絵理「極寒の中、にことふたり」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
絵理「ねえ、にこ」
にこ「んー」
絵理「寒いわね」
にこ「そうね」
絵理「雪、降ってるものね」
にこ「そうね」
絵理「…」 絵理「ねえ、にこ」
にこ「んー」
絵理「怒ってる?」
にこ「別に」
絵理「ごめんね。付き合わせちゃって」
にこ「…別に、いいわよ」
絵理「…」 絵理「ねえ、にこ」
にこ「んー」
絵理「にこは、心残りなことってある?」
にこ「…なによ突然、縁起でもない」
絵理「ごめん…じゃあやり残したことってある?」
にこ「…さっきと何か変わったの?それ」 絵理「全然違うわ」
にこ「どこがよ」
絵理「だって心残りって出来なかったことを後悔して引きずってることでしょう?」
にこ「まあね」
絵理「やり残したこと、だったら未完なだけでこれからがあるもの」
にこ「……屁理屈か」
絵理「ちゃんとした理屈よ?」
にこ「…」
絵理「…」 にこ「…まだ」
絵理「?」
にこ「にこはまだ宇宙No.1アイドルになってないわ」
絵理「ふふっ、さすがにこね」
にこ「…前から思ってたんだけど」
絵理「うん?」
にこ「その「さすがにこね」ってなんなの?」
絵理「え?こんな時にまでアイドルの事を考えてるなんてさすがにこだなって思ったのだけど…」
にこ「そうじゃなくて」
絵理「え?え?」 にこ「もうこの際だから言うけど、にこと絵理ってそういう間柄じゃなくない?」
絵理「そんな…酷い。私たちはμ'sという固い絆で結ばれた仲間じゃなかったの?」
にこ「いやいやいや、そうじゃなくて。個人的に」
絵理「個人的に?」
にこ「そう個人的に、そんな付き合いなかったわよね?ってこと」
絵理「……」
にこ「ね?」
絵理「……そうだけど…」
にこ「…泣きそうにならないでよ。こんなことで」
絵理「だって…」 にこ「…違うから。にこが絵理を嫌いとかそういう話じゃないから」
絵理「あ、そうなの?」
にこ「…機嫌直してくれたみたいで良かったわ」
絵理「もう…」
絵理「…じゃあ、どういう意味なの?」
にこ「それこそμ'sに入るまでロクに付き合いもなかったハズの絵理がなんでにこをそんなに持ち上げるの?って話よ」
にこ「おかしくない?って話よ」
絵理「おかしくないわよ」
にこ「だからそれがなんでかって言ってんの」
絵理「だって私、にこの事ずっと前から尊敬してるもの」
にこ「へ?」 絵理「――私ね、心残りが…ううん、やり残したことがあるのよ」
にこ「…いきなりなに?どうしたの?」
絵理「さっきにこが言ったように、私とにこってそんなに良い関係じゃあ無かったじゃない?」
にこ「っていうか関係そのものがほぼ無かったわね」
絵理「…」
にこ「…ごめん、言い過ぎたわ。だから泣かないで」
絵理「な、泣かないわよ。それに…いいの、事実だもの」
絵理「でもね、私はそれをずっと後悔してて…それでもなんにも出来ないままここまで来た。だから…」
絵理「だから今回、思いきってにこを誘ってみたの」
にこ「……」 にこ「…で、今に至るってわけね…」
絵理「ぅ…ごめんなさい…」
にこ「いいわよ、別に。後悔してるわけでも責めてるわけでもないから」
絵理「…」
にこ「…」
にこ「でも…ま、少しくらいは良かったんじゃない?」
絵理「え?」
にこ「考えてみれば、今までこうやって絵理とゆっくり話したことなんてなかったものね」
にこ「…やり残したこと、ひとつ解消出来て良かったじゃない」
絵理「にこ…」 絵理「――本当なら、ここに希も居たのにね…」
にこ「…やめなさい。いなくなった人の事を言うのは」
絵理「だって…」
にこ「無理よ。あの状態じゃ…わかるでしょ?」
絵理「そうだけど…」
にこ「希だって最後は納得してた。絵理だって最善だと思ってのことでしょう?」
絵理「…」
にこ「…大丈夫よ。希は独りぼっちじゃないもの。向こうにはみんながいるから」
絵理「…そう、ね。そうよね…」 にこ「あーはいはい、もうおしまーい」
にこ「こーんな話ばっかしてたら眠たくなっちゃうわよ」
絵理「あ!」
絵理「ねえねえ、にこ」
にこ「なに?」
絵理「にこが寝そうになったらアレ言って良い?」
にこ「アレ?」
絵理「「寝たら死ぬぞー」ってやつ」
にこ「…」
絵理「そ、そんな顔しなくても…」
にこ「はあ…」
絵理「ご、ごめんってば…」 にこ「まったく…余裕があるんだかないんだか…」
絵理「…だってやってみたかったんだもん」
にこ「なにをよ」
絵理「…そういう、ちょっとベタなやつ…」
にこ「はあ?」
絵理「い、いいじゃない、なんか漫画っぽくて」
にこ「……」
絵理「え?よくない?」
にこ「…いや、そういえばアンタそーいうの好きよね、って思って」
絵理「そ、そうかしら?」
にこ「「負けたらジュース奢りー」とか」
絵理「う…」 絵理「ひょっとして、にこはそういうの好きじゃあなかったりする?」
にこ「…別に」
絵理「別に…どっち?」
にこ「……嫌いじゃ、ないわよ」
絵理「にこ…!」
にこ「ええい、うるさい」
絵理「えー?なんにも言ってないわよー?」
にこ「顔がうるさいのっ!」
絵理「ええー…」 にこ「はあ…」
絵理「どうしたの?」
にこ「いや、なんでもないわ」
絵理「気になるじゃない。言って」
にこ「…なんていうか」
絵理「うんうん」
にこ「めんどくさい」
絵理「…え?」 絵理「え?え?面倒くさいって?私のこと?」
にこ「…まあ」
絵理「なんでよ?ねえ、にこったら」
にこ「……」
絵理「ねえ、にこ。どうして?どうしてそんなこと言うの?ねえ。ねえったら」
にこ「だぁぁ!うっさい!そういうとこよ!」
絵理「!?」
にこ「なんで今日はそんなにグイグイくんのよ!」
にこ「いつものあらあら系お姉さんなアンタはどこ行ったのよ!」
絵理「そ、そんなこと言われても…」 にこ「…ねえ、絵理」
絵理「なに?」
にこ「今のこの状況に責任感じてるんならお門違いも甚だしいわよ」
絵理「っ…!」
にこ「にこは絵理に言われるがままにここにいるわけじゃないから。ちゃんと自分で考えて、自分の判断でここに来たの」
絵理「…」
にこ「だから、後悔も無いし、絵理を責めるつもりもない。…さっきも言ったでしょ?」
絵理「…ええ」
にこ「ま、どう足掻こうがもう一蓮托生なんだし?とりあえずこうやって話しながら朝を待ちましょ」
絵理「…さすがにこね」
にこ「…いみわかんない」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています