果南「恐怖の毒鞠莉」
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その日はアクアのメンバーが九人でお泊り会を開いていた
果南「私の番か…怖い話ね。うん。あれにしよう」
果南「最初に聞いておくけど皆の中に身籠ってる人っていないよね?」
果南「いるわけないって?でも一応聞いておかないと」
果南「お爺からきつく言われたんだ。この話を妊婦さんに聞かせたら駄目だって」
果南「いや そんなにショッキングな内容じゃないんだよ?」
果南「そうじゃなくてさ 呪いみたいなものなんだって」
果南「もし妊娠してる人が聞いたら――おかしくなっちゃうんだって」
果南「これは本当にあった話なんだ」 果南「今から四半世紀ほど前のこと、とんでもない医者がいたんだ」
果南「陽気で立派な口ヒゲを生やしてて近所でも人気者で通ってた」
果南「でも医者としては失格だった。彼は治療をゲームとしか思ってなかったから」
果南「具体的に言うと投薬の仕方が物凄くでたらめだったんだ」
果南「信じられない量の薬をがばがば投入するんだって。それも症状を見てじゃなく山勘」
果南「赤い薬、青い薬、黄色い薬。どれかが効くまで決してやめない」 果南「普通のゲームだったらエンディングがあるじゃない」
果南「でも彼の投薬にはエンディングなんて無いんだ」
果南「ウイルスが勝つか、患者が薬に耐えきれなくなるか」
果南「最後はゲームオーバーしか無いんだ。ゲームオーバーになるのは彼じゃないけどね」
果南「そんなゲーム面白いかな?善子ならどう思う?」
果南「うん。クソゲーだよね。彼もそう思っていた。みんなもそう思ってたんだ」
果南「いつしか彼が医者であることは忘れられた。世間にも彼自身にも」
果南「今では平和に暮らしてるらしいよ。私の話はこれで終わり」 果南「え?全然怖くないって?そもそも意味が分からない?」
果南「私もそう思う」
果南「普通はヤブだった彼が今でも名医のふりしてるとかオチがあるよね」
果南「私もオチが無いって文句を言ったよ」
果南「だけどお爺は言ったんだ。これはお前も知ってる人間のことだって」
果南「知られたくない過去を知ってるというのはそれだけで危険という意味だったのかもね」
果南「一体誰の事なんだろうね…」 その夜果南はこの話を聞いていたあるメンバーに殺された
祖父の話は事実だったのだ
そして言いつけを守らなかったばかりに命を落としてしまったのだ
同じくして善子も今 犯人に追い詰められていた
果南が殺されるのはわかる
だけどどうして自分が殺されなければならないのだろう
最後まで分からないままだった…
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