア語やんな〜?」
真姫「似てる?」
絵里「全然よ。0点」
穂乃果「うわ、生徒会長きびし〜」
真姫「そりゃ生徒会長様は希のこと世界一知ってるわけだから。体の隅々までご存知なわけだし」
穂乃果「会長やらし〜」
絵里「会長だったのは穂乃果もでしょう? ていうか言い方に悪意があるわよ、真姫。飲みなさいほら」 真姫「エリー、これアルハラって言うのよ」
絵里「私達の間に先輩も後輩もないんだからハラスメントじゃないわ」
穂乃果「運命共同体だからね、三途の川も一緒に泳ぐ約束しましたね」
真姫「私はした覚えがないわ」
絵里「いいから、この水あげるわ」
真姫「ちょ、どう見たってさっき頼んでた日本酒じゃない」
絵里「何言ってるの? 水でしょ」
真姫「穂乃果も笑ってないで助けて」
穂乃果「いやまあ高いお酒は水みたいに飲みやすいって言うからねぇ」 真姫「そんなにいいやつには見えないわね」
穂乃果「じゃあまあ真姫ちゃんの代わりにここは私が」
絵里「穂乃果」
穂乃果「はい」
絵里「日本語は素晴らしいわね、乾杯とはどう書くの?」
穂乃果「杯を乾かすと書くであります!」
絵里「その通りよ! はい、かんぱーい!」
穂乃果「かんぱーい!」
穂乃果「あ゛あ゛あ゛ぁ」 真姫ちゃんは穂乃果に振りまわされながらも実は結構楽しんでる…
ってのがカワイイ 希のことを体の隅々までご存知ってそのままの意味かしら 穂乃果「効くねぇ〜」
絵里「五臓六腑に染み渡るわ」
穂乃果「ごぞーろっぷってどこ?」
真姫「人の体にはね、5つと6つ大事な臓器があってそれをまとめてそう言うのよ」
穂乃果「まーたお医者さんみたいなこと言ってる」
絵里「だってお医者さんだもの」
真姫「だからまだ違うって」
絵里「部活の練習着で思い出したけどさ、あれ穂乃果のも大概じゃない?」
真姫「あー……“ほ”Tね」
穂乃果「いいでしょあれ」
絵里「良くないわよ、最初見た時目を疑ったわ」
真姫「私二度見した」
絵里「私は三度見した」 穂乃果「そんなこといって実は欲しいんでしょ?」
絵里「いらないわよ。どんな思考してたらそうなるの」
穂乃果「いいよいいよ嘘つかなくて、いっぱいあるからさ」
真姫「なんなのあれ、やっぱり穂乃果の“ほ”なの?」
穂乃果「穂むらの“ほ”だよ〜」
絵里「あ、そっち?」
穂乃果「ええ? なんで知らないの?あれね、うちで一枚千円で売ってるから」
絵里「安いわね」
穂乃果「でしょ?欲しくなってきたでしょ? いいよ、2人にはタダであげる」
真姫「だから欲しくないわよ」
穂乃果「だってタダだよ? タダ」
絵里「タダより怖いものはなんとやらってね」
穂乃果「あれさ、みんなにあげるって言ってるんだけど、誰も受け取ってくれないんだよね」
絵里「それは商材に原因があるのよ」 穂乃果「“ほ”Tね、ちゃんとカラーバリエーションもあるから」
絵里「今週一番いらない情報だわ」
真姫「あれの名前、結局“ほ”Tでいいわけ?」
穂乃果「名前? 私も心の中でずっとそう呼んでたから“ほ”Tでいいんじゃない?」
真姫「大丈夫なの、看板娘がそんな適当なこと言って」
穂乃果「いいのいいの、“ほ”T着てさ、一緒に踊ろうよ」
絵里「トンデモ集団ね……」
真姫「μ'sの曲?」
穂乃果「そうそうそう、っていうかちゃんと覚えてる?」
絵里「だいぶ怪しいかもね、細かいとことか。真姫は今でもピアノで弾けるの?」
真姫「誰が曲作ったと思ってるのよ」
穂乃果「ちょっとちょっと絵里ちゃん、うちの西木野大先生に向かって失礼だよ」
絵里「ははーっ、私が悪うございました」 真姫「一応3回までのミスはセーフにしましょう」
穂乃果「自信無くさないでよ大先生」
真姫「素面なら平気だから」
穂乃果「別に今弾いてくれとは言わないよ」
真姫「そうなの?」
絵里「酔ってる?」
穂乃果「酔ってるね、水飲む? ほら」
真姫「日本酒でしょうが」
絵里「つまり水よ」
真姫「つまり水なわけないじゃない」 穂乃果「ロシア語だとお水と日本酒がおんなじ発音なんだよ。うっわ、おそロシア」
真姫「私絶対ロシア行かない」
絵里「まあでもグラスも空いたし次のいきましょうよ」
穂乃果「真姫ちゃん何がいい?」
真姫「ジュース」
穂乃果「もうソフドリ?」
真姫「エリーに合わせてたら私死ぬわ」
穂乃果「まあ無理はしないでいいからさ」
絵里「じゃあレッドアイとかいいんじゃない?」
穂乃果「なんだっけそれ。前も聞いた気がするけど」
絵里「ビールとトマトジュースの」
真姫「どうして混ぜるのよ」 絵里「だってカクテルだもの」
真姫「トマトジュースはトマトジュースでいいのよ、トマトジュース単体で完結してるの」
絵里「出たわね、妖怪リコピン娘」
穂乃果「トマトに対するこだわりがもう面倒臭い。あ、冷やしトマトあるよ」
真姫「いいじゃない、トマトにはね、血中のアルコール濃度を抑える効果があるのよ」
穂乃果「まーた難しいこと言ってるよ」
絵里「屁理屈こねてないでいいから頼みなさい真姫」
穂乃果「じゃあそれとレッドアイ」
真姫「結局?」
穂乃果「無理なら私貰うよ。あ、それか絢瀬宴会部長が全部処理してくれるから」
絵里「じゃんじゃん持ってきなさい」
真姫「味方で良かったわ」
穂乃果「あい、じゃ、すいませーん!」 穂乃果「で、何の話だっけ?」
絵里「トマトがどうして赤いのか?」
真姫「情熱の色よ」
穂乃果「それ答えになってるの?」
絵里「っていうかそんな話じゃなかったわよね」
穂乃果「絵里ちゃんが言ったんじゃん」
絵里「ちょっと真姫〜」
真姫「なんで私」
穂乃果「とりあえず一回謝っとこ」
真姫「ごめん」
絵里「許す」
真姫「許されたわ」
穂乃果「あ、それでダンスだよ、ダンス」
絵里「箪笥? 箪笥がどうしたの」
穂乃果「こっちもできあがってるの?」 絵里「私ね、今日結構疲れてるかもしれない」
真姫「なのに来たの?」
穂乃果「お酒あるとこに呼んだらこの人だいたい来るよ。木にアルコール塗っとけば多分次の日捕まえられるもん」
絵里「人を虫みたいに……今日は希もゼミの追いコンだって言うからいないのよ」
穂乃果「あー、帰っても誰もいないんだ」
絵里「だからちょっと付き合ってよ」
真姫「まあ結局いつも通りじゃないの」
穂乃果「で、μ'sのダンスだよ。箪笥じゃないよ?」
絵里「誰が箪笥とダンス間違えるのよ」
穂乃果「なんなのこの人」
真姫「いいからそれがどうしたのよ」 穂乃果「それがさ、私ね、こないだ踊ったの」
絵里「何で?」
真姫「何かあった?」
穂乃果「いやなんもないけど、プライベートで、お風呂上がりに」
絵里「服は着なさいよ」
穂乃果「着てたよ、ギリギリ」
真姫「ギリギリ?」
穂乃果「ギリギリ?」
真姫「自分で言ったんでしょ」
穂乃果「まあ、まあ多分着てた。いやそこはいいんだよ」
絵里「それでどうしてまたそんな突然」
穂乃果「なんかもう曲がさ、急に頭の中で流れ出しちゃって」
絵里「これは踊るしかないな、って?」 穂乃果「そうそう」
絵里「先生、これは耳鼻科がいいですか」
真姫「精神科案件かもしれないわ」
穂乃果「ちょっとちょっと、別に病んでないよ」
絵里「突然頭の中にミュージックが鳴り響いたら踊りだす? そこが電車の中でも?」
穂乃果「真姫ちゃんなら一緒にやってくれるよ」
真姫「いや一緒にしないでよ、私知らない人のフリするから」
穂乃果「やってみたらけっこうちゃんと覚えてて感動するよ〜、でもさ、やっぱりちょこちょこ忘れてるとこあるの」
絵里「完璧には今もう無理ね」
穂乃果「なんかそれ、高坂的には凄いショックだったの。わかる? だって何十回何百回って練習したじゃん? なのに忘れちゃったんだ〜と思って」
真姫「まあそう言われると? 確かにショックね」
絵里「あー、青春の記憶が蘇るわ」 穂乃果「ショック過ぎて、昔の動画あるかなと思ってネットで探したもんね」
真姫「そりゃ何かしらはあるでしょうね」
穂乃果「あったんだよねまあ。でも私達のじゃなくて最近の子が動画撮ったやついっぱいあるの、知ってる?」
絵里「本物は?」
穂乃果「あったけど見てない」
真姫「そこ見ないとだめでしょ」
穂乃果「だって気になるじゃーん。で再生数多いの見て、何か違った気がしたけどさ、これはこれでアレンジ効いてて良いいなって。見る? 後で動画送るから見てよ。こっちの方が良くない?」
真姫「オリジナルがフォロワーに影響されてどうするの」
穂乃果「これさぁ、何で絵里ちゃん先に思いつかなかったかな」
絵里「そこで私に矛先向く?」
穂乃果「振り付け責任者だもん」 絵里「全部私が決めてたわけじゃないけどね。それって何人くらいで踊ってたの?」
穂乃果「えー? 2人だったかな」
絵里「それよ、あのねだいたいの振りは私が先に思いついてるのよ」
真姫「言うわね」
絵里「甘くみるんじゃないわよ。思いついてたけどやらなかっただけ。いい? バランスってものがあるの」
穂乃果「バランス?」
絵里「9人いるわけじゃない? それがね、ちゃんと全体を意識してステージ上で美しく見える構成ってものを考えた結果がμ'sのダンスなの」
穂乃果「えー、すっごい考えてる〜」
絵里「PVのカメラ割りとかも合わせて考えるのよ? 適当なことやってたんじゃないんだから」
穂乃果「卒業してから初めて知ったよ、会長かしこい」
絵里「かわいい、エリーチカ、はいハラショー」
穂乃果「真姫ちゃん、ハラショーいただきました」 真姫「ほとんど一人でやっちゃってるじゃない」
穂乃果「本日ハラショー1発目?」
真姫「多分?」
穂乃果「あ、じゃあ後9回ハラショー言ったら今日絵里ちゃんの奢りね」
絵里「またそれやるの? 私それで奢った記憶ないわよ」
穂乃果「今日こそはだよ、10ハラショーチャレンジ」
絵里「あなた達最後の方数えてないじゃないの」
穂乃果「いやなんか上手いことさ、ここ2人が忘れてるタイミングでハラショー入れてくるじゃん、ほんとそういうとこ、こずるいよ」
真姫「今日も私達が覚えてないだけでもう8回くらい言ってるんじゃない?」
穂乃果「それだ! いやほんと上手いな〜、今日はあと2ハラショーにしようよ」
絵里「待ちなさい待ちなさい」
真姫「あと2回なら余裕よ」 絵里「じゃあもう私喋んない」
穂乃果「それはズルいよ、真姫ちゃんなんか聞いてあげて」
真姫「希とはどうなの?」
絵里「ええ? 言わない」
穂乃果「ズルいって、気になるよ。今月の希ちゃん情報」
絵里「別にぼちぼちよ」
穂乃果「ぼちぼちって言ったって色んなぼちぼちがあるじゃん。いいぼちぼちと悪いぼちぼちがさ」
絵里「“ぼち”が多いわ」
穂乃果「なんかぼちぼちって言葉面白くない? ね? 多分粒あんだよね」
真姫「はぁ?」
穂乃果「ごめん、私もよくわかんない」
絵里「穂乃果って何も考えずに喋る時あるわよ」
真姫「普段からでしょ」
穂乃果「いやいやいや、まあそうなんだけど」 真姫「あ、わかった。きっと穂乃果は世の中の物事を全てこしあんか粒あんかに分別できるのよ」
絵里「それ何か役に立つ?」
真姫「粒あんだからこしあんだから何なの?って話ね」
穂乃果「真姫ちゃん言ったんじゃん」
絵里「その能力で我が社にどんな貢献ができますか」
穂乃果「うわ、急に面接始まった」
絵里「だって穂乃果も今年就活でしょう?」
真姫「ああ、そうね……穂乃果が働いてるとこって想像つかないわ」
穂乃果「いや私めちゃくちゃバイトしてたからね」
絵里「あ、そうだ実家継げばいいじゃない」
真姫「それで粒あんこしあんのスキルが活かされるのね」
穂乃果「和菓子屋ですら使わないんだよそんなの」 絵里「でも和菓子屋さんね〜、朝とか早そうだけど大丈夫?」
穂乃果「いや……継がないよ?」
真姫「えっ?」
絵里「ええっ!?」
穂乃果「まあ、しばらくはって意味だけど」
真姫「なによそれ話が違うわ」
穂乃果「話してないからね」
絵里「じゃあどうするの」
穂乃果「まあ就活? 一回社会に出て勉強してこいってさ」
絵里「社会勉強ねぇ」
穂乃果「あとお婿さん見つけてこいって」
真姫「なに? 不倫?」
絵里「まさか……海未のこと話してない?」
穂乃果「だって実際言えないでしょ〜」 テキトーに話してるノリがすごく良い
続き待ってます >>穂乃果「なんかぼちぼちって言葉面白くない? ね? 多分粒あんだよね」
それは多分ぼた餅やん 真姫「まあ、ねえ……」
絵里「実は私、女の子と付き合ってるんですよ〜とはね」
穂乃果「でしょ? 絵里ちゃんとこは知ってるの?」
絵里「私も親には言ってない」
真姫「っていうかあっちって宗教的にそういうの厳しいんじゃないの?」
絵里「んー、言ったらロシア帰れなくなるかもね」
穂乃果「それうちよりきついね」
真姫「でも絵里的には希と付き合うのはいいわけ?」
絵里「だってもう、好きになっちゃったものはしょうがないじゃない?」
穂乃果「わお、今の聞きました西木野さん?」
真姫「しっかりと」
穂乃果「名言ですよ」
真姫「好きになっちゃったものはしょうがない、ね」
絵里「やめなさいって」
穂乃果「でも実際そういうことなんだよね。真姫ちゃん恋ってするものじゃなくて、落ちるものなんだから」 絵里「それこないだ私が言ったわ」
穂乃果「そうだっけ? あ、なんかスッと出てきたなと思ったらそういうことか。さすが愛の伝道師」
真姫「エリーは愛の星で生まれたんだもの」
絵里「地球に愛を伝えに来たのよ」
穂乃果「師匠と呼ばせください」
絵里「大いに敬いなさいね」
穂乃果「じゃあ師匠さ、ついでに聞くけど周りになんて説明してるの? 今一緒に住んでるわけじゃん?」
絵里「仲いい人以外には私ルームシェアって言ってる」
真姫「バレるでしょ」
絵里「いやバレてないわ」
穂乃果「バレバレだよそれ」
絵里「まだバレてないのよ」
穂乃果「まだ?」
真姫「怪しいわよ」 絵里「あー……でも、私これ言ってなかったんだけど希が留学してた時期に一回ね」
穂乃果「絵里ちゃんマジギレ事件の時?」
絵里「いやだから別に切れてなかったわよ」
真姫「でもあの時は本当に面倒だったわよ」
穂乃果「会うの怖かったもんね」
絵里「だから怒ってなかったって。あのね、私怒らせたらあんなもんじゃないから」
穂乃果「変なキレ方するんだよなこの人」
絵里「だって……だってよ? 百歩譲って留学自体は良いわ」
真姫「まだ怒ってるの?」
絵里「だから最初から怒ってないのよ、別に4年の時期に行くのもそれで卒業が1年遅れるのも希が納得してるなら良いもの」
穂乃果「じゃあいーじゃん」
絵里「でもね!」
真姫「でも?」
絵里「それを私に黙って決める!?」
真姫「まあまあまあまあ」 絵里「私聞いたの事後報告よ?」
穂乃果「どんな感じだっけ?」
絵里「エリチ〜、ウチな、何月の何日に留学行くねーんって」
穂乃果「さすが、モノマネのクオリティが」
真姫「仕上がってるわね」
絵里「笑い事じゃないのよ……ねえ、私達付き合ってるのよね?」
穂乃果「もしかしたらそう思ってるの絵里ちゃんだけかもよ?」
絵里「!?」
穂乃果「ごめん。ウソ。ほんとにウソ。今のはごめん」
絵里「そうよね……私の気のせいじゃないわよね」
穂乃果「今のは私が悪かったよ、ほんとごめん」
真姫「大丈夫よ絵里、希のエリチLOVEは相当なもんだから」
穂乃果「ほんとすっごいよ、今でもアッツアツ。もう羨ましいくらい」 絵里「本当?」
穂乃果「ほんと」
絵里「嘘ついてない?」
穂乃果「ついてない」
絵里「愛してる?」
穂乃果「愛してる」
絵里「じゃあわかった……」
穂乃果「いや最後のは私よくわかんないけど」
真姫「まあ希って秘密主義みたいなとこあるわよね」
絵里「そうなのよ!」
穂乃果「でもさ、その留学の話、相談してたらしてたで絵里ちゃん引き止めたでしょ?」
絵里「止め…………ないけど?」
真姫「今の間が全てじゃない」
絵里「それでも一回くらい私に相談して欲しかったのよ」
真姫「まあ、そうね」 絵里「その時は確かに引き止めるかもしれないわよ? でも気持ちを整理して気持ちよく送り出す方向になってたのよ、そうしてたら」
穂乃果「あー、それはわかるよ」
真姫「一回留学ドタキャンさせたものね」
穂乃果「急に言われるとどうしてもね。ちょっと考える時間が欲しかったんだよ」
絵里「でしょ?」
真姫「まあ、きっとね? 希からしたら、大学4年になって、もう留学なんて行くタイミング他にないじゃない? 絵里って頑固だし万が一説得に時間かかるようなことを考えたら事後承諾で済ますしかなかったのよ」
絵里「希と同じようなこと言うわね……」
真姫「実はこれ直接希に聞いたんだけど」
穂乃果「でも実際さ、多分こんなかで一番希ちゃんに感覚近いの真姫ちゃんだよね」
絵里「確かにね、似てるとこあるのよ」
真姫「私も希の言ってることって割とすんなりわかる気がするのよね」
穂乃果「もう絵里ちゃんさ、真姫ちゃんのこと希ちゃんだと思って、あのとき思ってたこと言ったげなよ。それで今日スッキリしよ」
真姫「受けて立つわよ」 絵里「じゃあ……希」
真姫「うん」
絵里「……」
真姫「……」
絵里「今日も綺麗ね」
真姫「んふっ」
穂乃果「ちょっと真姫ちゃん! 照れないでよー!」
真姫「いやっ、どう言い返してやろうかと思ってたら完全に想定外のとこから来たの」
絵里「だから私、元から怒ってないんだって」
穂乃果「荒れに荒れてた人がよく言うよ」
真姫「私達呼び出される度作戦立ててたもの」
穂乃果「今日はどうやって無事に帰ろうかってね」
絵里「え、何? そんなことしてたの?」
穂乃果「まあまあまあ、希ちゃん帰ってきてくれてよかったよ。あ、けどさ、希ちゃん行ってる間ちゃんと絵里ちゃん待ってたんだから偉いよね」
絵里「そりゃあ、待つわよ」 真姫「まあそうなるわよね」
穂乃果「まあねぇ」
絵里「待つしかないもの。あ、それでさっきの話」
穂乃果「なんだっけ?」
真姫「トマト?」
絵里「戻りすぎ」
穂乃果「トマトはもう終わったんだよ」
真姫「何言ってるの、トマトは無限に話せるわ。トマトのポテンシャルを信じなさい」
穂乃果「トマト会はトマト会でちょっと今度別枠でやろう、ね?」
絵里「じゃなくてほら、希がいない時期にね、私どうも誘われてたみたいなの」
穂乃果「あ、なんかそんな話だっけ」
真姫「モテ自慢?」
穂乃果「そりゃ絢瀬さんはおモテになりますけども」
絵里「それほどでもあるわね」 真姫「で、何? ヤったの?」
絵里「なわけないでしょ。不貞は死で償うルールだから」
真姫「バイオレンスね」
絵里「っていうか私最初全然気づかなくて、後で気づいたのよね」
穂乃果「絵里ちゃん初対面の人に冷たすぎるんだよ、怖いって」
絵里「これでも丸くなったわよ?」
真姫「これで丸く?」
穂乃果「心臓弱い人だったら絵里ちゃんと会ったら死ぬよ?」
絵里「それは嬉しくてでしょ?」
穂乃果「まあそういうこと」
絵里「で、その人に最後言われたのよ、『やっぱり絢瀬さん、男に興味ないんだ』って」
穂乃果「あ、バレてんじゃん」
絵里「いやバレてない」 穂乃果「いやバレてるよ、ねえ真姫ちゃん」
真姫「バレバレよ」
絵里「いやバレてないのよ」
穂乃果「いやバレてんだよ、やっぱりって言われてるじゃん」
真姫「疑惑が確信に変わったんでしょうね」
絵里「いえ、実際はやっぱりとは言ってなかったかもしれない」
穂乃果「でも最初から疑われてたんでしょそれ」
絵里「何で?」
穂乃果「何でって……そりゃこんな美人さんにずっと恋人の噂がないんだからさ」
真姫「じゃなければよっぽど性格に難があるかよ」
絵里「あれ? 真姫?」
真姫「やかましいわよ」 最初は海未ちゃんの話をしようと思ってたんですよ
でもこの人達違うこと無限に話し出すんですよ不思議ですね
きっと続く >>79
酔っ払いの話なんてそんなもんだ
必ず続けて μ'sOG会大好き
期待して待ってる
他のメンバーは何してるのかなー(チラッ 別のところで、リリホワ組と、にこはなこと組で、酒飲んでそう 穂乃果「真姫ちゃんは高嶺のフラワーだからいいんだよ」
真姫「そうなのよ」
絵里「そうなのよって、あなた」
穂乃果「ちなみにご予定は?」
真姫「白紙だけど」
絵里「そろそろ真姫のそういう話聞きたいわね。私、真姫に愛を伝えないと星に帰れないのよ」
真姫「良いわよ、ずっと地球にいなさいよ。希を置いて帰れないでしょ」
絵里「あ、そうだわ」
穂乃果「希ちゃんも連れてけばいいんじゃないの?」
絵里「来てくれるかしら?」
穂乃果「大丈夫だよ。あ、それで真姫ちゃんは恋愛に対してどうなの、まだ全然?」
真姫「興味ないわね」
絵里「それね……だから私と同じこと言ってるのよ。高校の時までの私」
穂乃果「言ってたよね、絵里ちゃん。それが今はこうだよ」
絵里「こうって……指をさすんじゃないわよ」 穂乃果「いやだって、こうだよ。真姫ちゃんも2年後に出身地、愛の星になってるよ」
真姫「どこにあるのよ愛の星」
穂乃果「多分おとめ座あたりだろうね」
真姫「2人の話を聞いてる限りは面白いけど、自分がそうなると思うと面倒なのよね」
穂乃果「や、そんな面倒なことばっかじゃないよ」
絵里「確かに悪いこともあるけど良いこともいっぱいあるわよ」
穂乃果「ぶっちゃけさ、真姫ちゃんはどっち側なの?」
真姫「どっち側って?」
穂乃果「ほら、絵里ちゃん側か、普通か」
絵里「私と穂乃果側かでしょそれ」
真姫「私はノーマルだけど」
穂乃果「いやいやいやいや」
真姫「聞いといて勝手に否定しないでよ」
穂乃果「いや、ねえ。私いるじゃん? 絵里ちゃんもいるじゃん? ここ2人に挟まれたら真姫ちゃんもそうだよ」
真姫「オセロ理論はやめなさいって、それ言われたら私もうどうしようもないわよ」
絵里「堪忍しなさいよ、真姫」 真姫「私は断固抗議するから」
穂乃果「でも真姫ちゃんも結構おモテになるでしょ?」
真姫「同性から?」
穂乃果「そうそう」
真姫「まあ……否定はしないけどそれってμ's時代のファンって扱いでしょ?」
穂乃果「そうなるのかなぁ」
絵里「ファンに手出したの?」
真姫「何聞いてたのよあなた」
穂乃果「じゃあカテキョの娘は?」
真姫「は?」
絵里「関係は進んだ?」
真姫「いや狙ってないのよ」
穂乃果「JKだよね? 真姫ちゃん18歳以下は犯罪だよ」
真姫「だから狙ってないし。私はね、あなた達とはオーラからして違うと思うの」 絵里「何、スピリチュアルな話?」
穂乃果「やっぱ真姫ちゃんって希ちゃんに似てるよね」
真姫「まあオーラっていうか、雰囲気がね」
穂乃果「雰囲気、ね」
真姫「絵里なんか、出ちゃってるのよ」
穂乃果「女好きの雰囲気が? まあ絵里ちゃんはね、そんな感じする」
絵里「待ちなさいよ、女の子なら誰でもいいわけないでしょうが」
真姫「ちなみに穂乃果も出てるわよ」
穂乃果「私!?」
絵里「実際そうじゃない」
穂乃果「いや、まあ……そうだけどさ。絵里ちゃんと一緒にされるのは困るよ」
絵里「同じよ!」
穂乃果「じゃあ真姫ちゃんも一緒だよ!」
真姫「私は違うわよ」
穂乃果「いやいやいやいや」 絵里「それはないわ」
真姫「それこそないわ。もう2人はね、独特なのよ、高校のときから」
穂乃果「そんなに前から?」
真姫「そうね、普通の人とはあなた達違うの」
穂乃果「いやいやいや、そんなことないよ、私なんてその辺にいっぱい歩いてるもん」
絵里「穂乃果がいっぱい……?」
真姫「もしそうだったら日本が滅びるわよ」
穂乃果「ちょちょちょ、なんか意味おかしくない?」
真姫「別に変な意味じゃなくて」
穂乃果「そうなの? え、まあ、いや確かに絵里ちゃんはオンリーワンだったけど」
絵里「私こそその辺にいっぱいいるわよ」
穂乃果「な訳ないじゃん。絵里ちゃんなんか遠くにいてもわかるもん。あれ絵里ちゃんかな? と思ったらだいたい絵里ちゃんだよ」
絵里「髪色でしか判断してないでしょ、イギリス人の私とかフランス人の私とかよそれ。別人なのよ」
穂乃果「いやもう、絵里ちゃんすぐわかるよ。ハチ公前、109、絵里ちゃんとこ、みたいな括りだもん。わかりやすさが」
絵里「あなた適当なことしか言わないわね」 穂乃果「違う違う、私大真面目だよ」
真姫「待ち合わせ場所なら穂乃果前も十分使えるわよ」
穂乃果「私なんか一般人だよ、誰からも気づかれないよ」
絵里「一般じゃないのは一般人とは言わないのよ」
穂乃果「ひどくない? そんな言い方する?」
真姫「リーダーだから一般とは程遠いの」
絵里「そうよリーダー」
穂乃果「都合のいい時だけリーダー呼ばわりするよね?」
真姫「穂乃果は永遠に私達のリーダーよ」
絵里「そうよリーダー、私を導いて」 穂乃果「納得いかないなぁ」
真姫「少なくともね、普通を自称するならスクールアイドルで廃校を救おうなんて思いつかないのよ」
穂乃果「え……まあ、いや……そうなのかな」
真姫「二人とも異彩を放ちすぎてるのよね。マイノリティだって聞いても私別に驚かなかったもの」
絵里「真姫は私達を褒めたいの? 貶したいの?」
真姫「別にどっちでもないわ。ただ二人ともかなり特殊……っていうか独特なのよ。その他大勢の中には絶対に埋もれないわよ」
穂乃果「真姫ちゃんも大概だよねぇ」
絵里「そうよね」
真姫「断言するけどあなた達程ではないわ」
穂乃果「……」
絵里「……」 真姫「わかった?」
穂乃果「まあ……断言までされちゃったらね」
絵里「ええ……つまり、私が穂乃果に対して持ってるようなイメージを私自身にも持たれてるってことよね」
真姫「そういうことね」
穂乃果「え、何? 私のことどう思ってんのそれ」
絵里「いや、凄い人だなぁって。別に変な意味ではなくて」
穂乃果「なんかぼやかしてるよね? ね?」
絵里「違うわよ。私これ本気で思ってるから」
穂乃果「ほんと? 嘘ついてない?」
絵里「本当よ、本当。愛してるわ」
穂乃果「え? あ、私も。聞こうと思ったのに先言われちゃったよ」 真姫「なんなのよそれ」
絵里「やっぱり愛が地球を救うのよ」
穂乃果「かなぁ? あ、私次カシオレにしよ」
真姫「何かわい子ぶってるのよ」
穂乃果「ぶってないよ。そんなこと言う?」
絵里「焼酎にしなさい」
穂乃果「何で絵里ちゃん決めるの?」
絵里「2人して可愛いカクテルで私だけ日本酒なんて、一人だけ酒豪みたいに思われるじゃない」
穂乃果「思われなよ」
真姫「実際そうでしょ」
絵里「そんな事言わないでよほのか〜」 穂乃果「ええ〜? じゃあウーロンハイとか?」
絵里「それがいいわ」
穂乃果「真姫ちゃんは……残ってるね。絵里ちゃんはそれおかわりでいいの?」
絵里「私ハイボール」
穂乃果「はいはい」
絵里「濃いめでね」
穂乃果「自分で言いなよそれ」
絵里「ねえリ〜ダ〜」
穂乃果「ほんと、都合のいい時だけさぁ……まあ良いけど」
真姫「さすがよリーダー」
絵里「スパシーバ」
穂乃果「あいあい。すいませーん!」 絵里「じゃあさ真姫、同性じゃなくても、医学部って男子の方が多そうだけどそういうのないの?」
真姫「まあ実際医者って男社会よね」
穂乃果「もうお医者さん選び放題じゃーん」
真姫「でも私、本気でそんな暇ないのよ」
穂乃果「そんなに忙しい?」
絵里「なんだか聞いた感じ、常にテストの勉強してるわよね」
穂乃果「まとめてやればいいのに〜」
真姫「そうしてほしいわよ、私も」
穂乃果「あの分厚い教科書? 全部覚えるんでしょ?」
真姫「全部じゃないけど、まあだいたいね」
絵里「やっぱりお医者さんって凄いわね」
穂乃果「でも今は余裕がないからできないだけだよね。余裕ができればすぐできるってことだよね」
真姫「まあね。作れないんじゃなくて、作らないだけだから」
絵里「言うわね」 穂乃果「だって真姫ちゃんだし」
絵里「確かに」
真姫「そうね」
穂乃果「そうねって。真姫ちゃんってさ〜、恋したらどんな感じになるのかな」
絵里「私ね、極端だと思うのよ。『恋愛? やっぱり面倒ね』とか言って今と全然変わらないか、もうあり得ないくらいベッタベタに惚れるかどっちかよ」
真姫「私もそんな気がする……」
穂乃果「ぽいよね、真姫ちゃんに中途半端はないよ。もう貢ぐか貢がせるかの勢いだね」
真姫「何言ってるのよ、そこまでではないわよ」
絵里「いやそうよ、セックスもサッとやってサッと終わるかねっとり一晩中やるかのどっちかね」
真姫「そう?」
穂乃果「そうだねー! どっちかだよ、どっちだろうなぁ」
絵里「真姫どっちなの? 早く教えて?」
真姫「私だってわかんないわよ、実際そうなってみないと」
穂乃果「彼女でも彼氏でもいいけどできたら早く教えてね」
真姫「まあ近いうちにね」 真姫ちゃんは高嶺のフラワーだからね
>>116
読んできた、笑わせて貰ったわ 絵里「話変わるけど穂乃果は何て言ってるの?」
穂乃果「何を?」
絵里「海未との関係を」
穂乃果「あー、その話?」
真姫「っていうか穂乃果が最初に言い出したんじゃない?」
穂乃果「そっか、そうだっけ。いや、私もはっきりとは言ってないんだけど、付き合ってる人がいるとは言ってるんだよね」
絵里「それはバレてるわね」
穂乃果「バレてないよ」
真姫「皆気を使ってるのよ」
穂乃果「ええ? そうなの? まあ私下ネタとかわかんないときあるからね、おかげで凄い清純派みたいなキャラになってる」
真姫「女子校育ちの」
穂乃果「そうそう」 絵里「アイドルだからイメージは壊しちゃダメよ」
穂乃果「もう一般人だけどね。あ、私一般じゃないのか」
真姫「永遠のリーダーだもの」
絵里「穂乃果は濃いのよ、きっとアメリカとか向いてると思うわ」
穂乃果「向いてるの私?」
真姫「そもそもアメリカに向き不向きがあるの?」
絵里「あるのよ。希が言ってたんだけどね、向いてる人と向いてない人がいるんだって。向いてないのはほら、せっかく留学とか行っても日本人どうしでコミュニティー作っちゃって、現地であんまり友達作らない様な人」
穂乃果「え、それもったいないよ〜」
絵里「でしょ? 穂乃果はそう思うタイプでしょ? あと受け身な人もダメだってね」
真姫「穂乃果は主体性の塊よね」
穂乃果「え? え? そうかな」
絵里「主体性が服着て歩いてるようなものよ」 穂乃果「そう? そうなのかな? え、なんか私全然一般じゃないじゃん」
真姫「だからそうなのよ」
穂乃果「実はアメリカ人なのかもしれないね」
絵里「やっぱり向いてると思うわ」
穂乃果「そっかー、じゃあ私も留学行けばよかったかも。あ、それでさっきの話だけど海未ちゃんの家にはちょっと気づかれてるかもしれないんだよね」
真姫「付き合ってますってこと?」
穂乃果「それ」
絵里「そっちにも言ってないのね」
穂乃果「うちに言ってないのに先に海未ちゃんとこに言わないよ〜、海未ちゃんも言ってないと思う」
真姫「でもだいぶグレーだと思うわよ」
穂乃果「海未ちゃんしょっちゅううち来てるからね」
絵里「けど何も言われてないんでしょ?」
穂乃果「まだね、まだグレーだから。でもかなり怪しまれてるんじゃないかなぁ」
真姫「もう穂乃果と海未の今までの関係考えたら、言っても大丈夫じゃない?」
穂乃果「大丈夫? でも万が一、万が一ね、何かあったらさ……海未ちゃん家継ぐだろうし」
絵里「ん〜、難しいわね」 穂乃果「あ、それで今日の本題だよ」
真姫「今更本題?」
穂乃果「や、だってさ、さっきから二人して変な方向に話進めるんだもん」
真姫「穂乃果だって加担してたじゃないの」
穂乃果「私のせいにしないでよー」
絵里「それで、本題って?」
穂乃果「いや、まあさ……そろそろはっきりさせた方が良いのかなって思うんだよね。絵里ちゃんて希ちゃんとこれから先どうする?」
絵里「別にどうもしないけど」
穂乃果「けどもう3年とか4年付き合ってるわけじゃん? で、今一緒に住んでるわけだし」
真姫「まさか、結婚?」
穂乃果「まあ、そういうことだよね」
絵里「でも実際問題、私達結婚できないのよ」
穂乃果「そうだけどさ、私の周りでもそんくらい付き合ってね、大学卒業ってなって就職も決まったらその先の話が出てくるんだよね」
真姫「絵里なんかまさに4月から社会人よね」
穂乃果「だからさ、こう……いつまでもダラダラ付き合ってていいのかなって」 絵里「結婚……とは言わなくても将来のことを見据えたとき、これから先どうしたらいいかってことかしら」
穂乃果「そういうこと、かなぁ」
真姫「難しいこと考えてるのね……」
穂乃果「そりゃ私だって多少は考えるよ、就活もあるし。海未ちゃん子供欲しいって言ってるんだよね」
絵里「それ、希も言ってるのよ」
真姫「最近は人工受精とか体外受精とかあるし、大丈夫よ。日本でも何件か例があったと思う」
穂乃果「けどねぇ……」
絵里「ちょっとまだ想像できないわね、簡単なことじゃないし、まだ働いてもいないわけだし」
真姫「今すぐじゃなくてもそういう手段もあるってことよ、覚えておいて損はないと思うけど。同性婚自体もフランスとかならできるらしいし」
穂乃果「でもそのために海未ちゃん連れだす?」
絵里「永住権取らないとダメだものね。結局日本じゃ意味ないし」
穂乃果「そうなんだよ、海未ちゃんはやっぱり家がね、あるから」 絵里「でもね、私は別にしばらくこのままでもいいかなって思ってるのよ」
穂乃果「それはやっぱり良くないんじゃない?」
絵里「そう? 別に同棲したから特に何か変わったってわけじゃないし、仮に籍入れられたとしてもそうだと思うのよ」
真姫「婚期逃す女のセリフね」
絵里「お一人様に言われたくないわよ」
穂乃果「むしろ結婚引き伸ばすオトコのセリフだよね」
絵里「ええ……」
真姫「まあ海未が勘当されたらフランスでもアメリカでも愛の高飛びよ」
穂乃果「や、まずいってそれは。なるべく穏便に済ませないと」
絵里「でも将来的に考えたらいつかカミングアウトは必要で、それこそ子供ができたら両親の手を借りないわけにはいかないわよね」
真姫「そうしたら説得するしかないわね」
穂乃果「将来かぁ……」
絵里「将来ね」
真姫「難しいわね」 穂乃果「私最近思うんだけど」
真姫「何を?」
穂乃果「もしかしたら海未ちゃんの相手、私じゃない方がいいのかも」
絵里「ちょっと……! どうしたのリーダー」
穂乃果「だって、普通に子供なんてできないし、最近愛とか恋とかよくわかんなくなっちゃったんだよね……」
真姫「あんなにラブラブだったじゃない」
穂乃果「そうかな……絵里ちゃんとことはさ、好きの意味が違うのかもしれないなって……」
絵里「違わないわよ。好きだと思ったから告白して、付き合ってるんでしょう?」
穂乃果「そうだけど、あの時は好きっていうかね……なんだろう。離れたくなくて、ずっと一緒にいたいと思って」
絵里「それよ! そういうことよ!」
穂乃果「かなぁ……?」
絵里「難しいこと考えなくても、この人と一緒にいたいと思ったのならそれでいいじゃない」
穂乃果「うーん……でもさ、私も海未ちゃんも、別に男の人とかと付き合ったことないからわかんないよ。私が思ってるのは愛情とかじゃなくて、幼馴染とか友情の延長線上だったら……?」 絵里「じゃあ……ほら、ついさっき海未の誕生日だったじゃない?」
穂乃果「うん……まあ」
絵里「プレゼント渡したでしょ? 喜んでくれたでしょ?」
穂乃果「多分……」
絵里「喜んでくれたのよね? なら海未の笑顔見てどう思った? この人の笑顔の為ならまた明日も、いやもう1週間くらい、あーもう、いっそあと1年くらい頑張れる気がするでしょ?」
穂乃果「……多分」
真姫「まどろっこしいわね。じゃあもう海未が知らない男と手を繋いで歩いてたらどう思うのよ」
穂乃果「……」
絵里「ちょっと、それはまずいわよ」
真姫「愛なんてつまり独占欲よ。そうじゃないの?」
穂乃果「わかんない……」 真姫「いっそのこと『穂乃果。私、別に好きな人ができてしまいました』、なんて言われたら?」
穂乃果「そうなったら……それはそれで……別れた方が、グスッ、海未ちゃんのためかも……」
絵里「あぁ、ほら……泣かない泣かない」
穂乃果「泣いてないよ……グスッ……」
絵里「……真姫?」
真姫「いや……ごめんなさい。これ、ハンカチ」
穂乃果「泣いてないもん……ありがと」
絵里「……」
真姫「……」
絵里「あー……」
穂乃果「ごめん、ちょっとお手洗い」
真姫「…………」
絵里「…………」 これが本題が……酔っててもなかなか切り出せないのも納得 相談相手がえりまきなのが、本気で悩んでいるぽくて良いね >>136
もうちょっとというのは1000までという解釈でよろしいか 真姫「……ごめん」
絵里「私じゃなくて穂乃果に言いなさい。ね?」
真姫「ええ……デリカシーが足りなかったわ……」
絵里「そういうとこあるわよ、真姫」
真姫「反省してる……」
絵里「倦怠期ってやつかしらね」
真姫「酸いも甘いも乗り越えてると思ってたけど、外野にはわからないものね」
絵里「とりあえず穂乃果が帰ってきたらフォローいれなさい」
真姫「フリが雑過ぎるわよ……」
絵里「いいから」
真姫「まあ……最大限努力する」
絵里「何か楽しい話とかないの?」
真姫「突然言われてもね……」 絵里「いいからひねり出すのよ」
真姫「じゃあ私、最近ペット飼いたいの」
絵里「いいじゃない。ちなみに何飼いたいの?」
真姫「鳥」
絵里「鳥?」
真姫「そう」
絵里「犬とか猫じゃなくて?」
真姫「間を取って」
絵里「犬と猫の間を取ったら鳥になる?」
真姫「なるのよ」
絵里「そういうものかしら……?」
穂乃果「ごめん、お待たせ」
真姫「あー……穂乃果」
穂乃果「ん?」 真姫「さっきのは……ごめんなさい、例えが悪かったわ……先のことを考えたら不安にもなるわよね。私は想像しかできないけれど……」
穂乃果「いいよ、別に気にしてないから」
真姫「あれ?」
絵里「無理しないでもいいのよ、何でも聞くから」
穂乃果「無理なんてしてないよ〜」
絵里「本当に? カシオレも頼んでいいのよ?」
穂乃果「今更? あれは意味がわかんないよ、もうそういう気分じゃなくなっちゃったし」
真姫「深く謝罪申し上げるわ」
穂乃果「なんなの? カシオレ頼んだら、猫被ってるって言われてさ、こないだはカルーア頼んだらコーヒー牛乳でしょって引っ叩かれるしさぁ」
絵里「ごめん。ごめんなさいって、でも引っ叩いてはないから」
穂乃果「言葉の暴力がすごいんだよ、パツキンとお医者さんに囲まれて両サイドから虐められる私の気持ち考えてほしいよ。希ちゃんに言いつけてやるもん」
真姫「でも希と絵里が揃ったら余計質悪いわよ」
穂乃果「そうだった……私の周り敵しかいないじゃん」 絵里「そんなこと、そんなことないわよ。私も真姫もいつだってあなたの味方だから」
真姫「あと希も」
穂乃果「ほんと?」
絵里「本当」
穂乃果「愛してる?」
絵里「愛してる」
真姫「右に同じ」
穂乃果「いや……うんよくわかんないけど。まあまさか私もあれで涙が出るなんてね。……いや別に泣いてないけど」
絵里「私ずっと目瞑ってたから何も知らないわ」
真姫「私耳も塞いでたから、大丈夫」
穂乃果「それはどうなの? あ、でもさっきね、泣いたって言ったらあれ思い出したの、1年目の誕生日の時」
真姫「……何があったっけ?」 穂乃果「手紙貰ったんだよね、海未ちゃんから。あれは泣きそうになったね。っていうか泣いた。ギャン泣きしたもん」
絵里「ギャン泣きって」
穂乃果「私、危うくスルメになるとこだったんだよ」
絵里「元がイカじゃないからスルメにはならないわ」
穂乃果「あ、そう? まああの時のこと思い出したらまたトイレで泣きそうになってさ。……うん、やっぱり私、海未ちゃんのこと好きなんだね」
真姫「強いわ、リーダー」
穂乃果「伊達に何年もリーダー呼ばわりされてないよ。あ、でも真姫ちゃんの初体験の話は今度じっくり聞かせてもらうから」
真姫「ヴェェ……」
絵里「甘んじて受け入れましょう、真姫」
真姫「覚悟しておくわ……」
穂乃果「それでさ、絵里ちゃんのプロポーズ考えようよ」
絵里「え? 突然?」 穂乃果「よく考えたらさ、絵里ちゃん4月から社会人でしょ? でも希ちゃんまだ大学生じゃん? すれ違っちゃうよこれ」
絵里「まあ、確かに……研修でしばらく東京から離れるかもしれないのよね」
穂乃果「まずいじゃん! あれ? そしたら次いつ集まれる?」
絵里「少なくともお盆は帰って来られると思うけど」
穂乃果「じゃあまたそん時皆で集まろうよ。でも寂しくなるね〜」
真姫「絵里ももう社会人なのね、感慨深いわ」
穂乃果「なんだか似合わないよね」
絵里「何よ、家でゴロゴロしてる方が似合ってるって言いたいの?」
穂乃果「そういう意味じゃないよ、なんかこう、人の下で働いてるのが似合わないっていうかね」
真姫「顎で人をこき使ってるイメージなのよ」
絵里「私そんなイメージ?」
穂乃果「できる女社長みたいな。絵里ちゃん起業しよう、それがいいよ。ついでに私雇って」
絵里「穂乃果はまず就活して社会勉強してきなさい」 穂乃果「だってやりたいこととかよくわかんないし」
絵里「夢とかないの?」
穂乃果「夢ねえ……私ちっちゃい頃お花屋さんになりたいとか言ってたかな」
絵里「いいじゃないの。お花屋さん業界目指しましょ」
穂乃果「でもね、あの頃の女の子の夢ってだいたいお花屋さんかケーキ屋さんしかないんだよ」
真姫「確かに周りはそんな感じだったかもしれないわね」
穂乃果「でしょ? 花屋かパティシエの二択なの。あ、幼稚園の先生とかもあったね」
絵里「三択じゃない」
穂乃果「似たようなもんだよ、だいたい皆この辺になるんだって。なんか可愛くて女の子っぽいから。私にもあんな頃があったんだなぁ」
絵里「今だって充分可愛いわよ」
穂乃果「ごめん、私には海未ちゃんいるから」
絵里「私フラれたの?」
真姫「慰めてあげるわ」 穂乃果「真姫ちゃんはさ、夢ってなんだった?」
真姫「私? お医者さん」
穂乃果「そうだった……真姫ちゃんはそれだった……」
絵里「歌って踊れるお医者さんでしょ?」
真姫「踊りはしないわよ」
穂乃果「え、踊ろようよ、“ほ”T着てさ」
真姫「それだけはないわね」
穂乃果「ひっどい」
真姫「歌って弾けるお医者さんならまあね、弾きながら踊れはしないでしょ」
穂乃果「確かに……絵里ちゃんは今のとこで夢叶えられそうなの?」
絵里「子供の頃とは違うけどね、まあ一応」
穂乃果「そっかぁ……」
絵里「あ、でもね、これ誰にも言ってないんだけど、いつかカフェとか開いてみたいってちょっと思ってるの」
穂乃果「いいじゃん! 私そこで働く」 絵里「まだ思ってるだけよ」
穂乃果「大丈夫、それまで修行しておくから。ロシア料理も覚えておくよ、ほらアレとか、アレだよ」
真姫「全然わかんないわよ」
穂乃果「ダメだ私、記憶力がおばあちゃんだ……なんかさ、あるよね。ほら、ロシアン水餃子」
真姫「もしかして、ペリメニ?」
穂乃果「それだ! 真姫ちゃんよく覚えてるね」
絵里「あぁ……」
穂乃果「ロシア語難しいんだって。ペリの後にメニって続く感覚とか全然わかんない」
絵里「昔の人に言ってちょうだい」
穂乃果「私、二外でロシア語選ばなくてほんとよかった」
絵里「教えてあげたのに」
穂乃果「え、ハラショーしか教えてくれなさそう」
絵里「バカにしてるわよね」 穂乃果「してないしてない。むしろリスペクトしてるよ。絵里ちゃんあれだよね、何リンガルだっけ」
真姫「トリリンガルじゃない?」
穂乃果「それだ、トリだ」
絵里「英会話はちょっと怪しいけどね」
穂乃果「でもあれの点すっごい高いじゃん。そりゃ内定だってすぐ貰えるよねぇ……」
真姫「私もお医者さんになれなかったら絵里に雇ってもらおうかしら」
穂乃果「え、ダメだって、それは困るよ」
真姫「穂乃果は困らないでしょう」
穂乃果「困るんだって。私、友達がお医者さんになったんだよねって周りに言いたいんだから」
真姫「別に穂乃果のために医者になるわけじゃないのよ」
絵里「まあもし真姫を雇うならピアノ弾いてもらおうかしら」
穂乃果「いいねそれ、雰囲気いい感じ」
真姫「いや、私はレコード選ぶだけの係やるから」
穂乃果「社会を舐めてるね」 絵里「けれど大学生ってそんなものなのよ」
穂乃果「あー働きたくない……」
絵里「こらこら」
穂乃果「で、どうする絵里ちゃん東京いない間に希ちゃんに悪い虫がついたら」
絵里「ええ……?」
穂乃果「あり得ない話じゃないよね?」
真姫「まあ……」
絵里「それは……困るわ」
穂乃果「でしょ? 希ちゃんも可愛いんだからさ、今も誰かに言い寄られてるかもしれないよ?」
絵里「そんなのダメよ」
穂乃果「だからさ、指輪してればそういうのは寄ってこないと思うんだよね」
絵里「ゆ、指輪……」
真姫「頭抱え込んじゃったわよ?」
穂乃果「渡すしかないよもう」
絵里「でも一応ペアリングなら今もしてるし……」
穂乃果「足んないよ、両手両指全部つけるくらいじゃないと」
真姫「それはゴチャゴチャしすぎ」 穂乃果「あ、そっか。でも絵里ちゃんもこないだナンパされたんでしょ? 右手だったらファッションだと思う人いるんだって」
真姫「じゃあやっぱりこっちの指に?」
穂乃果「欲しくない?」
絵里「けどそれって婚約ってことでしょ……?」
穂乃果「絵里ちゃんとこが先やってくれないと私どうしたらいいかわかんないからさ」
絵里「焦らなくていいと思うけど……結婚自体は日本じゃあれなわけだし」
穂乃果「もしできるならそのつもりはあるってことで」
絵里「う〜ん……」
穂乃果「やっぱりね、どこかで区切りは必要なんじゃないかなぁ」
絵里「……まだ早いんじゃない?」
穂乃果「真姫ちゃん的にはどう? 早い?」
真姫「絵里って今22よね」
絵里「ええ」 真姫「私はあとそこから2年学生で、卒業したらしたで研修医なのよね。しばらく落ち着かないだろうから全然先の話に聞こえるわ」
穂乃果「真姫ちゃんは特殊だったかぁ……」
真姫「でも大事なのは希がどう考えてるかでしょ」
穂乃果「んー、まあ結局そこだよね」
絵里「そういう具体的な話はまだしてないわよ」
穂乃果「誰かにそれとなく聞いてもらおっか」
真姫「凛とか?」
穂乃果「また山登るって言ってたから丁度いいかもね」
真姫「じゃあ海未にも一緒にね」
穂乃果「うぇ、ちょっと怖いかも」
真姫「大丈夫よリーダー、弱気にならないで」
穂乃果「海未ちゃんもどう考えてるかわかんないからなぁ……その辺お互い避けてた気がする……」
真姫「私に付いてきなさいってズバッと言ってやりなさいよ」
絵里「隨分簡単に言ってくれるわね……」 真姫「もしかしてまだ遊びたいとか?」
絵里「人聞きの悪いこと言わないで」
穂乃果「段々遊べる歳じゃなくなってくるよ?」
絵里「歳の話もやめなさい。だいたいそれは穂乃果もでしょ」
穂乃果「私はこれでも一途だからいいんだよ」
絵里「そうだ、十何年越しの恋だったわね……」
穂乃果「そう聞くと私凄いね」
真姫「先に穂乃果がやったら?」
穂乃果「ええ?」
絵里「海未ならOKしてくれるわよ」
穂乃果「かな? 適当なこと言わないでよ?」
絵里「今まで散々自分が適当なこと言ってきたじゃないの」 穂乃果「お願いだからここは真面目にやってよ」
真姫「海未に断る理由がないと思うわよ」
穂乃果「ほんと? 本気で言ってる? 大丈夫?」
絵里「心配事と言ったら結局日本での結婚をどう定義するかじゃない? あとはそれこそ……こう、アレとか」
穂乃果「何? 言ってよ」
絵里「いいの? ……ほら、他に気になる人がいますとか……」
穂乃果「そうだったら首絞めようかなぁ」
真姫「嘘か本気かわからないからやめて」
穂乃果「冗談だよ。半分くらい」
真姫「半分……?」
絵里「半殺し?」
穂乃果「なんか許しちゃう気がするんだよねぇ……今更嫌いになんかなれないし。そうだ、こっちも浮気は死刑ってことにしようかな」
真姫「誰かが突然死んだらそういうことだと思っていいのね」 絵里「私は長生きするわよ?」
穂乃果「して欲しいよ」
真姫「まあ大丈夫よ、海未に限ってそれはないと思う」
穂乃果「だよね……? 実際そうなったら私ほんとなにもできない気がするし」
絵里「海未の浮気に対するスタンスってどうなの?」
穂乃果「海未ちゃん? 多分泣いたりはしないんだよね。しばらく実家に引きこもってそのうち別れましょうって文書で送られてくるよ」
絵里「一方通告なのね……」
穂乃果「あ、でもその前にことりちゃんに刺されるかもしんない」
真姫「ここでことり」
穂乃果「ここでことりちゃんだよ」
絵里「誰よりも応援してるものね」
穂乃果「けど勝手に結婚式と新婚旅行のプランまで建てるのはやり過ぎだと思うんだ私」
真姫「そこまで進んだの?」
穂乃果「行くなんてまだ一言も言ってないんだよ……」 絵里「いいじゃないの、そういう記念は大切よ。どこに行くの?」
穂乃果「いや、決めてないけど」
絵里「ことりの中では決まってるんでしょう?」
穂乃果「まあ……ことりちゃんの予定ではね? あくまでことりちゃんの頭の中ではね? エーゲ海かカスピ海か地中海ってことになってる」
真姫「海未だけに?」
穂乃果「多分そう……」
絵里「いいわねそれ」
穂乃果「良くないよ〜……」
絵里「だって浜辺で寄り添いながらこう、2人で語らうわけでしょ?」
真姫「ビーチを眺めながらね」
絵里「そうよ、『穂乃果、綺麗な海ですね』なんて言って。そしたら穂乃果はこう、『そうだね、でも海未ちゃんの方がもっと綺麗だよ』ってね」
穂乃果「い〜わないよそんなの!」
絵里「言いなさいよ、言わないと日本に帰ってこられないわ」
穂乃果「そりゃLOVE星人なら真顔で言えるかもしれないけどさ」 絵里「じゃあ言ってくれないと私が星に帰れないの」
穂乃果「いいよ、地球に骨うずめなよ……」
絵里「真姫はアリでしょ?」
真姫「ベタ過ぎない?」
絵里「そう? いいと思うけど……」
穂乃果「そういうので喜んでくれるのは希ちゃんの優しさだよ。プロポーズもその感じでいくの?」
絵里「そこに戻る?」
穂乃果「今思い出した。真姫ちゃん的にはどういうのがいい?」
真姫「私?」
穂乃果「一番希ちゃんに感覚近いから」
真姫「そうね、私回りくどいのは嫌」
穂乃果「ほら、真姫ちゃんもそう言ってる」 絵里「じゃあ真姫はどういうのならいいのよ」
穂乃果「もうシンプルにズバッと?」
真姫「結婚しようの一言でいいんじゃない?」
絵里「いいんじゃない? って」
穂乃果「シチュエーションは?」
真姫「シチュエーション?」
穂乃果「ほら、夜景の見えるレストランでー、とか」
真姫「私、そういうのはいい」
穂乃果「あ、そう? そこもシンプルかと思った」
真姫「普段からそういう所に行ってるならいいかもしれないけど、背伸びして突然そんなとこ行ってもね。何かあると思って身構えるわよ」
穂乃果「なるほどね〜、確かにそうかもしんない」 絵里「じゃあ日常の感じで?」
真姫「そうね、それでいて私の予想を超えてきてほしい」
穂乃果「うわ、これ真姫ちゃんと付き合う人大変だ」
絵里「お医者さんの予想はなかなか超えられないわよ。だいたい全部想定内でしょ」
真姫「そこは頑張って不意を突いてよ」
穂乃果「じゃあサプライズみたいなやつ?」
真姫「……周りを巻き込まないのならいいかも」
穂乃果「お、これだよ絵里ちゃん」
絵里「でも希ってそういうサプライズとかいらないって言ってるのよ」
穂乃果「真姫ちゃんダメじゃん」
真姫「私に言われてもね。希じゃないし」
穂乃果「あー、でも希ちゃんの言ってることわかるかも。私おんなじタイプだ」
絵里「予想外なのはいらない?」
穂乃果「だって人間完全にオフな時ってあるでしょ? そういう時にドーン! と来られても私何も言えない気がするんだよね」 4月ならあと1年あるじゃん
3人ともノリが良くて、でも真面目な話もして面白いわ 昨夜はお楽しみでしたね
してからの朝に朝食用意してプロポーズかな スクフェスに、可愛かった頃の海未ちゃん達が出てきて吹いた 絵里「それは、そういう素の反応が見たいからやるんじゃないの?」
穂乃果「やだよ〜、もしそれでさ、対してビックリできなかったり泣けなかったりしたらどうすんの? 私申し訳ないよ」
真姫「意外ね、穂乃果って派手なの好きそうなのに」
穂乃果「いやいやいや、私なんて地味に生きていければそれでいいんですよ」
真姫「ウソつきなさいよ」
絵里「結婚式はドーンと派手にやるんでしょ?」
穂乃果「やる予定ないよ」
真姫「海未としないの?」
穂乃果「もしね、海未ちゃんじゃなくても結婚するってなったら私、式とかいらないと思ってるんだよね」
絵里「一生に一度っきりなのに?」
真姫「理想はね」 穂乃果「だってお金かかるしさ」
絵里「堅実な考え方するわね……」
穂乃果「私これでも商売人の娘だよ?」
真姫「でもやるって言ってたわよね」
穂乃果「ことりちゃんの中ではね?」
絵里「やってよ、ご飯食べにいくから」
穂乃果「何しに来るの? ことりちゃんプランだとLove wing bellやってもらうことになるんだからね?」
絵里「穂乃果と海未のためならねぇ」
真姫「一肌脱ぐのもやむなしよ」
穂乃果「何でノリノリなの……? やんなくてもいいよ……ご祝儀だけちょうだい」 絵里「それはダメよ、2人のドレス姿見ないと」
真姫「死んでも死にきれないわ」
穂乃果「じゃあ二人ともうちで何か買ってくれればいいよ。回り回ってそれが私の仕送りになるから」
真姫「それがこうやってこの場で消費されるわけでしょ?」
絵里「つまり今日は穂乃果の奢りね」
穂乃果「ええ!?」
真姫「ありがとう穂乃果」
穂乃果「おかしいおかしいおかしい」
絵里「だって穂乃果のお小遣いは私達のお金ってことでしょ」
真姫「穂乃果が全部払えば私達も払ったことになるじゃない」
穂乃果「そんなわけ……お医者さんとパツキンで結託するのはズルいよ」
絵里「すみませーん、ジントニックください」
真姫「マンゴージュースください」
穂乃果「ええ……?」 絵里「穂乃果に奢りのお酒はおいしいな〜」
穂乃果「そこはさ、公平に決めようよ。2対1はズルいよ。私泣くよ?」
真姫「まあロシアンジョークよ」
穂乃果「質悪いよね、これは絵里ちゃんプロポーズして詫びてよ」
絵里「穂乃果に?」
穂乃果「え、ごめんなさい」
絵里「またフられちゃったわ……」
真姫「骨は拾ってあげる」
穂乃果「いやいや、希ちゃんに決まってるじゃん」
絵里「もうその話はいいじゃない」
真姫「私さっき思ったんだけど」
穂乃果「何を?」
真姫「希がサプライズだめって言ってるの、穂乃果とは違う理由な気がするのよ」
穂乃果「そうなの?」 真姫「いやわかんないけど、希って勘が良さそうだし何かしようとしてるの気づいちゃうんじゃない?」
穂乃果「あ〜、かもね。希ちゃんならそうなのかも」
真姫「っていうか絵里が下手なのが悪いのよ」
絵里「私下手なの?」
穂乃果「あれだ、絵里ちゃん不法侵入事件だ」
絵里「違う、別にあれは失敗したんじゃないから」
穂乃果「でも危うく捕まるとこだったじゃん」
絵里「警察沙汰になんかなってないわよ」
真姫「なりかけたんじゃない」
穂乃果「帰ってきたら聞いてないのに誰か家いるって怖すぎるよね」
絵里「未だに何故バレたのかわからないのよね」
穂乃果「鍵かけ忘れたとか靴しまい忘れたとかでしょ〜?」
絵里「どっちもやった記憶あるんだって」
穂乃果「ん〜、スピリチュアルだね」
絵里「誰か希にリークしたわね?」
穂乃果「してないよ、そもそも聞いてなかったし」
真姫「どっちにしろ、絵里が希を驚かそうとか考えない方がいいわね」 隠れないといけないのに、部屋の電気つけっぱなし
とかしてそ 読みながらソロコレ聞いてたら丁度love wing bell流れてちょっとニヤッとなった 穂乃果「少なくともあれが何で失敗したのかわかんないうちはやんない方がいいね」
絵里「まあ……その後にもうああいうことはやらないでいいって言われたからやらないけど」
真姫「喜ばすのと驚かすのはイコールじゃないのよ」
穂乃果「だね」
絵里「じゃあ穂乃果はどうやる?」
穂乃果「私? ん〜、どうしよう」
絵里「まずセリフからね」
穂乃果「言わないよ恥ずかしい」
絵里「私も真姫もあなた達の夜の営み方まで知ってるんだから、今更恥ずかしがることないわよ」
穂乃果「それとこれとは別だよ」
真姫「あのね、私気づいたんだけど」
穂乃果「どうしたの真姫ちゃん」
真姫「さっきからどうしてあなた達が求婚する側だと思ってるの?」
穂乃果「え?」 真姫「海未と希も同じこと考えてて明日あなた達が言われる可能性もあるわよね」
穂乃果「うん。うん……おお?」
真姫「普通男の人からするような気がするけどあなた達そうじゃないし」
穂乃果「あれ? 確かに、なんで私からするもんだと思ってたんだろ? あれ?」
真姫「あれ? じゃないわよ」
穂乃果「え? じゃあ海未ちゃんから?」
真姫「そういうこともあるんじゃない?」
穂乃果「海未ちゃんから? え、やだ、どうしよう」
真姫「やなの?」
穂乃果「やじゃないよっ。え、ウソ、え、どうする?」
絵里「どうするって、私に聞かれても」
穂乃果「海未ちゃんから? やだ、それもいいな〜!」
真姫「やなのかいいのかどっちなの」
穂乃果「だからやじゃないって言ってるじゃん。ちょっと、それ考えてなかった、どうしよう!」 真姫「断るの?」
穂乃果「断わんないよっ、え、なんか緊張してきた」
真姫「まだ早いわよ」
穂乃果「でも海未ちゃんからか〜、あり寄りのありだね」
真姫「実際そうなるかは知らないけど」
穂乃果「ちょっとアピールしてみようかなぁ。あ、ことりちゃんからそれとな〜く言ってもらうってのもあり?」
真姫「ことりプランを伝えてもらえば?」
穂乃果「あれはちょっとやり過ぎな気がするんだよね。絵里ちゃんはどうなの? 希ちゃんからっていうの」
絵里「希から? う〜ん……」
穂乃果「ダメ?」
真姫「やっぱりまだ遊びたいのね」
絵里「違うわよ……嫌ってわけじゃないけど……もしいつかそういう日が来るなら私からだと思ってたから」
穂乃果「私もそんな気がしてたけど、確かに真姫ちゃんの言う通りそうとは限らないよね」 真姫「逆に何でそれ考えなかったのよ」
穂乃果「何でだろう、不思議だね。今日真姫ちゃん居てくれてよかった〜!」
真姫「他人事みたいに……」
穂乃果「むしろね、そういうのどうやって決めたらいいの?」
真姫「んー、普段リードしてるかしてないかとか?」
穂乃果「じゃあ私かな」
絵里「私振り回されてる」
穂乃果「絵里ちゃんはそんな感じだよね」
真姫「じゃあ希からってことにしましょ」
絵里「そうなる?」
穂乃果「真姫ちゃん理論だとそうなるよ」
真姫「私はあなた達のルールとかよくわからないけど」
穂乃果「真姫ちゃん以上にわかってくれる人他にいないよ」 絵里「でも希から……?」
穂乃果「なんか納得いってないみたいだから別の決め方真姫ちゃん教えてよ」
真姫「なんで私が」
穂乃果「会長のためにもお願いしますよ西木野大先生〜」
真姫「ええ……? じゃあプロポーズも告白した方からすれば?」
穂乃果「おお、これなら絵里ちゃんだ」
絵里「いや……希なの」
穂乃果「え? 違うよ、最初は絵里ちゃんでしょ」
絵里「最初は希からなのよ」
穂乃果「ええ? 何でこんなとこでウソつくの? 絵里ちゃんからだよね?」
絵里「何故そんな誤解をしているの?」
真姫「私も穂乃果と同じように思ってたけど」
穂乃果「だってあの感じは絵里ちゃん……だったよね」
絵里「まあ最初は私からだったかもしれないけど……」 穂乃果「じゃあそうじゃん」
絵里「でも最終的に、希に言わせたの」
穂乃果「言わせた? 最終的に?」
真姫「恐ろしいわね」
穂乃果「なんか違法なことしたんじゃないよね?」
絵里「合法よ。希から、こう……ね、付き合いましょうかって話になって」
穂乃果「じゃあもう今度も希ちゃんに言わせる方向でいこ。ゼクシィとか家に置いとく?」
絵里「それはなんか嫌」
穂乃果「絵里ちゃんどうしたいの?」
絵里「だって……」
真姫「絵里は自分のこと彼氏役だと思ってるんでしょ」
絵里「そういうわけじゃ……ないけど」 穂乃果「二人ともお姫様だもんね。何で普通は男の人がするもんなのかな」
真姫「それはプライドとかあるんじゃない? 多分」
穂乃果「ふ〜ん……俺が養っていくんだ、的な? 絵里ちゃんそうなの?」
絵里「……一応私の方が先にお給料貰う立場になるわけじゃない?」
穂乃果「でも同い年だよね?」
絵里「まあね」
真姫「むしろ希のほうが先に年取るわよね」
絵里「まあ、そうだけどでも立場的に、ほら」
穂乃果「これからも一緒なら二人三脚で歩いてくんだよ、どっちが上とか下とか、偉いとか偉くないとかじゃなくて」
絵里「それはその通りだと思うわよ。けど、もし、そのプロポーズ……のようなことをするならね……私がやりたい、かな」
穂乃果「お、聞きました?」
真姫「聞きました」
穂乃果「やりたいならやろうよ絵里ちゃん、やるしかないよ」
真姫「言質とったわね。いつにする?」
絵里「待って、待って」 絵里受け好きだけどプロポーズとかは絵里ちゃんからしそうな印象ある 穂乃果「やっぱりやるなら記念日とかだよね」
真姫「じゃあ次の希の誕生日」
穂乃果「いいね、6月にしよう」
絵里「待ちなさい」
穂乃果「違ったっけ?」
絵里「あってるけど……何? 穂乃果と真姫はブライダル業界の回し者なの?」
真姫「まさか」
穂乃果「むしろ恋のキューピッドと呼んでほしいよ」
絵里「そんな可愛いものには見えないわ……」
穂乃果「ディスられてるよ、真姫ちゃん」
真姫「穂乃果もだと思うけど」
絵里「いいから2人で勝手に話を進めないで。いい?」 穂乃果「だってやるって言ったし。ねえ」
絵里「やりたいとは言ったけど、やるとはまだ私言ってないからね?」
穂乃果「だからいつやろうかって話をしてるんだよ」
絵里「待って、待って、待って」
穂乃果「絵里ちゃんはいつがいい? 希ちゃんの誕生日か交際記念日」
絵里「だから待ちなさいって」
穂乃果「待ってるのは希ちゃんだよ〜」
真姫「そうよね」
穂乃果「イケると思うけどなぁ」
真姫「じゃ、私から探り入れとくから。それでいいでしょ」
絵里「真姫?」
穂乃果「凛ちゃんは?」
真姫「よくよく考えたら凛だけじゃちょっと不安よね」
穂乃果「そんなことないよ、凛ちゃんもリーダーだから。信じてあげて」 絵里「2人とも信じてるわよ。信じてるけどもね、そういうことじゃなくて」
穂乃果「じゃなくて?」
絵里「まあ……私だって、いつまでも学生気分じゃいられないのはわかってるわよ」
穂乃果「耳が痛いね」
絵里「でも現実として難しいのは穂乃果だって知ってるでしょう?」
穂乃果「ん〜、まあねぇ……」
絵里「私達、普通とは違うんだから」
真姫「“普通”ね」
穂乃果「難しいところだね」
真姫「でも『これが普通の生き方です』なんて、そんなの誰かが決めてるわけじゃないわよ?」
穂乃果「おお、確かに」
絵里「けれど暗黙の了解ってものがあるでしょう」
穂乃果「まあ、そうだね」 真姫「基準なんて人の数だけあるわよ。例えば私はあれ信じられないんだけど、講義で毎回最前列に座ってる人とかいるじゃない?」
穂乃果「あ、いるよね! で、授業中すんごい頷いてる人」
絵里「勉強熱心なんでしょ」
穂乃果「でもテスト前に話してみたりすると意外とそんなに成績良くなかったりするの」
真姫「それは……人それぞれだと思うけど」
穂乃果「そうかな。そっか」
真姫「まあとにかくその人にとっては最前列が定位置で当たり前なのよ」
穂乃果「真姫ちゃんはいっつも後ろの方にいそうだよね」
真姫「よくわかるわね」
穂乃果「なんかそんな感じする」
絵里「確かに真姫の言わんとすることはわかるわよ。そういう当たり前の違いは誰にだってあるわ。あくまで個人個人でみたらね」
穂乃果「んだね」
絵里「でもね、真姫は理解がある方だと思うけど、世の中わかってくれる人ばっかりじゃないの」
真姫「最初から全員と仲良くなろうと思うことが間違いなんじゃない?」
穂乃果「ええ?」 真姫「付き合う人って最後はどこかで選ぶ必要もあるのよ」
穂乃果「きっつ……それって真姫ちゃんの経験談?」
真姫「秘密」
穂乃果「出た、女の身だしなみ」
絵里「……わかるわ、わかるわよ。受け入れるかどうかは個々人に任せても、多様性は認めましょうって」
穂乃果「皆違って皆いいよね、うん」
絵里「でも現実にそんな社会がどこにあるの。まだ発展途中で色んな人がいるってことを皆が皆認められるわけじゃないのよ」
真姫「絵里は何がそんなに怖いの? 社会が嫌なら山にでも籠もってなさいよ」
絵里「あのね、山って……」
真姫「女同士は自然じゃないわね、自然じゃないからいけません? そんなの勝手に言わせておけばいいじゃない」
絵里「いいわよ私は今更どう言われたって。嫌でも目立っちゃうみたいだし。でもね、希を同じところにつれてはいけないの」
穂乃果「ちょ、ちょっとヒートアップしすぎじゃない……?」
真姫「……穂乃果も当事者でしょ」
穂乃果「あ、はい……」 絵里「さっきから穂乃果はどっちの味方なの」
穂乃果「うぇ? 私? 私は……弱い者の味方だよ?」
絵里「じゃあこっち」
穂乃果「や、やだよ、真姫ちゃん今日キレッキレだもん」
真姫「ならこっち」
絵里「ほーのーかー、言ってることが違うわよ」
穂乃果「まあまあちょっと2人とも落ち着こうよ」
真姫「別に……ケンカしたかったわけじゃないのよ……ごめん」
絵里「まあそうだろうと思ったわ」
真姫「私としては2人とも……希も海未も入れて4人? 周りがどうとか、社会がどうとか、親がどうとか、そういうことで生き方変えないで自分の道、貫いてほしいの。そしたら絶対、大物になるんだから」
穂乃果「なれます?」
真姫「なる。なりなさい」
穂乃果「そう言われてもなぁ……」
絵里「ねぇ」
穂乃果「まあ、さっき真姫ちゃんが言ったみたいに、何て言うか……最初っから喧嘩腰? の人ってたまにいるよね」 絵里「穂乃果にも?」
穂乃果「いるよ〜。私ネットで、あ、これ最近じゃなくて高校の時の話だけど、ちょっとあれこれ見ちゃったんだよね。μ'sの評価的な、サムシング?」
真姫「あれほどにこちゃんが止めろって言ってたじゃない」
穂乃果「だって気になるもん、好奇心に勝てなかったんだよ。まあね色々あったよ? 真姫ちゃん可愛いとか、絵里ちゃん格好良いとか、何で高坂がセンターなの、とか」
真姫「だから止めろって言われてたのよ」
穂乃果「あはは、そうだよね。すっごい凹んだもん」
絵里「そんな時あったの?」
穂乃果「あったんだよ。でも凹んだけどさ、最後はそういう人たちにも納得してもらえるように頑張るしかないよね」
真姫「メンタル強いわね」
穂乃果「私本番とか強いんだよ?」
絵里「……穂乃果がリーダーで本当良かったわ」
穂乃果「あ、やめてよ、そうやって煽って人のこと潰そうとしてるんでしょ。手口はもうわかってるんだから」
絵里「そんなつもりじゃ……でも頑張っても無理だったら穂乃果はどうする?」
穂乃果「そしたら? もっと頑張る?」
絵里「根性論?」 穂乃果「なんとかなるよ、やればできるって」
絵里「ヤッても子供はできないけどね」
穂乃果「……急にぶっ込んでくるよね」
絵里「もうここまで言われたら……わかったわよ。やる」
穂乃果「お、何を?」
絵里「プロポーズ、します」
穂乃果「おお……! おお!! イェーイ!!」
真姫「いぇーい」
絵里「こうでも言わないと今日帰れなさそうだし……」
穂乃果「当たり前じゃん、帰さないよ」
絵里「じゃあとりあえず前向きに検討するっていう方向で」
穂乃果「それじゃダメだよ、有限実行の女、絵里ちゃんでしょ」
真姫「意思が固まっただけ大きな一歩よ」 穂乃果「んー、そっか。じゃあ絵里ちゃん今年中ね」
絵里「ええ……?」
穂乃果「記念になんか良いの頼も。ボン・ジョヴィみたいな名前のやつ」
真姫「ボン・ジョヴィ?」
穂乃果「あ、ごめんあれだ、ドンペリ」
絵里「そんな良いお酒ないわよ。テキーラ持ってきて」
穂乃果「無理無理無理無理」
絵里「グっといくのよ、女は度胸と愛嬌よ?」
真姫「両方?」
穂乃果「じゃ、一週回って、ビール」
絵里「まあいいけど」
真姫「ちょっと微妙」
穂乃果「じゃあイケる」
真姫「ヴェエ……」 いつの間にか100レス超えてたけどまだ終わらないから続く えりちが本気になれば大丈夫
たまーに無理し過ぎるんやけど アイマスオタクさん、ラブライブに宣戦布告!新田恵海のキャラのぬいぐるみを自動車で引きずり回す [337287135]
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