千歌「暇だねー」
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千歌「暇だねー」
梨子「そうだね……」カリカリ
千歌「何やってるの?」
梨子「絵描いてるんだ」
千歌「何の絵?」
梨子「……まあ、色々ね」
千歌「これ梨子ちゃんが描いた絵?」ガサゴソ
梨子「うん」 千歌「これは……踊ってる女の子?」
梨子「ああ、それは千歌ちゃんだよ」
千歌「えー、これがチカ?」
梨子「練習風景を描こうと思って」
千歌「ふーん……でも、ちょっと美化してない?私こんな大人っぽいかな?」
梨子「うん」
千歌「ホントー?」
梨子「ほ、本当だよ」
千歌「そっかあ……」 千歌「こっちの絵は……みかんだ」
梨子「わかる?」
千歌「上手だねー梨子ちゃん」
梨子「そう?ありがとう」
梨子「でもね……実はちょっと失敗しちゃったの」
千歌「失敗?どこが?」
梨子「ここの線……ちょっと歪んじゃってて」
千歌「ホントだー、でも全然上手いよ」
梨子「でも気になっちゃうんだよね……」
梨子「ちょっと直そうとしたら余計変になっちゃって、結局描くの途中でやめちゃったんだ」
千歌「だから背景も真っ白なんだね」
梨子「うん、そういうこと」 千歌「この紙の中の世界にはみかんしかないんだ」
梨子「え?」
千歌「タイトルは『みかん以外、何も存在しない世界』だね」
梨子「ふふっ、なないそれ……なにそれ」
千歌「梨子ちゃん、今変な噛み方しなかった?」
梨子「う、うん」
千歌「もしかしたらさ……」 千歌「私たちも誰かの作品なのかもしれないね」
梨子「……」
千歌「誰かが台本作って、喋らせて……今のところは台本に誤字があったのかも」
梨子「そ、そんなことはないんじゃないかな……」
千歌「えー、でもありえるくない?」
梨子「……」 千歌「だってさ、この世界も私たち以外存在してないじゃん」 梨子「へ、変な冗談はやめてよー……」
千歌「てへっ」
梨子「もう」
千歌「……それにしても暇だねー」
梨子「さて……早く続きを描かなきゃ」カリカリ
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