鞠莉「ずっとこの手を握って」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
鞠莉「……」
果南「…綺麗だね」
鞠莉「そうね…」
果南と2人で暖かく燃える火を見つめていた
このまま2人きりでどこかへ行ってしまいたい気分
鞠莉「……」
鞠莉「……あ…っ!!」
果南「鞠莉?」 鞠莉「な、なんでもないわ…平気…」
鞠莉(まただ…最近この感じによく陥る)
無意識のうちにずっと「ここ」に居たいって思ってしまう
鞠莉「…っ」
果南「……」
鞠莉「…ねぇ…果南…あのさ」
果南「なに?」
鞠莉「私達って…あの後…ほら…車で星を観に行ったじゃない?」
果南「うん…」
鞠莉「それで…さ…どうやって帰ってきたか…覚えているかしら…?」チラッ
鞠莉「…っ!!」ビク!!
果南「………」
鞠莉「あ……か、果南?」
果南「うーん…ごめん、忘れちゃった」ニコッ
鞠莉「そ…そう?」 鞠莉(気のせいよね?…今一瞬…)
果南「…ねぇ鞠莉」スッ…
鞠莉「…!!」
果南「私と一緒に踊ってくれませんか?」
そう言って果南は私の前に傅いて笑顔で私を見つめた
鞠莉「もう…どうしたの?急に」
私も自然に果南の手を握った
果南「ん?いい雰囲気でしょ?」ニコッ
鞠莉「ふふっそれ、言ったら台無しよ?」
ずっとこの手を握っていたい
離したくない
その気持ちはどんどん強くなった
私はここにいたい
鞠莉「…ねぇ果南」
果南「なに?鞠莉」
鞠莉「私…ずっとここにいるね」
果南「……」
鞠莉「私だけなんて…嫌だよ」
果南「…思い出したんだ」
鞠莉「…うん」 ギュッ…
さっきより強く握った
絶対に離したくなかったから
果南「…火…消えちゃうね」
鞠莉「…そうね」
果南「……よっ…と!」ヒョイッ
鞠莉「きゃっ!…か、果南!?」
突然果南に持ち上げられて学校の門の前まで連れていかれた
なんとなくこの意味がわかった私は必死にいつも通り振る舞った
鞠莉「な、なに?今度はお姫様抱っこだなんて、果南は私の王子様にでもなるつもり?」
果南「鞠莉」
それでも声が震えていたから果南に抱きついた
鞠莉「ほ、ほら…もっとしっかり抱いててくれないとどこかへ行っちゃうわよ?」
果南「鞠莉、聞いて」
嫌だ
鞠莉「…っ」
嫌だよ、聞きたくない
果南「…鞠莉、今度会えたらさ今度は私の運転でドライブに行こうね」
鞠莉「ま…って…!待ってよ…!待って!!果南っ!!!」
学校の外に出された途端、果南の声は聞こえなくなった
どんどん意識が重くなってきた
目の前が暗く、落ちていくような嫌な感覚だ __
_____
鞠莉「………」
目を覚まして一番最初に見たのは知らない天井と点滴のアレだった
お医者様が言うには奇跡が起こったらしい
鞠莉「……なにが奇跡よ」
鞠莉「こんなの…こんな奇跡なんて…」
「いらないっていうの?」
鞠莉「っ!!?」
果南「おはよ、鞠莉」
鞠莉「か…果南!?」
果南「うん、みんなも無事に意識を取り戻したよ」
鞠莉「そ、そうだ…私達…山道で…事故に…」
果南「それとさ…一回離してもらえるかな」
鞠莉「え?」
果南「手、ずーっと握ってるから」
鞠莉「……あ」
果南「ねぇ、どんな夢見てたの?」
鞠莉「えっ!?…あ…えっと…」
果南「ん?」
鞠莉「…っ///」
鞠莉「か、果南が私にセクハラする夢よっ!!///」バシッッッーンッッ!!
果南「ぐふっ!!?」
おわりよ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています