玉露の玄妙な甘味、旨味を愛でるダイヤちゃん
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その横でコーラを呷る鞠莉ちゃんだ
これを忘れるでないぞ 以下気持ち悪い無能不人気鼻クソブスの顔文字貼り禁止 _____
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果南「玉露ってよく聞くけどさ、普通のお茶と何が違うの? 種類?」
ダイヤ「基本的にお茶っ葉は同じよ。玉露は栽培法が特殊で──茶摘みの少し前辺りから、被覆をして日光を遮るんですの」
鞠莉「Hmm? 葉っぱなのにお日さまに当てなくていいの?」
ダイヤ「茶葉に含まれる旨味成分のテアニンは、日光に当たりすぎると渋みのもとであるカテキンに変化してしまうの」
果南「なるほどねえ。……でもダイヤ、よくペットボトルのお茶飲んでるよね」
ダイヤ「手軽だもの。たまに、水で出したのを水筒に入れて持ってくるけれど」
鞠莉「練習の後に水筒で玉露飲んでる女子高生……」
果南「ぶふっ」
やべえ分からん >>11
「遮るんですの」を「遮るのよ」に変えたら完璧
もっと続けて 鞠莉「そういえば、コーラってもとは薬だったんだって?」
果南「ああ、聞いたことある。当時合法だったコカインのコカで“コカ・コーラ”なんだよね」
鞠莉「私ペプシ派〜」
ダイヤ「ペプシはペプシンの略だったかしら」
果南「探してみたらいろいろありそうだよね、そういうの」
ダイヤ「身近なところでは、ケチャップやチョコレートももとは薬よ。ビールやコーヒーだって薬効目当てに飲まれたものだし……食品じゃないけれど、大昔は水銀も薬と信じられていたのよ」
鞠莉「スイギン……Mercury!? 猛毒じゃない!」
ダイヤ「秦の始皇帝は、水銀を不老不死の霊薬と信じていたそうよ。煉丹術とか、そういうものの影響なんでしょうけれど……」
果南「いや、もしかしたら皇帝の立場を狙う誰かに吹き込まれたのかもしれないよ」
鞠莉「あっ、それおもしろい! 『フフフ……Emperor? この鈍色の霊薬を飲めば、あなたはたちどころに不老不死の身体を得るでしょう……』」
果南「『何、まことか? どれ……うっ!?』」
鞠莉「『まんまと騙されましたね、emperor!! ですがご安心ください、これからこの国はこのマリーめが治めてみせますよ……HAHAHAHA!!』」
ダイヤ「あなた達、本当にそういうドラマチックな展開が好きね……腹心も妙にアメリカンだし」 昔のチョコはギトギトしてて不味いらしいね
健康目的でエジプト辺りで飲まれてたとかなんとか
数百年後かな?ヨーロッパの貴族たちがそれに目つけて砂糖入れて飲み始めたのが今のチョコの原型かな ルビィ「おねーえちゃん」
ダイヤ「ルビィ。……どうしたの、こんな遅くに」
ルビィ「えへへ……今日のお昼、茶の湯のお稽古があったでしょう?」
ダイヤ「あなたはお茶菓子を食べながら私が点てたお茶を飲んでばかりだったけれどね」
ルビィ「それで、お茶、飲みすぎちゃって……その」
ダイヤ「眠れないと」
ルビィ「……うん」
ダイヤ「……はぁ、まったく……お母さまはどこの子と取り違えたのかしら」
ルビィ「冗談でもそれは傷つくよ!?」
ダイヤ「はいはい、悪かったわ──ほら、そんな戸の前で突っ立ってないで、こっちにおいでなさいな。お話してあげるから」
ルビィ「いいの?」
ダイヤ「特別よ。……あんまりお姉ちゃんを困らせないで頂戴ね」
ルビィ「わぁい!」
ダイヤ(……私も妙に目が冴えてる、なんて、言えないわね) 千歌「ダイヤちゃんッ!!」
ダイヤ「……なぁに?」
千歌「ダイヤちゃんのおうちに行きたいです」
ダイヤ「ダメ」
千歌「なーんでぇー!!」
ダイヤ「……だってあなた、障子に穴とか空けそう」
千歌「チカにもそれくらいの良識はあるよぅ! ……というかチカのうちにも障子あるもん!」
ダイヤ「──ああ、そういえばあなた、十千万の娘だったわね」
千歌「そうだよぉ〜、内浦が誇る名旅館十千万! その末娘にして愛され看板娘、それがこの高海千歌!」
ダイヤ「自分とそのお家に自信があるのは素晴らしいことね。──さ、そんな自慢のお家に早く帰って、お手伝いでもなさい?」
千歌「はーい! ……って違いまーーす!! チカはダイヤちゃんのおうちに行きたいのー!」
ダイヤ「ああ、もう、分かったから……あんまり騒がないの」
千歌「えっ! 遊びに行っていいの?」
ダイヤ「……生徒会のお仕事が終わってからね」
千歌「やったーー!!」
ダイヤ「だから騒がない」 役人がビジネスチャンスなんて
考えないし考えてはいけない
ペットショップへのペット販売にはチップ埋め込み義務とか不妊治療義務とか
ペットショップを免許制度にするとか
どんな動物でも飼えばペットとみなしペット税をとるとか
絶対考えないでねwもっともっと殺したいからw
動物愛護センターより 千歌「うわ……でっか」
ダイヤ「あなたのお家も大概でしょう」
千歌「チカたちが使ってるのは旅館のすみっこだもん。あとはほとんど宿泊スペース」
ダイヤ「……ふむ」
千歌「──あっ、離れがある」
ダイヤ「茶室。父が見よう見まねで建てたものだから……寄付とか待合とか、いろいろ足りていないのだけれどね」
千歌「見てみたい!」
ダイヤ「……障子に穴空けないって約束できる?」
千歌「空けないってば!」
ダイヤ「じゃあいいわ。少し準備をするから待ってて──いや、やっぱりチカちゃんもいらっしゃい。見繕って着付けてあげる」
千歌「……え?」
◯
ダイヤ「……うん、馬子にも衣装とはよく言ったものだわ。青も結構似合うわね♡」
千歌「誰が馬子なのさー! ……うっ、騒ぐとお腹くるしい……」
ダイヤ「苦しいのが嫌なら、淑やかに振る舞うのよ? さ、行きましょうか」
千歌「は、はひ」 ダイヤ「ここは蹲踞(つくばい)──まずはここで手と口を洗うのよ」
千歌「はあい。……わ、冷たい」
ダイヤ「まだ肌寒いものね。あまり念入りにしなくても、清める程度でいいわ」
千歌「んべ……次は?」
ダイヤ「チカちゃんはそこの躙口(にじりぐち)から入って、畳の目を踏まないように座っていて。わたくしは裏の勝手口から入るから」
千歌「にじりぐち……えっ、え? これのこと……?」
ダイヤ「狭いでしょう」
千歌「屈まないと入れないよ!」
ダイヤ「それがお茶の礼儀なの。どんなに偉い人でも頭を下げて入ってきて──それにこの狭さなら、刀も持ち込めないから」
千歌「ち、チカは今すごい世界に足を踏み入れようとしているのでは……?」
ダイヤ「ふふ──初めてだし、細かいことはいいわ。それじゃあ、またあとでね」
千歌「あっ、ダイヤちゃ──行っちゃった」
千歌「……ど、どうやって入ればいいんだろ……? とりあえず草履はここで脱ぐのかな……」
千歌「し、しつれいしまあす……あ、頭から入って……よいしょ──あいたーっ!」
千歌「ひーん、膝ぶつけた……」 千歌「あいてて……えっと、畳の目を踏まないように……下座はこっちでいいのかな」
(※千歌ちゃんは旅館の子なのでこういう知識はあるぞ!)
千歌「きれいな掛け軸──梅にうぐいす」
ダイヤ「“梅に鶯、牡丹に蝶。菊に盃、柳に燕”──よく知っていたわね?」
千歌「あっ、ダイヤちゃん……なにそれ?」
ダイヤ「知らずに言ってたのね……」
千歌「えへへ……でも、本当にきれい」
ダイヤ「ふふ、ありがとう──それ、わたくしが描いたの」
千歌「えっ……ええーっ!? ダイヤちゃん絵も描けるの!?」
ダイヤ「嗜む程度よ。──さあ、今日は体験ということで、いろいろ省きましょう。さすがに懐石を用意する時間もなかったし……お茶菓子からになるかしら」
千歌「わあ、お菓子! いつの間に用意したの?」
ダイヤ「勝手口に冷蔵庫があるから」
千歌「冷蔵庫!?」
ダイヤ「突然のお客様用にね。だから、上生菓子じゃなくて、日持ちするもので悪いのだけれど──」
千歌「あっ……水まんじゅう? これもきれい……」
ダイヤ「わたくしの大好きなお店のもので、中がみかんのシャーベットなの」
千歌「みかん!」
ダイヤ「本当はもう少し濃厚なお菓子があればよかったのだけれどね──さ、どうぞ召し上がれ」
千歌「いただきますっ。……ん〜! んまぁい……ぷるぷるしゃりしゃり……」
ダイヤ「ふふ、美味しそうに食べるわね」
千歌「だってこれほんとにおいしい……奇跡だよ……」
ダイヤ「結構簡単に起こるのね、奇跡」 ダイヤ「お粗末様でした。──ぺろっと食べちゃったわね」
千歌「ごちそうさまでした! えへへ、ほんとにおいしかったから……」
ダイヤ「それはよかったわ。……さて、ここからはわたくしの──独擅場ね」
千歌「!」
千歌(ダイヤちゃんがお茶碗を出した瞬間、空気が凛と張り詰めるのを感じた)
千歌(畳とお香の匂いが急に遠ざかって、さえずっていた鶫が、さざめく枝が、涼やかな水音が、時を告げるようだった鹿威しが──全て消え去って、私はこの部屋が世界から隔絶されてしまったのだと思った)
千歌(茶筅を緩やかに操る手先。見る間に練り上がっていく濃茶と、それと同じ色をした、ダイヤちゃんの翡翠の虹彩)
千歌(お茶碗を受け取って、飲み方を説明されるがまま一口すすって……気付けば私は、広大な茶畑の只中にいた)
千歌(古皮質に直接訴えかけるような──野蛮なのに清爽で、暴力的なまでに麗らかな香り。鞣したみたいに滑らかな舌触りは、粘り気を帯び始めた朝東風を想起させた)
千歌(薫衣香の玲瓏たる甘さ。若煙草の温和な苦味と、出口のないオリオンを思わせる深遠なる旨味。お茶とは四季を集めて絞って作るのだと言われたら、今の私なら納得してしまう──)
ダイヤ「──ちゃん、チカちゃんってば」
千歌「はっ……」
ダイヤ「どうしたの、急にぼーっとしちゃって──もしかして足でも痺れたの?」
千歌「い、いや……ちょっと今、アカシック・レコードにアクセスしてたかもしれない」
ダイヤ「ほ、本当にどうしちゃったっていうの……急にヨハネちゃんみたいなことを」
千歌「これが……これが、本当の『お茶』なんだね……」
ダイヤ「は、はぁ……?」 |c||^.- ^|| これこそが本当のわたくしよ 鞠莉「そう、知ってしまったのね──ダイヤのお茶の味」
千歌「す、すごかった……たった一杯に情報量が多すぎたよ」
鞠莉「そうね。マリーはコーヒー党だけど、Only at that time──あの時ばかりはクラクラきちゃった♡」
千歌「う、コーヒー……」
鞠莉「Oh? チカっち、コーヒーは苦手?」
千歌「にがいもん……ミルクとか入れたら飲めるけど」
鞠莉「じゃあ、このマリーが──苦くないブラック・コーヒーを淹れてあげる!」
千歌「に、苦くないブラックコーヒー!?」
鞠莉「最高のReactionをありがとう♡ さ、それじゃあ早速──マリーのおうちにGo☆」
千歌「わ、ちょっ──ええええーっ!?」
果南「……拉致かな?」
ダイヤ「まったくあのハリケーン娘は……」 白身魚の味を愛でる海未ちゃん書いてたもんじゃでは? 鞠莉「コーヒーは豆の種類も大事だけど──何よりRoastが味を大きく左右するの。この焙煎で、コーヒーの命たるAromaとTasteを引き出すのよ」
千歌「あろまと、ていすと」
鞠莉「……香りと味を引き出すのよ」
千歌「言い直さなくても分かってたよ!?」
鞠莉「あ、ほんとう? ふふ、ごめんね♡」
千歌「むぅーっ……まあ、つまり、その焙煎がとっても大事ってことだね」
鞠莉「That’s right! そして、コーヒーの焙煎具合は八つに分類されるの」
千歌「そんなにあるんだ!」
