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善子「漆黒の魔獣」
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0001名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:09:26.56ID:+hLJjyDw
ザアアアアアアアアアア…

タッタッタッタッタ…

善子「もう!なんでいつもこうなるのよ!ほんとツイてないわね!」タッタッタッ

ブロロロロロロ…

バシャーン!

善子「ふぎゃっ!」

ブロロロロロロ…

善子「…」ポタポタ

善子「ええい!元から濡れてるんだから泥水浴びたところで一緒よ!」ダッ

タッタッタッタッタッ…
0002名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:10:51.07ID:+hLJjyDw

――
―――
―――――
――――――

〜数十分前〜

ツギハーウシブセイリグチー…

ブロロロロロロ…プシュー

善子「…」

善子(今日は曜さんがいないから、帰り道が静かね…)

善子(Aqoursのレッスンの後に水泳部の練習って…全く、どんな体力してるのかしら?)

善子(いくら大会が近いからとはいえ、無理して体壊さないといいけど…)

ハッシャシマース、ゴチュウイクダサーイ

ブロロロロロロ…キィー!

善子「わっ!」ガタンッ

善子「な、なにっ!?」

アナウンス「只今車両に異常が発生しました、しばらくそのままでお待ちください」

善子「えっ!?」
0003名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:11:30.07ID:+hLJjyDw
アナウンス「確認しましたところ、当バスにてエンジントラブルが確認されました」

アナウンス「走行不可能なため、大変申し訳ありませんが停留所にて次のバスをお待ちください」

善子(う、嘘でしょ…?次のバスってことは…)ゴクリ

善子「…」スマホチラッ

善子「やっぱり一時間後じゃなーい!!!」ガーン!

善子「うぅ…この距離だったら歩いて帰ったほうがギリギリ早いわね…はぁ…」

(5分後)

善子「やっぱりバスを待った方がよかったかしら…全然進んでる気がしないわ…」トボトボ

善子「大体何よエンジントラブルって!?ちゃんとメンテナンスしなさいよね!」プンスコ

…ポツッ

善子「ん?」

ポツッ、ポツッポツッ…パラパラパラ…

善子「雨!?今日は一日中晴れだって言ってたじゃない!?」

ザアアアアアアアアアア

善子「あー!もうっ!!!」ダッ
0004名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:12:01.41ID:+hLJjyDw
―――――
――――
―――
――


タッタッタッタッタッ…

善子「ハッ…ハッ…」バシャバシャ

善子(皮肉にもこっちの方が早く帰れることになりそうね…)

善子「ハッ…ハッ……わっ!」バシャーン

善子「いてて…こ、転ぶのなんて慣れっこよ!」スクッ

ミィー…

善子「…ん?」

善子(今、確かに猫の鳴き声が聞こえたような…)

ミィー…ミィー…

善子「やっぱり気のせいじゃない!」キョロキョロ
0005名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:12:21.66ID:+hLJjyDw
善子「…!あのダンボール箱かしら!」タッタッタッ

子猫「ミィー…ミィー…」

善子「やっぱり…なになに、『心の優しい方、拾ってあげてください』…?」

善子「なんか腹立つわねこの文章、勝手に捨てておいてよくもまあ…」

子猫「ミィー…」

善子「…あなたもツイてないのね、でもね、生きていればそのうちきっといいことあるわよ」

善子(…生きてればね)

子猫「ミィー…」

善子「…じゃあねっ」ダッ

タッタッタッタッタッ…

善子「ハッ…ハッ…」バシャバシャ

善子「…」ピタッ

タッタッタッタッタッ…
0006名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:12:54.09ID:+hLJjyDw
〜津島家〜

ガチャッ

善子「ただいま…」

善子ママ「おかえりなさい善子。はい、タオル…あら?」

モゾモゾ…

善子「あのね、ママ…」
0007名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:13:16.38ID:+hLJjyDw
善子ママ「なるほどねぇ、それで連れてきちゃったと…」

善子ママ「でもね善子、うちは…」

善子「分かってる!うちではペットは飼えないって!でも…」

善子ママ「…でも?」

善子「うぅ…」ウルウル

善子ママ「…まあ、拾ってきちゃったもんはしょうがないわね、少しの間うちで面倒見ましょ」

善子「ママ!」パァ

善子ママ「きっとお腹も空いてるでしょうし、とりあえずママがミルクを温めてくるわ」

善子ママ「善子はその子をよく拭いたら毛布を持ってきてちょうだい」

善子「うん!わかった!」
0008名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:15:49.81ID:+hLJjyDw
善子ママ「一応少しは飲んでくれたけど、あんまり食欲がないわね…」

善子ママ「今日はもう病院が閉まっちゃったから、明日ママが連れて行くわ」

善子「だ、大丈夫なの…?」

善子ママ「ええ、きっと大丈夫だから信じましょう」

善子ママ「だから、今日はこの子のそばに居てあげなさい」

善子「うん…」
0009名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:16:14.14ID:+hLJjyDw
〜その日の夜〜

善子「…」

善子(うぅ…眠れない…)

善子「…」チラッ

子猫「…」ブルブル

善子「…」スクッ

スタスタ ヒョイッ

善子(さっきからずっと震えが止まってない…)

ギュッ

善子「だめよ、勝手に死んだりしちゃ、そんなこと絶対ヨハネが許さないんだからね…」

善子「お願いだから…」ヒシッ

子猫「…ミィ」ブルブル
0010名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:17:07.13ID:+hLJjyDw
〜翌朝〜

チュンチュン

善子(ん…朝?)

善子(そういえば昨日、あの子を抱いたまま寝ちゃって…)

ペロッ

善子「ひゃうっ!?」

善子(な、なに!?今のザラッとした感触は…!?)

善子「…あっ!」

子猫「ミィー」ペロペロ

善子「震えも止まって、昨日より元気になってる…ママー!」ダッ
0011名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:17:39.80ID:+hLJjyDw
善子ママ「うん、ミルクもちゃんと飲んでるし、大分調子良さそうね」

善子ママ「一応病院には連れて行くけど、これならきっと大丈夫よ」

善子「はぁ…よかったぁ…」

善子ママ「さてと、それじゃあ早速支度しなくちゃ…善子、学校行かなくていいの?」

善子「えっ!?…あー!もうこんな時間!バスに乗り遅れちゃう!」ドタバタ

善子ママ「ちょっと!そんなに慌てたら…」

善子「ふぎゃっ!」ズテーン

善子ママ「いわんこっちゃない」

子猫「ミィー」

善子「なんでこうなるのよ…」ヒリヒリ
0012名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:18:12.00ID:+hLJjyDw
〜放課後〜

善子(よし、とっとと帰るわよっ!)ササッ

ルビィ「あ、善子ちゃーん」

善子「だからヨハネだってば!」ピタッ

花丸「もはや条件反射で言うようになってるずら」

善子「オホンッ!…この私に何か用かしら、リトルデーモン?」

ルビィ「今日はAqoursの練習もお休みだし、松月に寄っていこうと思って」

花丸「善子ちゃんもお菓子食べに行こうよ」

善子「…今日のヨハネはとっても忙しいの、だから先に帰らせてもらうわっ!」ピュー

ルビィ「あ、行っちゃった」

花丸「いつもなら『リア充イベント!』とか言って喜んで着いていきそうなのに…それじゃあ二人で行こっか、ルビイちゃん」

ルビィ「うん!」
0013名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:19:01.19ID:+hLJjyDw
善子「ただいま!」ガチャッ

善子ママ「おかえりなさい」

善子「どうだった?」

善子ママ「ママの見立て通り、特に問題なかったわ」

善子「そっか…フフッ」ツンツン

子猫「ミィー」

善子ママ「それより善子、大事なこと忘れてない?」

善子「えっ?」

善子ママ「この子をこれからどうするかってことよ」

善子「あっ…」

善子ママ「少し面倒みるとは言ったけど、せいぜい一週間が限界ね…今日も病院連れて行くときにご近所さんと鉢合わないかヒヤヒヤしたわ」

善子ママ「もしバレたりしたら、色々と面倒なことになるでしょうね…」

善子「うぅ…」

善子ママ「うーん、善子のお友達に飼ってくれそうな子とかいないかしら?」

善子「友達…」

子猫「ミィー」
0014名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:19:44.34ID:+hLJjyDw
キーンコーンカーンコーン

花丸「う〜ん、やっと授業終わったずら〜」

ルビィ「練習行こっか、花丸ちゃん」

花丸「うん」

善子「待ちなさい!はなまルビィ!」

ルビィ「あ、善子ちゃんも早く行こうよ」

花丸「そうだよ、というかその呼び方やめて欲しいずら」

ルビィ「でもルビィは花丸ちゃんと一緒なら、ちょっと嬉しいかも♪」

花丸「むむむ、確かにそう言われるとおらも悪い気はしないずら」

善子「ってぇ!人の話を聞きなさいよ!」

花丸「はいはい、堕天使さまが何の用ずら?」

ルビィ「あはは…」

善子「うっ…なんだかどんどん扱いが適当になってくるわね…ちょっと二人に頼みたいことがあるのよ…」

はなまルビィ「「頼みたいこと?」」
0015名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:20:24.58ID:+hLJjyDw
善子「…というわけで、とりあえず今はうちで面倒見てる状態なの」

ルビィ(善子ちゃん、やっぱり優しいなぁ)

花丸(堕天使とか悪魔とは程遠い行動ずら)

善子「それでね、二人に頼みってのは、その…」

ルビィ「その子を飼えないか、ってこと?」

善子「なんでわかったの!?もしかして、能力者(サイキック)…!?」

花丸「いやいや、そこまで話せば流石に誰でも分かるし、なんかいつもと微妙にジャンルが違うずら」

善子「そ、それもそうね…そういうわけで、どうかしら…?うちではペットを飼うことが出来ないの」

ルビィ「うーん、うちはどうかなぁ」

花丸「おらも家の人に聞いてみないと、なんともいえないかな」
0016名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:21:02.86ID:+hLJjyDw
善子「うぐ…一応飼える環境とはいっても、そう簡単にはいかないわよね…」

ルビィ「誰も猫アレルギーは持ってないし、多分大丈夫だと思うけど…」

花丸「うちもまだおらが生まれる前に猫を飼ってたらしいから、その辺りは同じく大丈夫だよ」

善子「そう、それなら良かったわ…」

花丸「とにかく、今日は帰ってから聞いてみるね」

ルビィ「ルビィもお家に帰ったらお願いしてみるよ」

善子「ありがとう…」

ルビィ「うゅ…まずはおねえちゃんに相談してみないと」

善子「おねえちゃん…?ダイヤ…!?」ピクッ
0017名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:21:50.12ID:+hLJjyDw
善子「ルビィ!ストップ!やっぱりあなたの家で飼うことは出来ないわ!」

ルビィ「ええっ!?なんでぇ!?」

善子「ダイヤのことを完全に忘れてた…あのダイヤが絶対に認めてくれるはずがないわ」

善子「きっと『猫ぉ?そんなものに現を抜かして練習がおろそかになったらどうするんですのぉ?大体善子さん、あなたは普段の素行もただでさえ悪く…クドクド』なんて説教が始まるに決まってるわ!」

ルビィ「えぇ…そんなことないと思うけど…」

花丸(善子ちゃん、バカ枠としてしょっちゅう怒られるから、ダイヤさんに対して反射的に身構えるようになってるずら)

善子「この間もちょっと廊下で儀式してただけなのに、生徒会室に呼び出されたのよ!」プンプン

花丸「いやいや、廊下で何してるの善子ちゃん」
0018名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:22:27.72ID:+hLJjyDw
善子「とにかく、ダイヤにあの子の存在を知られたらまずいわ!だから黒澤家はナシ!」

ルビィ「う〜ん…じゃあ」チラッ

花丸「えっ、おら?」

善子「花丸!もうあなたしか居ないわ!」クワッ

花丸「そ、そんな風に迫られても〜…」タジタジ

善子「やっぱりお寺といったら猫よ!昔からそういうイメージあるじゃない!」

花丸「どっちかっていうと、それは神社なような…」

善子「私が毎日あなたの家に行って、あの子の面倒をみるから迷惑は掛けないわ!だからなんとかして!お願い!」

花丸「えぇ〜逆に迷惑だよぉ〜…」
0019名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:22:58.23ID:+hLJjyDw
〜翌日〜

花丸「ふぅ…」ガララッ

善子「花丸っ!」

花丸「うわっ!びっくりした!」ビクッ

ルビィ「あ、善子ちゃんおはよう」

善子「ヨハネよっ!…それで、どうだった?」

花丸「ああ、うん、別に飼ってもいいよって言われたよ」

善子「ほんと!?」パアア

ルビィ「良かったね、善子ちゃん!」

花丸「その代わり、ちゃんと自分で面倒見るように釘刺されちゃったずら」

善子「ええ、このヨハネが責任を持つわ!それじゃあ今日の放課後に連れていくわね!」

善子「はっ!いけない、あんまり騒いでこのことがダイヤにバレたりでもしたら…」キョロキョロ

花丸「何もそこまで用心しなくてもいいずら」

ルビィ(流石におねえちゃんがかわいそうになってきたなぁ…)
0020名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:23:59.42ID:+hLJjyDw
〜国木田家〜

善子「すいませーん」ドンドン

善子(まさか家にインターホンがないとは…ちょっと信じられないわ)

ガララッ
花丸「あ、善子ちゃんいらっしゃい、どうぞ上がって」

善子「あら、ルビィはもう来てたのね」

ルビィ「うん、ルビィは花丸ちゃんとご近所さんだから」

善子「そういえばそうだったわね、おじゃましまーす」
0021名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:24:37.19ID:+hLJjyDw
善子「さ、ここがあなたの新しい家よ、出てらっしゃい」パカッ

子猫「ミィー」

ルビィ「うわ〜かわいい〜♥」

花丸「小さくてふわふわしてて…とっても美味しそうずら〜」

善子「コラー!あんたなんてこと言うのよー!」

花丸「えへへ、冗談だよ冗談〜」

善子「全く…あんたが食い気の話をすると全部本気に聞こえるのよ…あー心臓に悪い」

花丸(やっぱり善子ちゃんがたじろぐ姿が一番おいしいなぁ)

ルビィ(善子ちゃん、完全に遊ばれてる…)
0022名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:25:08.58ID:+hLJjyDw
ルビィ「それにしても、本当にまだ小さいね」

善子「ええ、多分まだ生まれてから2週間くらいしか経ってないと思うわ」

子猫「…」ピョンッ

ルビィ「わっ、飛び出た!」

子猫「…」キョロキョロ

子猫「…」テクテク

花丸「凄いね、初めて来た場所なのにこの子全然物怖じしないずら」

善子「…不幸を乗り越えるためにはね、いかなるときもどんと構えてなきゃいけないものなのよ」

花丸「うわ、善子ちゃんが初めて説得力ありそうなこと言ったずら」

善子「ちょっとー!初めてってどういうことよー!」プンスカ

ルビィ「まあまあ二人とも…そういえば善子ちゃん、この子の名前はもう決めたの?」
0023名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:25:53.99ID:+hLJjyDw
善子「ええ、勿論既に決めてあるわ」

善子「その名も…」

はなまルビィ「「その名も…?」」

善子「スフィンクスよっ!」ババーン

花丸「えぇ…なんでその名前にしたの…?」

善子「だって、神話に出てくるし、響きがかっこいいじゃない!」

花丸(神話って言ってもエジプト神話だし、善子ちゃんの設定がよくわかんないずら)

ルビィ「あはは、善子ちゃんらしいかも」

善子「ふふん」ドヤッ

花丸「別に誰も褒めてないずら」

スフィンクス「ミィー」
0024名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:26:18.97ID:+hLJjyDw
善子「フードもよし、トイレもよし…それじゃ花丸、明日からよろしくね」

花丸「うん、ごはんは朝と夕方にあげればいいんだよね」

善子「何言ってるの?明日から毎日来るからって意味でのよろしくよ?」

花丸「ええっ!?あれって本気で言ってたの!?」

善子「あったりまえじゃない!堕天使に二言はないわ!」ババーン

花丸「まあ、別にいいけど…」

花丸(朝っぱらから騒がしくなりそうずら)

ルビィ「いいなぁ、楽しそう」

善子「あら、勿論ルビィも来ていいのよ?」

ルビィ「本当!?」

花丸「それは善子ちゃんじゃなくてマルのセリフずら」ジトー

善子「細かいことを気にしたら負けよっ!」

スフィンクス「zzz…」スピー
0025名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:27:42.53ID:+hLJjyDw
・・・



善子「すいませーん」ドンドン

ガララッ
花丸「もう、別にノックしないで入ってきていいのに」

善子「うう…そうは言っても他所様の家でそれはなかなか慣れないわよ…」

花丸「どうせ鍵もかけてないんだし、気にしなくていいずら」

善子(それもどうなのかしら…)

ルビィ「あ、善子ちゃんおはよう!」

善子「ヨハネよ…さあ、我がリトルデーモン・スフィンクス!待ちかねたでしょう!このヨハネ様から直々に給餌の時間よっ!」ガララッ

花丸「もうさっきあげちゃったずら」

スフィンクス「ハグハグ」
0026名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:28:09.57ID:+hLJjyDw
善子「ちょっ…なんでよっ!」

花丸「善子ちゃんがいつもより遅いのがいけないずら」

ルビィ「スフィンクスちゃん、お腹すいてそうだったもんね」

善子「うぐっ…そ、それは…」

花丸ママ「あら、善子ちゃん来てたのね」

善子「あ、おはようございます」ペコリ

花丸(あ、流石にお母さん相手には訂正しないんだ)

花丸ママ「今日もごはん用意していったから、みんな食べちゃいなさい」

善子「ええと、なんかいつもすみません…」

花丸ママ「いいのよ別に、どうせ作る量は大して変わらないんだから」
0027名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:28:35.83ID:+hLJjyDw
全員「「「いただきまーす!」」」

善子「…それにしてもあんた、よく朝っぱらからそんなに食べれるわね…」

花丸「え?そんなこと無いと思うけど」モグモグ

善子「いやいや、片手に収まってないじゃないそのお茶碗」

花丸「これくらい食べないとお昼まで活動できないずら」ゴクン

善子「とても女子高生とは思えないわ…」

ルビィ(花丸ちゃん、相変わらず喋りながらなのに器用に食べるなぁ)モグモグ
0028名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:29:28.00ID:+hLJjyDw
全員「「「ごちそうさまでしたー!」」」

花丸「おなかいっぱいずら〜」

善子「そりゃあれだけ食べればね…」

ルビィ「そういえば善子ちゃん、どうして今日はいつもより遅かったの?」

善子「ああ、それはね…今朝これを探してたの」ヒョイ

ルビィ「ええと、猫じゃらし?」

善子「そうよ!悪魔といったら儀式、猫といったら猫じゃらしよ!」

善子「うちの周りになかったから、わざわざ近くの河川敷まで行ったのよ」

善子「すぐ見つかるものだと思ってたけど、なかなか出てこなくて困ったわ」

ルビィ「そっか、それで今日は遅れちゃったんだ」

花丸「別に猫じゃらしなんてうちの庭に腐るほど生えてたのに」

善子「うぐ…人の苦労を打ち砕く発言をよくもそんな安々と…」
0029名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:30:07.65ID:+hLJjyDw
善子「まあいいわ…気を取り直して…!」サッ

スフィンクス「zzz…」

善子「…」フリフリ

スフィンクス「…!」ピクッ

スフィンクス「…」スクッ

花丸「おお」

ルビィ「おめめがまん丸だぁ」

善子「さあ、我がリトルデーモンスフィンクスよ!その本能を解放させなさいっ!」フリフリ

スフィンクス「…」ジリジリ

スフィンクス「…!!!」ピョーン

ルビ丸「「跳んだ!!」」
0030名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:36:09.57ID:+hLJjyDw
善子「そうよ!それこそがあなたの真のすがt」

スフィンクス「♪」ガシィ

ルビ丸「「あ」」

善子(え…なんで手に)

スフィンクス「♪」ケリケリケリケリ

善子「いだだだだ!!!ちょっ…こらっ!やめなさい!」

ルビィ「おー」

花丸「主人の手で遊んでるずら」

善子「もー!なんでこうなるのよー!!!」

スフィンクス「♪」ガジガジ
0031名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:37:09.80ID:+hLJjyDw
善子「ゼエ、ゼエ…やっと離れたわ…」

花丸「遊ぶどころか完全に遊ばれてたずら」

ルビィ「そーれ、それそれ♪」フリフリ

スフィンクス「!」パシッ パシッ

善子「な、なんでルビィだと普通に遊んでいるのよ…」

花丸「さっきまるも試してみたけど、遊ばれてるのは善子ちゃんだけだったよ」

善子「な、なんですってぇ…」グデェ

花丸ママ「あら、まだ居たの?学校行かなくて大丈夫?」

善子「えっ」

花丸「わわっ!もうこんな時間だよ!」

ルビィ「ピギィイイ!は、早く行かなくちゃ!!」バタバタ

花丸「行ってきまーす!」ダッ

よしルビ「「お邪魔しましたー!」」ダダッ

花丸ママ「いってらっしゃ〜い」

スフィンクス「?」キョトン
0032名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:37:59.53ID:+hLJjyDw
花丸「はぁ…はぁ…ま、まってぇ」タッタッタッ

善子「へばってる場合じゃないわよずら丸!とにかく走りなさい!」タッタッタッ

ルビィ「よ、善子ちゃん、いま何時ぃ?」タッタッタッ

善子「今はそんなこと確認してる余裕ないわ!」タッタッタッ

ルビィ「えぇ〜…」タッタッタッ

善子「よし、まだ校門が開いてるわ!ギリギリ間に合って…」バッ

ダイヤ「ませんわよ?」

善子「ふべっ!」ツルッ ズサー
0033名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:38:27.63ID:+hLJjyDw
ルビィ「お、おねえちゃん…」

花丸「はぁ…はぁ…やっと着いたずら…あ」

ダイヤ「あらあら、3人揃って遅刻とは随分仲がよろしいのですね」ニコッ

ルビィ「あわわ…」

花丸(なんかまずい空気ずら)

善子「うぐぐ…そ、そうなのよ〜…じゃあ私達はこれで…」ソソッ

ダイヤ「お待ちなさいっ!」クワッ

善子「」ビクッ

ルビィ(善子ちゃんが動けなくなっちゃったよぉ)

花丸(さながら神様に睨まれた堕天使ってとこずら)
0034名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:38:57.25ID:+hLJjyDw
ダイヤ「何事もなかったかのように去ろうとするとはいい度胸ですわね、全く」テクテク

ダイヤ「ん…レトルトパウチに、『猫の飼い方』…?」

善子「えっ!?」チラッ

善子(し、しまったぁ〜!急いで出発したからかばん開けっ放しで、しかも転んだせいで全部中身が出てるぅ〜!)ガビーン

善子(よりにもよって、なんでこんな時に不幸体質が発動するのよ!これじゃ最近猫を飼い始めましたって言ってるようなもんじゃない!)

善子(ダイヤにだけはあのことがバレてはいけないわ!ここは何か言い訳を…)

ダイヤ「…とにかく、3人とも放課後に生徒会室まで来ること」

ダイヤ「早く教室に行きなさい、そろそろホームルームが始まる時間ですわ」スタスタ

善子「あ、はい…(助かったの…?)」ヘタッ

花丸「行っちゃった…」

ルビィ「おねえちゃん…」
0035名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:39:24.75ID:+hLJjyDw
〜放課後〜

善子「うぅ…緊張する…」

花丸「別に遅刻の理由を言いに行くだけだからそんなに気を張る必要ないずら」モグモグ

善子「いくらなんでもあんたは落ち着きすぎでしょ!」

善子(とりあえず言い訳は考えたわ…後は臆さないで突っ切るだけよ…!)

ルビィ「…」
0036名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:40:15.55ID:+hLJjyDw
コンコン
三人「「「失礼しまーす」」」
ガララッ

ダイヤ「お待ちしておりましたわ、立ち話もなんですからどうぞ座ってくださいまし」

善子「はあ」

ダイヤ「さて、まず今朝遅刻した理由を聞きたいところですが、私が知りたいのは別のことです」

ダイヤ「単刀直入に聞きます、あなたたち、何か隠し事をしてますわね?」キッ

善子「へっ!?」ビクッ

善子(まさか今朝の一件だけで悟られたっていうの!?)

善子「ええと…それはその…」アタフタ

善子(くうぅ…まずは遅刻の言い訳をするつもりだったのに…まさか先にそこを突っ込まれるとは…)

花丸(善子ちゃん、完全に動揺してるずら)
0037名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:40:35.23ID:+hLJjyDw
ダイヤ「どうしたんですの?何かやましいことでも?」ジッ

善子(な、何かうまい言葉を…)

ルビィ「おねえちゃん!」

善子「!?」

ダイヤ「ルビィ?」

花丸「…」

ルビィ「あのね!ルビィたち、実は猫さんを飼ってるの!」

善子(ちょっ、ルビィィィ!!!)
0038名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:41:06.35ID:+hLJjyDw
ダイヤ「なるほど、それで今朝の善子さんの持ち物…それで、どこで飼っているんですの?」

ルビィ「うん、花丸ちゃんのお家で飼ってるよ」

善子(お、終わった…)

ダイヤ「そう…そういうことでしたら、隠し立てせずに言ってくれればよいのに」

善子「…へ?」

ダイヤ「隠し事はそれだけですか?」

ルビィ「うん」

ダイヤ「全く、妙にコソコソするからつい勘繰ってしまいましたわ」
0039名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:42:16.43ID:+hLJjyDw
ダイヤ「最近ルビィがやたら早く家を出てたのも、そのためだったのですのね」

善子「お、怒らないの…?」

ダイヤ「…?なんのことですの?」

善子「いや…私たちが猫を飼っていること…」

ダイヤ「はあ?なんで私がそんなことを怒らなければならないんですの?」

ダイヤ「別にあなた達が何を飼っていようが、法に触れてない限りはとやかく言う権利はありませんわ」

善子「…」ポカーン

花丸(なんとなく予想出来た展開ずら)
0040名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:43:04.23ID:+hLJjyDw
ダイヤ「大切な命には変わりありませんから、きちんと育てるのですよ」

ルビィ「うん!」

花丸「はい!」

善子(うぅ…なんか心配して損したわ…)ハァー

ダイヤ「さあ、もう用件は済みましたから練習へ行きn…そういえば今朝遅刻した理由を聞いてなかったですわね」

ルビィ「あっ…」

花丸「えっと…」

善子「ああ!それならその猫と遊んでたらうっかり遅刻しちゃったのよ!」ケラケラ

ルビ丸((あ))
0041名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:43:50.69ID:+hLJjyDw
ダイヤ「猫と遊んでて遅刻した…ですか…」ゴゴゴゴ

善子(…ん?)

花丸(あちゃー、安心しきって完全にさっき考えた言い訳を忘れてるずら)

ルビィ「あわわ…」

ダイヤ「よくもそんな理由で遅れてヘラヘラしてられますわね!善子さん!」クワッ

善子「ひっ!?」ビクッ

ダイヤ「罰として今日の練習は特別メニュー!お覚悟なさい!」クワワッ

三人「「「そ、そんなぁ〜」」」

ダイヤ「もしも今後猫を理由に遅刻しようものなら、その度に特別メニューを追加しますわ!」

ダイヤ「さあ!早くお行きなさい!」ビシッ

三人「「「し、失礼しました〜…」」」ガララッ
0042名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:44:19.17ID:+hLJjyDw
ダイヤ「全く、気が緩んでいる証拠ですわ」ハァー

ダイヤ「しかし、いつも善子さんからやたら警戒されてるような気がするのですが、気のせいでしょうか」

鞠莉「あら〜?その辺りはちゃんと気づいていたのね〜」ヒョコッ

ダイヤ「ちょっ…鞠莉さん!?いきなり現れないでください!」ビクッ

鞠莉「ダイヤはね、いつもちょ〜っと怒り過ぎなのよね〜」

ダイヤ「そんなことありません、私は然るべき対応をしているだけです」

ダイヤ「たまたま素行の悪い善子さんに対して、その頻度が高くなってしまっているに過ぎませんわ」

鞠莉「ワオ!やっぱりそんなこと言っちゃう!?やっぱりダイヤは硬度10のカチコチ石頭さんね!」ケラケラ

ダイヤ「なっ、石頭…」ゴゴゴゴ

鞠莉「わー!ダイヤが怒ったー!浦の星が倒壊するー♪」ダッ

ダイヤ「こら!待ちなさい、このシャイニー娘!」ダッ
0043名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:44:52.23ID:+hLJjyDw
〜屋上〜

花丸「はぁ…はぁ…善子ちゃんのせいでとんだとばっちりにあってるずら」

善子「何よ、遅刻したのは全員一緒でしょ…」

ルビィ「でもあの言い方じゃ絶対おねえちゃん怒るよぉ…」

果南「ほらほら、おしゃべりしてると集中力切れるよ〜」

善子「ぐっ…なんでよりにもよって監視役がこの人なのよ…」プルプル

ルビィ「多分一番ストイックそうだからじゃないかな…おねえちゃんだったら絶対そういう人選ぶもん…」プルプル

花丸「も、もう無理…」プルプル

ガチャ
千歌「こんちかー!…ってうわっ!何やってんの!?」

曜「わー!なんか楽しそうだねっー!」

梨子「えぇ…?」
0044名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:45:31.73ID:+hLJjyDw
果南「お、3人とも来たね、ダイヤと鞠莉は今日来れないから先にいつもの練習始めてていいよ」

千歌「ええと…果南ちゃんたちは何してるの?」

果南「ああ、これ?これは黒澤式超体幹トレーニングだって」

果南「今朝学校を遅刻したペナルティらしいんだけど、その監視役を頼まれちゃったんだよね」

梨子「なるほど…」

果南「いやぁ、一年生たちも災難だよね〜…あ、ほらそこ!姿勢が乱れてるよ!」ピシッ

善子「お、鬼…」グヌヌ

曜「流石果南ちゃん、ノリノリだね〜」

千歌「…とりあえずストレッチしようか」

梨子「そうだね…」

果南「はいそこまで!じゃあ今のをもう10セットいってみようか!」

3人「「「ひえぇ〜…」」」
0045名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:46:21.20ID:+hLJjyDw
・・・

果南「はい、今日の練習終わり!お疲れ様!」

ようちかりこ「「「お疲れ様でしたー!」」」

よしまルビィ「「「」」」チーン

梨子「うわぁ、3人とも完全にダウンしてる…」

曜「普通の練習に加えて特別メニューもやったから流石にね」

果南「あはは、ちょっと厳しくしすぎちゃったかな?」

千歌「それにしても、今日はなんで3人揃って遅刻したりしたの?」

善子「スフィン…クス…」

千歌「え?」

善子「魔獣スフィンクスと闇の遊戯を行ったが故、運命の刻は過ぎたり…」ガクリ

曜「わかった?」

梨子「全然」
0046名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:47:04.23ID:+hLJjyDw
花丸「…猫と遊んでいたら遅刻したずら」

梨子「ああ、そういうこと…」

曜「猫って野良の?」

花丸「ううん、飼ってるよ」

千歌「ええ!?猫なんて飼ってたの!?」

ルビィ「うん、花丸ちゃんのお家にいるんだ」

千歌「いいないいなー!私も見たい―!」

善子「良いでしょう、我がリトルデーモン・スフィンクスの姿をその目に焼き付けなさい!」バッ

曜「あ、復活した」
0047名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:47:27.84ID:+hLJjyDw
善子「そうと決まれば、そのままずら丸の家まで向かうわよ!」ギラン

花丸「だからそれは善子ちゃんのセリフではないずら」

梨子「急に押しかけたりして大丈夫?」

花丸「大丈夫だよ、どうせルビィちゃんと善子ちゃんがこのあと来ることになってたから」

曜「それじゃあお言葉に甘えてお邪魔するであります!」

千歌「やったー!あ、果南ちゃんも行こうよ!」

果南「え、私もいいの?」

花丸「勿論いいよ、今日のことは一生許さないけど」

果南「えぇ…」

ルビィ(おねえちゃんのせいで果南さんが花丸ちゃんに怨まれてるよぉ)

善子(AZALEAの危機ね…)
0048名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:48:05.26ID:+hLJjyDw
〜国木田家〜

善子「いでよ!我がリトルデーモン・スフィンクス!」ガララッ

花丸「やかましいずら」ペシッ

スフィンクス「ミャー」トテトテ

千歌「かわいいー!♥」

梨子「ほんとにまだ小さいんだね」

花丸「まだ生まれてから1ヶ月も経ってないみたい」

曜「黒猫かー…なんか善子ちゃんっぽいね!」
0049名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:48:46.23ID:+hLJjyDw
善子「それだけじゃないわ…この子はね、オッドアイなのよっ!」ババーン

千歌「オッドアイ?」ナデナデ

花丸「左右で目の色が違うんだよ」

梨子「あ、確かに右が青で、左が緑なんだね」

果南「ますます善子っぽいね」クスッ

善子「ふふん」

花丸「別に善子ちゃんが得意気になることじゃないずら」ジトー

曜「それにしても、花丸ちゃん家くらい広ければ、スフィンクスも退屈しなそうだね!」

花丸「うーん、それはあんまり関係なさそうかな」
0050名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/02(木) 05:49:14.86ID:+hLJjyDw
果南「ん?広いほうが走り回ったりしやすそうだけど…」

ルビィ「スフィンクスちゃん、善子ちゃんが来る時間以外は基本おとなしくしてるらしいんです」

花丸「いつもあの座布団の上で座ってるか寝てるずら」

果南「ほほう、それはなかなかの忠誠心…」

善子「よし、今日こそは普通に遊…って、痛いからやめなさいってば!」

千歌「あはは!善子ちゃん遊ばれてる!」ケラケラ

スフィンクス「♪」ガジガジ

果南「…なのかな?」アハハ

花丸「とてもそうは思えないずら」
0052名無しで叶える物語(茸)
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2017/11/02(木) 11:15:33.24ID:+WMzHkW5
面白い
0058名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 14:44:06.05ID:vB1MeXbK
〜数ヵ月後〜

善子「ふふ…今日もこの時がやってきましたね…」

善子「今日こそ…今日こそ見せなさい…あなたの真の力を!」

スフィンクス「…」

ルビィ「…ゴクリ」

花丸「…」モグモグ

善子「さあ…行くわよ…!」

スフィンクス「!」
0059名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 14:45:13.96ID:vB1MeXbK
善子「お手!!!!」バッ

シーン

スフィンクス「…」トテトテ

スフィンクス「♪」スリスリ

善子「だからなんでよっ!!!」

花丸「いや無理に決まってるずら」

ルビィ「うーん、やっぱり猫さんには難しいのかも」

善子「スフィンクスはヨハネのリトルデーモンなのよ!だから無理なことなんてあんまりないはずよ!」

花丸「そんな無茶な…」

スフィンクス「zzz…」ゴロゴロ
0060名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 14:46:44.97ID:vB1MeXbK
花丸ママ「あなたたち、そろそろ学校行かないと遅刻するわよ?」ガラッ

ルビィ「あ、もうこんな時間だね」

花丸「特別メニューはもう勘弁ずら」

善子「ほら、もう学校行くから降ろすわよ」ヒョイ

スフィンクス「ンニャ…」ポケー

花丸ママ「いってらっしゃ〜い」

三人「「「いってきま〜す!」」」

スフィンクス「zzz...」スピー
0061名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 14:55:25.09ID:vB1MeXbK
ワイワイ ガヤガヤ ニギニギ

先生「はーい静かに、それでは朝のホームルームを始めます」

先生「今日は皆さんに連絡事項があります」

先生「最近、この内浦周辺で野犬の被害が出ているそうです」

ザワザワ...ザワザワ...

先生「目撃情報によるとその野犬は、長毛の大型犬で、ペットショップにも売られている犬種とのことです」

先生「とにかく危険ですので、見つけても絶対に近づいたりせず、しばらくは複数人で帰るように心がけてください」

ザワザワ...ザワザワ...
0062名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 15:02:02.30ID:vB1MeXbK
善子(ペットショップで売られてる...つまり誰かに捨てられたってことよね)

善子(ほんと、人間って勝手な生き物ね...)

善子(...もしあの時にスフィンクスを拾ってなかったら...野良猫にでもなってたのかしら...)

花丸「おーい」

善子(...)

花丸「善子ちゃんてばー!」
0063名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 15:03:31.32ID:vB1MeXbK
善子「うわっ!何よっ!?」ビクッ

ルビィ「善子ちゃん、今日は一時間目から移動教室だよ」

花丸「早く行かないと遅れちゃうずら」

善子「あっ、忘れてた!早く準備しないと...」スカッ

ドサァ...

ルビィ「あ、かばんの中身が全部...」

善子「だからなんでこうなるのよ...」シクシク

花丸「やれやれずら...」
0064名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 15:06:33.42ID:vB1MeXbK
〜放課後〜

花丸「ただいま〜」ガララッ

スフィンクス「ニャーン」

善子「よしよーし、ご主人さまのお帰りだぞー」ナデナデ

スフィンクス「ゴロゴロ...」

善子「しっかしあんた、今日もずっとこの座布団の上にいたのね」

ルビィ「お気に入りなのはいいけど、流石に飽きちゃわないかなぁ」

花丸「えー、おらは別にいいと思うけどなぁ」

スフィンクス「ンニャー」スリスリ
0065名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 15:13:52.00ID:vB1MeXbK
善子「う〜ん…」ブツブツ

ルビィ(善子ちゃん、急に考え込んでどうしたんだろ?)

花丸(なんかまたろくでもないこと言い出しそうずら)

善子「よし!決めたわ!この子の城を用意するわよ!」

ルビィ「お城ぉ!?」

花丸「やっぱり変なこと言い出したずら〜」

善子「変なこととは何よ!…猫といったら高い所に登るもの、この子はこんな地べたの座布団なんかにいつまでも収めるようなタマじゃないわ」
0066名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 15:16:57.95ID:vB1MeXbK
花丸「それで、城って具体的にどんなの?」

善子「それは…こんなのよ!」スマホ

花丸「これは…」

ルビィ「あ、キャットタワーってやつだね」

花丸「城って言うほど大層なものでもないずら」

善子「うっさいわね!その辺は別になんだっていいのよ!」

ルビィ「でもこれ、結構なお値段…」

花丸「おらも今月は本を買っちゃったから、もうお小遣い残ってないよ」

善子「うぐ…私も儀式道具を買ってしまったせいで…」

ルビィ「う〜ん、どうしようか」

???「それだったら作ってみてはどうじゃ?」
0067名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 15:18:23.85ID:vB1MeXbK
善子「何奴っ!?」クルッ

花丸「あ、おじいちゃん」

ルビィ「こんにちは」

花丸爺「いらっしゃい、二人とも」

善子「お邪魔してます」ペコリ

花丸「それよりもおじいちゃん、自分たちで作るってまさか」

花丸爺「無論、そのままの意味じゃよ」

ルビィ「えぇっ!?そんなことルビィたちに出来るかなぁ?」

花丸爺「それをちょっと見せてみなさい」

善子「あ、はい」
0068名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 15:21:00.31ID:vB1MeXbK
花丸爺「ふむ、木の板なら納屋に残ってるし、柱には裏の竹林の竹を使うと良いじゃろう」

花丸爺「簡単なもんでよければそれで作れるぞ」

花丸「でも、流石にまる達だけじゃ…」

花丸爺「安心せい、わしも手伝う」

善子「本当ですか!?ありがとうございます!」

ルビィ「よかったね、スフィンクスちゃん!」

スフィンクス「?」キョトン

花丸爺「それじゃあ早速、今度の日曜日にでも作るかの」

三人「はーい!」
0069名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 15:50:15.63ID:vB1MeXbK
〜黒澤家〜

ルビィ「ふんふふーん♪」

ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「あ、おねえちゃん!どうしたの?」

ダイヤ「猫のお世話はきちんと出来ていますか?」

ルビィ「うん!毎日ごはんあげたり遊んであげたして、おかげでルビィもお寝坊しなくなったんだ!」

ダイヤ「そう、それはよかったですわね」フフ
0070名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 15:51:06.53ID:vB1MeXbK
ルビィ「えへへ〜、今度の日曜日にね、スフィンクスちゃんにお城を作ってあげることになったの!」

ダイヤ「お城…ですか」

ルビィ「あ、キャットタワーのことだよ!はいこれ!」スマホ

ダイヤ「ふむ…」

ルビィ「スフィンクスちゃんが喜ぶもの、作れるといいな〜」

ダイヤ「なるほど…ルビィ、ちょっと」

ルビィ「ん、なあにおねえちゃん?」
0072名無しで叶える物語(プーアル茶)
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2017/11/03(金) 18:30:24.53ID:SiK6vyp9
〜日曜日〜

善子「堕天使ヨハネ、ここに降臨!」ガララッ

花丸爺「やあ、おはよう善子ちゃん」

善子「あ、おはようございます」ペコリ

花丸爺「みんなならもう、納屋で道具の準備をしてるよ」カキカキ

善子「ありがとうございます」

善子(ん?みんな…?)
0073名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 18:32:25.78ID:vB1MeXbK
花丸「あ、善子ちゃんきたよ」

ルビィ「おはよう、善子ちゃん!」

善子「ヨハネよっ!…早速準備に励んでいるようね、リトルデーモン」

ダイヤ「くだらないこと言っていないで、早くあなたも手伝いなさい」

善子「げぇっ!?だ、ダイヤ!?」

ダイヤ「人の顔を見て『げぇっ!?』とはなんですか、失礼な」

善子「な、なんであなたがここに…」

ルビィ「ルビィが今日のこと話したらね、おねえちゃんも是非手伝いたいって」

花丸「ダイヤさんなら頼りになるし、人数が多いに越したことはないずら」

ダイヤ「ということで、今日はよろしくお願いします」

善子「うぅ…はいぃ…」
0074名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 18:35:05.66ID:vB1MeXbK
ルビィ「そういえばおねえちゃん、まだスフィンクスちゃんのこと見てなかったよね?」

ダイヤ「そうですわね、折角ですから一度お目にかかりたいですわ」

善子「そう!?それなら今すぐ…」

花丸(あ、元気になった)

ダイヤ「準備が終わったあと、にしましょうね?」

善子「アッ、ソウデスネ…」

花丸(またしぼんだずら)
0075名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 18:36:09.44ID:vB1MeXbK
花丸「この部屋ずら」ガララッ

スフィンクス「ンニャー」トテトテ

善子「おー我がリトルデーモン・スフィンクスよ」ナデナデ

ダイヤ「へぇー、これが…」

スフィンクス「!」ビクッ

スフィンクス「フシャアアアアア!!!」シュタッ

よしまルビィ「「「!?」」」

ダイヤ「んなっ…」
0076名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 18:37:09.06ID:vB1MeXbK
ルビィ「す、スフィンクスちゃんが…」

花丸「ダイヤさんに威嚇してるずら…!」

善子「や、やめなさい!!!」ヒョイ

スフィンクス「ヴヴヴヴヴヴ…」

花丸「今まで誰にも威嚇したことなかったのに…」

善子(コラー!余計なこと言うんじゃないわよー!!!)

ルビィ「お、おねえちゃん…」オロオロ

ダイヤ「…」プルプル
0077名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2017/11/03(金) 18:39:27.20ID:vB1MeXbK
花丸「ダイヤさん、大丈夫?」

ダイヤ「ええ、大丈夫です…それでは行きましょうか…」ズーン

ダイヤ「…」ユラァ〜

花丸「ずらぁ…」

ルビィ「どうしよぉ…」

善子「スフィンクス!なんてことするのよ!」

スフィンクス「…」プイ

善子(うぅ、今日一日どう過ごせばいいのよ…)
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