試しに、左側の足跡を追ってみると……その先もまた丁字路だったのですが。

そこでも足跡は二つに分かれていました。さっきと同じ様相で。

その先も、またその先も。道の数だけ、足跡が分かれて増えていく。

最初の丁字路に戻って、右の足跡に切り替えても……こちらも結果は同じ。

次の三叉路も、その先に広がる十字路にも。逆にある分かれ道にも。

……もはや子供の仕業では説明できない。範疇を超えている。

早朝、雪が積もってから時間はそう経っていないというのに。

たったそれだけの時間で、これだけの足跡をズレなく用意するなど出来るはずがないのです。