鞠莉「ええ。浅いものからLight,Cinnamon,Medium,High,City,Fullcity,French,Italianの八種類──まあ、ライトとシナモンはちょっと青臭くて、あんまり飲まれないんだけどね」
千歌「ふむふむ……今日はどれを使うの?」
鞠莉「焙煎が浅ければ浅いほど苦味が弱くて酸味が出るから、今日はミディアムくらいを──と見せかけて、下から三番目のフルシティを使うわ!」
千歌「え゛っ」
鞠莉「そんな顔しなくても大丈夫よ♡ マリーにまっかせなさーい!」
千歌「鞠莉ちゃんときどき悪ノリするからなあ……」
鞠莉「Huh? もしかしてマリー、信頼されてない……?」 鞠莉「チカっち、ちょっと見てみて。こっちが日本でよく飲まれてるシティ・ローストの豆で、こっちが今日使うフルシティ・ローストの豆。全然違うでしょ?」
千歌「ほんとだ……ふるしてぃ? の方が──ツヤツヤしてる」
鞠莉「そうなの。コーヒー豆は煎るほど油分が出るから、深煎りの豆はツヤが出るのよ。そしてその油分こそが──コーヒー本来の甘味を生む」
千歌「コーヒー本来の……甘味!」
鞠莉「もちろん、煎れば苦味も出るから、それを抑える淹れ方をするわ。まずは豆をGrind──挽いていくんだけど、今回は中細より少しだけ細かく挽きましょう」
千歌「粗さで何が変わるの?」
鞠莉「細かいとコクの強いBitterな味に、粗いと酸味の出たClearな味になるわ。一番バランスのいい中細から、苦味が欲しいか酸味が欲しいか──あとはどうやってコーヒー液を抽出するかで変えていくといいわね」
千歌「つまり今日のは、コクのあるコーヒーになるってことだね」
鞠莉「Exactly!! やだもう、チカっちってば優秀なんだから♡」
千歌「ふっふーん! ──あ、いいにおい……」
鞠莉「やっぱりこの瞬間が一番心踊るわね〜……うん、このくらいでいいかしら。さあ、いよいよ淹れていくわよー!」 コーヒー豆挽いてる時の手持ち無沙汰感
最初は物珍しさが勝ってたけど今はイヤホンでドラマパート聴きながらグルグル回してる 鞠莉「今日はFrench pressで抽出するわ!」
千歌「ふれんちぷれす」
鞠莉「イタリア生まれの抽出器で、油分を濾し取らずに抽出できるの。……日本では紅茶の抽出に使われることの方が多いのかな?」
千歌「ポットみたい」
鞠莉「そう! 豆を入れてお湯を注いでちょっと待ったら、あとはこのプランジャーを押し込んで濾すだけだから──超お手軽でしょ?」
千歌「それならチカにもできそう!」
鞠莉「それにお手軽なだけじゃなくて、豆の味がDirectに出るから──味も超シャイニーなんだから!」
千歌「ふむふむ」
鞠莉「本当はもう少し粗い豆を使うのがBetterなんだけど、今日は特別ね。さ、豆を入れて、95℃のVery hotなお湯を半分まで注ぎながら──ここで3分半にセットしたタイマーをON!!」
千歌「半分だけなの?」
鞠莉「もう半分は30秒後よ!」
千歌「30秒!?」
鞠莉「チカっち、How many seconds?」
千歌「え!? は、はうめにー、せこんず……あっ、えっと、……さん、に、いち、いま!」
鞠莉「OK! じゃあもう半分をゆっくり注いで……あとは待つだけね☆」
千歌「す、すごいシビアなんだね……温度も、時間も」
鞠莉「そうよ。手を抜いて得られる結果なんて……たかが知れてるでしょう?」
千歌「……!」
鞠莉「マリーはいつだって、Bestな結果が欲しい。だからコーヒー一杯にだって──手を抜かないわ!」
千歌「ダイヤちゃんも、同じこと言ってた。“最良の結果は慎始敬終(しんしけいしゅう)なくして得られないのよ”って──」
鞠莉(……新死刑囚?) ∫∫( c||´ -`|| 二人とも詳しすぎでしょ、私がぶ飲みメロンソーダ位しか語れないよ >>46
(*> ᴗ •*)ゞがぶ飲みよりPOPなんだよーそろなぁ 鞠莉「ついにComplete!! これがマリーの特性コーヒーよ!」
千歌「な、なんというか……濁ってるね」
鞠莉「そこだけが、フレンチプレスのWeak pointなのよねぇ……油も浮くから、見た目がちょっと……良くないっていうか、悪いよね」
千歌「でも、すごくいい香り……香りは好きなんだけどなぁ」
鞠莉「……ん〜っ、今日もDelicious☆ さ、チカっちも遠慮しないで──グイッとイッちゃって♡」
千歌「い、いただきますっ……!」
千歌(……!?)
千歌(その瞬間、閉め切った鞠莉ちゃんの部屋に──初夏の薫風が確かに吹いた)
千歌(その爽やかな苦味と酸味、それを追いかけるフルーティな香りは、さながら熾火に絞ったグレープフルーツ。そして、海辺みたいな潮の香りが僅かに名残る)
千歌(舌に残る粉っぽい甘味は、九月の雨と、蒸したての甘栗。万雷の拍手の止んだあとのような、掴み所のない、でも“そこに何か力強いものが存在した”と確かに主張する余韻)
千歌(手が勝手に二口目を運ぶ。瞠目すると、眼の奥で鶸色の稲妻が迸る)
千歌(快速調(アレグロ)のしらべを思わせる、さっきよりもずっと軽快な苦味。スタッカートで跳ねる酸味と、まろやかにレガートを奏でる甘味)
千歌(ああ、そうだ、と、そこで得心する。さっきの拍手は、コーヒーというオーケストラを聴いた観客のものだったのだと)
千歌「……ま、鞠莉ちゃん」
鞠莉「あ、あれ……あんまりおいしくなかった?」
千歌「おいしいとか、おいしくないとか──そういうのじゃない。これは……芸術だよ……」
鞠莉(……あ、これね、ダイヤの言ってたやつ) おいしいものを口にした瞬間チカっちの語彙力が300倍くらいになって描写の世界観がめちゃくちゃ変わるの書いてて楽しすぎてダメだった ちかっちの語彙力凄すぎワロタ
これほど感じ取って表現出来るとは流石作詞担当 >>44
>新死刑囚
元日ハムのアレ(23)かな? 果南「へえ、二人がそんなこと……私がぶ飲みメロンソーダくらいしか語れないよ」
ダイヤ「がぶ飲みメロンソーダの何を語るのよ」
鞠莉「それはそれですごいよね」
果南「そうかなあ。あのクリーミーな甘さに合わせた微炭酸はすごい企業努力があったと思うんだけど」
曜「私はポップメロンソーダの方が好きかな〜」
鞠莉「あー、あの身体に悪そうな緑色は確かにちょっとNostalgieがあるかも」
曜「そうそう! バニラアイス買ってきて、お手製クリームソーダにしたりね」
千歌「曜ちゃんクリームソーダ好きだよねえ」
曜「大好き〜。あの氷に触れてシャリシャリになったバニラアイスがおいしいんだぁ」
ダイヤ「言い方は悪いけれど──あのチープな甘さは嫌いじゃないわね」
果南「がぶ飲みメロンソーダにバニラアイスは……ちょっとしつこそうだなぁ」
曜「がぶ飲みってほとんどアイスが溶けたクリームソーダだもんね」
果南「たぶんそういうコンセプトだよね。がぶ飲みコーラフロートとかもあるし」
千歌「……がぶ飲みをがぶ飲みしたくなってきた」
鞠莉「コンビニ行く?」
千歌「いくー!!」 梨子「お茶に、コーヒーかぁ……」
千歌「梨子ちゃんは何が好き?」
梨子「え? わ、わたしは……お紅茶、かな?」
千歌「おー、紅茶! 梨子ちゃんっぽい!」
梨子「そ、そうかな?」
千歌「うん! 飲んでみたいなぁ〜」
梨子「ええ!?」
千歌「……ダメ?」
梨子「だ、だめじゃないけど……わたし、二人みたいにうまくできるか」
千歌「そんなにプレッシャー感じなくてもいいのに〜。チカは大抵のものはおいしく感じる舌の持ち主なのだ!」
梨子「ふふっ──じゃあ、ウチ来る?」
千歌「いく!」
◯
梨子「ごめんね、ストレートティーでいい? ミルクもレモンも切らしちゃってて……」
千歌「梨子ちゃんにお任せしますっ!」
梨子「うん、わかった。じゃあ今日は──ダージリンにしよっかな」
千歌「だーじりん……聞いたことある」
梨子「インドのお茶っ葉で、世界三大銘茶のひとつなんだって。詳しいことはよくわからないけれど──セカンドフラッシュだから、おいしい……と思う」
千歌「セカンドフラーッシュ!!」
梨子「……必殺技とかじゃないよ?」 梨子「セカンドフラッシュっていうのは、収穫した時期のことなの。今くらいの時期に収穫したものがファーストフラッシュ、5月ごろだとセカンドフラッシュ、秋摘みになるとオータムナール」
千歌「何が変わるの?」
梨子「ファーストはちょっと青っぽくて香りが強い感じかな。セカンドはそれよりも熟成が進んで味と香りのバランスがよくて──オータムナールは香りは薄くなるけど味がずっと濃厚になるの」
千歌「ふむふむ……その中でも、セカンドがとくにおいしいと」
梨子「うん。日本ではファーストも人気だけど……わたしはセカンドが一番好きかな」
千歌「梨子ちゃんが一番好きなお茶か〜。たのしみっ」
梨子「も、もう──」
ヤカン「ピッー!(迫真)」
梨子「あ……お湯沸いたね。そうしたら、この沸いたばかりのお湯を、お茶っ葉を入れたポットに勢いよく注ぎます」
千歌「んふ……なんで敬語なの」
梨子「あれ、な、なんでだろ……」
千歌「──あ、いい匂い……」
梨子「ほんと……ダージリンらしい、とっても華やかな香り」
千歌「お嬢さまになった気分だねえ」
梨子「ふふ、ちょっと分かるかも」
千歌「タイが曲がっていてよ、梨子さん?」
梨子「そ、それは違うような……?」 タイマー「ピピピピピ」
梨子「あっ、鳴った。どれどれ……うん、もう大丈夫かな。少しかき混ぜて、あらかじめ温めておいたカップに茶漉しを通して注いで──はい、どうぞ」
千歌「ありがとう! えへへ、いただきまぁす」
千歌(……お日様を搾ったみたいな鮮やかなオレンジ。鼻を寄せると、花の蜜を思わせる香りが脳天まで駆け上がる)
千歌(蝶のように、誘われるがまま一口含むと、さっきまで蜜の滴るようだった甘さが、全く違うものへと姿を変えた)
千歌(朗らかな冬の日の繚乱のスズラン畑と、そこでついばむ芳醇なマスカット。そんな矛盾を、矛盾のまま迎え取る優雅なる余裕。私は眼裏にカーテシーをして微笑むアイボリーの乙女を幻視した)
千歌(いつまでも甘い喉の奥。舌に僅かに残る収斂味は、その華やかさに奥ゆかしい『空(くう)』の美をも添加する)
千歌(麝香の強さと、壊れ物の弱さ。常と無常。有為と無為。ティーカップの中の世界は、そんなアンビバレンスを鮮やかに描き出す)
千歌「……色、是即ち空。空、是即ち色──だね」
梨子「……へ?」 安易なホモネタエロネタに走らないところが控えめに言って最高 絞りたてみかんジュースとか、飲ませたらすごいことになりそう 千歌「よっちゃんはね♪」
善子「?」
千歌「よしこっていうんだホントはね♪」
千歌「だけど†堕天使†だから」
千歌「自分のこと†ヨハネ†って呼ぶんだよ♪」
善子「──ヘルモンの山の頂にて顕現せよ(決めポーズ)」
千歌「よっちゃん♪」
善子「何やらせんのよ」
千歌「ノリノリだったくせに〜」
善子「……で、突然なあに?」
千歌「あ、うん、よっちゃんの推しドリンクを教えてもらおうと思って」
善子「推しドリンク? ……ああ、最近いろんな子の家で飲み歩いてるっていう」
千歌「なんか心象悪くないそれ!?」
善子「推しドリンク……そうね、黒翼に滴る甘露、とでも言いましょうか──フフッ♡」
千歌「はい?」
善子「言い換えるなら、サマエルの愛擁──プレゲトーンの夜露──幽けき天泣に濡れる苦艾(くがい)」
千歌「私たちの言葉で言うと?」
善子「……ホットチョコレート」
千歌「おお……そっか、よっちゃんチョコ好きだもんね」
善子「……来るの?」
千歌「行きたい!!」
善子「はあ……ま、いいけど」 善子「はぁ、やっと着いた……なんで買い物ひとつであんなにはしゃげるのよ」
千歌「お邪魔しまぁす。えへへー、よっちゃんとふたりって初めてだから楽しくなっちゃった」
善子「なによそれ、もう……さっさと作るわよ。ほら手洗って」
千歌「はぁい」
善子「ええと、包丁……あった。私はチョコ刻んでるから、千歌ちゃんはこのお鍋火にかけて──あったまったらココアパウダー溶いてくれる?」
千歌「うんっ。……あれ、お水なの? 牛乳買ってたのに」
善子「ココアパウダーって牛乳に溶けないのよね」
千歌「え、そうなの?」
善子「フッ──天界でも人間界でも異分子である、このヨハネのようでしょう?」
千歌「ちょっとそれはよく分かんないや」
善子「なんでよ!」
千歌「だってよっちゃんは異分子じゃないもん」
善子「……!」
千歌「──おっ、あったまってきた。ねえこれどのくらい入れればいい?」
善子「……大さじ一杯」
千歌「りょうかーい!」
善子(……Aqours(水)に混ざれば溶け込める、なんて……ほんと、私みたい) 千歌「とけたー」
善子「……うん、大丈夫そうね。そしたら牛乳入れてあっためましょ」
千歌「んふふ……いい匂いだねえ」
善子「そうね……はぁ、やっと刻めた」
千歌「チョコ切るの結構体力いるよね」
善子「フードプロセッサーとか使ってもいいんだけど、洗うの面倒だし……ままならないものよねぇ」
千歌「チカはもうキッチンばさみでチョキチョキやっちゃうなあ。……あっ、今のはチョコとチョキチョキをかけた」
善子「説明しなくていいわよ……しかし、ふむ、キッチンばさみは盲点だったわね」
千歌「手も汚れづらいし、オススメだよ」
善子「先に言ってほしかったけどね……」
千歌「あ、ご、ごめん……」
善子「──っと、危ない、沸いちゃうとこだった。じゃあ、チョコと……マシュマロも入れちゃいましょうか。あとはハンドミキサーで溶かしながら泡立てれば完成ね」
千歌「チョコとマシュマロ……なんてギルティな組み合わせ……」
善子「フフ……ギルティな接吻(キス)の甘さに、溺れてみる──?」
千歌「ホットチョコレートで溺れてみたいなぁ……♡」
善子「身体も髪もべたべたよねそれ……」 善子「はい、完成。シナモンパウダーはお好みでどーぞ」
千歌「ふわぁ、いい匂い……ちょっとだけシナモン入れて……いただきまぁす」
善子「火傷気をつけなさいよ」
千歌「……ぁ」
千歌(これは、ダメだ──と、思う暇すらなかった。頭の真ん中で歓喜の噴水がじゅわっと湧いて、それは濁流の疾さで全身を駆け巡る)
千歌(幸せを溶かしたみたいな、舌の全部を慰撫する甘さ。愉悦の香りが痺れとなって鼻腔から脳天を穿ち、罪の苦味は眼前にカルワリオの丘を現出する)
千歌(光を拒んだ扉から、堕天使の囁きが聞こえる。堕ちろ、堕ちろ、堕ちろ──と、甘言が耳たぶを撫ぜる)
千歌(安らけき堕落へのいざない。猫舌同士を絡ませる口づけ。免れない火傷。……けれど、抗える訳などなかった。一体私はもうとっくに──磔にされてしまっていたのだから)
千歌「……り」
善子「り?」
千歌「り……りとるでーもんになっちゃうぅ……♡」
善子「どっから出てんのその声」 >>71
ここの自虐する善子とそれを否定する千歌のやりとり尊い ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています