海未「虫取りアタックです!!」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
ミーンミンミンミンミーーーーン…
http://www.kodomonokagaku.com/magazine/images/cicada_minmin.mp3
シウシウシウシウシウシウ…
http://www.kodomonokagaku.com/magazine/images/cicada_kumazemi.mp3
希「なぁ…」グデー
海未「どうしました?」
凛「にゃ?…」グデー
希「クマゼミの鳴き声ずっと聞いてたら、死ね死ね死ね死ねって言われてるようになるやんな…」グデー
海未「………」
凛「………」
希「あれ?」 海未「希、何かツラいことがあったのなら私たちだけにでも教えてください」
凛「凛たちが力になるよ!」
希「……いや別にそういう意味で言ったんじゃないん」
海未「…そうですか」
凛「つまんないにゃ」
希(つまんない…?) 海未「そういえば、温暖化によってクマゼミの生息域が少しずつ北上しているらしいですね」
希「へぇー…」グデー
凛「いっぱいいるならいいんじゃないかにゃ〜?…」グデー
海未「ダメに決まっています」
海未「そもそもクマゼミの北上は生じた結果のひとつであって、本来目を向けないといけないのは原因である温暖化のほうなんですよ?」
海未「それにクマゼミが北上することによって生態系が変わってしまうこともありますし連鎖的に他の生き物に影響を与えそれが回りまわって人間に…」クドクド
凛「にゃああああああああああああ!!!」ガバッ
希「どうしたん急に…」グデー
凛「…難しい話はイヤにゃ」ドサ
海未「………」 ミーンミンミーーーー…ミーンミンミンミンミーーーーン
シウシウシウシウシウシウシウ……
海未「セミ取りアタックです!!」スクッ
希「はぇ?」グデー
凛「にゃ?」グデー
海未「昔は穂乃果とことりの3人でしたこともありました」
海未「穂乃果がセミをけしかけてきた時はさすがに怒りましたが…」
海未「今の私はセミくらいでビビる女じゃありません!」
海未「今こそセミ取りアタックです!」 希「……」
凛「……」
海未「さぁ!」
希「…暑さでやられてしもたん」グデー
凛「こんなクソ暑いのに虫取りなんて小学生のガキしかやらないにゃ」グデー
希(今日の凛ちゃん毒舌やな) 海未「心頭滅却すれば火もまた涼しです!」
凛「…?」
希「心の持ち方次第では苦しいことも苦しいと思わなくなれる、って意味やで凛ちゃん」
凛「……」
凛「人は苦しみから逃れられないにゃ」
希「真理やね」
海未「暑さに立ち向かい、セミ取りアタックです! さぁ行きますよ!」ガシッ
希「」ズルズル
凛「にゃあああああ!!」ジタバタ
〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜
海未「着きました!」
希「ダイソーやん」
海未「アミとカゴを買います!」
凛「凛もジュース買ってこよ」
希「あ、ウチも」
ウィーン… 〜〜〜〜〜〜
ウィーン…
海未「アミは200円の良いやつを買ってしまいましたよ…!」ニコニコ
凛「」プシュ ゴクゴク
希「」ハーイプシュ ゴクゴク
凛「セミとってどうするにゃ」
海未「…いいですか凛。取ることが目的なのではありません。むやみやたらな動植物の採取も、それはそれで生態系へ影響を及ぼす可能性があるのです」
凛「…」ゴクゴク
海未「しかしセミは鳴いている」
海未「私たちを呼んでいるんです」
凛「動くものに反応するなんて猫みたいで滑稽にゃ」
希「…」
海未「では行きましょう、凛、希!」 海未「さっそくいました、ミンミンゼミです!ド定番です!」
凛「成虫の体長は33-36mmほど。幅が狭い頭部と太くて短い腹部をもち、太く短い卵型の体型をしている。
ただし翅が体に対して大きく、翅を含めるとアブラゼミとほぼ同じ大きさになる。
体色は胸部と腹部の境界付近が白いが、他は黒地の地に水色や緑色の斑紋があり、日本産のセミとしては比較的鮮やかな体色をしている。
黒斑部がほとんどなく青緑色主体の個体もおり、これらはミカドミンミンと呼ばれる。
また、このセミはアブラゼミやニイニイゼミなどとは異なり、ヒグラシやエゾハルゼミと同じく森林性である。
東京23区や横浜市、仙台市などでは例外的に街中でもミンミンゼミが数多く生息するが、その理由については後述するにゃ…」
希「ウィキペディア読んでるだけやね」
希「それにしてもいっぱい鳴いてるなぁ、何匹とるん?」
海未「当然全部です!全部取りつくします!」
凛「乱獲にゃ!さっきと言ってることが違うにゃ!地球侵略にゃ!」プンスコ
海未「生命の保護活動と呼びなさい!私は救世主になるのです!」バッサバッサ 海未「見なさい私の網さばきを!一気に10匹以上入りました!」
ミミミミミミミミミジジジジジジジ!バタバタ
希「うわ、グロテスク」
凛「想像の5倍キモいにゃ…」
海未「凛!カゴを!」
凛「凛は触りたくないにゃ、自分でやるのにゃ」ポイ
海未「む、仕方ありませんね。いざ!」ガシッ
のぞりん「うわぁ」ドンビキ
ジジジジイジシッ゙ジジジイジジシッ゙イジジ!!!
海未「見なさい成長した私を!素手でセミ乱舞です!」
凛「むしろ脳みそは退化してるにゃ」
希「言うたらあかんで」 海未「むむ、カゴがいっぱいになってしまいましたね」
海未「他の種類も取りつくさねば、種の保護にはなりません」
海未「カゴを買い足します!」
凛「それじゃお金がいくらあっても足りないにゃ」
海未「大丈夫です、金ヅルはいます!」
〜〜〜〜
真姫「ヴェッ!クシ」
〜〜〜〜
凛「暑さでイッちゃってるにゃ…」
希「もうだめかもわからんね」
海未「まだまだ獲りますよぉ〜!」 カー……カー………
凛「カラスの声しか聞こえなくなっちゃったにゃ」
希「夕方のセミも風流やのにねぇ」
海未「セミは真姫に用意させた施設に全部ぶち込みました!」
海未「種族の保護は果たされましたね!」
凛「でも海未ちゃん、大事なことを忘れてるにゃ」
海未「ん?なんです、凛?」 凛「海未ちゃんは種族の保護を謳っているけれど、セミ以外の動物もみんな必死でその命を燃やしているにゃ」
凛「人間がセミを食べずとも、例えば鳥さんたちはセミを食べて生き、そしてその子供たちを育て、種の永続を図っているのにゃ」
凛「海未ちゃんがセミを取りつくしてしまえば、鳥さんたちは食糧難に喘ぎ苦しむのにゃ」
凛「もちろんセミ以外にも食べるものはあるかもしれないけれど、食べるものが減るということはそれだけ自然界に同じ獲物を狙うライバルが増えてしまうにゃ」
凛「そうなれば弱い生き物たちから淘汰され、鳥さんたちや、やがて凛たちも食べるものを失っていくにゃ」
凛「紡がれてきた歴史を、海未ちゃんは今日という一日だけで終わらせてしまったのにゃ」
海未「凛…」 希「海未ちゃん、凛ちゃんの言う通りやで」
希「海未ちゃんもセミ取りする前に言うてたやん、生態系が崩れれば、人間に影響があるかもしれへんって」
希「確かに人間は愚かで、産業革命以降の地球汚染や資源破壊はおぞましいものがあったかもしれん」
希「人間が生きていることで地球が傷つけられて、その先にはどんな未来が訪れるかっていうと多分破滅もあり得ると思う」
希「それでもね、ウチらが生きている今を楽しいと思えるように、将来を生きている人達がその時を楽しいと思えるような未来を作れるようにするのが、ウチらの義務やとも思うんよ」
海未「希…」 海未「私はなんという間違いを犯してしまったのでしょう…」
海未「そうでした、セミたちも命を震わせてその叫びを伝えていたんでした」
海未「それを私は種の保護と偽善を振りかざして、叫ぶ声をカゴの中に閉じ込めて…」
凛「海未ちゃん、わかってくれたならもういいにゃ」
希「そうやね、人は過ちを犯す生き物やけど、それを繰り返して正義を確認してきたのならそれも間違いではないのかもしれんね」
凛「今日は疲れたにゃ、ラーメン食って帰るにゃ!」
海未「もちろん今日は私におごらせてください!」
希「じゃあウチは大盛りにしよっ♪」
凛「あーずるいにゃ!じゃあ凛はメンマ大盛りチャーハン付きにゃ!」
海未「うふふ、大丈夫ですよ。ラーメンは逃げませんから」
アハハ……… 海未「資源をやりくりするのは大切…身に染みてわかりました…」
海未「…明日はメタンハイドレートアタックです!」
凛「国際問題になるからやめるにゃ!」
希「こりゃアカンね」
End ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています